【推薦入試】島根県立大学 人間文化学部 保育教育学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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島根県立大学 人間文化学部 保育教育学科の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜(一般推薦) 90分]

【問題】 次の文章は、絵本作家へのインタビューに基づく新聞記事である。その文章を読み取り、次の設問に答えよ。

課題の要約文です。

姉と比べて自己評価が低く、孤独を感じつつもそれを意識せず、工作で母親に褒められることが喜びであった。得意なことを活かし職人になる夢を抱き、美術系大学に進学。大学で他人を喜ばせる楽しさに気づき、絵本作家としてデビュー。不登校の子供たちとの交流から「逃げる」テーマの絵本を制作。不登校の子供たちが選択する理由や直感の強さについて言及し、「選ぶ力」の重要性を強調。団体行動が苦手であることや居心地のよい場所を見つける重要性を述べ、息子が不登校でも幸せであることを願う。最後に、若い頃のアドバイスとして自己喜びのコレクションの重要性を伝え、好きなものや強い気持ちが将来を豊かにすると助言している。


[設問1]
下線部1に示された心情について考察したことを、300字以内で述べよ。
[設問2]
ヨシタケシンスケ氏が下線部2の「にげてさがして」というフレーズで読者に伝えたかったメッセージ
について、本文を踏まえてあなたが保育・教育の観点から考えたことを500字以内で述べよ。

出典:朝日新聞(2021年8月29日 朝刊29ページ 東京本社) (with you ~きみとともに~)
自分の居場所探しに行こう 絵本作家 ヨシタケシンスケさん (一部改変)


ポイント

【出題意図】

本問題は、朝日新聞(2021年8月29日朝刊29ページ東京本社)に掲載された記事「(#with
you~きみとともに~)自分の居場所探しに行こう絵本作家ヨシタケシンスケさん」を採用し
た(一部改変)。
本記事は、絵本作家ヨシタケシンスケ氏へのインタビュー記事であり、これまでの人生における絵本
の意義や不登校の子どもたちとのかかわりに基づく想いなどが語られている。この記事で語られている
子どもの多様な個性や特性へのまなざし、および一人ひとりが「幸せになることをゆっくり探してほし
い」という想いは、保育・教育の専門職にとっても共感できることであろう。本記事を題材に取り上げ
ることで、保育者・教育者を目指すものとして、子どもを理解する基本的態度、物事を捉える多様な視
点への関心、課題を探究する力などを受験生に問いたい。
この出題を通じて専門的な視点で内容を読み取り、筆者の伝えたい論点を整理して要約する力(読解
力、分析力)、また自身の知識や経験に基づき、自分の考えを分かりやすく表現する力(論理的思考力、表現力)、最後に保育者・教育者になる上での態度・姿勢に関する捉え方(保育者・教育者としての価値観、資質)といった観点から、受験生が保育教育学科を志望する者としてアドミッションポリシーである思考力・判断力・表現力を有しているかを評価する。

<島根県立大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

[設問1]下線部1では、課題者が姉との比較からくる自己評価の低さや孤独感について触れられています。課題者は姉とは異なり、自分にはできないと考え、孤独であってもそれを意識せず、工作などで母親に褒められることが喜びであることが述べられています。この心情は、他者との比較による自己評価の影響や、承認欲求からくる喜びを通して、課題者の内面の複雑な感情が表れていると考えられます。

​[設問2]下線部2の「にげてさがして」は、不登校の子供たちに向けて「逃げる」ことが決して悪いことではなく、その中で自分を見つけ、生きるための強さを見つける重要性を伝えるメッセージと解釈できます。課題者が不登校の子供たちとの交流を通じて「逃げる」ことの意味に気づき、それを絵本に込めたと考えられます。保育・教育の観点からは、子供たちが学びの中で自分を見つけ、選ぶ力を養うことの重要性が浮かび上がります。「逃げる」ことが必ずしも否定的ではなく、自分探しの一環として受け入れられるべきだという理解を促進するメッセージが含まれていると言えるでしょう。

島根県立大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
浜田キャンパス
島根県浜田市野原町2433-2
JR山陰本線「浜田」駅から大学線バスで「県立大学」下車すぐ
出雲キャンパス
島根県出雲市西林木町151
一畑電車「川跡」駅下車、徒歩5分
松江キャンパス
島根県松江市浜乃木7-24-2
JR山陰本線「乃木」駅から徒歩約25分

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島根県立大学の入試傾向

島根県立大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  1. 入試方法:島根県立大学では、一般入試と推薦入試など、さまざまな入試方法が用意されています。一般入試では、学力試験(国語、数学、英語などの科目)や面接試験が行われることが一般的で、推薦入試は、高校などの推薦を受けた生徒を対象としています。
  2. 選抜倍率:各学部や学科ごとに入試の競争率(選抜倍率)が異なります。選抜倍率は応募者の数や志願者の学力に依存するため、年ごとに変動します。競争が激しい学部や学科では高い選抜倍率が示されることがあります。
  3. 出願要件:出願要件は学部や学科によって異なりますが、高校卒業資格を持つことが一般的な条件でした。また、学力試験の科目や合格基準も学部ごとに異なります。

島根県立大学の募集コース

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入試情報はこちら

国際関係学部 国際関係学科(定員数:90人)

英語・韓国・中国・ロシアなどの言語・政治・社会・文化について学び、国際社会に貢献できる人材を育成する。国際関係学科では、グローバルな視点で多文化共生を学ぶ「国際関係コース」と、言葉や文化から世界を知る「国際コミュニケーションコース」を設け、グローカルな人材の育成を目指す。

地域政策学部 地域政策学科(定員数:140人)

地域が抱える課題について、複眼的な視点から解決策を見出し、地域の発展に貢献できる人材の育成を目指す。
地域政策学科では、経済学・経営学の観点から地域を見つめる「地域経済経営コース」、公共的見地から地域課題をとらえる「地域公共コース」、地域づくりの企画・実践力を養う「地域づくりコース」を設置している。

看護栄養学部(定員数:120人)

看護学科(定員数:80人)

看護学科では、「看護を実践する能力」「相手を理解し協働する能力」「地域の特性と健康課題を探究する能力」の3つの能力を柱に、自ら考え行動できる、視野の広い専門職業人を育成する。

健康栄養学科(定員数:40人)

健康栄養学科では、看護師、保健師などの関連職種との連携を重視したカリキュラムを通じて、超高齢社会において必要とされる在宅栄養ケアの専門的な実践能力を身につける。

人間文化学部(定員数:110人)

幅広い知識と柔軟な思考力・判断力を持って、広く社会で役立つ実践力を備えた人材の育成、地域文化を生かしたまちづくりを目指す。

保育教育学科(定員数:40人)

保育教育学科は、乳幼児から小学校までの発達段階を見通した教育ができる高い専門性を持った人材を育成する。

地域文化学科(定員数:70人)

地域文化学科は、幅広い文化的教養と柔軟な思考力、判断力を持って、広く社会で役立つ実践力を備えた人材を育成する。

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