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- 神戸大学理学部物理学科の概要
- 2022年 100分 字数指定なし 400点/1100点(資、教)
- 2021年 100分 字数指定なし 400点/1100点(資、教)
- 2020年 100分 解答紙内 400点/1100点(資、教)
- 2019年 100分 答用紙枠内 400点/1100点(資、教)
- 2018年 100分 解答用紙内 400点/1100点(数)
- 1 リンゴが木から落ちることを見て万有引力を発見したというニュートンの逸話から330年ほど経ちましたが,近年,人類はロケットを飛ばし宇宙へと進出しています。その一つである国際宇宙ステーション(ISS)は,地上から約300km〜400km上空に建設された巨大な有人実験施設です。1周約90分という速さで地球の周りを回りながら,微小重力空間環境を利用した実験と研究,地球や天体の観測などを行っています。解答に必要であれば,万有引力定数G=6.67428×10-11乗Nㆍm2/kg2,地球の半径R=6350km,地球の質量M=5.98×10の24乗kg,√2≒1.4142,√3≒1.7321,√5≒2.2361を用いなさい。(配点140点)
- 2 電磁誘導という現象は,電磁調理器や非接触型ICカードなど,私たちの生活の多くの場面で利用されています。実際の実用化にはさまざまな工夫が必要です。ここでは2つのコイルを用いた単純なモデルで,電磁誘導による金属中での熱の発生を考えてみよう。図(省略)に示すように,半径の円柱状の鉄心に巻かれたソレノイドコイルL(1m当たりn1巻き)とコイルL2(1巻き,全体の抵抗値R2)を組み合せる。鉄の透磁率をμとして,以下の問1〜4に答えなさい。(配点130点)時刻tにおいて,コイルL1に流れる電流I1(t)が時間△tの間に△I1(t)だけ変化する場合を考える。
- 3 電子などの粒子も波動性をもち,ミクロな世界では重ね合わせの原理や干渉なと波の性質が重要となる。ここでは,正弦波と等速円運動との対応をもちいて,波の合成について調べてみよう。図(略)の右には,横軸が時間t,縦軸が波の変位yの正弦波が描かれている。左には,円とその円周上を動く点が黒丸で示されている。時刻tでの円周上の点をP(t)とし,点P(t)は,円周上を反時計回りに一定の周期Tで回転している。このとき点P(t)のy成分の値が時刻tでの波の変位を表しており,円の半径は波の振幅に対応している。以下の問1〜3に答えなさい。(配点130点)
- 神戸大学理学部物理学科への志望理由書や面接対策として理解を深めておくと良い事柄など
- まとめ
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神戸大学理学部物理学科の概要
物理学は、素粒子、原子、分子、物質、そして宇宙に至るきわめて広い範囲にわたる自然の構造と機能の根本原理を探究する学問です。私たちの身のまわりにある物をどんどん細かく分けていくと最後にはどうなるのでしょうか。私たちの身のまわりの物質は、さまざまな条件下でどんな性質を示すのでしょうか。また、「なぜ」そうなるのでしょうか。
物理学は基礎科学としての自然科学及びその応用科学技術の土台を成す重要な学問分野です。物理学科における教育、先端的研究への参加を通じて、基礎科学への貢献並びに科学技術の進展に寄与できる人材の育成を目指しています。
*(参照)大学の公式HP→神戸大学理学部物理学科
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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後期 理学部物理学科
2022年 100分 字数指定なし 400点/1100点(資、教)
1[資料] 図1点。
