大学受験で推薦入試を考えている人にとって、一般入試と推薦入試の違いは何か、推薦入試で入学する人の割合はどの程度なのか、推薦入学者が多い大学はどこか、など推薦入試に関する基本的な知識やデータが気になることと思います。
今回の記事では、大学受験における一般入試と推薦入試の違い、大学受験における推薦入試利用者の割合、推薦入学者が多い大学ランキングというテーマで、わかりやすく解説していきます。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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大学受験における一般入試と推薦入試の違いは?
一般入試と推薦入試の違いは、選抜方法と合否発表までのスケジュールです。はじめに一般入試と推薦入試の選抜方法の違いを見ていきましょう。
一般入試の選抜方法
一口に一般入試と言っても、国公立大学と私立大学では大きく異なります。
国公立大学の一般入試
原則として大学入学共通テスト(以下、共通テスト)と、各大学で行われる個別学力検査(通称「個別試験」「2次試験」)を中心に、調査書、小論文、面接、本人記載の資料(志望理由書など)から、多面的・総合的に選抜が行われます。
共通テストでは、多くの大学で5教科以上の受験が必要です。個別試験は2〜3教科が一般的であり、文系であれば国語、地歴・公民、英語、理系であれば数学、理科、英語などとなっています。後期日程では、小論文、面接、総合問題を課す大学が多いという特徴があります。
合否は、主に共通テストと個別試験の合計で決まります。ただし、どちらの点数を重視するかは、大学や学部によって異なります。志望校の配点比率によって、試験対策を考える必要があります。
国公立大学では、入試改革が進行しています。多面的評価という観点から、「主体性評価」が導入されるようになりました。主体性評価とは、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を評価するというものです。
これにより、面接を実施したり、調査書を点数化したり、志望理由書の提出を求めたりする大学が増えています。主体性評価は今後も拡大していくと予想されています。
私立大学の一般入試
私立大学の試験科目は3教科であることが一般的です。文系では英語、国語のほか地歴・公民や数学から1科目選択、理系では英語、数学、理科などとなっています。配点は大学・学部・学科によってさまざまです。
私立大学の一般入試はバラエティーに富んでいます。志望校でどの方式を採用しているか調べ、自分に合った方法で受験するという戦略を立てることができます。
- 共通テスト利用入試
- 共通テストの結果を利用して合否を決める
- 全学部日程入試
- 全学部統一入試とも言い、全学部が共通問題を用いて同じ日に試験を行う
- 科目選択型・得意科目重視型
- 受験生が科目を選んで受験できる方式や特定の科目の配点が高く設定されている方式
- 試験日自由選択制度
- 一つの学部・学科で複数の試験日があり、都合の良い日を選んで受験できる
- 地方入試
- 大学所在地以外に、全国の主要都市に設けられた試験会場で受験できる
推薦入試の選抜方法
国公立大学と私立大学では、行われている推薦入試の方式に違いがあり、それぞれで選抜方法も異なっています。国公立大学と私立大学に分けて、それぞれ説明していきます。
国公立大学の推薦入試
ごく一部の公立大学で指定校推薦が行われることがありますが、基本的には国公立大学では指定校推薦がなく、公募推薦のみとなっています。公募推薦は、公募制一般推薦と公募制特別推薦の2種類に分かれます。
公募制一般推薦
評定平均などの大学が求める出願条件を満たし、高校の校長から推薦を受けることができれば、誰でも受験できる推薦入試です。課外活動も評価の対象となり、総合的に合否が判定されますが、最も重視されるのは学業成績です。調査書等の書類審査以外の評価方法は、面接、小論文、個別学力試験、共通テストなどとなっています。
人気の大学や学部・学科では高倍率となるため、指定校推薦とな異なり、高確率で合格できるわけではありません。
公募制特別推薦
部活における全国的な活躍やコンテスト等での優秀な成績、資格や検定の取得など、課外活動の実績が最も重視される推薦入試です。高校の校長の推薦も必要です。学業成績は主要な評価項目ではありませんが、一定の条件が設定されている場合もあります。
評価項目は実技試験や面接です。
私立大学の推薦入試
