記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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奈良県立大学 地域創造学部の小論文対策
[令和5年度 地域創造学部 学校推薦型選抜 90分]
問題
第1問 次の英文を読み、以下の問1と問2に答えなさい。
問1 課題文で述べられている、 日本の誇れる点について述べなさい。
問2 日本の幸福度ランキングが低い理由について述べなさい。
課題文(英文)の要約です。
日本の幸福度についての最新のWorld Happiness Reportによれば、日本は146ヶ国と地域の中で54位にランクされており、開発途上国の中でも最も低い部類に入るとされています。これにもかかわらず、日本は犯罪率が低く、平均余命が高く、国内総生産(GDP)で世界第三位の経済大国です。しかし、自殺率の高さ、男女の給与格差、長時間労働など、幾つかの社会的および構造的な課題が存在します。
この低い幸福度の背後には、文化、宗教、地理的な要因が影響しており、日本人の幸福感に対する個人的な視点に影響を与えています。アメリカでは幸福は個人の達成、独立性、自己充足から測定される一方、日本では共同体内で他の人と調和をとることが重要視されています。実際、自身の幸福を公然と誇示することは、自己中心的で忌避されることがあるとされています。
この文化的な違いは、調査への回答においても影響を与えており、人々の行動に反映されています。
出典:「日本は幸せですか? 進化するこの国の健康観を探る」ジャパンタイムズ、5/28-29
第2問 次の文章を読み、以下の問1と問2に答えなさい。
問1 筆者が下線部のように主張するのはなぜか、その根拠を含め150字以上200字以内で述べなさい。
問2 本文で主張されている自立と依存の関係について、本文の例以外に具体例を挙げ、400字以上 600字以内で説明しなさい。
課題文(英文)の要約です。
学校の先生や大人たちが若者に向けてよく発する言葉やイメージについて考察しています。多くの場合、若者は「社会は厳しい」「社会に出たら通用しない」といったアドバイスに対して、大人自身が実際に社会に出た経験がないのではないかと反発します。また、大人たちも同様の表現を使い、教師は未熟で非常識な者だと感じられることがあります。
文章は、「社会に出る」とは単に職場に就くことを指すものではなく、社会の多様な場所や側面にかかわることを意味するべきだと主張します。社会は多様な人々が相互に関わりながら生きる場であり、子供たちも既にその一部であると指摘します。したがって、社会に出ることや社会人であることは、一つの場所に順応するのではなく、異なる視点を持ち、新たな可能性を想像することを意味するべきだと提案します。
最終的に、社会は一枚岩ではなく、特定の人々に厳しいことがあるが、社会人という用語を使うなら、社会の偏見を和らげ、相互依存の網から落ちる人々に手を差し伸べることを意味すると結論づけています。
出典:古田徹也『いつもの言葉を哲学する』 より
小論文過去問題解説
第1問
問1
- 課題文から引用された情報を利用して、日本の誇れる点について述べる。
- 誇れる点として、低い犯罪率、高い平均余命、世界第三位の経済大国であることを挙げる。
例の回答: 課題文によれば、日本は低い犯罪率、高い平均余命、および世界第三位の経済大国であることから誇れる点があります。
問2
- 課題文から引用された情報を利用して、日本の幸福度ランキングが低い理由について述べる。
- 低い自殺率、男女の給与格差、長時間労働、文化的な要因(幸福の概念の違い)を挙げて説明する。
例の回答: 日本の幸福度ランキングが低い理由は、高い自殺率、男女の給与格差、長時間労働、および文化的な要因に起因しています。日本の文化では、自己の幸福を公然と誇示することが忌避される傾向があり、幸福の概念が他の国々と異なるため、ランキングが低いのです。
第2問
問1 筆者は、「社会に出る」や「社会人」という表現の使用に疑問を投げかけ、社会の多様性を強調しています。筆者の主張は、社会が多くの異なる要素で構成され、互いに依存していることを指摘しています。例えば、障害者と健常者の関係において、依存と自立の概念が異なることを示しており、これを通じて「社会に出る」とは何を意味するのかを再評価しています。筆者は、社会における相互依存と協力の重要性を強調し、社会の偏りを和らげる必要性を訴えています。
問2 自立と依存は職場、国際社会、日常生活などさまざまな場面で重要です。例えば、職場では個人の自立が協力と依存に基づいており、チームワークや組織の成功には依存が不可欠です。国際社会では国と国の依存が経済的な発展や平和の維持に関連しております。日常生活でも、個人は食事、医療、交通などの面で他者やシステムに依存しています。自立と依存は相互に結びついており、バランスが重要です。この意識は社会の持続可能性と幸福に寄与します。
奈良県立大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
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奈良県立大学の入試傾向
奈良県立大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。
- 一般入試: 一般入試は高校卒業(または同等の学力を有すると認められる)の者を対象としています。具体的な試験科目や試験内容は変更される可能性があるため、公式ウェブサイトや入学案内を参照してください。過去の一般入試では、一般教養試験や専門科目試験などが実施されていました。
- 推薦入試: 推薦入試は高校を卒業(または同等の学力を有すると認められる)予定の者を対象としています。推薦入試は高校の推薦を受けて出願し、学校側が推薦基準に基づいて合否を判断します。
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地域創造学部 地域創造学科 (定員数:150人)
本学では、個々の学生が自ら自主的・能動的に学修に取り組むことを重視している。
ゼミについては、対話型の少人数教育を中心として、1年次は「基礎ゼミ」、2年次から4年次までは必修の「コモンズゼミ」を開講している。すべての学年で課題指向型教育、解決指向型教育に取り組んでいる。
また、交渉力、実践力を持つたくましい人材を育成するため、必修科目として「フィールド科目」を設定し、すべての学生に実社会での活動体験を求めている。