問 図のように,水平面とそれぞれa,Bの角度で交わる2つの斜面が向かい合っており,0<,<B<90*である。長さ20,質量Mの一様な棒が紙面と同じ平面内にあり,棒の両端はそれぞれの斜面上に置かれて静止している。棒と水平面のなす角度はであり,棒の太さ,棒と斜面の間の摩擦は無視できるものとする。ここで重力加速度をgとする。以下の問1〜5に答えなさい。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し,解答欄に明示しなさい。(配点140点)
問1 棒にはたらくすべての力とその向きを解答欄の図に示しなさい。
問2 棒が静止しているためには,力のつり合いと力のモーメントのつり合いが成り立たなければならない。それらのつり合いの式を書きなさい。
問3 間2の力のつり合いの式を用いて,問1での力の大きさを求めなさい。
問4 tanθをαおよびβを用いて書き表しなさい。
問5 棒と水平面のなす角度がからずれたとき,棒にはたらく力のモーメントを計算してその向きを答えなさい。その結果から,がどのような運動を始めるか説明しなさい。
2[資料] 図1点。
問 同じ形状をしたコイル1〜3に交流電源が接続されている。それぞれのコイルには同じ振幅,同じ角振動数の交流電流が流れている。ただし,コイル2とコイル3に流れている電流の位相はコイル1に流れている電流の位相に対し、それぞれ誓3分の2πと3分の4πだけ進んでいる。図に示すように3つのコイルを同一円周上に120の間隔で中心Gに向けて配置した。以下の問1〜4に答えなさい。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し,解答欄に明示しなさい。(配点130点)
問1 コイル1〜3に流れている電流〜と時間の関係を図示しなさい。それぞれのコイルが中心Gにつくる磁場の方向はコイルの中心軸方向で,その大きさはコイルに流れている電流の大きさに比例するものとする。ただし、各コイルのつくる磁場は,他のコイルには影響を与えないものとする。また,コイルがつくる磁場以外は無視してよい。
問2 中心Gに方位磁針をおくと,方位磁針はコイルがおかれた平面内で回転した。方位磁針はどちら向きに回転するか答えなさい。また,方位磁針はなぜ回転するのか,その理由を説明しなさい。
問3 方位磁針の回転方向を問2の場合と反対にするためには最初の状態からどのような変更を加えればよいか,その方法を理由とともに答えなさい。
問4 問2で中心Gにおかれた方位磁針を,アルミニウム製の球に置き換えたところ,球の中心をとおる直線(紙面に垂直な方向)を軸として回転した。アルミニウム製の球が回転する理由を説明しなさい。
3[資料] 図1点。
問 高さによる気体の状態変化について考える。以下の問1〜3に答えなさい。ただし,重力加速度は9.8m/sとする。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し、解答欄に明示しなさい。(配点130点)
問1 図のように微小な高さ△zの空気の円柱を考える。この円柱に含まれる空気の密度ρは一定とみなせるとする。空気に対する力のつり合いから,△zに対する空気の圧力変化△ρを求めなさい。
問2 円柱に含まれる空気を理想気体とみなす。空気の平均分子量29,気体定数83J/(mol・K)としたとき,△z=100mに対する空気の圧力変化△ρを有効数字2桁で計算しなさい。ただし、この計算において,円柱内の圧力と温度は,ほぽ一定とみなし,それぞれ1000hPa.27Cとしてよい。次に理想気体とみなせるヘリウムの気体が入った風船が地上からゆっくりと上昇する場合を考える。風船の大きさは上昇する高さに対して十分に小さく,風船は内圧と外圧が等しくなるように自由に大きさを変えることができるとする。また,風船は熱を通さず,へリウムの気体はPVγ=一定を満たす。ここでpは圧力,Vは体積,γは比熱比である。
問3 高さ△zが増加したときのヘリウムの気体の温度変化を△Tとする。高さに対する圧力変化を利用して△z分の△Tを求め,高さに対して温度がどのように変化するか説明しなさい。また,温度が変化する理由を熱力学第1法則を用いて説明しなさい。必要があれば,|x|<1のとき(1+x)”≒1+nxと近似できることを用いてよい。
2021年 100分 字数指定なし 400点/1100点(資、教)
[資料] 図1点。
