【推薦入試】岡山大学 農学部 総合農業科学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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岡山大学 農学部 総合農業科学科の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜]

第1問 次の文章を読み、下の問1~問4に答えなさい。

課題の要約文です。

ハロルド・ヘンリー・フローが提唱した「遺伝子対遺伝子説」は、植物と病原菌の遺伝学的関係を探るもので、宿主植物の病害抵抗性と病原菌の病原性は、特定の遺伝子座にある対立遺伝子の関係によって説明されるとする仮説です。この説明によれば、植物の抵抗性は宿主側の特定の対立遺伝子と病原菌の特定の対立遺伝子が組み合わさったときにのみ発揮され、これを喩えて病原菌が武器を持ち、植物が対抗する盾を持つ関係と説明されています。

不思議な点は、「遺伝子対遺伝子説」によれば、特定の矛と盾が組み合わされた場合にのみ抵抗性が発揮され、病原菌がその矛を持っていなければ植物の盾は役に立たず、病気が起こるとされることです。この謎に対する解答は、病原菌と宿主植物の激烈な分子レベルの攻防の進化史にあり、病原菌が植物に利益をもたらす非病原力遺伝子を持つことが発見されています。

非病原力遺伝子は1984年に単離・同定され、それが実は病原菌の病原性に貢献していることが1990年に明らかにされました。これらの遺伝子は病原性と非病原性の双方の機能を持ち、植物の抵抗性遺伝子の存在に依存しています。このような「非病原力遺伝子」の二面性を考慮して、エフェクターという言葉が使われ、これが植物と病原菌の間の進化的な戦いの序章となっています。

出典:日本植物病理学会編著「植物たちの戦争」2019年より引用・改変

問1 下線部①「遺伝子対遺伝子説」について、特定の矛をもつ病原菌ともたない病原菌、特定の矛に対応した盾をもつ植物ともたない植物が生み出す4つの組み合わせがあります。植物が病気になる組み合わせについて、解答用紙の括弧の中に○を記入しなさい。ただし、病原菌は特定の矛以外にもたくさんの矛をもっている。

問2 矛とはどのような分子か。20字以内で説明しなさい。

問3 下線部②「いったいなぜ、病原菌が、植物に利益をもたらし、自分の生存を書かす遺伝子をもっているのでしょうか?」について、その理由を60字以内で説明しなさい。

問4 抵抗性遺伝子をもつ植物は、対応する非病原力遺伝子を持つ病原菌には抵抗性を発揮するが、いずれその抵抗性を打ち破る病原菌が現れます。病原菌が再び感染できるようになるためには、病原菌の遺伝子にどのような変化が必要か、40字以内で説明しなさい。

第2問 次の文章を読み、下の問1~問3に答えなさい。

課題の要約文です。

現代社会は科学技術によって支えられ、その中で化学物質の利用が不可欠であるが、同時に化学物質は爆発性や有害性などの危険性を有しており、人間生活が悪影響を被る可能性がある。これに対し、持続的な社会発展を目指すためには、化学物質の危険性を的確に管理し、効果的に取り扱っていく必要がある。近年、化学物質安全管理においては新たな視点が求められ、その動向が変化している。

新しい化学物質が導入された際には、当初は危険性が明らかでないことがあり、種々の研究の結果、導入後に危険性が判明することがしばしば発生している。例えば、フロンやPCB、アスベストなどがその例であり、これらは後に危険性が判明し製造中止となった。さらに、内分泌撹乱物質など低濃度における暴露や蓄積が問題となり、化学物質の危険性を解明する難しさが浮き彫りとなっている。

化学物質の安全管理においては、すべての物質が有害性を持つという新たな考え方が浸透してきており、その定量的危険性が問題視されている。一般市民にも身近な問題となり、メディアも関連情報を提供している。企業や団体は製品の危険性に関する情報を提供し、情報公開が進む中で市民も安全管理に参加することが期待されている。製品の危険性に関する情報開示は、説明責任や製造物責任の観点からも重要視され、情報公開を通じた安全管理の意志決定が求められている。

出典:土橋律著「化学物質安全管理とリスク評価」安全工学 Vol.40、No.4、2001年より引用・改変

問1 下線部①「人類は、これらの化学物質を用いることによりさまざまな恩恵を受けると同時に、人間生活が悪影響を被る危険にさらされていることになる」 について、化学物質を取り上げ、恩恵と悪影響を60字以内で説明しなさい。

