島根県立大学 看護栄養学部 健康栄養学科【学校推薦型選抜(専門高校・総合学科枠)】 推薦入試の出題傾向と合格戦略
島根県立大学の健康栄養学科を目指していても、「栄養の知識をどこまで覚えればよいのか」「高校の実習や探究活動をどう文章にすればよいのか」と迷う人は多いでしょう。食や健康への関心があっても、それを限られた時間で筋道立てて書くとなると、難しく感じるものです。
専門高校や総合学科で積み重ねた学びは、答案を考える材料になります。ただし、経験の数や専門用語の多さだけでは、考える力は伝わりません。経験から何を発見し、その発見を目の前の課題にどう生かすかまで説明することが必要です。
2025年度と2024年度の出題を比べると、準備の方向が見えてきます。一方では図表に基づく改善策の検討が、もう一方では学習活動の振り返りと社会貢献への展開が求められました。取り組む形式に違いがあるため、文章の型を一つ覚えるだけでは対応しきれません。
この記事では、両年度の特徴を具体的に整理し、読み取り、構成、推敲、面接準備までつなげて解説します。自分に足りない力を見つけ、今日の学習を決めるための手がかりにしてください。
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2025年度:朝食の課題を生活条件から考える資料読解型小論文
2025年度は、朝食の摂取頻度と朝食を食べるために必要な条件を示す図表を踏まえ、若い世代への取組を考える小論文でした。試験時間は90分、答案は800字以内です。ここで大切なのは、食に関する知識を並べることに加え、示された資料から取組の必要性を説明することです。朝食を取る行動には、知識だけでなく、起床、食欲、用意する時間や手間など複数の条件が関わります。答案では、図表の情報を整理したうえで、どの条件に働きかけるのかを選び、その方法を具体化する必要があります。また、資料の調査対象と、設問で取組の対象となる若い世代を混同しないことも重要です。スカイ予備校では、この出題を、資料の読み取りを現実の生活に即した提案へ変換する力が問われる問題と捉えます。
- 朝食の摂取状況を示す情報と、食べるための条件を示す情報を結び付ける。
- 若い世代と全世代を比較する際は、対象の範囲を確認する。
- 回答対象者の限定や複数回答の注記を踏まえて解釈する。
- 知識の提供、生活上の工夫、食事を取りやすい環境を区別して考える。
- 800字以内で、資料の要点から提案の理由と方法までつなげる。
出題テーマ:朝食を取れる条件に目を向ける
テーマを「朝食は大切だから食べるべきだ」とだけ捉えると、資料を読む意味が薄くなります。この出題で考えたいのは、若い世代が朝食を取るために何を必要としているかです。大切だと理解していても実行しにくい事情がある、という視点を持つと、提案に幅が生まれます。
例えば、用意する負担に注目するなら、短時間で準備できる方法の共有や、前もって準備しやすい仕組みを考えられます。起床に関する条件に注目するなら、朝の行動だけでなく前夜からの過ごし方も検討対象になります。いずれも、選んだ課題と働きかけの関係を説明することが要点です。
設問の構成と答案を点検するポイント
一つの論述課題の中に、資料の理解、課題の選択、取組の提案という作業が含まれています。最初に取組を思い付いても、そのまま書き始めず、図表のどの情報が提案を支えるのかを確認しましょう。根拠が見つからない提案は、問いとのつながりを再検討する必要があります。
図表を詳しく説明しすぎると、取組を論じる字数が不足します。答案では、主張に必要な特徴を選び、その特徴から何を考えたのかを続けて書くと効果的です。取組については、実施する主体、対象、内容を明らかにします。以下の観点は、出題内容から考えられる答案改善の目安です。
図表読解で差がつく対象者と注記の確認
朝食を食べるために必要な条件を示す図では、回答者が朝食を毎日食べていない人に限定されています。この回答を、若い世代全員の考えとして表現すると、資料の範囲を超えてしまいます。「誰についての結果なのか」を主語に含める意識を持つと、こうした誤りを防げます。
また、複数回答の結果では、同じ人が複数の条件を選んでいる可能性があります。項目の割合を単純に足して一つの集団の割合にしたり、項目同士が排他的だと考えたりしないようにしましょう。全世代には若い世代も含まれるため、両者を完全に別々の集団として扱わない慎重さも必要です。
スカイ予備校の分析:説得力のある答案に必要な共通要素
説得力を高めるのは、資料で示された条件と提案が対応していることです。仮に準備の負担を論点に選ぶなら、知識を伝えるだけで終わらず、実際の負担が軽くなる方法まで進めます。取組の名称を挙げた後に、それがどのように朝食を取りやすくするのかを説明しましょう。
