【研修医めでぃた先生の医学部ライフレポート】医学部入って後悔したこと、正直に話します

① 6年間、思ってる以上に長くてしんどい

まず、一番の後悔ポイントはとにかく学び続ける期間が長いこと。
6年間、ずっと学生。さらにそのあとも国家試験、初期研修、後期研修と続きます。

「医者って一生勉強なんでしょ？」ってよく言われますけど、実際その通り。
それが好きな人には天職です。でも、**「早く社会に出て自立したい」「働いて自由に暮らしたい」**という人には、医学部はめちゃくちゃ遠回りです。

しかも、留年も珍しくない。自分の代でも1割くらいは何かしらで1年延びています。

② 周囲が優秀すぎて自己肯定感がバグる

2つ目は、周りがとにかく優秀すぎること。

高校までは学年トップ、模試も上位層だった人たちが集まってきます。
でも、医学部に入ると自分よりすごい人がゴロゴロいる世界にいきなり放り込まれます。

・医学オリンピックで入賞してる
・高校生で論文書いてる
・部活やってても成績トップ層

…みたいな人たちです。

そうすると、「自分はなんでここにいるんだろう？」って自己肯定感がどんどん削られていく。
“劣等感との戦い”が始まるという意味では、精神的にしんどくなる人も多いです。

③ 医学部の勉強は「暗記ゲー」で想像以上に地味

3つ目は、勉強の内容が想像以上に地味なこと。

医学って、なんとなく「人の命を救うドラマチックな勉強」って思いませんか？
でも実際は、細かい知識をひたすら暗記する世界です。

例えるなら「生物の教科書を10倍濃くして、倍の量を覚える」みたいな感じ。
それを1〜4年の講義でやって、5〜6年は病院実習と国家試験対策。

もちろん面白い部分もあるけど、「ワクワクするような学問」ではなく、職業訓練に近いです。

正直、「思ってたより夢がないな」と感じた瞬間は何度もありました。

④ 将来の不安は意外と消えない

医学部に入ったら「将来は安泰」と思っている人、結構いるかもしれません。
でも、今の医学生はむしろ“このままでいいのか”という不安と戦っている人が多いです。

医療制度は崩壊しかけてるし、働き方改革で労働時間は減らされても、医療ミスの責任は増えていく。

特に最近は、
・専門医制度が複雑でキャリアが見えづらい
・地方や大学病院の人間関係が体育会系すぎて病む人も
・「開業医になれば勝ち組」というモデルも崩れてきてる

「せっかく医学部まで入ったのに、将来どうしよう」っていう漠然とした不安は、消えるどころかむしろ増えていくというのが現実です。

⑤ 医学部は“人生の選択肢を狭める”リスクもある

これはかなり本質的な話ですが、医学部に入ると別の人生が見えなくなるんです。

6年間、医療のことしか学びません。
ほかの学部のように「インターンでいろんな業界を見る」「3年で就活する」といった柔軟なキャリア選択は、ほぼできません。

もちろん、医者としての道がハマれば問題ないです。
でも、途中で「医者以外の道もいいかも…」って思っても、方向転換はかなり難しい。

医学部は“手堅い”けど、“狭い”という現実を意識しておいた方がいいです。

それでも医学部に行くべきか？

じゃあ「医学部なんて行かない方がいい」かというと、そういう話ではありません。

医療が好き、人の役に立ちたい、勉強が苦じゃない。
そんな人には最高の環境だと思います。

でも、**「なんとなく安定だから」とか「親に言われたから」**みたいな理由だけで選ぶと、
入ってから「なんでここにいるんだろう」と感じるかもしれません。

最後に：後悔しないためにできること

ここまで話してきた内容をまとめると、
医学部は覚悟をもって選ばないと、途中でつらくなる学部だということです。

受験する前に、

• 自分はなぜ医者になりたいのか？
• 医学以外の選択肢はないのか？
• 6年間＋研修という長い道を本当に歩きたいのか？

…そういう問いを、自分自身に何度も投げかけてみてください。

後悔しないために必要なのは「覚悟」と「情報」です。
今日の話が、その一助になればうれしいです。