2024年度奈良県公立高校入試問題をポイント解説!(問題と解説のリンク付き)

高校入試

2024年度奈良県公立高校入試問題では、文学的文章・論理的文章・古文・漢字の知識・実用的文章の5題構成になっています。

↓問題と解答はコチラ

https://www.pref.nara.jp/66233.htm

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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大問1(文学的文章)

黒田未来雄『獲る  食べる  生きる』からの出題です。

〈解説〉

(一)漢字の読み書き(記述)

「既に」と「典麗な」の読み、「勤勉」と「深い」の書きが出題。

(二)語句の意味(選択肢)

「とりわけ」の意味が出題。

(三)内容読解(選択肢)

「そんなよく出来た刃物を上下の顎に生やしているビーバー」を「彫り物師」にたとえている。ビーバーの歯は、「キースの祖先」が「彫刻刀として使」うほどのものである。

(四)心情理解(選択肢)

ビーバーは「辛抱強く、勤勉な生きもの」であり、「1メートル足らずの体で、何十メートルにもわたるダムを築き上げ」る。

「驚くほど太い木も、根気よく齧っては倒してしま」い、「またひたすら齧って、自分が運べる長さと重さに小分けにしてゆく」のである。

ビーバーは、「ひたむきに打ち込」み、「絶対に諦め」ず、「何かを固く信じ」るという強さを持っていると筆者は感じている。

(五)内容読解(30字記述)

傍線部④が含まれている段落に注目する。

「トーキングスティック」は、「部族の寄合の場で」「大切なことを決める時」に使われる。「話し合いを平和裏に進めるために大切な要素が全て詰まっている」ものだと説明されている。

(六)心情理解(選択肢)

(四)より、筆者にとってビーバーがどのような存在であるかを押さえる。「自然と共生している」・

「豊かな自然の象徴である」と説明しているアとウは誤り。

また、イは「北米先住民の風習に倣って」が誤り。ビーバーをモチーフにしたのは「北米先住民の風習」ではない。

(七)表現理解(選択肢)

ア・イで述べられているような倒置表現や言葉の省略は見られない。

また、「筆者の感情の変化」に関わる反復法も見られないので、エも誤りである。

大問2(論理的文章)

宮永健太郎『持続可能な発展の話』からの出題です。

〈解説〉

(一)文法の働き(選択肢)

本動詞と補助動詞を識別する。

傍線部とウが動作の継続を表す補助動詞で、それ以外は本動詞。

(二)語句の意味(記述)

「手を緩める」とは、「それまで厳しく扱っていたのを緩くする」という意味。

「食料生産」を「緩くする」とはどういうことかを考える。

(三)内容読解(選択肢)

「環境には、モノを分解して自然に還すシンク(吸収源)としての機能が備わってい」るが、「能力を超える量のごみが生じた場合、あるいは、そもそも能力の対象外で自然に還らないごみが生じた場合」に「ごみで溢れてしま」うと述べられている。

(四)理由説明(選択肢)

「『ごみがたくさん出ること』であるという言い方は、『自然循環の輪の中に物質循環が収らなくなること』の帰結を表しているに過ぎ」ないと述べられている。

(五)内容読解(45字記述)

「自然循環の輪の中に物質循環が収まるような社会」は「循環型社会」と呼ばれていると説明され、循環型社会を実現するために重要なのは、「①物質が循環する、②物質循環の輪が自然循環に収まる」ことであると述べられている。

①について、「物質自体が循環する」ために欠かせないのが、「廃棄されたごみがふたたび資源として生まれ変わり、原材料として生産に利用されるというように、モノが生産―消費―廃棄という円に沿って循環するような経済システム」である。

②について、こちらは非循環型社会の説明が主になっているので、少し書きにくい。非循環型社会が「環境がもつシンク・ソースの機能に負担をかけ続けるシステム」であることから考えよう。

「シンク・ソース」という言葉をそのまま使ってよいかどうかが気になるところだが、問題文に「文章中の言葉を用い」という条件があるので問題ない。

(六)段落の役割(選択肢)

【Ⅰ】の段落では非循環型社会の社会について説明している。直前の段落が循環型社会の話であることから考える。

(七)内容読解(選択肢)

「環境がもつシンク・ソースの機能」を考えると、「ごみ」と「資源」は表裏の関係(=密接な関係)だという。ウは、「補い合っている」が誤り。また、「ごみと資源は物質循環のために欠かせない」というのも本文では述べられていない内容。

大問3(古文)

『土佐日記』からの出題です。

〈解説〉

(一)現代語訳(選択肢)

已然形+接続助詞「ば」は、偶然条件を表すので、「尋ねたところ」と訳す。

ただ、問いかけに対して「土佐の泊」だと普通に返答があるので、ア・イ・エは文脈的に合わない。

(二)現代仮名遣いに(記述)

「いひける」を「いいける」に改める。

(三)心情把握(選択肢)

女は、「昔、しばしありしところのなくひにぞあなる」ということを「あはれ」だと感じている。注より 「なくひ」が同じ名であるので、和歌の「住みしところ」から場所の名が同じであったとわかる。

大問4(漢字の知識)

〈解説〉

行書にすると、糸へんの筆順が変化する。

大問5(実用的文章)

〈解説〉

(一)内容読解(選択肢)

アは、「裏づけとなる客観的なデータを含んだ資料を提示」が誤り。ウは、「スライド資料に多くの文字を表示」が誤り。

エは、「反応に応じて話す順番や提示する資料を変更できるよう準備」が誤り。

(二)内容読解(選択肢)

アは、「何度も問いかけながら」が誤り。イは、「たとえを用いながら」が誤り。

エは、「接続する言葉を効果的に用い」が誤り。

(三)作文(100字~150字記述)
すすめたい場所については、固有名詞を用いても構わない。ただし、有名でない場所を挙げる場合は、簡単な補足説明をするようにしよう。

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