大学入試面接は、質問に対する回答や面接中の態度などから、人間性や個性を総合的に判断しています。よって、受験生のみなさんが存分に自己アピール出来る絶好の場と言えるでしょう。
しかし、ぶっつけ本番では不安なので練習をする方が多いと思います。
志望動機や自己PRなどの面接で、当然聞かれると予想される質問に対しては何度も練習を重ねます。ですが、面接官によっては変わった質問をされる可能性があるので注意しましょう。
そこで今回は、突然予想外の質問が来た時にどう対応するのかをお話していきたいと思います。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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大学面接での変わった質問
まずは、実際にあった入試面接での変わった質問をいくつかご紹介します。
その質問の意図と答え方を考えていきましょう。
あなたを色や動物に例えるなら何ですか?
この質問は、自分自身がどんな人間であるかを自己分析し、自分自身を把握しているかどうかを見極めることを目的としています。
この質問に対して、色や動物は何でもよく、自分を客観的に理解していることが求められます。いくつか例を挙げてみます。
自分の性格や人間性を自己分析しましょう。
面接で一番重要なことは、「自分を知っていること」です。
結構、自分のことは知らないものです。自分のやりたいこと、強みを深堀して
面接に臨みましょう。
責任感の強いミーアキャット
ミーアキャットは生まれながらに役割が決まっていて、生涯その役割を全うする動物です。
子育てする役、餌を捕りに行く役、外敵が来ないか見張る役など、ほかの役割に目移りすることなく、自分に与えられた役割をただひたすらにやり遂げます。
一つのことを最後までやり遂げる力はまさにミーアキャットではないでしょうか?
真面目で優しいハイエナ
ハイエナは悪いイメージを持たれていますが、実は物凄く真面目な動物です。
世の中では、他人の物を横取りする人のことをハイエナ呼ばわりすることがあります。実はハイエナは他の動物が捕った獲物を横取りするようなことは絶対にしません。むしろ、自分が捕った獲物をライオンに取られてしまうことがあります。しかし、ライオンが食べ終わるのをジッと待ち、最後にライオンの食べ残しを骨まで食べ尽くします。
見た目はいかつそうでも、実はとても真面目で優しいのがハイエナです。
緑色に秘められた癒し効果
ご存じの通り、緑色には癒しや安らぎを与える効果があるとされていますが、緑色は安心安全なイメージや健康的な印象を連想させるとして、非常口や健康食品のパッケージなどにも使われています。
マイペースな性格でいつもほのぼのしていて、周りを和ませる性格の持ち主なら、リラックス効果絶大の緑色はいかがでしょうか?
色も動物も数えきれないほどあるので、常日頃から自分自身を客観的に見てみるようにして、どんな動物に似ている性格であるのか、自分の人間性は何色に例えられるのかを観察してみましょう。
もちろん第三者に聞いて情報収集するのもおすすめです。自分の性格は自分で分かっているつもりでも、冷静に観察してみると意外と知らない一面が垣間見えるかも知れません。
もし100万円あったらどうしますか?
この質問の意図としては、突然100万円という言葉を聞いた時にその人がどんなものに価値を見出しているのか、何に重きをおき、何を大切にしているのかを判断します。
突然100万円の使い道を聞かれても正直ピンと来ないと思いますが、あなたの意見を聞いているので回答に正解はありません。
何に使いたいのか、どんな行動をとるのか、その理由は何なのか。これらを明確にして、自分がどんな人間であるかを相手に伝える事が大切です。
格好良く見せようとして適当な事を言ってはいけません。自分の思うことを素直に伝えましょう。
などなど、答えは人それぞれなので受験生の数だけの回答があると思います。先ほども言いましたが、回答に正解はありません。
自分は何に使いたいと思ったのか、その理由は何なのか、この2点がきちんと相手に伝わるように素直に話しましょう。
学生時代に起業して、世の中の仕組みを勉強する!
この答えは、かなりポイントが高いと思います。
しかし、そのあとに「どんな職種」「その理由は?」などにも答えられるようにしましょう!
おすすめの〇〇を教えてください
この質問は、あなたが何に興味を持っていて、それをどのように第三者に紹介することが出来るのか、いわゆるプレゼン能力が試されます。
しかし、○○に何が入ってくるのかは面接官次第ですので、常日頃から身の回りにある色々なジャンルのものを観察しておきましょう。
良くあるのは、映画や本ですが、家電や文房具などといった少し答えづらそうなジャンルで意表を突かれることもあります。
色々なジャンルのおすすめを考えてみましょう。
大学の先生が、「それは何?」と食いついてくる回答が最高です!
そして大事なことは、「おすすめの理由」です。納得できる理由が必要ですね。
家族や友人などに意見を聞いてみるのも良いでしょう。自分の興味とは別の角度からの話を聞けて参考になるかも知れません。
何を聞かれても共通して言えることは、おすすめの物が何なのかを1つ明確に示す事と、おすすめである理由を述べる事です。こちらも正解はありません。何がなぜ、どういうところがおすすめなのかを自分の言葉でしっかりとプレゼンしましょう。
先ほどの話を聞いてどう思いましたか?
