【推薦入試】岡山県立大学 デザイン学部 建築学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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岡山県立大学 デザイン学部 建築学科の小論文対策

【令和5年度  学校推薦型選抜 120分

問題1 文章1、文章2、文章3、文章4 を読んで、下記の設問に答えなさい。

課題の公表はなし。

文章1 出典:ヤン・ゲール『人間の街 公共空間のデザイン』北原理雄訳、2014 年、より

文章2 公表なし

文章3 文章2、3とも、渋谷昌三『人と人との快適距離 パーソナル・スペースとは何か』1990年より

文章4 エドワード・ホール『かくれた次元』日高敏隆 佐藤信行共訳、1970年より

設問1 文章1と2を読み、「個体距離」と「社会距離」の二つの距離について、わかりやすく200字以内で説明しなさい。

設問2 文章1と2に基づき、文章3の空間でなされる行為や会話の内容などについて、200字以内で説明しなさい。

設問3 文章1と2に基づき、文章4の空間でなされる行為や会話の内容などについて、200字以内で説明しなさい。

問題2 文章1、文章2、文章3は、東京都中央区にある日本橋とその上を走る首都高速道路の景観について述べたものである。これらの文章を読んで、下記の設問に答えなさい。なお、参考のために、時代ごとの日本橋の様子を図1から3に示している。

図1.日本橋、2022年

図2.日本橋、1904年頃(絵葉書「帝都の中心日本橋と三越百貨店付近」、東京都立図書館)

図3.日本橋、1830年頃(歌川広重、江戸名所橋尽「日本橋」、東京都立図書館)

文章1 渡辺裕『感性文化論〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史』2017年より

文章2、3とも、五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市 現代景観論』2006年より

設問1 文章1の要点を60字以内でまとめなさい。

設問2 文章2の要点を60字以内でまとめなさい。

設問3 文章3の要点を60字以内でまとめなさい。

設問4 文章1から3で述べられているような景観問題について、自身の意見を表明し、その根拠を400字以内で論理的に説明しなさい。

ポイント

【出題意図】

問題1 日常生活の人間関係と空間的距離との関係、日米における居住空間の相違について考察することによって、空間に関する観察力と、論理的思考による自らの判断を正しく伝えるための文章構成・表現力、思考力を総合評価します。

問題2 都市の近代化と景観問題との関係について考察することによって、空間に関する観察力と、論理的思考による自らの判断を正しく伝えるための文章構成・表現力、思考力を総合評価します。

岡山県立大学の公開内容からの引用

小論文過去問題解説動画

問題1

設問1:個体距離とは、人と人との身体的な距離のことで、個人のプライバシーや快適さに関連します。これは一般的に、人々が他の人に触れられることなく、自分の個人空間を保つための距離です。個体距離は文化や個人差により異なり、一般的な範囲は親密な関係ではより狭く、他人との接触が制限される距離です。社会距離は、社会的な階層や関係に基づく距離で、個人と社会的なコンテクストとの関係を指します。これは人々が他の人との関係において、社会的な階層や役割に応じて異なる距離をとることを示し、例えば上司と部下、親と子供のような関係によって影響されます。社会距離は、人々の地位や役割に基づいて変動し、異なるコミュニケーションスタイルや接触の頻度を反映します。

設問2:文章1と2では個体距離と社会距離について語られています。文章3の空間では、パーソナル・スペースや個体距離が重要な要素となります。人々は自身の個体距離を保つため、他の人との距離を選びます。この空間では、個人同士の身体的な接触を避け、他人との距離を尊重します。会話内容も個体距離や社会距離に合わせ、親密な関係ではプライベートな話題が共有され、より広い社会的な関係では公的なトピックが話題となるでしょう。この空間では、個体距離と社会距離がコミュニケーションと相互作用に影響を与え、適切なコミュニケーションスタイルが求められます。

設問3:文章1と2に触れた個体距離と社会距離の概念は、文章4の空間においても適用されます。エドワード・ホールの「かくれた次元」は、文化的な違いや非言語コミュニケーションの重要性に焦点を当てています。この空間では、個体距離は文化によって異なり、人々の身体的な距離感に影響を与えます。また、社会距離は異なる文化や社会的なコンテクストに応じて変動し、会話やコミュニケーションの内容に影響を与えます。例えば、一部の文化では直接的なコミュニケーションが一般的であり、他の文化では間接的なコミュニケーションが重要視されます。このように、個体距離と社会距離の概念は、異なる文化や社会でのコミュニケーションにおいて重要な要素です。

問題2

設問1:戦後昭和期における都市景観と感性文化の変化に焦点を当て、戦後から現代への変遷を記述。戦災の影響、再建の試み、そしてその後の景観の変化について論じられています。

設問2:都市の美と醜さについての現代景観論を取り上げ、日本橋の景観変遷に焦点を当てています。都市景観の美しさや醜さが社会の価値観と関連し、文化的・歴史的背景と結びついていることを説明しています。

