2024年度鳥取県公立高校入試問題では、漢字の読み書き+知識問題・文学的文章・論理的文章・古文・実用的文章の5題構成になっています。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
大問1(漢字の読み書き+知識問題)
〈解答〉
問一、(1)とどこお (2)べんぎ (3)専ら (4)容易
問二、③
問三、ア
問四、(1)ご覧になって (2)ない問五、不 レ 知 為 レ 不 レ 知
〈解説〉
問一、漢字の読み書き(記述)
「滞る」・「便宜」の読みと、「専ら」・「容易」の書き取りが出題。
問二、漢字の意味(選択肢)
「体裁」の「体」の意味が出題。
問三、毛筆の筆使い(選択肢)
「の」を書く際に穂先がどのように動くかが出題。
問四、
(1)敬語(記述)
尊敬の助動詞を用いずに「見て」を尊敬語に改める。
(2)副詞の呼応(抜き出し)
副詞「全く」は「ない」に呼応する。
問五、返り点(記述)
直前の一字に返って読む場合は、レ点を用いる。
大問2(文学的文章)
あさのあつこ『ハリネズミは月を見上げる』からの出題です。
〈解答〉
問一、イ
問二、ア
問三、創作した自分さえ読まなくなった『森の王国』を、きちんと読んで評価してくれる人がいたから。
問四、エ
問五、菊池さんに会えなくなり、話もできなくなること。
問六、自分の創作文を菊池さんに真っ直ぐに称賛され、心が浮ついて嬉しく思っている。
問七、イ
〈解説〉
問一、語句の意味(選択肢)
「すとんと胸に落ちた」の意味が出題。
問二、心情理解(選択肢)
「やはり、世間の常識に逆らわない方がいいぞ。母さんはそういうのに疎いからなあ」という「父の何気ない一言」を聞いて、「母は口元をきつく結び、横を向いた」のである。
問三、理由説明(60字記述)
「わたし自身、二年生になってからは、以前のように(『森の王国』を)ときたま取り出してめくることもなくなった」というのに、「『森の王国』をちゃんと読んで、おもしろいと言ってくれる人がい」たので「わたし」は驚いたのである。
問四、心情理解(選択肢)
後ろで、「頬がどんどん火照ってくる」とあり、「恥ずかしくてたまらなくて」と表現されている。「羞恥」の要素が入っているエが正解。
問五、内容読解(記述)
前で、「ここで逃げ出したら、明日から菊池さんに会えなくなる。まともに顔を合わせることも、しゃべることもできなくなる」と述べられている。
問六、心情理解(40字記述)
「へえ、すごいね」という「菊池さんの称賛」が「瑞々しい特別の一言として」心に届いている。「心が浮く」というのは、嬉しくて少し浮かれている気分のことだと考えられる。
問七、表現理解(選択肢) 「繰り返し擬音語を使」っている箇所はなにので、イが誤り。
大問3(論理的文章)
宇野仙『SDGsは地理で学べ』からの出題です。
〈解答〉
問一、Ⅰ環境負荷 Ⅱ財政負担
問二、ウ
問三、B
問四、日本は国土
問五、コンパクト+ネットワーク
問六、政府や自治体が自然災害リスクの低い土地への立地誘導を進めることで完成する、環境、経済、社会が一体となった持続可能な都市。
〈解説〉
問一、内容読解(抜き出し)
Ⅰ、ヨーロッパにおける「コンパクトシティ」は、「郊外へと分散した~公共交通機関を整備していこうというもの」である。
Ⅱ、「日本の『コンパクトシティ』は、都心部の再生と行政の財政負担の軽減のためというもの」だったと述べられている。
問二、理由説明(選択肢)
「消滅可能性都市」の定義について述べているのは、アとウである。
アについて、東京都豊島区は「消滅可能性都市」に含まれているので誤り。「程遠い」とは言えない。
問三、脱文挿入(選択肢)
Bの直前にある「自然災害の被害地域」が「拡大してい」ることと、直後にある「自然災害リスクが極めて高い低地や傾斜地にも土地が造成されるようになってき」たことが、逆説の関係になっていないのにもかかわらず、「しかし」で結ばれていることに着目する。
問四、内容読解(抜き出し)
図1は、イギリスやフランス、ドイツに比べ、日本の可住地が狭いことを表している。
問五、内容読解(抜き出し)
空欄の直後で、「『コンパクトシティ』の概念の中に、これまでなかった『防災』という観点を入れ」たと説明されている。
図2を見ると、「防災のため」という項目から「コンパクト+ネットワーク」に矢印が伸びているんがわかる。
問六、内容読解(60字記述)
文章の最終段落で、「環境、経済、社会が一体となった持続可能な都市」と述べられている。 余った字数で、「政府や自治体が自然災害リスクの高い~結果として『コンパクトシティ』になっていく」という要素を追記すればよい。
大問4(古文)
『しみのすみか物語』からの出題です。
〈解答〉
問一、いえば
問二、ウ
問三、オ
問四、エ
問五、腹黒なる心
〈解説〉
問一、現代仮名遣い(記述)
「言へば」を「言えば」に改める。
問二、内容読解(選択肢)
妻は「我物にしてむ」と思い、「物忘れ」させるために「茗荷」を用意するなどしている。「包みを忘れて行ってほしい」と積極的に考えているウが正解。
問三、係り結び(選択肢)結びの「けれ」は已然形。
結びを已然形にするのは「こそ」である。
「ぞ」「なむ」「や」「か」はいずれも結びを連体形にする。
問四、内容読解(選択肢)
何を忘れて行ったか尋ねた妻に対し、主人が「かりての銭」を払い忘れて行ったと答えている。
問五、内容読解(抜き出し) 人の物を奪おうとする心を「恐ろしき心」と形容している。文章の最後で、「腹黒なる心」と言い換えられている。
大問5(実用的文章)
〈解答〉
問一、イ
問二、ア
問三、
私の生活において芸術とは、心を揺さぶり活力を与えてくれるものである。自分では創り出せないものに対する感動が日常を生きるエネルギーを生み出すのだと思う。
吹奏楽の演奏会に行ったとき、繊細で美しい音のハーモニーに心を揺さぶられた。勉強や部活動で忙しい毎日に少し疲れていた心がいやされたように感じた。今でも時々その素晴らしい音を思い出しては、元気をもらっている。
〈解説〉
問一、話し合いでの役割(選択肢)
「Aさんの【資料】を見て気になる点」・「『県民立』と『つくる』というキーワードをもとにして、鳥取県立美術館の特色について整理」するなどの論点を提示しているのは、Bさんである。
問二、発言の役割(選択肢)
Dさんは「そうですね」と発言し、直前のCさんとAさんの発言を肯定した後、「『県民が「つくる」』という他の美術館にはないこの独自性に焦点をあてて発表しませんか」と自分の考えを提案している。