福知山公立大学 情報学部 情報学科【学校推薦型選抜(全国枠・地域枠・専門学科枠)】 推薦入試の出題傾向と合格戦略
福知山公立大学情報学部の学校推薦型選抜を目指しているものの、「情報学部の小論文では専門知識がどこまで必要なのか」「AIやDXについて何を勉強すればよいのか」と不安を感じている受験生は少なくないでしょう。情報分野は変化が速いため、ニュースを追い続けなければ対応できないようにも見えます。
しかし、公開されている2024年度と2025年度の問題を比べると、問われているのは用語の暗記ではありません。課題文を正確に読み、技術がどのような場面で使われ、誰のどのような課題を解決するのかを整理したうえで、自分の考えを短い文章にまとめる力が中心です。
特に注意したいのは、「AIは便利だ」「DXを進めるべきだ」といった一般論だけでは十分な答案にならないことです。情報技術が成果を生む仕組み、その導入によって生じる新たな問題、適切に運用するための条件まで考える必要があります。
ここでは、2024年度・2025年度の出題を年度別に整理し、共通する評価ポイントや具体的な学習手順まで解説します。過去問をまだ解いていない人は学習の見取り図として、すでに取り組んだ人は答案を改善するためのチェック材料として活用してください。
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2025年度分析:AIの能力を冷静に捉え、利点と問題点を具体化する力
2025年度は、前半で対話型AIと人間の心・意識をめぐる文章、後半でスポーツ競技におけるAI分析を扱っています。前半の二問は、本文中の説明を根拠として従来の考え方を整理し、対話型AIの登場がなぜ驚きをもたらしたのかを説明する構成です。後半は、関心のある競技を一つ挙げ、AI利用の利点と問題点を300字以内で考察させています。共通しているのは、AIを万能な存在として語るのではなく、人間らしく見える振る舞いと実際の仕組みを区別し、データ分析が有効になる条件や限界まで考える姿勢です。本文理解から自分の具体例へ段階的に移る構成なので、前半で読み違えると後半の考察も浅くなります。
- AIの振る舞いと、人間の心や意識の有無を混同しない
- 本文中の根拠を使い、従来の前提を短く説明する
- 驚きの理由を、従来の理解との対比によって示す
- スポーツの具体例では、取得するデータと改善方法を明示する
- 利点と問題点を並べるだけでなく、両者の関係を考察する
- 誤分析や過度な依存を防ぐための人間の役割まで示す
出題テーマ:生成AIの人間らしさとスポーツ分析
前半の焦点は、身体や感覚を持たない対話型AIが、人間の心を思わせる高度な応答を示すことです。受験生には、文章表現の自然さと、実際に感覚や意識を持つことが同じではないと整理する力が求められます。
後半では、競技映像から姿勢や動作を数値化し、改善点を見つけるAI活用が題材になっています。AIという共通テーマを、哲学的な問いと実践的な利用の二方向から考えさせる点が特徴です。
設問の構成と採点ポイント
前半の第一問は、本文の該当部分を根拠に従来の前提を説明する読解問題です。引用に相当する要素だけを並べるのではなく、それが何を意味するのかを自分の言葉でまとめる必要があります。第二問では、従来の前提と対話型AIの振る舞いを対比し、驚きが生まれる因果関係を示すことが重要です。
後半では、競技名を挙げるだけでは具体例になりません。どのようなデータを取得し、AIが何を分析し、その結果を誰がどのように利用するのかまで書く必要があります。さらに、利点と問題点の双方を指定字数内で扱う構成力も評価を分けます。
スカイ予備校の分析:評価された答案の共通点
高く評価されやすい答案は、AIに関する印象論を避け、本文の対立軸を正確に押さえています。たとえば、人間らしい出力ができることと、身体感覚や主観的経験を持つことを分けて考えると、説明の精度が上がります。
スポーツの考察では、「上達できる」という抽象的な利点ではなく、映像や計測データからフォームの変化を見つけ、練習方法を修正できる、といった因果関係が明確です。問題点についても、誤ったデータへの依存、選手の個人情報、費用格差などから一つを選び、対策まで触れる答案は完成度が高くなります。
答案作成で注意したい点
AIについて詳しく知っていても、本文にない専門用語を並べすぎると設問から外れます。前半では本文の範囲を守り、必要な説明だけを残すことが最優先です。
後半では利点の説明に字数を使い切らないようにします。構成メモの段階で、具体例、利点、問題点、適切な利用条件に字数を配分すると、結論不足を防げます。
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2024年度分析:教育と地域社会の課題をICT・DXで解決する視点
2024年度は、学校教育におけるICT活用と、人口減少・高齢化が進む地域でのDXが取り上げられました。前半では、ICT活用を推進する教員の役割を整理したうえで、教育ICTと一人一台端末を中心とする環境整備の関係を説明し、自分の考えを加えます。後半では、高齢者の見守り、行政業務、交通、医療などに情報技術を導入する地域の事例を読み、過疎化の防止に役立つ別のDX例と期待される効果を考えます。技術そのものを説明するだけではなく、地域や学校が抱える課題を特定し、導入した技術が行動やサービスをどう変えるのかまで書けるかが重要です。
