初めて聞いた人はきっと同じことを考えるでしょう。
この記事では、慶応義塾大学法学部のFIT入試の概要や難易度、倍率のついて紹介します。
AO入試の先駆けである慶応義塾大学では、それぞれの学部で個性あるAO入試をしています。法学部を希望している人はFIT入試についてきちんと理解を深めるといいですよ。
慶応義塾大学法学部に絶対入りたい人は、この記事を読んでFIT入試についてチェックしてください。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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FIT入試ってどんな試験?
FIT入試とは、一言でいうと、慶応義塾大学法学部の総合型選抜(2021年度より前はAO入試)ということになります。では、まず概要をみていきましょう。
FIT入試の概要
慶応義塾大学法学部の募集要項にはこうあります。
『FIT入試とは、この学生を「教えたい」という私たち法学部教員と、慶応義塾大学法学部法律学科・政治学科を第一志望とし、そこで「勉強したい」学生との間の良好な相性(fit)を実現しようとするものです。これはFlexible and Intelligent Thinking入試の頭文字をとったものでもあります。』
(引用元:2023年度慶応義塾大学法学部FIT入試(総合型選抜)募集要項)
※以下『』は募集要項から引用してあります。
つまり、学びたい学生を教員が教えたいと感じることで合格に繋がる入試ということです。FIT入試の流れとしては
- 8月 出願登録
- 9月初旬 出願書類の郵送(志望理由書等提出)
- 9月中旬~ 第1次選考合格発表
- 9月後半 第2次選考
- 11月上旬 第2次選考合格発表
- 11月後半 入学手続き
となります。出願書類を書くところから試験が始まるので、長い入試に感じますね。では、FIT入試の内容をくわしくみていきましょう。
FIT入試のA方式とB方式について
FIT入試にはA方式とB方式があります。それぞれで出願資格と第2次選考の内容が違います。2つの方式はそれぞれの出願資格を満たしていれば併願可能です。
FIT入試の出願資格
A方式の出願資格は『学業を含めたさまざまな活動に積極的に取り組み』、『優れた実績をあげた者』。
B方式の出願資格は、高校の『指定の各教科(外国語、数学、国語、地理歴史、公民)および全体の学習成績の状況が4.0以上の者』。
と、なっています。加えて、どちらも慶応義塾大学法学部での『勉学を強く希望する者』、『合格した場合に入学することを確約できる者』であることも求められます。
つまり、どういう場合にFIT入試を受けられるのでしょうか。例をいくつか挙げてみましょう。
- 部活動で全国大会出場。
- 英語検定などで優れた成果がある。
- ボランティア活動に積極的に参加した実績がある。
- 高校の成績がほぼ4~5。
A方式の場合は、自分の実績を証明できる証明書や賞状があったら自己推薦書の別途資料として提出しましょう。B方式の場合は学校からの評価書と調査書で学校成績を提出します。
高校3年間、何もしないで慶応義塾大学に入れるわけではないんですね。FIT入試を受けるためには学業を含めて何かに積極的に取り組む姿勢と実績が必要になります!
30年後あなたは、どこで、何をやっていますか?