私立大学の推薦には、指定校推薦と公募推薦(公募制一般推薦、公募制特別推薦)があります。
指定校推薦
大学が指定した高校からしか出願できない方式です。出願枠は各高校に数名ずつしか割り当てられないため、応募者が多い場合は校内で選考が行われます。ただし、校内での選考に通れば、入試での合格率はかなり高いものとなっています。
校内選考の基準は学校によって異なりますが、一般的には評定平均が最も重視されます。その上で課外活動、部活動、出席日数が加味されます。
公募制一般推薦
基本的には評定平均など大学が求める出願条件を満たし、高校の校長の推薦を受けることができれば誰でも出願できますが、中には高校の成績を問わない大学もあるなど、国公立大学よりも出願条件は緩い状況です。
選考は、小論文、面接、適性検査、基礎学力試験、調査書等を組み合わせて行われます。適性検査や基礎学力テストで学力を測り、資格や検定の成績を求めるなど、学力を重視する大学が増えてきています。
公募制特別推薦については、国公立大学と同様です。
一般入試のスケジュール
合否発表までのスケジュールも、国公立大学と私立大学では違いがあります。まずは一般入試について見ていきましょう。
国公立大学
国公立大学の一般入試には、前期日程・中期日程・後期日程の3つがあります。1月下旬の個別試験(二次試験)出願までは共通のスケジュールですが、それ以降は異なってきます。
私立大学
大学によってスケジュールに大きな幅があり、また一般入試(共通テスト利用なし)と共通テスト利用入試でもスケジュールが異なってきます。
- 一般入試(共通テスト利用なし)
- 12月中旬〜3月下旬 出願
- 1月下旬〜3月下旬 試験
- 2月〜3月 合格発表
- 共通テスト利用入試
- 9月 共通テスト受験案内配布
- 10月 共通テスト出願
- 12月上旬〜共通テスト前 事前出願
- 1月中旬 共通テスト
- 1月下旬〜3月 事後出願
- 1月下旬〜3月中旬 試験
- 2月中旬〜3月下旬 合格発表
- ※共通テスト前に願書を出さなければならない「事前出願」と、試験後に出願する「事後出願」があり、大学によってどちらを採用しているかは異なります。
推薦入試のスケジュール
国公立大学
国公立大学の推薦入試のスケジュールは、共通テストが課される大学と課されない大学で異なっています。
- 共通テストを課す大学
- 6月〜7月選抜要項発表
- 9月 共通テスト受験案内配布
- 10月 共通テスト出願
- 11月〜12月 各大学への出願および試験 日程は大学によって大きく異なる
- 1月 共通テスト
- 2月 合格発表
- 共通テストを課さない大学
- 6月〜7月 選抜要項発表
- 11月〜12月 各大学への出願および試験 日程は大学によって大きく異なる
- 12月〜1月 合格発表
私立大学
指定校推薦と公募推薦でスケジュールに違いがあります。
- 指定校推薦
- 6月 募集要項配布
- 7月〜10月校内選考
- 11月 出願
- 11月〜12月 試験
- 12月 合格発表
- 公募推薦
- 6月 募集要項配布
- 8月〜10月 願書配布
- 11月 出願
- 11月〜12月 試験
- 12月 合格発表
近年ではWEB出願が増えており、その場合は願書の取り寄せは不要となっています。
志望先のホームページをチェックしてみましょう。
大学受験における推薦入試利用者の割合は?
文部科学省のデータによると、2020年度の推薦入試の入学者数は、国公立・私立大学の全てで前年度よりも増加しました。入学者全体に占める割合は、国立が12.4%、公立が25.3%、私立が44.4%でした。
推薦入試による入学者の割合は、今後も増加すると考えられています。
推薦入学者が多い大学ランキング
2020年度に推薦入学者が多かった大学を見てみましょう。
1位:日本大学2926人、2位:近畿大学2299人、3位:関西大学2265人でした。
全入学者が2000人以上の大規模校で推薦入学者の割合が50%以上だった大学は、神戸学院大学のみですが、40%以上の大学となると12校ありました。
難関と言われるような私立大学でも推薦入学者の割合は高まっています。例えば、旺文社出版「2022年度用 大学の真の実力情報公開BOOK」によると、上智大学の推薦入学者の割合は6割に達しています。
まとめ
推薦入試の拡大に伴い、各大学における選考方法やスケジュールは多様化しています。早めにリサーチを始めて、受験プランを立てることが必要です。
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