問 図(省略)のように,ばね定数kのばねを床に固定し,その上に質量Mの板を取り付けて静止させる。このときの板の位置を原典Oとして,鉛直上向きにx軸を取る。位置x=hから質量mの物体を初速0で落下させたところ,物体は板と完全非弾性衝突した。衝突後に板と接している物体は,板から容易に離れることが可能である。また,板と物体はx軸方向にのみ運動するものとし,板と物体のx方向の厚みを無視する。重力加速度をgとする。以下の設問に答えなさい。解答には導出過程も示しなさい。導出の過程で必要な物理量があれば定義して用いてよいが,答には問題文で与えられている物理量のみを用いなさい。(配点140点)
問1 hがある値hoより小さい場合,衝突後の板と物体は単振動を続ける。単振動の周期と,振動の中心の位置を求めなさい。
問2 hがhoより大きい場合,ある位置で物体は板から離れてしまう。その位置を求めなさい。
問3 hoを求めなさい。
問4 問2の場合において,物体を落下させてから,板を離れた後に最高点に達するまでについて,物体の速度vの時刻tに対する変化の概略をグラフであらわしなさい。グラフには,衝突する時刻と物体が板から離れる時刻がどこであるかを図示しなさい。ただし、それらの時刻を具体的に求めなくてよい。
2[資料] 図1点。
問 図(省略)のように,半径がRの円周上に電気量Q(>0)の点電荷を1つ固定する。この電荷の位置を頂点の1つとし,円に内接する頂角がθの二等辺三角形を考える。自由に円周上を移動できる,電気量q(>0)の点電荷が2つあり,それぞれを三角形の底辺の両端の位置に静かに置くと静止した。点線は円の中心Oから底辺へ下した垂線を表し,垂線と底辺との交点をPとする。外部からの電場はなく、重力の影響は無視できるものとする。以下の設問に答えなさい。解答には導出過程も示しなさい。導出の過程で必要な物理量があれば定義して用いなさい。(配点130点)
問1 電気量qの点電荷が受ける力の向きを図に描きなさい。
問2 電気量の比Q分のqによってθが定まることを示しなさい。
問3 電気量qがqくQを満たす場合に,θのとり得る範囲を示しなさい。また,q>Qを満たす場合に,θのとり得る範囲を示しなさい。
問4 線分OP上での電位を、点Pからの距離の関数として表しなさい。ただし、点Oから充分に遠く離れた位置での電位を0とする。
問5 電気量がq=Qを満たす場合に,円を含む平面上での電気力線の概略を図に描きなさい。
3[資料] 図1点,表1点。
問 導体の弦の振動及び外力による変形を考える。図(省略)のように,弦の一端を壁に固定し,他端には滑車を通したのちに質量Mのおもりを取りつけて張力をかけ,弦を紙面に平行に水平に張った。滑車と壁との間には支柱PとQが間隔ℓで置かれている。弦は密度pの材質でできており,弦の断面は半径rの円である。空間には,必要に応じて磁東密度の大きさBの一様な磁場を紙面裏から表に向かってかけることができる。重力加速度をgとする。以下の設問に答えなさい。解答には導出過程も示しなさい。導出の過程で必要な物理量があれば定義して用いなさい。(配点130点)
問1 磁場をかけない状態で,PとQの間に張られた弦PQの基本振動について考える。その振動数”は,張力Sと単位長さあたりの質量σを用いてυ =2分の1ℓαSβσγと表される。両辺の単位を比べることでα,β,γを決定しなさい。また,この結果を使ってυ をM,ℓ,r.p,gから必要なものを用いて表しなさい。
問2 磁場をかけた状態で弦PQに回路を接続し,PからQの向きに大きさIの電流を流したところ,電流が磁場から力を受けた。この力の向きを答えなさい。また,弦PQ上の長さ△xの微小区間の電流が受ける力の大きさを△F=k△xと表すときに,kを求めなさい。
問3 弦の直径を測定したところ2r=1.0×10-1mmであった。また,ℓ=3.0×10cmであった。磁場をかけない状態でM=2.0×10-1kgのおもりを用いて基本振動数を測定した結果,υ=3.0×10二乗Hzであった。次に磁場をかけた状態で大きさI=5.0×10-1Aの電流を流したところ弦はたわみ,弦PQの中点は5.0×10-1mmだけ移動した。問2の条件では,弦PQの中点は張力がSのときδ =kと8S分のℓ二乗だけ移動することが知られている。表を参考にして弦の材質を推測しなさい。また,Bの値を求めなさい。必要であればg=9.8ms-2を用いなさい。