とは言え、どうしても慶応に行きたい高校で評定が足りない人は、A方式で準備すれば合格の道は拓けます。
FIT入試第1次選考の試験内容
まず第1次選考は書類選考になります。A方式では志望者調書・志望理由書・自己推薦書を書類審査します。B方式では志望者調書・志望理由書・評価書が審査対象です。
志望者調書は、指定された質問に対して回答を記入します。志望理由書と似た質問もあるので、同じ内容にならないよう、それでいて全く別のことにもならないように書きましょう。
志望理由書は、『慶応義塾大学法学部を志望した理由、入学後、何をどのように学び、また自分の夢をどう実現したいかを志望理由と関連させて、2000字以内』で書きます。
自己推薦書は、『中学卒業後から出願に至るまでの期間で特記すべき活動内容を具体的に報告』し、自分が『いかに魅力的な人物であるのか、与えられたスペースの枠内で自由に』書きます。
評価書は、決められた用紙を学校側に記入してもらってください。
志望理由書も自己推薦書もどちらも、自分をしっかり文章で表現しなければいけません。自分が何をしたいのか、どういう人間なのかも掘り下げて考えておく必要があるでしょう。
提出までの期間が十分にある分、しっかりと思いの伝わる内容に仕上げましょう。
この1次入試で、ぼんやりした抽象的なことを書くと合格できません。
また2000文字でも、文字数が多くもなく、 出願直前ではもっと書きたいことがある!と言う状況になるはずです。最後はいかに捨てるか!ということが重要になってきます。
FIT入試第2次選考の試験内容
第2次選考では、A方式は論述試験と口頭試問、B方式は総合考査と面接試験を行います。なお、A方式の第2次選考は、新型コロナウイルスの影響で、グループ討論と論述力テストから今の内容に変わりました。そのため、今後また変わる可能性があります。
A方式では、まず教員が模擬講義を行なった後に論述試験を行い、午後から個別で与えられたテーマについて口頭で質疑応答を行います。
B方式では、資料を読み取りまとめるテストと小論文のテストを行い、午後から個人面接を行います。
第2次選考も簡単とは言えないようです。その場で考える力が必要になってくるでしょう。
グループ討論の場合は特別の戦略が必要になってきます。それは他のライバルとの関係性(距離)をいかに自分の得意なパターンに持ち込むか、と言うことです。
FIT入試の難易度や倍率はどのくらい?
2021年度FIT入試の倍率はA・B合計で4.7倍でした。難易度は入試内容を見てもらえれば気づいたかと思いますが、難しいと言えるでしょう。一般選抜より簡単というわけではありません。むしろ、しっかりと対策をしていかないと合格は厳しいでしょう。
FIT 入試を希望する生徒は、A方式とB方式以外に他の大学を受験すると思います。
他の併願する大学の小論文や面接対策なるとどの時期に何をすべきかということをしっかりと計画していかないと、 混乱してしまうため十分な受験戦略を練りましょう。
FIT入試にはどのくらいの学力が必要?
慶応義塾大学法学部の偏差値は67.5となっています。学力試験がないならFIT入試に偏差値は関係ないと思われるでしょう。確かに偏差値で測れない部分をみるためのFIT入試なので偏差値が67.5なくても受かる場合もあります。
しかし、合格するには理解力、考察力、表現力など様々な能力が必要です。法律や政治の基礎的な勉強だけでなく応用力を身に付けておきましょう。
FIT 入試 の偏差値67.5と言うのは、正直あってないような偏差値です。自分の将来をしっかりと考えられ、そして小論文や面接の対応などができていれば、 模擬試験の偏差値が50台でもが合格する生徒もいます。
FIT入試の対策方法!
- 出願書類はしっかりと作り上げる。
- 面接対策は自分の出願書類の内容を深める。
- 政治・法律の知識を深める。
- 小論文対策をし、文章にまとめる力をつける。
このようなことが対策として挙げられます。第2次選考で口頭試問か個人面接があるので、自分の考えを言葉にする練習も十分にしましょう。文章にまとめる力も必要なため、小論文対策も必要です。
ただし、B方式の小論文は毎年変わった問題が出ています。予想問題などの事前の対策が難しいといえるでしょう。その場で考える力が必要です。
基礎力を付けながら、世の中の色々なことを考え、自分の意見を持つ練習が重要でしょう。
しかし結局最後は自己 の強みをいかに知っているか、そして強い思いを持って自分の将来の計画を練っているか、その夢を実現するためにどんな方法を考えているか、ということに尽きます。
まとめ
FIT入試は学力試験がないからといって、決して簡単ではありません。
一般選抜に目標をしぼって学力を伸ばすことを頑張るか、FIT入試に挑戦して受験するチャンスを増やすかは、それぞれの判断で変わってくるでしょう。自分に合った受験方法を選ぶことが大切です。
私もどうするか悩んでしまいそうです。ただ、FIT入試の受験資格があって、慶応義塾大学法学部に入りたいなら、挑戦してみたいと感じるでしょう。高校生活を頑張ってきたからこそ手に入れたチャンスです。つかみたくなりますよね。
慶応義塾大学法学部を目指す人はFIT入試もぜひ検討してみてください!