大学の推薦はいつ決まる?

大学受験

大学の推薦はいつ決まる?推薦の種類による合否発表までのスケジュール

「推薦入試の結果はいつわかるの?」「出願から合格発表まで何ヶ月かかる?」推薦入試を検討する受験生にとって、スケジュールの把握は準備計画の第一歩です。推薦入試は一般入試と異なり、選抜方式によって出願時期・試験実施日・合格発表日が大きく異なります。本記事では、総合型選抜・学校推薦型選抜・指定校推薦それぞれの具体的なタイムラインと、国公立・私立の違い、さらに合格後の手続きまで、5つの視点から徹底解説します。

目次

  1. 推薦入試の年間スケジュール全体像|選抜方式別カレンダー
  2. 総合型選抜のスケジュール|出願から合格発表までの詳細
  3. 学校推薦型選抜のスケジュール|公募制と指定校制の違い
  4. 国公立大学と私立大学のスケジュール差|併願戦略への影響
  5. 合格発表後のスケジュールと逆算型準備計画

1. 推薦入試の年間スケジュール全体像|選抜方式別カレンダー

推薦入試は、文部科学省の定める「大学入学者選抜実施要項」により、選抜方式ごとに出願開始時期が明確に規定されています。この規定を理解することが、受験計画の基礎となります。

自己推薦文の例文と書き方のコツ 自己推薦文が面接の資料となります。しっかり読んでおこう。

【文部科学省規定による出願解禁日】
総合型選抜: 9月1日以降に出願受付開始、11月1日以降に合格発表
学校推薦型選抜: 11月1日以降に出願受付開始、12月1日以降に合格発表
この規定により、どの大学も基本的にこのスケジュールの範囲内で選抜を実施します。

【推薦入試の全体タイムライン(標準モデル)】

■4月~7月(高校3年生春~夏)
この時期は「情報収集と志望校絞り込み」のフェーズです。各大学の募集要項(前年度版)を確認し、出願資格・選抜方法・求める人材像を研究します。オープンキャンパスや進学説明会に参加し、大学の雰囲気や教育内容を直接確認します。また、志望理由書の下書きを始め、自分の経験と志望分野を結びつける作業を開始します。

■8月~9月(夏休み~初秋)
「出願書類準備の最終段階」です。8月上旬に各大学の最新募集要項が公開されるため、必ず最新版を入手します。志望理由書、活動報告書を完成させ、高校の先生に添削を依頼します。調査書の発行準備(高校への依頼)も開始します。総合型選抜を志望する場合、この時期に出願書類を完成させる必要があります。

■9月~10月(総合型選抜のピーク)
多くの私立大学で総合型選抜の出願が始まります。出願締切は大学によって9月中旬~10月中旬と幅があります。第一次選考(書類審査)の結果が9月下旬~10月中旬に発表され、通過者は第二次選考(面接・小論文・プレゼンテーション等)に進みます。第二次選考は10月中旬~11月上旬に実施されます。

■11月~12月(学校推薦型選抜と総合型選抜の合格発表)
11月に入ると学校推薦型選抜の出願が始まります。出願締切は11月上旬~中旬が一般的です。試験は11月中旬~12月上旬に実施され、合格発表は12月上旬~中旬が中心です。総合型選抜の最終合格発表も11月に集中し、多くの受験生がこの時期に進路が決定します。

■1月以降
推薦入試で不合格だった場合、あるいは推薦入試に出願しなかった受験生は、一般選抜(共通テスト・個別試験)に臨みます。推薦入試合格者は、入学前教育(課題提出、スクーリング等)が始まる大学もあります。

2. 総合型選抜のスケジュール|出願から合格発表までの詳細

総合型選抜は選抜プロセスが複数段階に分かれているため、スケジュールが複雑です。大学ごとの違いを理解し、出願計画を立てることが重要です。

【総合型選抜の標準的スケジュール(私立大学の例)】
募集要項公開: 7月下旬~8月上旬
出願期間: 9月1日~9月中旬(早い大学は9月15日締切、遅い大学は10月中旬)
第一次選考(書類審査)結果発表: 9月下旬~10月上旬
第二次選考(面接・小論文等): 10月上旬~11月上旬
最終合格発表: 11月1日~11月中旬
入学手続締切: 11月下旬~12月上旬

【出願から合格まで約2~2.5ヶ月】
総合型選抜では、9月上旬に出願してから最終合格発表まで約2~2.5ヶ月かかるのが一般的です。この間、第一次選考の結果を待ち、通過したら第二次選考の準備をし、最終結果を待つという3段階のプロセスを経ます。精神的な負担も大きいため、この期間の過ごし方を事前に計画しておくことが大切です。

【複数回実施型のスケジュール】
多くの私立大学では、総合型選抜を年2~3回実施しています。例えば:

  • 第1回(9月型): 出願9月上旬、合格発表11月上旬
  • 第2回(11月型): 出願10月下旬、合格発表12月上旬
  • 第3回(12月型): 出願11月下旬、合格発表1月中旬