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2020年 100分 解答紙内 400点/1100点(資、教)
1[資料] 図1点。
問 図(省略)のように質量Mの物体を速さVで質量mのくぎに衝突させる。物体の素材を変えることによって,物体とくぎの衝突を弾性衝突から完全非弾性衝突まで変更することができるものとする。また,衝突は十分短い時間で起こるものとし、重力の影響は無視できるものとする。以下の問に,解答の導出過程も含めて答えなさい。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し、解答欄に明示しなさい。(配点130点)
問1 物体とくぎの全運動エネルギーの,衝突によって失われる量を△Kとする。△Kを導出し,反発係数eとの関係をグラフで表しなさい。
問2 完全非弾性衝突と一回の弾性衝突のどちらがより深く壁にくぎを埋めることができるか考え,説明しなさい。ただし,完全非弾性衝突の場合,衝突後に物体はくぎと一体になるものとする。
2[資料] 図3点。
問 以下の問に答えなさい。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し,解答欄に明示しなさい。ただし,この領域は真空で,重力は無視できるものとする。(配点130点)
問1 図1(省略)の左図のように,半径Rの十分に長い円筒状の領域内に一様な磁場があり,領域の外側の磁場がゼロであるとする。領域内の磁場はこの円筒の軸に平行で,その磁束密度の大きさはBである。ある時刻において電荷q(q>0)をもつ粒子が円筒面よりわずかに内側にあり,磁場と垂直で,かつ円筒の中心方向と垂直な方向に速さvで運動していた。図1の右図にこのような運動の例を2つ示す。この粒子が円筒内にとどまるための条件を求めなさい。
問2 次に,一様でない磁場中での粒子の運動を考える。図2(省略)に示すように,磁力線は紙面上のある軸に対して対称に分布しており,その密度は下の方が密,上の方が疎になっている。このような磁場中を電荷q(q>0)をもつ粒子が運動している。ある時刻において,粒子は図2の紙面上の位置Pにあり,速さはv,速度の向きは図2に×で示すように,紙面の表から裏に向かって垂直に入る向きであった。また,その位置での磁束密度Bの向きは紙面に平行であり,対称軸とのなす角はであった。この空間に座標系を定め,この粒子にはたらく力を成分で表しなさい。
問3 荷電粒子が図3(省略)のような一対の磁石の付近にとらえられているとする。矢印は磁石付近の磁力線の様子をあらわす。このときの荷電粒子の運動のおおまかな様子を問2の結果と関連づけて考察し,図を用いながら説明しなさい。
3[資料] 図3点。
問 以下の問に答えなさい。文中に与えられた物理量の他に解答に必要な物理量があれば,それらを表す記号を定義し,解答欄に明示しなさい。必要があれば解答に図を用いて説明してもよい。(配点140点)
問1 図1(省略)のように左からうすい壁に向かって平面波が入射しており,壁に微小な穴が開いている。ここで壁の左側での実線は入射波の山を表し,破線は入射波の谷を表している。このときの壁の右側での波面を描き,なぜそのようになるかホイヘンスの原理を用いて説明しなさい。
問2 図2(省略)のように,問1で穴のあったところに微小な物体を置き,壁を取りのぞいた。左から平面波が入射するとき,物体の右側での波面がどのようになるか説明しなさい。
問3 図3(省略)のように,yz平面(x=0)内にy方向を向いた無限の本数の導線がz=na(n=0,土1,土2,⋯)の位置に並べられている。ここで,y軸は紙面の表から裏向きに垂直に入る向きにとる。導線にはy軸の正の向きに同じ大きさの電流Iが流れている。点(x,0.0)(x>0)で,磯場H(=(Hx,Hy,Hz)の3成分のうちどの成分がゼロではない値をとるか,理由とともに答えなさい。
