記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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【推薦入試】新潟県立看護大学 看護学部 看護学科(小論文過去問題解説)
新潟県立看護大学 看護学部 看護学科の入試傾向と特徴
新潟県立看護大学は、新潟県上越市に位置する公立の看護系単科大学です。看護学部看護学科のみを設置しており、少人数教育ときめ細やかな指導によって、地域に根ざした優れた看護師・保健師・助産師を育成することを理念としています。推薦入試(学校推薦型選抜)では、一般的な学力試験に加えて小論文と面接が重視されており、単なる知識の詰め込みではなく、「看護師としての資質」や「社会課題への関心と思考力」が問われます。
小論文の出題形式は非常に特徴的で、大きく分けて「英文読解+設問解答型」と「図表読み取り+考察型」の2つのパートから構成されることが多いです。英文パートでは、英文を読んで日本語訳を作成するだけでなく、英語で自分の意見を記述する問題や、日本語で感想・意見を述べる問題も出題されます。語学力と論述力の両方が試される点が大きな特徴です。一方、図表読み取りパートでは、健康・医療・生活習慣に関するデータを読み解き、データの正誤判定・特徴の抽出・考察を行う問題が出題されます。データリテラシー(数値を正確に読み取る力)と、そこから論理的に意見を展開する力が求められます。
試験時間は90分と比較的長く、複数の問題形式に対応しながら時間配分を管理するスキルも必要です。テーマとしては、創造性・健康行動・地域医療・生活習慣病など、看護・医療・公衆衛生に関連したものが多く出題される傾向にあります。受験生には、日頃から医療系ニュースや厚生労働省の統計データに親しんでおくことが推奨されます。
新潟県立看護大学 看護学部 看護学科 小論文対策ポイント
① 英文読解力と英語表現力を磨く
英文パートでは、医療・心理学・社会学に関連する英語の文章が出題されます。単語レベルは大学入試標準程度ですが、文意を正確に把握して日本語に訳す精度が求められます。また、英語で自分の意見を述べる問題では、20語以上の英文を1〜2文で構成する力が必要です。普段から英語の長文読解練習を積み、自分の意見を英語で簡潔に述べる練習をしておきましょう。
② 日本語での意見述べ・感想記述の練習
問3のように「引用された言葉に対するあなたの感想を140字以上160字以内で述べなさい」という形式の問題が出ます。字数制限が厳しく設定されているため、「書きすぎず・書き足りない」ことなく、的確な字数内に自分の考えをまとめる訓練が不可欠です。主張→理由→具体例という論述の基本構造を意識して練習しましょう。
③ 図表・データの読み取りと論述の練習
図表問題では、まず数値を正確に読み取ることが大前提です。①正誤判定問題では、感覚ではなくデータの数値に忠実に判断することが求められます。②特徴を「一つ挙げなさい」という問題では、最も顕著な特徴を選び、具体的な数値を用いて簡潔に記述します。③「あなたの意見を含め90字以上120字以内で述べなさい」という問題では、データの特徴を述べた上で「なぜそうなっているか」「どのような対策が必要か」という自分の見解を加えます。地域の文化・気候・社会的背景を踏まえた考察が高評価につながります。
④ 看護・医療・公衆衛生への関心を高める
出題テーマは看護・健康・生活習慣病・地域医療など医療系に偏っています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」や「健康日本21」などのデータに日頃から触れておくと、図表読み取り問題で大きなアドバンテージとなります。また、看護師としての視点から社会問題を考える姿勢を身につけておくことが、面接対策にもなります。
令和4年度 学校推薦型選抜 小論文 過去問題(90分)
問題1 次の英文を読み、設問に答えなさい。
赤ちゃんは生まれつき創造的であり、子どもの成長過程でこの創造性が失われることがある。心理学者アブラハム・マズローと映画監督スティーブン・スピルバーグは、創造性を支援する必要性を指摘している。創造性を高める方法として、空想する時間を持つことや夢の日記をつけること、ファンタジーやSFの物語を読むことが挙げられる。子どもの創造性を奨励し、育てることは社会全体に利益をもたらす。
問1 下線部①、下線部②をそれぞれ日本語にしなさい。