第1回で不合格でも第2回に再挑戦できる大学や、異なる学部・学科への出願が可能な大学もあります。ただし、第2回・第3回は募集人員が少なく競争率が上がる傾向があるため、第1回での合格を目指すことが基本戦略です。

【国公立大学の総合型選抜スケジュール】
国公立大学も文部科学省規定に従いますが、共通テストを課す大学では注意が必要です:

  • 共通テストなし: 出願10月~11月、試験11月、合格発表12月上旬(早い大学は11月)
  • 共通テストあり: 出願10月~11月、第一次選考11月~12月、共通テスト後の最終選考1月下旬、最終合格発表2月中旬

共通テストを課す国公立大学の総合型選抜は、最終合格発表が2月になるため、実質的に一般選抜と並行して準備を進める必要があります。

3. 学校推薦型選抜のスケジュール|公募制と指定校制の違い

学校推薦型選抜は、総合型選抜より約2ヶ月遅いスケジュールで進行します。公募制と指定校制では、校内選考のタイミングに違いがあります。

【学校推薦型選抜(公募制)の標準スケジュール】
募集要項公開: 8月~9月
校内選考: 10月上旬~中旬
出願期間: 11月1日~11月中旬
試験実施日: 11月中旬~12月上旬
合格発表: 12月上旬~12月中旬
入学手続締切: 12月下旬~1月上旬

【指定校推薦の特殊なスケジュール】
指定校推薦は、大学が特定の高校に推薦枠を与える制度で、独自のスケジュールで進行します:

  • 推薦枠の通知: 6月~7月(高校に大学から通知が届く)
  • 校内選考の説明会: 9月上旬~中旬
  • 校内選考の出願: 9月中旬~下旬(高校内で希望者が応募)
  • 校内選考結果発表: 10月上旬
  • 大学への出願: 11月上旬~中旬
  • 大学での選考(面接等): 11月中旬~下旬
  • 合格発表: 12月上旬

指定校推薦の最大の特徴は、校内選考が最も重要という点です。校内選考を通過すれば、大学での選考はほぼ形式的で、不合格になることは極めて稀です。そのため、実質的な「合否決定」は10月上旬の校内選考結果発表の時点といえます。

【国公立大学の学校推薦型選抜スケジュール】
国公立大学の学校推薦型選抜も、文部科学省規定に従いますが、共通テストの有無で大きく異なります:

  • 共通テストなし(旧推薦入試Ⅰ): 出願11月上旬、試験11月下旬~12月上旬、合格発表12月中旬
  • 共通テストあり(旧推薦入試Ⅱ): 出願11月上旬、第一次選考12月中旬、共通テスト受験1月中旬、最終合格発表2月上旬

共通テストを課す国公立大学の場合、合格発表が2月になるため、「早期に進路決定」という推薦入試のメリットが薄れます。ただし、共通テストの得点基準が一般選抜より低めに設定されることが多く、学力面でのアドバンテージはあります。

4. 国公立大学と私立大学のスケジュール差|併願戦略への影響

国公立大学と私立大学では、推薦入試のスケジュールに明確な違いがあり、この差を理解することで効果的な併願戦略を立てられます。

【私立大学の特徴: 早期決定型スケジュール】
私立大学の推薦入試は、総合型選抜なら11月、学校推薦型選抜なら12月に合格発表があり、年内に進路が確定します。これにより、精神的な余裕が生まれ、残りの高校生活を充実させられるメリットがあります。また、不合格の場合でも、1月~2月の一般選抜に向けた準備時間が十分にあります。

【国公立大学の特徴: 共通テストとの関係】
国公立大学の推薦入試は、共通テストを課すか否かで大きく2つに分かれます。共通テストを課さない推薦入試は12月中旬に結果が出ますが、共通テストを課す推薦入試は2月上旬の合格発表となり、一般選抜(前期日程)の出願締切(2月上旬)とほぼ同時期です。

このため、共通テストを課す国公立推薦では、推薦・一般両方の準備を並行して進める必要があります。特に、推薦入試で不合格の場合、すぐに一般選抜(前期日程・後期日程)に切り替えられるよう、共通テスト対策と二次試験対策を怠らないことが重要です。

【併願可能なスケジュールパターン】
推薦入試の併願戦略を考える際、スケジュールの重なりに注意が必要です。以下、実現可能な併願パターンを示します:

パターン1: 私立総合型→私立学校推薦型→国公立学校推薦型

  • 9月: 私立A大学 総合型選抜 出願・受験
  • 11月上旬: A大学 合格発表(不合格の場合、次へ)
  • 11月: 私立B大学 学校推薦型(公募制・併願可)出願・受験
  • 11月: 国公立C大学 学校推薦型(共通テストなし)出願
  • 12月: B大学・C大学 合格発表

このパターンでは、複数のチャンスを確保しつつ、12月までに進路を決定できます。

パターン2: 私立推薦(併願可)複数校+国公立一般の保険

  • 9月~11月: 私立D・E大学 総合型選抜または学校推薦型(併願可)に出願
  • 11月~12月: 合格発表
  • 並行して共通テスト対策を継続
  • 1月: 共通テスト受験(推薦不合格の場合の保険)
  • 2月: 国公立一般選抜(前期)出願・受験