設問3:江戸時代から明治時代にかけての日本橋の様子を描いた浮世絵を紹介。江戸時代の景観が美しく描かれ、その後の変遷が示唆されています。

設問4:都市の景観は、歴史と文化の反映であり、人々の感性に大きな影響を与えます。景観は都市のアイデンティティを形成し、住民や訪れる人々にとって重要です。過去から現代までの日本橋の変遷は、都市の変化と感性文化の進化を示唆しています。景観の美しさや醜さが、都市の魅力や居住性に大きな影響を与えると考えています。美しい景観は、人々に幸福感を提供し、都市を訪れる観光客に魅力を与えます。逆に、醜い景観は、不快感を引き起こし、社会の繁栄に対する障害となる可能性があります。そのため、都市計画や建築デザインにおいて、景観の美しさに重点を置くべきだと考えます。歴史的な建築物や文化遺産を保護し、新たな建築物や公共スペースを設計する際には、美的価値観を考慮すべきです。同時に、住民の声を尊重し、都市の景観に対する意見を反映させるプロセスが重要です。また、景観問題においては、環境への配慮も不可欠です。緑化やエコフレンドリーな設計は、美しい景観と持続可能な都市環境の両立を可能にします。景観の美しさは、都市の魅力を高め、住民の生活品質を向上させる要因となります。この観点から、都市景観の保護と向上に尽力すべきだと考えます。

岡山県立大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
岡山県総社市窪木111JR桃太郎線「服部(岡山県)」駅下車、徒歩5分

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岡山県立大学の入試傾向

岡山県立大学の入試傾向については、以下のような特徴があります。

岡山県立大学 2020年度の入試から共通テストが導入されています。共通テストは共有テストとは異なる問題形式や内容を持っており、一般的にはより高度な思考力と問題解決能力が求められます。そのため、多くの受験生にとっては共有テストと比べて難易度が高いと感じることがあるかもしれません。この変更に対処するためには、より幅広い知識を身につけ、高度な思考力を養うための対策が必要です。模擬試験を受験し、問題解決能力を高めるための訓練を積むことが大切です。また、学習計画を立てて、十分な準備期間を確保することも成功へのカギです。共通テストの難易度に対処する準備をしっかり行えば、岡山県立大学への合格に近づくことができるでしょう。

岡山県立大学の募集コース

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保健福祉学部(定員数:140人)

看護学科(定員数:40人)

看護学科では、看護のプロフェッショナルとして活躍するための基礎を学ぶ。ヒューマンケアリングを基盤に対象者を理解し、個別性のある看護実践と看護の創造を目指している。

栄養学科(定員数:40人)

栄養学科では、食と健康に関する科学的な専門知識を学び、管理栄養士・栄養士・栄養教諭免許などの資格を取得することで、医療・行政・福祉分野の専門職、食品企業の研究開発職、小中学校の栄養教諭など、幅広い分野で活躍できる栄養の専門家を育成する。

現代福祉学科(定員数:35人)

現代福祉学科では、複雑化する現代社会と個人の多様な課題を解決するために、地域社会や国際社会に貢献できる人材を育成する。社会福祉学コースでは、ソーシャルワーカーの育成を基盤とし、社会福祉士と精神保健福祉士、またはスクールソーシャルワーカーの認定資格取得を目指す。介護福祉マネジメント学コースでは、介護福祉分野の人材育成を基盤とし、介護福祉士の資格取得を目指す。

子ども学科(定員数:25人)

子ども学科では、子どもの育ちと学びに関わる理論を理解し、子どもを支えることができる実践力を身につけた生涯学び探求し続ける幼児教育・保育の専門家を育成する。

情報工学部(定員数:140人)

情報通信工学科(定員数:50人)

情報通信工学科では、情報工学、通信工学、電子工学を学び、そこで身につけた高度なソフトウェアおよびハードウェア技術を生かして新たな情報システムを産み出すことのできる人材を育成する。

情報システム工学科(定員数:50人)

情報システム工学科では、情報工学、ものづくりのための機械工学、人間と機械やコンピュータを結びつけるインタフェース工学などを学び、領域横断型のセンスを持つことで、新たな工学的価値の創出に参加できる人材を育成する。

人間情報工学科(定員数:40人)

人間情報工学科では、情報工学、人間の能力や特性をモデル化する生体機能学、機器設計学を学び、人間との高い親和性を持つソフト・ハードウェアの設計・開発ができる人材を育成する。

デザイン学部(定員数:90人)

社会動向を把握して課題を発見し、それをデザインで表現・解決する能力を身につける。デザイン力とマネジメント力を備え、地域と世界に貢献する人材を育成する。

ビジュアルデザイン学科(定員数:30人)

ビジュアルデザイン学科では、さまざまなメディアを活用できる視覚伝達の知識・技能を基盤に、グラフィックデザイン、映像デザインの専門性を追究する。積上げ型の専門教育プログラムを基本としたカリキュラム編成により、グラフィックデザイナー、映像クリエイターなど、広告業界や出版業界で活躍するスペシャリストを育成する。

工芸工業デザイン学科(定員数:30人)

工芸工業デザイン学科では、立体的な造形教育を基盤に、工芸的なち密さと工業的な合理性を学ぶことにより、産業界や地域社会の持続的発展に貢献できる人材の育成を目指す。2年次からプロダクトデザイン、テキスタイルデザイン、セラミックデザインいずれかの専門科目を選択し、各分野の専門性を高める。

建築学科(定員数:30人)

建築学科では、建築計画・建築史・インテリア・都市計画などの計画系科目や、構造・設備・施工などの工学系科目など、文理融合型の幅広い分野を学ぶ。
特に、建築設計演習を中心としたアクティブで実践的な学修により、企画構想力・調査分析力・表現力を養うことができ、建築設計分野で活躍する人材を育成する。

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