記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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岩手県立大学 社会福祉学部の小論文対策
[令和4年度 学校推薦型選抜 60分]
問題
課題の要約文です。
知識は教養に重要だが、単に知識だけでは足りず、教養には他にも条件がある。学生のアンケートによると、教養ある人の特徴は、知識だけでなく、常識やモラル、礼儀をわきまえた判断能力、幅広い関心や多様な視点で物事を考えられることなどが挙げられる。教養は「自分を大きな価値の尺度に照らして相対化できること」を含み、相対化のできない人は自分を判断基準にし、常識が身近なものとして受け入れてしまう傾向がある。教養ある人は自分を特別だと思わず、人類の知的遺産に感謝し、他者と異なる価値観も尊重できる。相手の論に対しても柔軟であり、議論ではディベートではなくダイアローグが重要であるとされている。教養には「自分を超えた価値に照らして必要とあらば自分を変えていこうとする心のゆとり」が含まれ、これを「闊達さ」と表現している。
出典:戸田山和久『教養の書』筑摩書房 2020年 pp.65-75 より 一部改変
問1 著者の述べる 「闊達さ」とはどのようなものか。 本文にあるディベートとダイアローグの違いを踏まえて250字以上300字以内で説明しなさい。
問2 本文によれば、「教養をもつこと」 は今日の福祉的課題の解決においても重要な役割を果たすことになる。そのように言える理由について500字以上600字以内で述べなさい。その際に、教養の2つの
要素を明確にした上で、福祉的課題とそこでの教養の役割についての具体例を交えながら説明しなさ
い。
ポイント
【出題の意図】
【出題意図】
文章の理解力、判断力、論理的思考力、設問の趣旨に沿って表現する力をみる。
【解答】
問1 ディベートは、ある論題について一方が賛成、他方が反対の立場を取って議論しあうものであり、説得力ある論証を展開できた方が勝ちで、考えを変えると負けとなる。一方、ダイアローグには基本的に勝ち負けは無いが、それを行う前と行った後で考えが変わらなかったら行う意味がなく、変われなかったらむしろ負けとも言える。つまり、議論において自分の意見に反論されても、その中から学ぶべき点を取りだして自分の意見を修正できるようなコミュニケーションである。闊達さとは、ダイアローグのコミュニケーションに見られるように、相手の論が正しければいつでも自分の意見の方を変えることができるような余裕のある態度のことを言う。
【採点基準】
・ディベートとダイアローグの違いが説明されている。
・闊達さとは何かが説明されており、ダイアローグのコミュニケーションに見られる態度であることが述べられている。
・字数制限が守られている。
・誤字脱字がない。
問2
【採点基準】
・ 教養の 2 つの要素が説明されている。
・ 具体的な福祉的課題が挙げられている。
・ 闊達な議論によって、自分を相対化すること、必要であれば自分を変えていくことが、具体例の中で述べられている。
・ 字数制限が守られている。
・ 誤字脱字がない。
〈岩手県立大学の公開内容からの引用〉
小論文過去問題解説
問1:「闊達さ」の説明
「闊達さ」は、教養をもつ心の姿勢を指し、相手の意見が正しい場合は柔軟に自分を変える余裕のある態度を表しています。著者によれば、「闊達さ」とはディベートとは異なり、ダイアローグの中で相手の論に敏感に耳を傾け、必要に応じて自らの意見や態度を修正していく姿勢を指しています。これは勝ち負けではなく、お互いが学び合い、共感し合うコミュニケーションのあり方です。
問2:教養の役割と福祉的課題の解決
教養をもつことは福祉的課題の解決においても重要である。まず、教養には知識だけでなく、「自分を大きな価値の尺度に照らして相対化できること」と「闊達さ」が含まれています。これにより、異なる視点を理解し、柔軟に対話できるため、福祉的な問題に対しても多角的かつ効果的な解決策を見つけることが可能です。
たとえば、高齢者の孤独感や地域社会の課題に対処する場合、教養ある人々は異なる世代や文化に対する理解を深め、地域社会全体の結束を促進することができます。また、医療や介護においても、「自分を超えた価値に照らして相対化できること」があれば、患者や利用者のニーズを理解し、より適切で人間中心のケアを提供することができます。
総じて、教養は知識だけでなく、相対化と闊達な態度を通じて人間関係や社会の課題に対して前向きな影響を与え、持続可能な福祉社会の構築に寄与するのです。