このパターンは、推薦入試にチャレンジしつつ、国公立一般選抜も視野に入れる「リスク分散型」です。

【併願できないケースに注意】
多くの大学では、「専願制」の推薦入試を実施しています。専願制とは、合格したら必ず入学することを条件とする制度です。専願制の推薦入試に合格した場合、他大学の受験を辞退する必要があるため、第一志望校以外には専願制で出願しないことが鉄則です。募集要項で「専願」「併願可」を必ず確認しましょう。

5. 合格発表後のスケジュールと逆算型準備計画

推薦入試の合格発表後にも、重要な手続きとスケジュールがあります。また、合格から逆算した準備計画を立てることで、効率的に受験準備を進められます。

【合格発表後の手続きスケジュール】
合格通知を受け取った後、以下の手続きを期限内に完了する必要があります:

  • 入学金納入: 合格発表後1~2週間以内(私立は12月中旬~下旬、国公立は12月下旬~1月上旬)
  • 入学手続書類提出: 入学金納入後1週間以内
  • 授業料等納入: 2月~3月(大学により異なる、分納可能な大学も)
  • 入学前教育: 12月~3月(課題提出、eラーニング、スクーリング等)

入学金の納入期限は厳格であり、1日でも遅れると入学資格を失うため、合格発表日を確認したら、すぐに納入スケジュールを把握しましょう。特に、複数の大学に合格した場合、入学金の二重納入が発生することがあります。私立大学では、入学金は返還されないケースが多いため、経済的な負担も考慮が必要です。

【入学前教育のスケジュール】
近年、多くの大学が推薦入試合格者に対して「入学前教育」を実施しています。これは、一般入試組との学力差を埋めること、大学での学習にスムーズに移行することを目的としています。

  • 課題型: 指定された書籍の読書感想文、レポート作成(12月~3月に複数回提出)
  • eラーニング型: オンライン学習システムで英語・数学等を学習(進捗状況を大学が確認)
  • スクーリング型: 月1回程度、大学に通って講義を受講

入学前教育を怠ると、入学後の単位認定に影響したり、最悪の場合は入学取り消しとなるケースもあるため、真剣に取り組む必要があります。

【逆算型準備計画の立て方】
推薦入試の準備は、合格発表日から逆算して計画することで、無駄のない受験準備が可能になります。以下、11月中旬に合格発表がある総合型選抜を例に、逆算スケジュールを示します。

11月中旬: 合格発表(ゴール)

10月中旬~11月上旬: 第二次選考(面接・小論文)
→ 必要な準備: 想定質問への回答準備、模擬面接、小論文過去問演習(2週間前から開始)

9月下旬~10月上旬: 第一次選考(書類審査)結果発表

9月上旬~中旬: 出願
→ 必要な準備: 出願書類一式の完成、調査書発行(1ヶ月前に完成)

8月: 最終推敲・完成
→ 必要な準備: 志望理由書・活動報告書の添削依頼、修正(3回以上の推敲)

7月: 初稿作成
→ 必要な準備: 自己分析、大学研究、志望理由の言語化

4月~6月: 情報収集・方針決定
→ 必要な準備: 志望大学リストアップ、オープンキャンパス参加、活動実績の整理

このように、合格発表から逆算して「いつまでに何をすべきか」を明確にすることで、計画的な準備が可能になります。特に、出願の1ヶ月前には書類を完成させることが重要です。ギリギリになって慌てて作成した志望理由書は、内容が浅くなりがちで、合格可能性を下げます。

【不合格だった場合のスケジュール】
推薦入試で不合格だった場合、すぐに一般選抜への切り替えが必要です。11月~12月に推薦入試の結果が出た場合、共通テスト(1月中旬)まで約1~2ヶ月あります。この期間を有効活用し、共通テスト対策に全力を注ぎましょう。

推薦入試の準備(志望理由書作成、面接練習)で学んだ「自分の志望分野への理解」「論理的思考力」は、一般選抜の小論文や面接(二次試験で課す大学の場合)にも活かせます。推薦入試の経験を無駄にせず、前向きに一般選抜に臨むことが大切です。

まとめ

推薦入試の合否決定時期は、選抜方式によって大きく異なります。総合型選抜は11月、学校推薦型選抜は12月、共通テストを課す国公立推薦は2月が標準的なスケジュールです。この違いを理解し、自分の受験戦略に合った選抜方式を選ぶことが重要です。

また、推薦入試は出願から合格発表まで2~3ヶ月かかるため、逆算型の準備計画が不可欠です。「いつまでに何をすべきか」を明確にし、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。特に、志望理由書は出願1ヶ月前の完成を目標に、複数回の推敲を重ねることが合格への鍵となります。

推薦入試のスケジュールを正確に把握し、計画的に準備を進めることで、合格の可能性は大きく高まります。本記事のスケジュール情報を参考に、自分に最適な受験計画を立ててください。

スカイメソッド小論文対策の動画プレゼント!
無料LINE登録で動画を受け取る