総合型選抜で提出を求められる書類の一つに、学修計画書(学習計画書とも表記)があります。志望理由書や活動報告書と並んで非常に重要な書類ですが、そもそも学修計画書とは何なのか、何を書けば良いのかなど、高校生の皆さんにとっては馴染みがなくわかりにくいものですよね。
今回の記事では、学修計画書の内容・評価のポイント・書き方・例文について、わかりやすく解説していきます。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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学修計画書について
そもそも学修計画書とはどのようなものなのでしょうか。その目的や、字数、内容について見ていきましょう。
学修計画書を作成する目的は?
文部科学省の「大学等への修学支援の措置に係る学修意欲等の確認の手引き」によると、学修計画書によって、「将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、大学等における学修意欲を有していることを確認する」としています。
わかりやすく言い換えると、学修計画書の目的は、受験生が社会で自立して活躍する自分の姿を描くことができているか、大学で学習する意欲があるかを確認することにあります。
何文字程度で作成する?
このあと詳しく説明しますが、学修計画書で大学が確認したい点は、学修の目的(将来の展望を含む)、学修の計画、学修継続の意志の3つです。
字数は各項目ごとに400文字程度でまとめることが一般的です。大学から字数が指定される場合もあります。
学修計画書の内容は?
先ほどふれた通り、学修計画書の構成は、学修の目的(将来の展望を含む)、学修の計画、学修継続の意志の3つに分けられます。それぞれ何を書けば良いのか見ていきましょう。
学修の目的(将来の展望を含む)
学修計画書全体のつかみに当たる部分です。
大学卒業後に就きたい職業や追求したい研究といった将来の展望を具体的に述べ、それによって社会でどのように活躍・貢献するのかと続け、それらを実現するためにどのような理由で志望大学を選んだのか、とまとめていきます。
学修の計画
学修計画書の中心となる部分です。
学修の目的で述べた将来像に到達するために、1年次から4年次までどのように学習を進めていくのかという計画を具体的に書いていきます。
学修継続の意志
学修計画書のまとめの部分です。
4年間しっかりと学習に取り組む意志があることを強調します。
学修計画書の評価のポイント
各項目ごとに、試験官が評価するポイントを確認しておきましょう。
学修の目的の評価ポイント
試験官が見ているポイントは、将来の展望が明確に述べられているか、学修の目的を自分の言葉で表現できているかの2点です。
将来の展望が明確に述べられているか
将来像を明確に描くことができているかどうかが評価されます。
将来の展望は、就きたい職業を書くだけなく、その職業でどんなことをしたいのか、どのように社会に貢献するのかなど、具体的なビジョンを述べましょう。
学修の目的を自分の言葉で表現できているか
なぜこの大学を選んだのかという理由を自分なりの言葉で表現できているかが評価されます。
アドミッションポリシーは必ず参考にしましょう。そこに掲げられた内容と自分の学修の目的を結びつけて述べることができれば、他の大学ではなくその大学を選んだ理由として筋が通ったものとなります。
パンフレットやホームページで調べたこと、実際に見学に行って感じたことも、その大学で学びたい理由として挙げられるものとなるでしょう。
学修の計画の評価ポイント
学修の目的を達成するための詳細な計画を立てることができているか、それを自分自身の言葉で述べることができているかが評価されます。
これまでに何を学んできたか、大学で何をどのように学びたいかの2点について、具体的に書きましょう。
特に大学での学びについては、各学年で履修したい授業を書いたり、教授やゼミナールの名前を記して研究内容に触れたりして、学習の計画を伝えるようにします。
学修継続の意志の評価ポイント
卒業まで学修をやり遂げようという意志があるか、真剣に取り組もうという意欲があるかが評価されます。
試験官が「この学生なら一生懸命学習に取り組んでくれるだろう」と思ってくれるように、熱い気持ちを素直に表現しましょう。
学修計画書の書き方
学修計画書の意味や評価ポイントがわかったところで、実際に学修計画書をどのように書くかを見ていきましょう。
学修計画書の書き方の流れ
当然のことですが、まずは何を書くかということ考える必要があります。次のようにステップを踏んで、自分の書くべき内容を整理していきましょう。
自分の将来像を描こう
将来どのような職業に就きたいか、それによってどのように社会と関わり貢献したいかを考えてみましょう。なぜそう考えたのかという理由も明確にしておきます。
大学を卒業してすぐの姿だけでなく、10年後や20年後の姿についても、どこでどのような立場でどのようなことをしているのか考えてみてください。
一貫性をもった将来設計となるよう気をつけましょう。
大学で学びたいことについて調べよう
将来像を実現するために、志望する大学で何を学ぶかということを調べましょう。
希望の職種に関する書籍を読んでどのような学問が必要となるのか調べたり、授業の内容が説明されている大学のシラバスを読んだりして、その大学や学部・学科で学べることを調べます。
「学修の計画」の部分は、1年次から4年次まで学年ごとに学修計画を書いていくよう指定されることが多いです。学年ごとに短期目標を設定し、それを達成するために学ぶことや身につけることは何なのかを考えてみましょう。
計画的に学修がステップアップしていく過程をアピールできるように、シラバスの他、カリキュラム、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーに目を通して、学修の流れを考えてみてください。
カリキュラムには学年ごとのカリキュラム一覧、カリキュラムポリシーには授業の方針、ディプロマポリシーには学科の目標が記載されています。
信頼できる人にチェックしてもらおう
ここまで解説してきたことを真剣に考え抜いて調べ尽くすには、かなりの困難が伴うことと思います。
一生懸命考えて書いてみたら、信頼できる人に内容をチェックしてもらいましょう。添削までしてもらえるとベストです。
考える→書いてみる→添削してもらう→もう一度書いてみる、という工程を繰り返しながら練り上げていき、完成を目指しましょう。
学修計画書の例文
最後に学修計画書の例文を見てみましょう。
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「公務員になって観光産業が傾いた過疎のまちを再生させたいという将来像を描いている生徒」という設定です。
公務員になって地元の観光産業を立て直し過疎化を食い止めるために働くという将来像が示され、そのために観光分野について学びたいという学修の目的が述べられています。
学修の目的を達成するために必要な学びが志望大学で得られると述べて、他の大学ではなくこの大学で学びたいのだと強くアピールしています。
続いて、基礎的なことから学び、4年次には全ての学びを統合していくというステップアップの計画が述べられています。
学修に対する強い意欲をアピールしています。志望大学で学びたい、4年間努力し続けるという意気込みを述べています。
まとめ
今回は、学修計画書とは? 学修計画書の評価のポイントは? 学修計画書の書き方や例文は?というテーマで解説してきました。
将来像を生き生きと思い描き、そこに到達するためにはどのようなことを学ぶ必要があるのかと考えていくことは、夢のある楽しい作業であると同時に、現実味をもって自分を見つめ直したり志望先について時間をかけて研究する必要があったりするなど、苦しい作業であるとも言えます。
一人で完結させようと思わず、考えて書いてみたら、添削してもらうようにしましょう。
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