さらに、若い世代にも通学、就労、一人暮らしなど異なる生活があると考えると、提案が具体的になります。全員に同じ方法を求めるより、対象を絞って実行場面を描く方が、論理を示しやすくなります。効果を断定せず、実施後の利用状況や継続状況を確かめる視点を添えれば、考察も深まります。
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2024年度:探究の学びを社会貢献につなげるレポート
2024年度は、テキストに関連する探究テーマを設定し、自主学習と二つの連携活動を通じて得た学びや、テーマから考えられる社会貢献をまとめるレポート形式でした。試験時間は90分、分量は800字程度です。自分の活動を振り返る形式ですが、出来事を順番に紹介するだけでは、学びの内容が伝わりません。どのような問いを持ち、学習や他者との関わりによって理解がどう変わったのかを説明することが中心になります。さらに、社会貢献を論じるには、自分が得た知識や気付きを、誰のどのような課題に生かせるかまで考える必要があります。スカイ予備校では、この出題に向けた準備として、活動記録の整理に加え、学習前後の考えの変化と、学びを他者のために使う道筋を言語化することが重要だと考えます。
- 探究テーマと、取り上げる学習内容の関係を明確にする。
- 自主学習と連携活動それぞれの役割を整理する。
- 活動の手順よりも、得た理解や考えの変化を中心に書く。
- 社会貢献の対象と方法を、探究で得た学びに結び付ける。
- 800字程度の中で、学びと社会貢献の両方を十分に扱う。
出題テーマ:経験を学びとして説明する
この年度では、自分が取り組んだテーマについて、何を理解したかを説明する力が重要です。「調べた」「話を聞いた」「発表した」という行動の記録を、そのまま学びだと考えないようにしましょう。その行動によって、それまで分からなかった何が分かったのかを言葉にする必要があります。
準備段階では、活動前の予想、活動中に得た情報、活動後に考え直したことを分けて書き出すと整理しやすくなります。予想が正しかった場合も、その裏付けとなった経験を示せます。予想と異なった場合は、どこを修正したかを説明することで、探究の過程を伝えられます。
設問の構成と答案を点検するポイント
論述の柱は、学習活動を通して得た学びと、そのテーマから考える社会貢献です。活動の紹介に字数を使いすぎ、社会貢献を最後の一文だけで済ませる構成は避けたいところです。書き始める前に、中心となる学びと、それを生かす対象を一つずつ決めておきましょう。
自主学習と連携活動を扱う際は、同じ説明を繰り返すのではなく、それぞれが理解にどう役立ったかを示します。自分で調べて分かった点と、他者との関わりで気付いた点を関連付ければ、学びの深まりを表現できます。各活動を同じ分量で書くことより、全体として筋が通っていることが大切です。
社会貢献を具体化する対象と行動の設定
社会貢献は、「地域を元気にしたい」「多くの人の健康を支えたい」という思いから、もう一段具体化します。どのような人が、何に困っているのかを考え、その課題に探究の学びがどう役立つかを説明しましょう。対象が明確になると、必要な伝え方や協力相手も考えやすくなります。
例えば、調べた内容を伝える活動を考える場合も、資料を配るだけで理解や行動につながるとは限りません。相手が使いやすい内容にするには何を工夫するのか、分からない点をどう聞き取るのかまで検討できます。探究した範囲で分かったことと、今後確かめたいことを区別する姿勢も大切です。
スカイ予備校の分析:学びの深さを伝える答案の条件
学びの深さを伝えるには、テーマ、経験、発見、社会貢献が一続きになっていることが必要です。社会貢献の部分だけが別の話題になると、前半の活動が生かされません。自分が得た発見を使うからこそ、その取組が考えられたという関係を文章の中に示しましょう。
また、うまく進まなかった経験も、原因を考え、次の改善につなげていれば論述の材料になります。ただし、失敗を強調する必要はありません。どの経験を選ぶ場合も、自分が何を考えたのかを中心に置きます。活動の規模を大きく見せるより、実際に関わった範囲を具体的に語る方が、内容を確かめやすい文章になります。
入試の特徴:食への関心を根拠のある説明に変える
健康栄養学科を志望する受験生にとって、食への関心は学習の出発点です。その関心を答案で伝えるには、「好き」「役に立ちたい」という気持ちに、課題の理解と理由を加えます。2025年度と2024年度の課題では、いずれも自分の考えを支える材料が必要になります。
専門高校や総合学科での実習、課題研究、発表経験は、その材料を整理する練習に生かせます。例えば、計画どおりに進まなかった場面を振り返れば、条件の違いを考える練習になります。相手の反応を受けて説明を変えた経験があれば、他者に合わせて働きかける視点を育てられます。
