共通テストの古文で高得点をとるためにやるべきこと~第6回 古文常識を押さえる~ 

大学受験

「共通テストの古文で高得点をとるためにやるべきこと」(全10回)の第6回は、古文常識を押さえるについて書きたいと思います。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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第6回 古文常識を押さえる

 第1回から第5回まで、怒濤の暗記ラッシュでしたが、いよいよ最後の暗記事項となります。基本的には日々の学習の中である程度覚えてしまえればそれで事足りるカテゴリです。

古文常識をまとめた暗記本を購入するというのも手ですが、受験古文ではあまり見かけない言葉や情報も収録されていることが多いので、注意が必要です。どの知識が頻出か判断するには、やはり多くの受験古文にあたっておく必要があるでしょう。

 下記に、知っておいてほしい事項を少しだけ挙げておきます。

1、物忌み

 陰陽道にもとづく吉凶がかなり強く意識されていたため、凶日とされる日は外出を避けて家にこもるのが普通でした。また、日によって凶の方角も決まっていて、その方角に出かけることを避けていました。たとえば、自分の家から宮中への方角が凶であった場合は、あえて別の家に行って泊めてもらい、そこから宮中へ向かうということをしていたのです。「方違へ」と言います。

2、結婚

 古文の世界では、貴族の男女が結婚するには次のような手続きを経なければなりませんでした。

文(手紙)でやりとりをする

→男が夜に人目を忍んで女の家を訪ねる

→男は朝に女の家を出たあと、自らの思いを綴った手紙(後朝(きぬぎぬ)の文)を女に贈る

→その後、男が女の家に三日連続通う

→三日目の夜に「三日夜の餅」が出され、男は女の両親と対面し、婿と認められる

 

 今と違って、通い婚が基本です。「(女に)会ふ」や「(女を)見る」が、「男女の契りを結ぶ」という意味を持っていることにも納得がいくのではないでしょうか。結婚後も新郎新婦が同居するということはあまりなく、基本的には男性が女性の家に通うという結婚生活でした。一夫多妻制だったので、妻がたくさんいる男性と結婚すると、なかなか自分のところに通ってきてくれない…、ということもよくあったのです。

 ちなみに、若い男女が結婚したとき、その面倒を見るのは新婦側の両親です。とはいっても、仕事をしているのは男性の方なので、新婦側の父親が面倒を見るのが普通でした。したがって、男親を亡くした女性は結婚することが非常に難しくなったのです。

3、出家

 世の無常を感じ、俗世と縁を切って仏道修行の道に入る。これが出家です。出家をすると、髪を切り、墨染めの衣といった僧衣を着ることになります。「世を捨つ」・「世を(のが)る」・「世を厭ふ」・「世を背く」といった表現は、すべて「出家」を表しています。

 なお、出家をするためには、俗世を完全に断ち切らなければなりませんが、ここで登場するのが「ほだし(絆)」です。「ほだし」は「我が身を束縛する愛情の結びつき」と訳しますが、たとえば愛する妻子などがそれに該当します。「ほだし」のせいで出家ができずに思い悩んだり、あるいは出家後に「ほだし」に囚われ、仏道修行に打ちこめないことに悩む、というのは話の筋としてよくあります。  さて、古文常識というものがどのようなものなのか分かっていただけたでしょうか。平安時代の考え方や慣習などを知っておくことはとても大切です。文章の内容理解にダイレクトに関わってくるものでもありますので、普段の学習から気をつけておくようにしましょう。

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