【推薦入試】神戸市外国語大学 外国語学部(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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神戸市外国語大学 外国語学部の小論文対策

【令和5年 学校推薦型選抜  120分】

問題 以下の文章を読んで、問いに答えなさい。

課題の要約文です。

カナダ極北地方のヘヤー・インディアン社会では、20世紀初頭まで飢餓時にカニバリズムが行われ、キリスト教宣教師がこれを非難しました。しかし、ヘヤー・インディアンは自身の死生観に基づき、カニバリズムを「幸せな死」と考えました。この文化の違いを理解し、エスノセントリズムを克服することが文化相対主義の重要な概念です。文化相対主義は、個別文化の独自性を尊重し、文化の相対性を認識する考え方で、アメリカ人類学で重要視されました。文化相対主義の原理は、文化に基づいて経験を解釈し、異なる文化背景によって判断が異なるというものです。文化人類学の方法として、文化相対主義は異文化の基準を理解し、異なる生活様式の価値を尊重する必要性を強調します。これは文化人類学の基本理念としての文化相対主義です。

出典:沼崎一郎(2009)「文化相対主義」、『文化人類学辞典』776-777 頁。

問 「文化相対主義」について先に要約したうえで、これに敢えて反論するとするならば、どのような議論が可能か、本文で挙げられたもの以外の事例を挙げて800字以内で論じなさい。

小論文過去問題解説動画

文化相対主義は文化人類学の基本理念であり、異なる文化を尊重し、異なる生活様式の価値を認める考え方です。しかし、敢えて反論するとすれば、文化相対主義にはいくつかの議論可能な側面があります。以下にいくつかの事例を挙げながら、文化相対主義に対する批判的な議論を800字以内で論じてみましょう。

一つの議論可能な点は、文化相対主義があまりにも過度に異文化を尊重し、一切の評価基準を提供しない可能性があることです。たとえば、ある文化が人権侵害や虐待を正当化する際に文化相対主義を持ち出し、批判を逃れることができるかもしれません。このような場合、文化相対主義が虐待や不正義を許容する結果となる可能性があります。

また、文化相対主義は異なる文化の独自性を尊重する一方で、普遍的な道徳的原則や価値観に対して脆弱であるとの批判も受けています。たとえば、奴隷制度や女性の権利侵害を正当化する文化が存在する場合、文化相対主義はこれらの問題に対処する手段を提供しづらく、社会的進歩を妨げる可能性があります。

さらに、文化相対主義は文化の内部的多様性を無視する傾向があるかもしれません。ある文化内で異なる価値観や意見が存在し、一様な評価を行うことが難しい場合、文化相対主義はその多様性を考慮しづらく、単純化された視点を提供する可能性があります。

さらに、文化相対主義は文化が固定的であるかのような印象を与えかねないこともあります。しかし、文化は時間とともに変化し発展するものであり、古い慣行や価値観が現代社会に合わない場合があります。文化相対主義があまりにも過度に文化を保存しようとすると、社会的進歩や改革が妨げられるかもしれません。

最後に、文化相対主義が悪用される可能性も考慮すべきです。政治的な利益や文化の保守派が文化相対主義を利用して、特定の慣行や価値観を守ろうとする場合があります。このような場合、文化相対主義は悪用され、社会的進歩が妨げられる可能性があります。

総括すると、文化相対主義は異なる文化を尊重し、理解する重要なアプローチであり、異なる価値観を認め合う社会の構築に役立ちます。しかし、過度に文化を保護し、普遍的な価値観を無視する可能性や、悪用される可能性もあるため、文化相対主義を適切に適用する際には慎重なバランスが必要です。

神戸市外国語大学の所在地・アクセス

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兵庫県神戸市西区学園東町9-1神戸市営地下鉄「学園都市」駅下車、徒歩3分

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神戸市外国語大学の入試傾向

神戸市外国語大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  1. 英語スキルの重要性: この大学の英米学科への入試では、英語スキルが非常に重要です。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの全てのスキルが求められます。
  2. 共有テスト対策: 共有テストの英語科目で出題される基本的な英語スキルを強化しましょう。模擬試験を解き、試験の形式と時間管理を練習しましょう。
  3. 外部検定試験の取り扱い: 英語外部検定試験は利用されていないかもしれませんが、それに頼らずに共有テストの結果を重視するため、共有テスト対策がますます重要です。
  4. 語彙と文法の強化: 文法ルールと英単語の知識を深め、正確な表現ができるようにしましょう。
  5. 読解力の向上: 英語の文章を効果的に理解できるよう、多読を実践し、文脈から意味を読み取るスキルを養いましょう。
  6. リスニングスキルの向上: 英語の音声を聴き取り、理解する能力を高めるために、英語の音声コンテンツを聴く練習を積極的に行いましょう。
  7. 自己表現の向上: スピーキングとライティングのスキルを高め、自分の考えや意見を明確に伝えられるようになりましょう。
  8. 模擬試験の活用: 過去問や模擬試験を解くことで、試験の難易度や出題傾向を把握し、対策を練ることが大切です。
  9. 継続的な学習: 英語のスキル向上は短期間では難しいため、長期的な学習計画を立て、着実にスキルを向上させるよう心がけましょう。

神戸市外国語大学の入試は英語力がキーとなりますが、計画的な対策と努力によって合格を目指すことができます。

神戸市外国語大学の募集コース

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外国語学部(定員数:430人)

英米学科(定員数:140人)

英米学科と第2部英米学科(夜間)では、確かな英語力と幅広い教養、英語圏の文化や社会に関する専門的な深い知識、豊かなコミュニケーション能力を備えた実力ある国際人を育成する。

ロシア学科(定員数:40人)

ロシア学科では、ロシア語の文法習得や、発音訓練のほか、話し言葉と書き言葉の違い、表現方法などを知り、ロシアの文化や制度を学ぶ。

中国学科(定員数:50人)

中国学科では、中国語の初級段階で徹底した発音指導を行い、中・上級で「聴く・読む・話す・書く」の実践的な運用能力を養う。

イスパニア学科(定員数:40人)

イスパニア学科では、スペイン語を必修とし、文法から講読、作文、会話まで学ぶ。また、スペインやラテンアメリカの文化を深く探究する。

国際関係学科(定員数:80人)

国際関係学科では、時事英語など現代の国際関係の理解に必要な語学力の獲得とともに、国際社会の現状について学ぶ。

第2部英米学科(定員数:80人)

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