【一般選抜(後期)入試】京都府立大学 令和6年度小論文過去問題と概要

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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小論文過去問題

R6年度 公共政策学部 公共政策学科、福祉社会学科 一般選抜(後期)

一 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

※本文省略

出典:澁谷智子『ヤングケアラーー介護を担う子ども・若者の現実』中央公論新社 二〇一八年 原文一部改変

問一  「かつての子どもたち」と現在のヤングケアラーの違いについて、本文中の言葉を使用して述べなさい。(二〇〇字以内)

問二 本文の内容をふまえて、ヤングケアラーヘの支援方法について、あなたの考えを述べなさい。(六〇〇字以内)

二 次の図表から読み取れる、政府のコロナ対応に対する意識の特徴を整理し、新興感染症が流行した場合の対策を考える上で考慮すべき点について、あなたの考えを述べなさい。(八〇〇字以内)

※本文省略

三 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

※本文省略

出典:諸富徹『人口減少時代の都市』中央公論新社 二〇一八年 出題の都合上 、原文一部改変

問一 人口減少と高齢化がこれからの都市経営にどのような影響を与えると著者はいっているか。著者の見解をまとめなさい。(二〇〇字以内)

問二 傍線部の「『拡張された資本』は、都市財政と都市経済の好循環を促す媒介項だ」とはどういう意味か。説明しなさい。(二〇〇字以内)

問三 著者は、二十世紀的な産業政策と比較し二十一世紀型の産業政策はどうあるべきだといっているか。著者の主張とその根拠をまとめなさい。また、それを踏まえて、これからの都市経済にとってあなたが重要だと考えることを述べなさい。(六〇〇字以内)

出題意図

R6年度 公共政策学部 公共政策学科、福祉社会学科 一般選抜(後期)

問一:問題文を正しく理解し、澁谷智子氏が指摘する「かつての子どもたち」と現在のヤングケアラーの違いについて、本文中で使用されている用語で説明できるかを求めており、受験生の読解力と記述力を問うている。

本文は「第1章 子どもが家族の世話をするということ」から抜粋している。「かつての子どもたち」は家族の世話をするということが想定されていたが、高度経済成長期に形成された日本の平均的家族モデルとしては母親が育児や家事や介護を担うことが前提とされ、子どもは将来に向けて勉強をすることが想定されていることを澁谷氏は指摘している。現在のヤングケアラーはその想定から外れ、同世代と同じような機会や経験を得られない状態といえる。これらの点を記述できているかがポイントである。

問二:本文の内容をもとにして、受験生の課題発見力、情報収集力、記述力、想像力、思考力を問うた。

本学部の教育理念には、「生涯にわたる人間発達を多様に実現しうる社会(福祉社会)を、個人、NPO、地域コミュニティ、企業、行政などが協働して築くため…」の人材育成が掲げられており、アドミッションポリシーも同様である。そのため、受験生には日ごろから日本社会で発生している社会問題やその解決策に目を向けられているのかが問われている。ヤングケアラーの具体的な支援については、ミクロレベルからマクロレベルまで多様な方法が考えられるし、それに関わる社会資源もまた多様である。具体的な事例を挙げて、適切な支援方法を示すことができているかが評価のポイントとなる。また、著者はヤングケアラーのプラスの影響についても言及しているので、そのことを活かす視点も欲しい。

個々の図表の意味するところ、及び複数の図表から読み取れる傾向を正確に読み取り、その理解に基づいて、自分の考えを展開できる論理的な思考力を問うている。

具体的には、年齢、性別、就業状況による、新型コロナウイルス感染症への政府の対応に対する意識の違いを正しく読み取り、その傾向をまとめることができるか。とくに高齢層と若年層での意識の違いや、仕事に影響が出ている性別、年齢層で2022年度の政府対応への評価が低くなっている点を的確に読み取れているかがポイントとなる。そして、こうした意識の違いの理解に基づいて、適切な対策を論理的に考えることができるかを評価する。

問一:問題文を正しく理解し、著者の主張を正確にくみ取ることを求めており、読解力と記述力を問うている。

人口減少と高齢化により、経済規模の縮小を通じて都市の税収が減少する一方、福祉サービスのための支出や高度成長時代に投下された社会資本の更新に経費が嵩むため、都市経営は財政支出の対象を厳しく選択する必要が生じることが書かれていることがポイントである。

問二:概念を正しく理解し、因果関係を正しく掴むことを求めており、読解力と論理的思考力を問うている。

「拡張された資本」とは、私的資本が成長するために財政によって公的に投資される社会的資本であり、その投資によって私的資本が成長することができれば都市経済も成長することとなり、さらにそれが都市税収の増大になって帰ってくるため、より一層「拡張された資本」への投資がやりやすくなるといった好循環を形成することが期待できるというような主旨が書かれていることがポイントである。

問三:問題文を正しく理解し、著者の主張を正確にくみ取るとともに、それを踏まえて、自分の見解を展開することを求めており、読解力、想像力、思考力を総合的に問うている。

二十世紀型産業政策では、物質生産が産業の中核をなしている経済において、私的資本の成長を促す道路・港湾等の物的な社会資本(インフラ)への公共投資が主要な手段であったが、二十一世紀型の産業政策では、産業のサービス化の進展を受けて、人間そのものの能力を伸ばすことが必要であり、そのための人的資本投資と、人々の互恵的な協力関係や信頼関係を築くための社会関係資本への投資がより重要になるため、そういう分野での公共投資が中心になることが、両世紀の比較を通じて書かれていること、さらに、著者の見解を踏まえて、都市経済の発展のために何が重要だと考えるかを論理的・具体的に記述的できているかが、ポイントとなる。

