2024年度愛媛県公立高校入試問題をポイント解説!

高校入試

2024年度愛媛県公立高校入試問題では、論理的文章・文学的文章・漢字の読み・漢字の書き取り・古文・作文の6題構成になっています。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。

2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。

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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします

大問1(論理的文章)

原瑠璃彦『日本庭園をめぐるデジタル・アーカイブの可能性』からの出題です。

〈解答〉

1、イ

2、ウ

3、

(1)エ

(2)ア

4、

a 庭全体の風景を漠然と捉えながら、ほかのことを考えている

b ぼんや~ている

5、配置を解釈したり芸術性を云々する

6、

a 至高の視点

b 「見る」ための庭

c 庭園の一部

7、龍安寺石庭は、どの位置からでも石全てを見られない造りであり、何かを集中的に見る ことができないから。

8、エ

〈解説〉

1、読みの音訓(選択肢)

重箱読みとは、音読みと訓読みの組み合わせのこと。

アの「傾斜」は、音読み+音読み。

イの「本棚」が音読み+訓読みで正解。

ウの「毛玉」は、訓読み+訓読み。

エの「場所」は、訓読み+音読みの湯桶読み。

2、接続語(選択肢)

「龍安寺石庭」は「一意的に解釈が定められるものではない」が、無理に解釈を定めるより、「そのような多数の解釈を生み出しうるほど~有していることにこそ注目すべきだろう」と説明されていることから考える。

3、文節の修飾(選択肢)・品詞の識別(選択肢)

「しばしば」は副詞なので用言を修飾する。

4、

a、内容読解(25字~35字記述)

空欄aの直後で、「このように、『ながめる』ときは二つのことを並行して行って」いると述べられているので、空欄aには「ながめる」に内包される二つの行為を書けばよい。

3段落の「目の前の風景に目を向けてはいるが、~ほかのことに考えをめぐらし」ているという説明箇所を参考にしよう。

b、内容読解(抜き出し)

「ながめる」の意識について端的に述べているのは、上田氏の引用部分である。

5、内容読解(抜き出し)

傍線部の直後、「龍安寺石庭」について述べている箇所から探す。

「解釈」という言葉がヒント。

6、内容読解(抜き出し)

a、「西洋の整形式庭園は、遠近法によって構成されており、その消失点こそ、王者、具体的にはルイ十四世による至高の視点になる」と述べられ、「庭園全体は、その至高の視点を念頭に置いて構成されている」と説明されている。

b、「庭園全体」が「至高の視点を念頭に置いて構成されている」点で、「整形式庭園」は「『見る』ための庭と言」えるのである。

c、日本庭園は「至高の視点」を「念頭において全ての要素が構成されているわけではない」ため、「見えるのは庭園の一部」だと説明されている。

7、理由説明(40字~50字記述)

まず、設問の指示にある「龍安寺石庭の石の配置の具体的な特徴」を押さえると、「どの位置から目を向けても、十五個の石全てを視界に入れることはできない」となる。

次に、「人が、『ながめる』ほかない理由」だが、8段落の冒頭において「一つ一つの要素」を「集中的に『見る』こと」ができなくなっているのである。

8、内容読解(選択肢)

エは、7段落の冒頭、「龍安寺石庭は、どの位置から目を向けても、~通底しているように思われる」に一致する。

ア・イ・ウは、いずれも本文にない内容。

大問2(文学的文章)

万城目学『十二月の都大路上下る』からの出題です。

〈解答〉

1、エ

2、イ

3、

a 咲桜莉が私の走りを見て楽しそうに感じてくれている

b 勇気

c 二度と経験できないかもしれない都大路の大舞台を楽しまないともったいない

4、互いの口か

5、ウ

〈解説〉

1、語句の意味(選択肢)

「駒を進めた」が出題。

2、内容読解(選択肢)

「緊張のしすぎで、身体をどこかに置き去りにしてしまったような私」とは対照的に、留学生は「談笑し」ながら「足のマッサージを受けていた」。「私とはエラい違いだった」と描写されている。

3、

a・b内容読解(抜き出し)

坂東は、留学生の「ほれぼれしてしまうフォーム」を見た後、「私は好きだよ、サカトゥーの走り方。大きくて、楽しそうな感じがして」という咲桜莉の言葉を思い出し、「私が留学生の彼女を~楽しそうと感じてくれている」と考え、「不思議なくらい勇気が太ももに、ふくらはぎに、足裏に宿ったように感じ」ている。

c内容読解(30字~40字記述)

「緊張の気配が身体から消え去」り、「そうだ、私も楽しまないと――。こんな大舞台、~都大路を味わわないともったいないぞ」と思い直している。

空欄cの直後に「開き直り」とあるので、「ずうずうしい気持ち」を表す「もったいない」を解答の中心に書くとよい。

4、内容読解(抜き出し)

「比喩を使って」という設問の指示がヒント。

視線が合わさり、闘争心の火花を散らしている。

5、人物理解(選択肢)

アは、「誰かのためならひたむきになれる」で切ろう。3のcで見たように、自分が楽しむために走るという側面もある。

イ・エは本文からは読み取れない。

大問3(漢字の読み)

〈解答〉

1、かっさい    2、せんさく    3、おろ    4、わず

〈解説〉

「喝采」・「詮索」・「卸す」・「僅か」の読みが出題。

大問4(漢字の書き取り)

〈解答〉

1、損益    2、旅券    3、焼ける    4、刻む

大問5(古文)

『耳嚢』からの出題です。

〈解答〉

1、

(1)たわぶれしに

(2)鳥類に~となり

2、

a 心よきこと

b うずらを逃がす

c 鳴くとまた捕まるので、決して鳴いてはならない

〈解説〉

1、

(1)現代仮名遣い(記述)

「たはぶれしに」を「たわぶれしに」に改める。

(2)発言箇所(抜き出し)

発言の最初は、「かのうづらに向かひて」をヒントにする。また、「汝」は「なんじ」と読み、二人称を指して「おまえ」などと訳す。

発言の最後は、「と」を目印にするとよい。「~と言う」の「と」である。

2、

a 内容読解(抜き出し)

空欄aの直後にある、「『金銀をちりばめし籠』を~置かれたら」は、文章中の「金銀をちりばめし牢を作りて御身を入れ置かば」に該当することから考える。

b 内容読解(7字記述~10字記述)

糀崎何某は「感心改節して、~飼ひ置きける鳥を残らず籠を出し」ている。

c 内容読解(15字~25字記述)

「汝必ず音を立つることあるべからず。音を立てば、また捕られん」に着目する。

大問6(作文)

〈解答例〉

私は、言語コミュニケーションにおいて、情報の送り手が伝え方を工夫することが大切だと考える。

なぜなら、現代社会では日常的に非常に多くの情報が飛び交っているため、情報の受け手が受動的になりがちだからだ。

受け手側が頭をしっかり働かせて情報を受け取らないと、言語コミュニケーションは表面上のやりとりで終わってしまう。受け手に興味を持ってもらえるような工夫が必要だろう。

私自身、ある笑い話を話したときに、話の構成を変えるだけで面白さを強調して伝えることができた経験がある。
受け手に何を伝えたいのか、何を理解してほしいのかを考えたうえで、受け手を引きつけるような発信の仕方を工夫することが大切だと思う。そしてその工夫は、受け手が誰であるかによって変わるものだということも肝に銘じておかなければならな

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