ただし、小論文で経験を使う場合は、問いとの関係を確かめましょう。資料から考える課題では、体験談が図表の分析を押しのけないようにします。探究を振り返る課題では、自分の経験を具体的に示すことが中心になります。形式に応じて材料の使い方を変える意識が必要です。
二つの年度に共通する、根拠から社会へ考えを広げる力
2025年度の根拠は主に図表、2024年度の根拠は主に学習活動で得た内容です。材料の種類は異なりますが、どちらも「何を捉え、そこからどう考えたか」という道筋が重要になります。文章を書く前に、この二つを分けてメモすると、説明の飛躍に気付きやすくなります。
また、両年度とも自分の理解の確認から先へ進み、他者や社会に対する働きかけを考える要素があります。資料を読めた、活動を頑張ったという段階にとどまらず、その理解をどのような行動につなげるかが論述の課題になります。
対策では、同じテーマが再び出ることを前提にせず、考える手順を身に付けましょう。材料を確認し、重要な点を選び、相手の状況を考え、行動を提案する。この順序を別の資料や別の経験でも試すことで、形式が変わったときに対応しやすくなります。
合格を目指して鍛えたい三つの力
第一は、問いを分解する力です。何について、何を材料に、どのような答えを書くのかを確認します。「学んだこと」と「社会貢献」のように要求が複数ある場合は、両方を構成メモに入れます。書くべき要素が明確になれば、得意な話題だけに偏ることを防げます。
第二は、事実と解釈を区別する力です。図表に書かれていることと、その理由として自分が考えたことは分けて表現します。経験についても、実際に観察した反応と、相手がそう反応した理由の推測は別です。推測を事実のように書かないことが、論述の正確さを支えます。
第三は、提案を実行場面まで具体化する力です。「啓発する」「支援する」と書いたら、誰が、誰に、どの場面で、何をするのかを補います。すべてを長く説明する必要はありませんが、読み手が取組の様子を想像できる程度の具体性は確保しましょう。
対策ステップ①:図表を短い説明に変える
図表の練習では、最初にタイトル、調査対象、単位、凡例、注記を確認します。すぐに目立つ数値を探すよりも、何と何を比べられる資料なのかを把握することが先です。割合を示す資料なら、何を全体とした割合なのかも確かめます。
次に、特徴を一文で書き、その根拠となる項目を添えます。初めから意見まで書こうとせず、まず資料の内容だけを正確に説明できるようにしましょう。「多い」「少ない」という表現を使った場合は、何と比較しているのかが読み手に伝わるかを点検します。
読み取りができたら、考察を別の文として加えます。資料が直接示していない理由を考える場合は、可能性として扱います。最後に、その考察から導く取組を一つ書きます。このように段階を分けると、資料、解釈、提案のどこでつながりが弱くなったかを確かめられます。
対策ステップ②:探究記録から考えの変化を取り出す
探究の振り返りでは、活動日誌や発表資料を見返し、印象に残った場面を選びます。その場面について、何を疑問に思ったか、自分は何をしたか、何が分かったかを書いてください。出来事だけを思い出すよりも、問いと発見を対にして整理すると、論述の中心を見つけやすくなります。
続いて、学習前の自分の理解と比べます。「関心が深まった」と書く場合は、何への関心が、どの経験によって深まったのかを補いましょう。新しく疑問が生まれた場合も、その内容を具体化します。学んだ結果として、課題の複雑さに気付いたことも有効な振り返りです。
共同活動については、自分が担当したことと、他者から学んだことを整理します。全体の成果をすべて自分の成果として語らず、役割と貢献を正確に説明しましょう。自分だけでは気付けなかった点を示せれば、連携することの意味も文章に表れます。
対策ステップ③:構成、執筆、推敲を一つの練習にする
800字前後の論述では、扱う話題を増やすほど、一つ一つの説明が浅くなりがちです。構成メモでは、中心となる結論を先に一文で書き、その理由と必要な具体例を選びます。資料型なら読み取りから提案へ、探究型なら学びから社会貢献へという流れを意識します。
時間を計る練習では、読み取り、構成、執筆、見直しにかかった時間を記録してください。時間切れになった場合も、単に速く書こうとせず、どこで迷ったのかを振り返ります。根拠選びに時間がかかったのか、書き始めてから構成を変えたのかによって、必要な練習は異なります。
推敲では、最初に問いへの答えがそろっているかを確認し、次に根拠と結論の関係を見ます。その後で重複や長い文を直し、誤字を点検します。2025年度の「以内」と2024年度の「程度」のように、字数条件の表現にも注意し、各課題の指示を基準に仕上げましょう。