問2 The writer explains some of the ways to increase your creativity in the last paragraph. How do you can increase your creativity? Write your ideas in English, using one or two sentences and you think at least 20 words all together.(解答欄の範囲内に、1文か2文、計20語以上の英文を作成すること)
問3 下線部③に映画監督スピルバーグ氏の言葉が引用されている。彼の言葉に対して、あなたが感じることを日本語140字以上160字以内で述べなさい。
問題2 図表を読み取り、設問に答えなさい。
図1は「飲酒習慣のある人」(飲酒の回数を基準にして集計)、図2は「疾病につながりやすい飲酒量の人」(純アルコールの量を基準にして集計)の各年齢区分における割合について、新潟県と全国を比較したデータです。これらのデータに基づき、次の問1、問2、問3に答えなさい。
図1:飲酒習慣のある人(飲酒の回数を基準にして集計)
図2:疾病につながりやすい飲酒量の人(純アルコールの量を基準にして集計)
問1 以下の①②③それぞれの記述について、図1のデータから読み取れる内容として正しい場合は”正”に、誤っている場合は”誤”に○印を記しなさい。
① 新潟県女性の「飲酒習慣のある人」の割合は、すべての年齢区分において、全国の女性の割合を上回っている。
② 「飲酒習慣のある人」の男女間の割合の差に着目すると、すべての年齢区分において、新潟県は全国の値を上回っている。
③ 男性の「飲酒習慣のある人」の年齢区分ごとの割合に着目すると、最も割合が大きい年齢区分は、新潟県男性、全国男性ともに60歳台である。
問2 図1と図2の新潟県のデータを参照し、新潟県における20歳台女性の飲酒状況について、読み取れる特徴を一つ挙げなさい。
問3 図1と図2を参照し、新潟県男性の飲酒状況について、全国のデータと比較して読み取れる特徴を、あなたの意見を含め90字以上120字以内で述べなさい。
小論文 過去問題解説
問題1 解説
問1:下線部の日本語訳
英文中の下線部①・②を日本語に訳す問題です。単語の意味を正確に把握しつつ、前後の文脈を踏まえた自然な日本語表現にすることが重要です。直訳になりすぎると不自然な訳になることがあるため、意訳と直訳のバランスを意識しましょう。特に、心理学・創造性・発達といった分野の用語が使われている場合は、その用語が日本語でどのように使われるかを事前に確認しておくと有利です。
問2:英語で意見を述べる
本文最後の段落で提示されている「創造性を高める方法」を参考にしながら、自分自身のアイデアを英語1〜2文・計20語以上で述べます。文章中には「空想する時間を持つ」「夢の日記をつける」「ファンタジーやSFを読む」などの提案が挙げられていますので、それを踏まえつつ、「音楽を聴く」「絵を描く」「旅行する」「異文化に触れる」などのアイデアを自分の言葉で加えましょう。文法的な正確さよりも、自分の考えを積極的に表現する姿勢が評価されます。
【例文】I think listening to music and drawing pictures can help increase creativity because they stimulate our imagination and allow us to express ourselves freely.
問3:スピルバーグの言葉への感想(140字以上160字以内)
映画監督スティーブン・スピルバーグは、子どもの創造性を尊重し、育てることの重要性を訴えています。この問いでは、彼の言葉に対して賛成・反対の立場を取りつつ、自分の経験や考えを絡めて述べることが求められます。ポイントは「賛成か反対かを明示する」「理由と具体例を示す」「字数制限(140〜160字)を守る」の3点です。一般的には賛成の立場で論じるほうが書きやすいですが、批判的視点を加えることで深みのある文章になります。
【解答例】スピルバーグ氏の言葉に深く共感する。幼い頃から創造性を育てることは、問題解決能力や豊かな発想力を養い、将来の可能性を大きく広げると思う。看護の現場でも、患者に寄り添う想像力や新しいケアを考える発想力は欠かせない。教育の場で子どもたちの創造性を大切にすることが、社会全体の活力につながると考える。(159字)
問題2 解説
問1:図表の正誤判定
図1のデータを正確に読み取り、①〜③の記述が正しいかどうかを判断します。感覚で答えるのではなく、必ず数値を確認してから解答することが大原則です。「すべての年齢区分において」という表現には特に注意が必要で、一つでも例外があれば「誤」となります。また、男女間の差を比較する際は、新潟県と全国それぞれの数値を引き算して比較するなど、丁寧な作業が求められます。