岩手県立大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
岩手県滝沢市巣子152-52 | IGRいわて銀河鉄道「滝沢」駅下車、徒歩約15分 「盛岡」駅からバスで約40分 |
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岩手県立大学の入試傾向
岩手県立大学の一般的な入試傾向についての情報です。
- 学力重視の傾向 岩手県立大学は、学力を重視した入試を行っています。高校の学習内容に加え、高校で学んだことを深め、応用できる力を身につけることが求められます。
- 英語力の重視 岩手県立大学は、英語力の重要性を認識しており、英語の試験を行っています。英語の試験は、TOEFLやTOEICなどの外部検定試験の成績を提出することもできます。
- 数学力の重視 理工学部や生命科学部においては、数学力の重要性が高く、数学の試験が行われます。高校の数学の内容を理解し、応用力を身につけることが求められます。
総合型選抜の実施 岩手県立大学では、総合型選抜を実施しています。総合型選抜は、学力試験の成績と面接、エッセイ、書類審査などを総合的に判断して合否を決定する方式です。学力だけでなく、個性や人物像なども重視されます。
岩手県立大学の募集コース
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看護学部 看護学科 (定員数:90人)
看護学科では、看護を必要とする人びとの立場を十分考慮し、科学的に判断し、主体的な看護を展開できる能力を備えた人材を育成する。看護の実践を通した確かな技術と知識の修得に加え、豊かな人間性を育むことにも主眼を置いたカリキュラムとなっている。
看護への関心を早い時期から高めるために、1年次から専門科目・看護実習が設けられている。また、医療現場の情報化に対応した情報教育とともに、保健医療の現場でコーディネーターの役割を果たすことを目指した他職種との連携を重視した教育も行われる。
このほか、多様な実習室での実習のほか、病院や保健所・保健センターといった医療現場での実習などを取り入れた実践能力を高めるための科目も設置している。
社会福祉学部(定員数:90人)
社会福祉学科 (定員数:50人)
社会福祉学科では、個別の具体的な援助の手法と、援助を実現するために必要な制度・政策の両面を学び、よりよい福祉のあり方を考察する。
個人を対象とした対人援助に加えて、福祉政策・福祉システム・臨床ソーシャルワーク・ターミナルケアなど、福祉を実現するための制度・政策、そして運営までを複合的に学ぶ。
人間福祉学科 (定員数:40人)
人間福祉学科では、発達的・心理的な問題を抱える人びとへの福祉のあり方を考察し、適切な支援の知識・技術の修得を目指す。社会福祉学に加えて、発達科学・リハビリテーション・社会心理・臨床心理・カウンセリングなど対人援助の諸科学を複合的に学ぶ。
社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験受験資格に加え、人間福祉学科では保育士資格が取得できる。
ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科 (定員数:160人)
ソフトウェア情報学科では、コンピュータサイエンスに立脚し、地域に根ざした実学・実践の教育・研究を通して「人に優しい情報化社会」の実現に寄与することができる人材の育成を目指している。実学・実践を基本とした演習重視のカリキュラムを編成しており、社会のニーズに合った授業を学ぶことができる。1年次から専門科目を開講しているのも特色の一つ。
また、学年混成型のクラスルームは、各学年が交流できる場となっており、学生同士が密なコミュニケーションを図りながら、人間性や社会に役立つ実力を培うことができる。
また、ノートPCを活用することができるよう、各教室に無線LANのアクセスポイントを設置するなど、ICT学習環境を整えている。
総合政策学部 総合政策学科 (定員数:100人)
総合政策学科では、さまざまな領域において、自らが取り組むべき問題を発見するとともに、そのメカニズムを理解し、問題の解決に向けて思考できる人材を育成する。学生がさまざまな学問の成果を駆使して総合的に探究し、問題を解決しようとする思考プロセスを大切にする。従来の縦割り的な学問体系の壁を乗り越え、問題解決型の知的探究を行う場を提供するようなカリキュラムを編成している。
社会の多様なニーズや地域特性に配慮し、3年次から「法律・行政コース」「経済・経営コース」「地域社会・環境コース」の3つの履修コースのいずれかを選択し、自分が興味を持つ分野をより深く掘り下げることができる。