- 制度名や用語ではなく、担い手の具体的な役割を整理する
- ICT教育と端末・通信環境の整備を目的と手段の関係で捉える
- 見守り、行政、交通、医療など複数の事例を分類する
- 過疎化の原因と提案するDXの効果を対応させる
- 高齢者など利用者側の使いやすさや支援体制も考える
- 地域課題、技術、利用方法、期待される変化を一続きで書く
出題テーマ:教育ICTと地域DX
前半は、端末を配備するだけでなく、授業や家庭学習で活用を広げる教員の役割に注目した題材です。情報機器の導入と教育の改善を同一視せず、教員研修や実践の共有が必要であることを読み取る必要があります。
後半は、人口減少と高齢化が進む地域において、センサー、AI、デジタルIDなどを公共サービスへ活用する事例です。技術の新しさよりも、限られた人員で生活を支えるという社会的目的が中心に置かれています。
設問の構成と採点ポイント
前半の第一問では、対象となる教員の定義を本文中の複数情報からまとめます。単に機器操作が得意な人とするのではなく、研修、指導、実践の推進、周囲への発信といった役割を整理することが重要です。第二問では、教育ICTという目的・活動と、学習環境を整える施策との関係を明確にします。
後半は、本文の取り組みを要約してから、自分が有効だと考えるDX例を示す二段構成です。提案の新奇さよりも、どの地域課題を解決し、住民の生活や地域の持続可能性にどのような変化をもたらすのかを説明できるかがポイントです。
スカイ予備校の分析:評価された答案の共通点
高く評価されやすい答案は、制度や技術を別々に説明せず、目的と手段の関係に整理しています。教育分野なら、端末の整備が学習方法の多様化を支え、教員の実践力がその効果を左右する、という形で関係を示します。
地域DXの提案では、オンライン診療、予約型交通、買い物支援などの名称だけで終わらず、利用方法と効果を具体化しています。移動負担の軽減、生活サービスの維持、定住への安心感というように、過疎化防止まで論理をつなげることが大切です。
答案作成で注意したい点
DXを単なるデジタル化と捉えると、機器を導入する話だけになりがちです。業務やサービスの仕組みがどう変わり、住民にどのような価値が生まれるのかまで考えましょう。
また、高齢者向けの施策では、スマートフォンを使えることを当然の前提にしない配慮が必要です。対面支援や簡単な操作方法を組み合わせるなど、技術を利用できない人を取り残さない条件を加えると、提案の現実性が高まります。
福知山公立大学情報学部の小論文に見られる特徴
公開二年度では、90分の中で二つの課題文を読み、合計三つの答案を作成する構成が続いています。前半は比較的短い説明問題が二問、後半は300字以内の考察問題であり、読解の正確さと時間配分の両方が必要です。
題材は情報技術だけで完結せず、教育、地域、高齢化、スポーツなどの社会課題と結び付いています。そのため、技術用語を暗記する学習よりも、「誰の何を変える技術か」を考える習慣が有効です。
また、前半の読解問題と後半の意見問題は独立しているように見えて、実際には共通の力を測っています。本文の事実を整理し、因果関係をつかみ、それを別の具体例へ応用する力です。
二年度の分析から見える出題傾向
2024年度は、ICTやDXを社会に導入する担い手と仕組みが中心でした。学校や地域行政という現場で、デジタル技術がどのように利用され、生活や業務をどう変えるかが問われています。
2025年度はAIへ焦点が移り、人間らしい振る舞いの意味や、データ分析を競技力向上に用いる際の利点と問題点が扱われました。導入事例の理解に加えて、技術の能力と限界を批判的に捉える要求が強まっています。
ただし、年度ごとに全く異なる対策が必要なわけではありません。本文理解、関係整理、具体例、効果、問題点という共通の枠組みを身に付ければ、未知のテーマにも対応できます。
合格に必要な力は四つある
第一は要約力です。誰が、何のために、どの技術を使い、何が変わったのかを短く整理できなければ、指定字数内で設問に答えられません。
第二は関係を説明する力です。目的と手段、原因と結果、従来の考えと新しい事実など、本文中の二つの要素がどう結び付くかを明示します。第三は具体化する力で、技術名だけでなく、利用者、データ、操作、効果まで描くことが必要です。
第四は批判的に考える力です。情報技術の導入には利点だけでなく、誤判定、情報漏えい、利用格差、費用、依存などの課題があります。反対意見を並べるのではなく、適切に使うための条件として示しましょう。
具体的な対策ステップ
最初の段階では時間を測らず、設問文から要求要素を抜き出します。「本文の要約」「自分の例」「期待される効果」「問題点」などに分け、答案に必要な部品を確認してください。
次に、各段落を一文で要約し、課題文全体を100字程度で説明する練習をします。その後、140〜180字の答案では結論と根拠、300字の答案では結論、具体例、効果、課題、条件という型を使って書きます。
書き終えたら必ず書き直します。設問の語を言い換えただけの箇所、因果関係が飛んでいる箇所、同じ内容の重複を削り、空いた字数で具体的な説明を補います。最後に90分で二題を通して解き、読む時間と書く時間を調整しましょう。