避けたい不合格につながる答案のパターン
注意したいのは、資料をほとんど使わず、覚えてきた食育の一般論を書くことです。内容自体に妥当性があっても、なぜその課題でその提案を選んだのかが伝わりません。各段落を読み返し、問いや資料との関係を説明できるか確認しましょう。
また、対象者を努力不足と決め付ける文章は、背景を考える余地を狭めます。食行動には時間、環境、本人の感じ方などさまざまな条件が関わり得ます。資料で示された範囲を踏まえ、変えやすい条件と支援を必要とする条件を考える方が、提案を具体化できます。
探究型では、活動を時系列に並べるだけの答案や、最後に突然大きな社会貢献を掲げる答案に注意が必要です。活動の数を減らしてでも、重要な発見を詳しく説明しましょう。また、「必ず改善する」といった根拠のない断定を避け、期待できる変化と検証すべき点を分けて考えることも大切です。
面接との連動:書いた考えを自分の言葉で説明する
面接準備には、小論文や探究メモを口頭で説明する練習を取り入れられます。自分で書いた文章でも、理由を尋ねられると言葉に詰まることがあります。その箇所は、知識が曖昧だったり、根拠と結論の間を十分に考えていなかったりする可能性があります。
練習では、結論を伝えた後に、その根拠となる資料の特徴や経験を説明します。さらに、別の方法ではなくその取組を考えた理由、実施するときの難しさを質問してもらいましょう。これは実際の質問を予測するためではなく、自分の考えを掘り下げるための練習です。
志望理由につなげる場合は、高校で得た気付きから、さらに学びたい内容を整理します。分からないことが残っているなら、その課題を具体的に言えることが大切です。大学での学びについては自分で内容を確かめ、経験と関心に合う部分を自分の言葉で説明できるようにしましょう。
受験生への助言:身近な経験を丁寧に掘り下げる
特別な実績がないと不安に感じる人もいるでしょう。しかし、論述の材料を探すときは、まず自分が関わった具体的な場面を振り返ってください。実習で手順を見直したこと、発表で伝わりにくさに気付いたこと、調べた結果が予想と違ったことにも、考えを深める入口があります。
食や健康に関する知識を増やす際は、用語と意味に加え、どのような課題を考えるときに役立つかを整理します。覚えた知識をすべて答案に入れる必要はありません。目の前の問いを説明するために必要な内容を選べるようになることが、学習の目標です。
練習後には、自分で改善できた点を一つ残しましょう。対象者を正しく書けた、提案の理由を加えられた、活動の発見を具体化できた、といった変化で構いません。改善の記録があれば、次に重点的に取り組むことが分かり、漠然とした不安を学習課題へ変えられます。
保護者のサポート:考えを引き出す聞き役になる
家庭でできる支援は、本人の考えを丁寧に聞くことです。答案を読んだら、意味が分かりにくかった箇所や、理由をもう少し知りたい箇所を伝えてください。専門的な内容を採点しようとするより、初めて読む人に伝わるかを確かめる役割が役立ちます。
「その経験で何が変わったのか」「その方法なら相手は取り組めそうか」と尋ねると、本人が説明を補うきっかけになります。保護者が整った表現に置き換えすぎると、本人が考える機会が減ってしまいます。言い直す時間を取り、本人の言葉が出てくるのを待ちましょう。
学習環境の面では、集中して書ける時間の確保や、学校の先生に相談する予定の整理などを支えられます。答案の完成度だけでなく、根拠を確かめたことや書き直した点にも目を向けてください。受験生が試行錯誤を続けやすい関わりが、対策を積み重ねる土台になります。
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まとめ:合格答案へ向けて今日から始めること
島根県立大学健康栄養学科の対策では、2025年度からは資料に基づいて課題と取組を結ぶ力を、2024年度からは探究の過程を振り返って社会との接点を考える力を学べます。どちらも、根拠を示して自分の考えを説明する練習につながります。
まずは、図表から分かることを短く書く練習と、自分の活動で考えが変わった場面を書き出す作業に取り組みましょう。その後で、相手の生活条件を踏まえた提案や、学びを生かす具体的な場面を加えると、文章の中身が育っていきます。
一度書いた答案は、問いへの答え、根拠、実行方法がそろっているかを確かめてください。文字数を埋めたことよりも、読者が理由をたどれることを目標にすると、書き直すべき箇所が見つけやすくなります。
食や健康への関心を、相手を理解し、課題を考え、行動を選ぶ力へと深めていきましょう。今日扱った資料や経験を自分の言葉で説明することが、小論文と面接の両方に生きる第一歩です。