問2:20歳台女性の飲酒状況の特徴
図1と図2の両方を参照して、新潟県の20歳台女性の飲酒状況の特徴を一つ述べます。たとえば「飲酒習慣のある人の割合は全国と比較してほぼ同水準だが、疾病につながりやすい飲酒量の人の割合は全国を上回っている」などの特徴が読み取れる場合、それを具体的な数値とともに指摘します。「一つ挙げなさい」という指示なので、複数の特徴を羅列するのではなく、最も顕著なものを選んで簡潔に述べることが重要です。
問3:新潟県男性の飲酒状況と意見(90字以上120字以内)
データの特徴を述べた後、自分の意見を加えます。新潟県は全国と比較して男性の飲酒習慣のある人の割合が高い傾向があります。これを踏まえ、「新潟県の気候(豪雪地帯で冬に外出が困難)や文化的背景(農業・酒どころとしての歴史)」などを原因として考察し、「看護師として生活習慣改善の啓発が重要である」などの意見を加えると説得力が増します。
【解答例】新潟県男性は全国に比べ飲酒習慣のある人の割合が高く、疾病リスクの高い飲酒量の人も多い傾向がある。豪雪地帯特有の閉塞感や酒文化が背景と考えられ、地域に根ざした飲酒習慣の改善指導が看護職に求められる。(105字)
新潟県立看護大学 2026年度予想問題
予想問題
次の文章を読み、設問に答えなさい。
近年、日本では高齢化の進展に伴い、認知症患者数が増加し続けている。2025年には約700万人が認知症を抱えると推計されており、これは65歳以上の高齢者の約5人に1人に相当する。認知症は本人だけでなく、介護を担う家族にも大きな精神的・身体的負担をもたらす。とりわけ「ヤングケアラー」と呼ばれる、家族の介護を担う18歳未満の子どもたちが社会問題として注目されている。ヤングケアラーは、学業や友人関係、自身の将来設計に影響を受けることが多く、支援の手が届きにくい現状がある。厚生労働省の調査によると、中学2年生の約17人に1人、高校2年生の約24人に1人がヤングケアラーに該当するとされる。しかし、当事者自身が「ヤングケアラー」であるという認識を持っていないケースも多く、支援の入り口となる「発見」が困難であることが課題とされている。看護師・保健師など医療・福祉の専門職が、学校や地域と連携しながらヤングケアラーを早期に発見し、適切な支援につなげる役割を果たすことが期待されている。社会全体でこの問題に目を向け、子どもたちが自分の人生を自分で歩めるよう支えることが急務である。(約390字)
設問1 本文中で述べられているヤングケアラー問題の課題を一つ挙げ、その課題に対して看護職としてどのような役割を果たすべきか、あなたの考えを120字以上150字以内で述べなさい。
設問2 高齢化社会における認知症患者の増加と地域医療・介護の在り方について、あなた自身の考えを400字以上450字以内で述べなさい。
2026年度予想問題 解答例
設問1 解答例(138字)
ヤングケアラー問題の最大の課題は、当事者自身が自分の状況を認識できず、支援の入り口である「発見」が困難な点である。看護職は学校の養護教諭や教師、地域の民生委員と積極的に連携し、日常的なコミュニケーションの中から異変を察知する観察力を磨くことが求められる。早期発見と適切な支援機関への橋渡しが重要な役割である。(138字)
設問2 解答例(432字)
高齢化社会の進展に伴い、認知症患者の増加と介護を担う家族の負担増加は、日本社会が直面する最も深刻な課題の一つである。私はこの問題に対応するために、「地域包括ケアシステムの強化」と「専門職の連携体制の充実」が不可欠であると考える。
まず、地域包括ケアシステムの強化については、認知症患者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう、医療・介護・福祉・行政が一体となって支援する仕組みづくりが重要である。病院や施設への入所だけでなく、訪問看護・訪問介護・通所サービスなどを組み合わせることで、患者のQOL(生活の質)を維持しながら在宅での生活を支えることができる。
次に、専門職の連携については、看護師・保健師・社会福祉士・ケアマネジャーなどが情報を共有し、患者一人ひとりに合った包括的なケアプランを立案・実施することが求められる。特に、地域の「かかりつけ医」との連携を強化することで、認知症の早期発見・早期介入が可能となる。
看護師として私は、患者や家族の声に真摯に耳を傾け、地域全体で支え合う文化の醸成に貢献したいと考えている。医療的ケ