情報分野の知識を増やす方法
対策用の知識は、AI、データ活用、教育ICT、地域DX、情報倫理の五分野に分けると整理しやすくなります。それぞれについて、利用例、利点、リスク、対策を一組にしてノートへまとめましょう。
たとえばAIなら、画像認識や予測などの機能だけでなく、学習データの偏り、誤判定、説明の難しさ、人間による確認まで整理します。地域DXなら、医療、交通、防災、行政手続きなどの場面ごとに、誰の負担がどう減るのかを考えます。
ニュースを読む際も、内容の要約だけで終わらせないことが大切です。「別の地域や分野でも使えるか」「利用できない人への支援は何か」という問いを加えると、小論文で使える思考材料になります。
避けたい不合格答案のパターン
最も多いのは、設問が求める要素の一部が抜ける答案です。利点と問題点の両方を求められているのに利点しか書かない、本文の要約が必要なのに自分の意見から始める、といったずれは内容以前の失点につながります。
次に注意したいのが、「便利になる」「効率が上がる」「AIは危険だ」などの抽象語だけで終わる答案です。何の作業が減るのか、誰がどの判断をしやすくなるのか、どのような危険があるのかまで具体化してください。
知識を見せようとして本文と関係の薄い専門用語を詰め込むことも逆効果です。また、技術ですべてを解決できると断定すると現実性を欠きます。人間の確認、利用者への教育、非デジタルの手段との併用まで考えると、バランスのよい答案になります。
面接・志望理由書との連動
小論文で扱われるテーマは、面接で問われやすい「情報学を学んで何をしたいか」と直接つながります。過去問演習の際には、答案を書くだけでなく、自分が特に関心を持った課題と、その理由を口頭で説明してみましょう。
たとえば地域交通に関心があるなら、情報技術によって移動需要を把握し、限られた車両を効率的に運用するという学びの方向を考えられます。ただし、志望理由書では過去問の話題を借りるだけでなく、自分の経験や問題意識と結び付ける必要があります。
面接では、技術の利点を述べた後に「一方で」と課題を加え、その対策まで話せると、思考の深さを示せます。小論文の構成メモを一分程度の口頭回答へ変換する練習が効果的です。
試験当日の時間配分と見直し
90分を安定して使うには、課題文を読みながら重要語へ印を付け、設問ごとに要求要素をメモします。いきなり清書を始めると、後半で条件の見落としに気付いて大幅に書き直す危険があります。
一つの目安として、読解と構成に約30分、答案作成に約50分、見直しに約10分を確保します。ただし固定する必要はなく、過去問演習で自分の読解速度に合わせて調整してください。
見直しでは誤字だけでなく、各設問に答える文が実際に存在するかを確認します。主語と述語の対応、指示語の内容、因果関係、指定字数、重複表現を順番に点検すると効率的です。
受験生への助言
情報技術に詳しくないことだけを理由に、過度に不安になる必要はありません。必要なのは、知らない話題でも本文から事実を拾い、筋道立てて説明する力です。まずは課題文に書かれている内容を正確に使うことを優先してください。
一方、知識がある受験生は、知っていることを書きすぎないよう注意が必要です。答案の中心は設問への回答であり、知識は具体例を補強するために使います。設問から離れないことが最も重要です。
一度で完成答案を書こうとせず、添削後の書き直しを学習の中心に置きましょう。同じ問題を数日後に再び解き、構成と表現が改善したかを比べると、自分の弱点が見えやすくなります。
保護者ができるサポート
保護者の方は、難しい情報技術を教える必要はありません。受験生がニュースや過去問について話したときに、「誰にとって役立つのか」「問題点はないのか」と問いかけるだけでも、考えを具体化する練習になります。
答案を読む際は、賛否よりも内容が伝わるかを確認してください。技術を知らない読み手にも利用場面と効果が理解できる文章であれば、説明の筋道が整っている可能性が高いです。
学習計画では、資料集めに時間を使いすぎないよう見守ることも大切です。知識の収集と過去問を書く時間を分け、睡眠や学校生活を崩さず継続できる環境を整えることが、長期的な支えになります。
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まとめ:合格答案へ向けて今日から始めること
福知山公立大学情報学部の小論文では、課題文を要約するだけでも、情報技術について自由に意見を書くためだけでもありません。本文理解を土台に、技術、利用場面、効果、問題点を筋道立てて結び付けることが求められます。
2024年度では教育ICTと地域DX、2025年度では生成AIの性質とスポーツ分野のAI活用が扱われました。題材は変わっても、本文の論理を正確につかむ力、具体例を通して社会的影響を考える力、限られた字数で結論まで示す力は共通しています。
まずは時間を気にせず、設問の要求要素を分解して構成メモを作るところから始めましょう。その後、指定字数、最後に90分という順で条件を加えると、読み取りと文章作成を着実に安定させられます。
小論文で整理した問題意識は、志望理由書や面接にもつながります。自分が情報学を学びたい理由と、解決したい社会課題を言葉にしながら、答案の添削と書き直しを重ねてください。