グループ面接で聞かれる質問ですが、これは傾聴力を見ている質問です。入試面接なので緊張しているのは当然ですが、そんな中でも周りを冷静に見られているかが試されます。
他の人が質問されている時には、その人がどんな話をしているのか耳を傾けておきましょう。
自分と同じ意見の人もいれば、まったく違う意見の人もいると思いますが、もし意見が違っていてもその人の意見を強く否定するのはNGです。自分の考え方と相違がある場合には、相手の意見を尊重しつつ自分の意見を述べます。
逆に同意見だったとしても、「良いと思います。」「おっしゃる通りです。」など、一言で済ませてはいけません。適当に返事をしているように見えたり、話を聞いていないように見えたりするので、同意見であってもそれに対しての自分の考えをしっかりと伝えましょう。
集団面接では、他の受験生の意見に対して、
容認(賛成)しつつも、自分のさらに深い意見を述べる!
これが原則です。
そのためには、普段から疑問に思ったことや腑に落ちたことにたいして、
さらに深い意見を自分で考えておく訓練をすると良いですね。
変わった質問をする意図とは?
入試面接において変わった質問をする意図は、予想外の事態が起きた時の対応力を見るためです。
対応力とは、状況を素早く把握して対処する能力で、今起きている状況を見極めて冷静な判断が出来るかどうかが試されています。
ただ慌てるだけで何も出来ずにずっと黙って考え込んでしまう人より、何かしらの考えを持って行動に移せる人の方がいいのは分かると思います。
対応力と言っても、大きく分けて3つあります。
瞬発力
予想外の事が起きた時に、相手の意図を汲み取って相手の求めるものを瞬時に判断する能力で、機転が利くかどうかが試されます。
もちろん少し考える時間が必要になる事もありますが、すぐにどうにか対応しようとする姿勢が大切です。
柔軟性
相手に合わせた臨機応変な対応をしなければならないので、話の引き出しが必要になります。
引き出しが一つしかなければ、同じ回答しか出来ません。常日頃から色々なものに興味を持ち、話の引き出しを増やしておきましょう。家族や友人以外にも、普段はあまり会話をしない人と話をしてみると新しい世界を知ることが出来るかも知れません。
面接の時にどんな質問が来るのかは予想できませんが、予想外の事態に動揺しないように、とにかく何か予想外の事が起きるであろうと思っておきましょう。
適応力
その場の状況を見てそれに合わせて考え方を切り替えられる能力です。
変わった質問に対してその質問の意図を汲み取る事、そしてそれに合わせた回答が出来るかどうかです。
相手がなぜその質問をしているのかを考えて答えることが大切なので、自分の考え方に固執しすぎて相手の意図を無視した的はずれな回答にならないように注意しましょう。
私は特に、最後の「適応力」が重要だと考えています。
特に看護師や教員などを目指す受験生は、まったく想定外の質問をしっかりと
準備しておきましょう。
そこで、あなたの深談からの適応力が、判断されます。
変わった質問にも慌てない!理想的な答え方
入試面接での変わった質問にはどんな意図があるのかをお話してきましたが、どんな質問においても慌てることなく、素直に自分の意見や考え方を述べる事が大切です。変わった質問を受けた時の心得を3つのポイントにまとめました。
慌てず冷静に
何度も言ってきましたが、変わった質問をされてもとにかく動揺せずに冷静でいることです。
変わった質問をしてきた面接官は、とっさの出来事にも対応できる能力があるかどうかを見ています。とにかく慌てず冷静でいること。
とは言え、ただでさえ面接で緊張している中で予想外の事が起きたら内心はかなり焦るでしょう。しかし、それを表情には出さないように冷静沈着を装いましょう。
難しい質問には素直に
格好良く見せようとして、思ってもいないことを適当に話すのは絶対にいけません。
相手は何百人、何千人と面接をしてきたプロの面接官です。適当に話をしてもすぐにばれてしまうでしょう。また、適当に答えたことで、他の質問の回答と矛盾が生じた場合には、不信感を与えることになるので絶対にやめましょう。
難しい質問がきたとしても、こちらまで難しい言葉を使う必要はありません。自分の言葉で、素直な気持ちや考え方を伝えるようにしましょう。
答えに窮する難しい質問に対しては、知識で答えてはいけません。
大学の先生に知識で対応することは、不利です。
だから、そのような質問の意図や自分の回答の理由をしっかりと言語化して、
伝えられるようにしておきましょう。
黙り込まない
変わった質問をされた時に黙り込まないのは、最重要と言っていいほど大事なポイントとなります。
何も言わずにただ黙っていたら、コミュニケーション能力が無いと判断されるでしょう。少し難しい質問がきて考える時間が欲しいと思った時は「少々お時間いただけますか?」と断りを入れましょう。いただいた少しの時間で存分に考えてください。
黙り込んで無回答で終わるのが、一番やってはいけないことです。必ず何かしらのアクションを起こしましょう。
番外編:プライバシーの保護
入試面接において、プライバシーに関わる質問をすることは基本的に禁止されています。もちろん面接官も重々承知しているはずですが、万が一受けた質問がプライバシーに関わると判断した場合には、無理に答える必要はありません。言いづらいかも知れませんが、回答することをお断りしても構いません。自分で判断しましょう。
まとめ
どんな質問がきても、慌てず冷静に、その質問の意図を考え、自分の気持ちや考え方を自分の言葉で素直に相手に伝えること。
全ての質問にすぐに答えられるようにしなければと気負いする必要はありません。そもそも全ての質問を予測することは出来ませんので、志望動機や自己PRなどの基本的な部分は練習しておいて、その他の変わった質問に対しては色々な引き出しを準備しておき、冷静に自分の思いをぶつけられるようにしておきましょう。
とにかく慌てず冷静に、自分の思いを素直に伝えることが大切です。