学部学科、コース

文学部

2024年、日本・中国文学科、欧米言語文化学科、歴史学科、和食文化学科の4学科を以下の3学科に再編。
人間の文化的・社会的営為に関する人類の叡智を継承し、ことばと文学、歴史と文化遺産に関わる専門領域を深く教育・研究するとともに、現代社会・地域社会が提起する諸課題に応えるために、知の拠点として、常に新たな教育・研究領域を開拓することを目指す。
日本・中国文化学科では、日本と中国の言語・文学・文化を探究することを目的とし、日本語学・日本文学・京都文化学・和漢比較文学・中国文学について、相互の関連を踏まえながら専門的な教育・研究を行う。各分野について深い知識を持ち、かつ5分野を関連づけて思考できる人材の養成を目指す。
国際文化交流学科では、異文化への理解を深めることを目的として、国際京都文化研究、英語圏文化、外国語コミュニケーションなどの分野の教育研究を行う。高度な外国語運用能力・柔軟な思考力・問題発見能力・自己表現力を備え、広い国際的視野を持った人材の養成を目指す。
歴史学科では、人間の文化的・社会的営為について歴史と文化遺産に関わる専門的領域の考究を目的とする。日本を中心に、世界の社会と文化、思想の歴史的展開に関する教育・研究を行い、人類の過去と現在、未来に対する洞察力、分析力を持つ人材、さらに、歴史的遺産を理解しその継承に資する人材の養成を目指す。

公共政策学部

生涯にわたる人間発達の実現を協働して築いていくために、高い政策立案能力や問題発見・解決能力を身につけた人材、地域における福祉や人間形成の担い手となる人材を育成する。
公共政策学科では、住民が豊かに暮らせる地域づくりにとって必要かつ有用な法律学、経済学、政治学の理論を修得し、地域社会が抱える問題を的確に把握するとともに、それを解決するための政策を立案する能力を養う。個人、NPO、地域コミュニティなど、多様な主体が協働して築き上げる公共政策のあり方を学ぶ。
福祉社会学科は、2グループ制。
社会福祉学群では、社会福祉学・社会学・心理学・教育学などの専門分野の政策・制度、教育研究を通して、人びとが直面するさまざまな生活問題や福祉ニーズに対応した、人びとの生活を支援する方法と実践のあり方を学ぶ。
人間形成学群では、人間の成長・発達や行動・相互作用、教育のあり方について科学的な理解を培う。

農学食科学部

2024年新設の学部。
「農学」や「食と健康」、「食文化」に関わる諸領域の学術の学際的・総合的な考究を目的として、人間の生活や産業などの諸活動の向上を図るための自然科学や社会的・文化的な側面に関する普遍的な知識と技術の習得を目指す。
農学生命科学科では、「ゲノムから生産・流通まで」の方針に基づき、生物機能の開発とその高度利用技術、それらの社会経済的側面について教育・研究を行い、農業とそれに関連する諸産業の発展に広い視野で寄与できる人材を養成する。専門分野には、植物育種学、細胞工学、遺伝子工学、果樹園芸学、植物病理学などがある。
栄養科学科では、生活の質の向上を目的に、「食」と「健康」を取り巻く要因を総合的にとらえ、望ましい食生活のあり方について教育・研究を行う。栄養科学に関する高い見識と課題解決能力を持って社会に貢献できる人材を養成する。専門分野には、食事科学、食環境安全性学、健康科学などがある。
和食文化科学科では、日本社会の伝統的な食文化に内在する普遍的価値の探究を目的に、生活文化としての食をサイエンスと人文・社会科学を横断する手法によって読み解く。食の現場で起きていることを自らの手で学び取る技量を身につけ、日本における和食文化の継承・発展、和食が持つ魅力とその真髄を世界に向かって発信できる人材を養成する。専門分野には、食人類学、発酵生理学・応用微生物学、食の生態学などがある。

生命理工情報学部

2024年新設の学部。
「生命化学」と「理工情報科学」に関わる諸領域の学際的・総合的な考究を目的として、人間の生活や産業などの諸活動の向上を図るための自然科学と情報科学の知識と技術を身につける。
生命化学科では、生命現象と生命環境を分子レベルで理解し、科学の進歩と社会の科学的課題の解決に貢献することを目的として、少数精鋭の実験を重視した体系的な生命化学の教育研究を行い、広い視野と論理的思考力を有し、専門知識と先端技術を展開して社会に貢献できる人材の育成を目指す。無機材料化学、機能分子合成化学、高次細胞機能化学などを専門分野として学ぶことができる。
理工情報学科では、情報科学の基礎知識を基盤に数学、物理学、化学、生物学にわたる幅広い教育と研究を行い、科学技術を持続可能な社会の発展に生かすことができる人材の養成を目指す。ヒューマンインタフェース、量子ビーム科学、原子核ハドロン物理学などを専門分野として学ぶことができる。

環境科学部

2024年新設の学部。
身近な生活空間から自然の生態系にいたる「環境」に関わる諸領域の学際的・総合的な考究を目的とし、人間の生活や産業などの諸活動と自然環境との共生を図るための知識と技術を身につけることを目指す。
森林科学科では、地球環境に関する科学的理解と保全、森林資源の有効利用を目的に、森林とその生産資源に関係する事象に対して総合的な教育研究を行い、環境問題、資源問題への取り組みを通じて地域や国際社会に貢献できる人材の養成を目指す。専門分野には、森林生理生態学、森林資源循環学、生物材料利用化学などがある。
環境デザイン学科では、豊かな生活環境の実現を目的に、住居・建築学、インテリア・生活デザインに関する教育・研究を行い、広い教養と総合的な判断力を持って、人と環境に優しい生活環境・生活様式の創造ができる人材を養成する。専門分野には、住居建築史学、環境配慮型生活学、インテリア意匠学などがある。

所在地・アクセス

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