問4 問3と同じ状況で点(x,0,4分のa)(x>0)での磁場H=(Hx,Hy,Hz)を考える。3成分のうちどの成分がゼロではない値をとるか,理由とともに答えなさい。また,xがaよりも非常に大きい場合,Hがどのようになるか説明しなさい。
2019年 100分 答用紙枠内 400点/1100点(資、教)
1 風の影響がない状態での雨粒の運動について,設問に答えなさい。問題文中にない物理量については,各自で定義してから用いなさい。(配点130点)
問1 雨粒が初速度0で地上1.0kmの高さから自由落下する場合を考える。空気抵抗がはたらかないと仮定すると,地上付近での落下する速さはどれくらいになるか,その値を有効数字2桁で求めなさい。
問2 空気中をゆっくり動く半径Rの球状の物体には,速さvに比例する大きさ6πRbvの空気抵抗がはたらくことが知られている。ここでbは定数であり,常温,常圧の下でb=2.0×10-5Ns/m2とする。半径0.50mmの球状の雨粒が,重力に加えて速さに比例する空気抵抗を受けながら十分に高い場所から落ちてくると仮定すると,地上付近での落下する速さはどれくらいになるか,その値を求めなさい。
問3 半径0.50mm程度の雨粒の地上付近での落下する速さは,観測結果からおよそ数m/sであることが知られている。雨粒の落下する速さを測定するにはどのような実験をすればよいか,具体的な実験方法を考えて説明しなさい。
問4 問3で与えられた観測結果(数m/s)より,地上付近での雨粒の落下する速さは,問2で仮定した速さに比例する空気抵抗が雨粒にはたらいているという考えでは説明できないことがわかる。この原因は,半径0.50mm程度の雨粒では速さが十分に大きくなると,速さの2乗に比例する空気抵抗が雨粒にはたらくようになるからである。雨粒の速さと空気抵抗の大きさの関係をあらわすグラフを描き,間2で求めた落下する速さと問3で与えられた観測結果の違いを説明しなさい。ただし,グラフの横軸は雨粒の速さ,縦軸は空気抵抗の大きさとしなさい。
2[資料]図1点。
問 図のように,電気容量Cのコンデンサーと自己インダクタンスLのコイルを,開いた状態のスイッチSに接続した。この状態で,点Oを基準とする点Pの電位はV0>0であった。時刻t=0にスイッチを閉じた後,点Oを基準とする点Pの時刻tでの電位をV(t),回路に流れる電流をI(t)で表す。以下の設問に答えなさい。ただし,図の矢印の向きを電流の正の向きとし、回路中の電気抵抗は無視できるものとする。(配点140点)
問1 スイッチを閉じる前に,コンデンサーに蓄えられていた電荷とエネルギーを求めなさい。
問2 コンデンサーの極板間の電位差に着目し,スイッチを閉じた後の,時刻tからt+△tまでの間について考える。V(t)およびV(t+△t)とI(t)の間に成り立つ関係を導きなさい。ただし,△tは十分に小さな時間間隔であるとし,この間に回路に流れる電流は一定の値I(t)であると考える。
問3 コイルに生じる誘導起電力に着目し,スイッチを閉じた後の,時刻tからt+△tまでの間について考える。I(t)およびI(t+△t)とV(t)の間に成り立つ関係を導きなさい。ただし,△tは十分に小さな時間間隔であるとし,この間に点Pの電位は一定の値V(t)であると考える。
問4 時刻tからt+△tの間に,コンデンサーに蓄えられたエネルギーがどれだけ変化したか求めなさい。また,時刻tからt+△tの間に,コイルに蓄えられたエネルギーがどれだけ変化したか求めなさい。これらのエネルギー変化の間に成り立つ関係を説明しなさい。
問5 時刻t>0では,ふたつの定数Aとω を用い,電流Iを(t)=Asinω tと表すことができる。問3で求めた関係について△tを限りなく0に近づけ,V(t)を表す式を求めなさい。次に,問2で求めた関係について△tを限りなく0に近づけ,Aとω を表す式を求めなさい。また,電流I(t)の時間変化をグラフで表しなさい。
3 水素原子の線スペクトルは656nm,486nm,434nmなどの特定の波長をもち,これらの間に一定の法則があることがバルマーによって示された。この事実を質量mの電子が原子核のまわりを半径r,速さvで等速円運動する原子モデルから説明してみよう。以下の設問に答えなさい。問題文中にない物理量については,各自で定義してから用いなさい。(配点130点)
