医師の定年は60〜65歳が一般的。しかし勤務形態や開業・再雇用制度によって大きく変わります。本記事では医師の定年制度の違いと定年後の働き方、老後資金対策、キャリアプランを網羅的に解説し、最適なセカンドステージ設計をサポートします。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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医師の定年制度の基礎知識
公立病院(公務員扱い)の定年は原則60歳
国家公務員法・地方公務員法に準じ、医師でも例外なく60歳が定年。ただし継続雇用で65歳まで嘱託勤務が可能です。
国立・大学病院は65歳が主流
国立病院機構(NHO)では65歳が標準定年。再雇用期間は病院により異なりますが、70歳まで延長するケースも増加。
民間病院は60〜70歳と幅広い
医療法人の就業規則に依存。人材不足の地方病院では“定年制なし”も珍しくありません。
勤務医 vs. 開業医──退職年齢と働き方の違い

区分 | 定年の有無 | 主な退職理由 | 再就職パターン |
勤務医 | あり(60〜65歳) | 年齢上限、体力、病院経営方針 | 嘱託医、非常勤医、産業医 |
開業医 | 実質なし | 事業承継、体力低下 | 後継者へ譲渡、医院売却、非常勤勤務 |
開業医は事業承継が“定年イベント”。承継準備は5年前から始めると移行がスムーズ。
定年後に直面する5つの課題
- 収入の減少と老後資金
・医師年金は会社員並み。退職金や資産運用で差を埋める必要。 - 再雇用条件の不透明さ
・嘱託契約は1年更新が多く、報酬も6〜8割に。 - 専門スキル維持
・手術数の減少で技術が落ちる恐れ。学会参加・自己研鑽がカギ。 - 働き方とライフバランス
・夜勤負担を減らす、非常勤複数掛け持ち等で調整。 - 医療ミスリスクと訴訟
・高齢医師ほどミスリスクが上昇。保険とチーム医療体制でカバー。
定年後キャリアの選択肢とモデル年収
選択肢 | 勤務形態 | 年収レンジ (目安) |
嘱託医・週4勤務 | 週32h | 800〜1,200万円 |
非常勤スポット | 週1〜2日 | 日給6〜10万円 |
産業医 | 企業常勤 | 1,000〜1,500万円 |
健診センター | 9‑17時 | 700〜1,000万円 |
地域医療派遣 | 離島・過疎地 | 1,200〜1,800万円+住宅手当 |
50代後半から次の働き方を“試し勤務”しておくとミスマッチを防げます。
定年前から進めるべき準備リスト
- 資産シミュレーション:必要生活費・年金額・運用利回りを試算
- セカンドキャリア研修:産業医講習、在宅医療研修など
- 医療法人の定年規程チェック:再雇用上限年齢・給与体系を確認
- エージェント面談:60歳前でも登録可。求人動向を把握
- 健康管理:体力維持は収入維持=“働ける身体”への投資
まとめ:自分らしいセカンドステージを描くコツ
- 医師ライフは**「定年=キャリア終点」ではなく「選択肢が広がる節目」**。
- 早期に資金・スキル・働き方の準備を整えれば、70歳以降も現場・教育・産業医など多彩に活躍。
- 不安があれば医師専門の転職エージェントやファイナンシャルプランナーに相談し、理想の働き方と老後設計を具体化しましょう。