医学部を目指すかどうか。
この選択に、迷いがない人の方が少ないと思います。
勉強は大変そう
一生忙しいって聞く
本当に自分に向いているのか分からない
そんな不安を抱えながら、医学部という選択肢を見ている高校生は、とても多いです。
今回は、実際に医師になり、現在研修医として働いている立場から、医師になってよかったと心から思うことを、できるだけ正直に書いてみます。
これは、すでに医学部を目指している人だけでなく、まだ迷っている人にこそ、読んでほしい内容です。

医師になってよかったこと──現実と本音で語る、医師という職業の価値
医学部を目指している高校生や、進路を見守る親御さんへ。
今回は、少し現実的な話から始めたいと思います。
理想論ではなく、実際に医師として働く中で感じる「医師になってよかったこと」です。
まず、収入が高い水準で安定している
医師になってよかったことの一つ目は、収入が非常に高い水準で安定していることです。
「研修医」と聞くと、
- まだ見習い
- 給料はそこまで高くない
というイメージを持たれがちです。ですが、実際は少し違います。
病院の選び方や働き方次第では、研修医の段階から年収1000万円を超える人もいます。もちろん全員ではありません。しかし、20代のうちからこれだけの収入を得られる職業は決して多くありません。
さらに重要なのは、将来的に給与が下がりにくいことです。
医師は、年齢や経験とともに求められる役割が変わり、それに応じて収入も伸びていくケースがほとんどです。
長期的に見て、「経済的な不安を抱えにくい」
これは想像以上に大きなメリットです。
キャリアの道筋が見通しやすい
二つ目は、キャリアが見通しやすいことです。
最近は「医師のキャリアは多様化している」と言われます。それは事実です。しかし、その土台はとても分かりやすく整備されています。
- 初期研修
- 専門研修
- 専門医取得
この流れが明確に示されており、
「今、自分がどこにいて」「次に何を目指すのか」
が分かりやすいのです。
目標が見えるというのは、努力を続けるうえで非常に重要です。
「何をすればいいのか分からない」という不安が少ない分、目の前の仕事に集中しやすい。
これは、実際に働いてみて強く感じる点です。
やりがいは、想像よりも“日常”にある
三つ目は、やりがいです。
正直に言えば、医師の仕事は毎日が感動的な場面の連続というわけではありません。
- 地味な作業
- ルーチン業務
- 忙しさに追われる日々
それでも、どんな業務も最終的には「患者さんを治すこと」につながっています。
点滴一本。
検査一つ。
説明一回。
その積み重ねが、誰かの回復につながる。
実臨床の現場では、
「ありがとう」
「助かりました」
という言葉を直接もらうこともあります。
この感覚は、実際に現場に立たないと分からない、医師ならではのやりがいです。
他の分野に進むことも、実はしやすい
最後に挙げたいのが、医師という資格の強さです。
医師は社会的信用が非常に高い職業です。そのため、
- 研究
- 起業
- 行政
- 教育
- 執筆や発信
など、他分野に進出しやすい側面があります。
仮に挑戦してうまくいかなかったとしても、「医師として現場に戻る」という選択肢が残る。
この安心感は、思っている以上に大きいものです。
失敗を恐れずに挑戦できるということは、人生の自由度を大きく広げてくれます。
医学部を迷っている高校生へ
医学部を目指す道は、決して楽ではありません。
- 勉強量も多い
- 時間もかかる
- 周囲との差を感じることもある
それでも、「医師になってよかった」と感じる瞬間は確実に存在します。
- 安定した生活
- 見通しの立つキャリア
- 実感できるやりがい
- 挑戦できる自由度
これらを総合すると、医師という職業は非常にバランスの取れた仕事だと感じています。
親御さんへ伝えたいこと
親御さんの立場から見ると、
「本当にやっていけるのか」
「苦労ばかりではないか」
と心配になると思います。
ですが、医師は決して報われない職業ではありません。
努力に対してきちんと対価があり、社会から必要とされ続ける仕事です。
もしお子さんが少しでも医学部に興味を持っているなら、その気持ちを大切にしてあげてください。
医学部は、人生の選択肢を狭めない
医学部に進むことは、人生を縛る選択ではありません。
むしろ、選択肢を増やす選択です。
今、迷っているなら、その迷いはとても健全です。
その上で、「医師になってよかった」と心から思っている人間が確実に存在するということを、知ってもらえたら嬉しいです。
この先、どんな道を選ぶにせよ、自分で納得できる選択を。
医学部は、その選択肢の一つとして、十分に価値のある道です。