問1 原子核電子の間にはたらくクーロン力は電子の等速円運動の向心力に等しい。このことから電子の力学的エネルギーがrに反比例することを示しなさい。
問2 ポーアは量子条件mvr=2π分のnh(1)が満たされれば安定な状態が保たれると仮定した。ここでnは量子数,hはプランク定数である。式(1)の条件を用いて円軌道の半径rがnの2乗に比例することを示しなさい。また,安定な状態の電子の力学的エネルギーがnの2乗に反比例することを示しなさい。
問3 バルマーは線スペクトルの波長λと最子数nが、λ分の1=R(2の二乗分の1ーn二乗分の1)(n=3,4,5,⋯ㆍ)(2)を満たすことを示した。Rはリュードベリ定数である。光子のエネルギーと波長の関係を考え,問2で求めた安定状態の力学的エネルギーを用いて式(2)を説明しなさい。また,線スペクトルの波長(λ=656nm,486nm,434nm)が式(2)を満たすことを確かめ,Rの値を有効数字2桁で求めなさい。
2018年 100分 解答用紙内 400点/1100点(数)
1 リンゴが木から落ちることを見て万有引力を発見したというニュートンの逸話から330年ほど経ちましたが,近年,人類はロケットを飛ばし宇宙へと進出しています。その一つである国際宇宙ステーション(ISS)は,地上から約300km〜400km上空に建設された巨大な有人実験施設です。1周約90分という速さで地球の周りを回りながら,微小重力空間環境を利用した実験と研究,地球や天体の観測などを行っています。解答に必要であれば,万有引力定数G=6.67428×10-11乗Nㆍm2/kg2,地球の半径R=6350km,地球の質量M=5.98×10の24乗kg,√2≒1.4142,√3≒1.7321,√5≒2.2361を用いなさい。(配点140点)
問1 下線部「1周約90分」について,万有引力に関係させて物理的に論じなさい。
問2 ISSに比べて軽い探査機をISSから発射する。地球から無限遠まで到達するためにはISSの速さの最低何倍の速さで発射すればよいか答えなさい。
問3 地球から遠くはなれた宇宙空間での微小な重力空間環境と文中の「微小重力空間環境」の違いについて論じなさい。
2 電磁誘導という現象は,電磁調理器や非接触型ICカードなど,私たちの生活の多くの場面で利用されています。実際の実用化にはさまざまな工夫が必要です。ここでは2つのコイルを用いた単純なモデルで,電磁誘導による金属中での熱の発生を考えてみよう。図(省略)に示すように,半径の円柱状の鉄心に巻かれたソレノイドコイルL(1m当たりn1巻き)とコイルL2(1巻き,全体の抵抗値R2)を組み合せる。鉄の透磁率をμとして,以下の問1〜4に答えなさい。(配点130点)時刻tにおいて,コイルL1に流れる電流I1(t)が時間△tの間に△I1(t)だけ変化する場合を考える。
問1 このとき,Lで発生する起電力V()はどうなるか説明しなさい。
問2 L2の抵抗成分による消費電力P2(t)をV2(t)を用いて表しなさい。つぎにI1(t)として交流電流I1(t)=I0sin(ωt)の場合を考える。ただし,角周波数ωは十分小さく,L1の電圧はV1(t)=V0sin(ωt)とかけるとする。
問3 L1の抵抗成分による消費電力をP1(t)とする。P1(t)を時間tの関数として図示することにより,P1(t)の時間平均P1(t)をI0とV0を用いて表しなさい。
問4 L2の抵抗成分による消費電力の時間平均をP2(t)とする。△t分の△I1(t)=dt分のdI1(t)と考えて、P2(t)をωの関数として求めなさい。
3 電子などの粒子も波動性をもち,ミクロな世界では重ね合わせの原理や干渉なと波の性質が重要となる。ここでは,正弦波と等速円運動との対応をもちいて,波の合成について調べてみよう。図(略)の右には,横軸が時間t,縦軸が波の変位yの正弦波が描かれている。左には,円とその円周上を動く点が黒丸で示されている。時刻tでの円周上の点をP(t)とし,点P(t)は,円周上を反時計回りに一定の周期Tで回転している。このとき点P(t)のy成分の値が時刻tでの波の変位を表しており,円の半径は波の振幅に対応している。以下の問1〜3に答えなさい。(配点130点)
問1 図の正弦波と同じ周期Tをもち.振幅と初期位相(t=0での位相)が異なる別の正弦波を考える。その正弦波の1周期分(0≦t≦T)の波の形を解答欄に図示しなさい。そのとき,解答欄に示したもとの正弦波と円の図を参考にして、振幅と初期位相がはっきりわかるように図示しなさい。
問2 周期は等しいが,振幅と初期位相は異なる2つの正弦波を考える。これら2つの波を重ね合わせた合成波がどのような波になるか説明しなさい。
問3 周期は等しいが,振幅と初期位相の異なる2つの正弦波の合成を考える。ひとつは振幅Rと初期位相θ=0をもち,もうひとつは振幅2Rと初期位相θ=3分の2πをもつとする。この2つの波の合成波に1つの正弦波を加えて,波の振幅を0にしたい。とのような波を加えればよいかを述べて,その理由を説明しなさい。
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神戸大学理学部物理学科への志望理由書や面接対策として理解を深めておくと良い事柄など
神戸大学理学部物理学科への志望理由書や面接対策についてのアドバイスを以下にまとめました。
志望理由書のポイント:
- 物理学への情熱と興味:
- 物理学への深い興味や情熱を示しましょう。どのような経験や学びが物理学に興味を抱くきっかけとなったのかを具体的に語ります。
- 神戸大学物理学科の特徴への理解:
- 神戸大学物理学科の特徴や研究領域について調査し、それに基づいてなぜその学科を選ぶのかを具体的に示します。学科の特徴や提供される教育プログラムに焦点を当てます。
- 将来の展望と研究への意欲:
- 物理学を学ぶことで将来的に何をしたいのか、どのような研究に興味があるのかを述べます。自身の研究に対する意欲や展望を具体的に表現します。
- 物理学の経験や実績:
- 過去の物理学に関する学習や実験、研究経験などを挙げ、それが自分の物理学への理解やスキルの向上にどのように貢献したかを示します。
- 学外活動との結びつき:
- 学外活動や趣味が物理学とどのように結びついているかを述べます。これにより、自分の独自性や個性をアピールします。
面接対策のポイント:
- 自己紹介と研究歴の説明:
- 簡潔で明確な自己紹介と研究歴の説明を心得ましょう。自分の物理学への関わりや研究活動についてわかりやすく伝えます。
- 物理学に関する基本的な知識:
- 物理学に関する基本的な知識や理論を理解しておくことが重要です。特に自分が志望する分野や研究領域に関連する最新の論文や研究トピックに目を通しましょう。
- 研究への情熱と意欲:
- 研究への情熱や自分なりの研究へのアプローチについて語ります。将来的にどのような研究テーマに取り組みたいのかを明確に示します。
- 協調性やチームワークのアピール:
- 物理学の研究はチームで進むことが多いです。自分の協調性やチームワークの経験をアピールし、他の研究者との協力に対する意欲を示します。
- 将来の展望と研究への貢献:
- 物理学を学び、将来の展望や研究の中でどのように社会に貢献したいのかを述べます。自分の研究がどのような影響を与えるかを考えましょう。
これらのポイントを意識して、志望理由書や面接で自分の意欲や魅力をアピールできるように準備を進めてください。
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まとめ
過去問題における傾向を把握しながらも、それらの問題と関係性の深い事柄についても調べるのが良いでしょう。また、出題の題材として、一見、全く違う分野の問題だと思えるような題材が取り上げられることにも気づいたのではないでしょうか? 他分野のことがらに関しても見聞を広げるのはもちろん意義がありますが、それよりも、共通のテーマや意味合いを見つけることに意識を注ぎましょう。「抽象度を上げて、応用する」という感覚です。志望の学部や学科が扱う分野に関わりの深いテーマはもちろん、時事情報なども関連させて考えを深めるとより良いでしょう。