問2 下線部②「定量的危険性」について、化学物質の危険性を定量的に評価するためにはどうすれば良いか、50字以内で説明しなさい。

問3 企業や団体が化学物質を利用や売買する際に行うべき行動について、次に指定したキーワードを用いて100字以内で説明しなさい。

第3問 次の文章を読み、下の問1と問2に答えなさい。

課題の要約文です。

北方林はカナダ北部やロシア北部に広がる広大な原生林で、地球の10%を占めています。この森林はトウヒ、マツ、ドロノキなどの樹木により構成され、クマやオオカミ、クズリなどの大型肉食動物の生息地となっています。北方林は他の陸上生態系よりも多くの炭素を蓄え、熱帯林の2倍もの炭素を保有しています。この原生地域は炭素の重要な貯蔵庫であり、地球温暖化の影響を受けている中で特別な価値を持っています。北方林の植物は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素は植物の部分ではなく、死んだ有機物として土壌に蓄積されます。このプロセスは炭素隔離として知られています。大型草食動物の存在は北方植物の食物連鎖に不可欠であり、ヘラジカなどが樹木の豊富さに影響を与えます。一方で、クマやオオカミなどの大型肉食動物はヘラジカの個体数を制御し、植物に利益をもたらすことで北方土壌への炭素の貯蔵を増やします。これにより、北方地域全体で大型肉食動物を保護することが、年間の二酸化炭素排出を相殺するだけの炭素の隔離を可能にします。オオカミやクマなどの大型肉食動物は、獲物を殺すことでなく、食物連鎖の一部として環境サービスを提供しています。このような動物の存在は、生態系全体のバランスを保ち、環境に対する人間の評価を超えて重要な機能を果たしています。

出典:オズワルド・シュミッツ著 日浦勉訳 「人新世の科学ニュー・ユー・エコロジーがひらく地平」
2022年より引用・改変

問1 下線部①「炭素隔離」に関連して以下の(1)と(2)の問いに答えなさい
(1) 生物学的な炭素隔離は、植物が二酸化炭素を吸収し植物の素材に変換して炭素を溜める結果として起こる。この植物による二酸化炭素の固定反応を何と呼ぶか答えなさい。
(2) 北方林の炭素隔離の特徴を熱帯林の炭素隔離と比較しながら、理由も含めて120字以内で説明しなさい。

問2 下線部②「オオカミやクマは食物連鎖の一部として、社会に大きな環境サービス 注1) を提供している」について、北方林においてオオカミやクマが社会に提供している環境サービスとは何か、180字以内で説明しなさい。

ポイント

出題意図

第1問:SDGsの掲げる持続的開発目標 (2:飢餓をゼロに)に関わる設問として、作物とその病原菌を題材にした文章を読み、その内容をしっかりと読み解く能力と、与えられた条件から科学的に推論する能力、論理的に表現する能力を問うた。

第2問:SDGsの掲げる持続的開発目標 (12: つくる責任つかう責任)に関わる設問として、化学物質を
取り扱う文章を材料として、人類の生活に利益をもたらす一方、環境や健康に問題があるものについて、定量的な考え方ができるか、化学物質管理の方針について文章の内容を読み解く能力があるかを問うた。

第3問:SDGsの掲げる持続的開発目標 (13: 気候変動に具体的な対策を、15:陸の豊かさも守ろう)に
関わる設問として、生態系に関する文章を読み, 北方林生態系における炭素隔離の特徴とそれらに大型肉食動物が果たす役割について、文章の内容を理解し要点を的確に取りまとめる能力を問うた。

<岡山大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

第1問 

問1: 下線部①「遺伝子対遺伝子説」において、植物が病気になる組み合わせにはどのようなものがあるかを考える際には、特定の矛をもつ病原菌とそれに対応する特定の盾をもつ植物が必要です。したがって、解答用紙の括弧の中に○を記入する場合は、特定の矛をもたない病原菌と特定の盾をもたない植物の組み合わせに該当します。

問2: 矛は分子レベルで言及されているため、この文脈では矛が具体的に何かを考える必要があります。遺伝子やDNA配列が矛を象徴しており、植物と病原菌の対立において、病原菌のDNAにコードされた分子が攻撃性のある「矛」となると解釈できます。

問3: 下線部②の質問に対する回答では、病原菌が抵抗性を持つ矛に対抗するため、自己の生存を図るために進化してきた歴史的な背景や、病原性が病原菌の生存戦略の一環であることに焦点を当てる必要があります。

問4: 抵抗性遺伝子をもつ植物が、対応する非病原力遺伝子を持つ病原菌には抵抗性を発揮するが、その抵抗性を打ち破るためには、病原菌は新たな矛を進化させる必要があります。したがって、40字以内で説明するならば、「抵抗性植物を打破するため、病原菌は新たな攻撃矛を進化させる必要がある。」といった回答が考えられます。

第2問

問1: 下線部①「人類は、これらの化学物質を用いることによりさまざまな恩恵を受けると同時に、人間生活が悪影響を被る危険にさらされていることになる」について、恩恵と悪影響を60字以内で説明するならば、「化学物質は生活を便利にし、同時に爆発性や有害性などの悪影響も抱える。例えば、医薬品や製品の製造が可能となり、一方で環境や健康への懸念も生じる。」といった回答が考えられます。

問2: 下線部②「定量的危険性」について、化学物質の危険性を定量的に評価するためには、様々な方法がありますが、50字以内で説明するならば、「化学物質の危険性を定量的に評価するには、動態モデルや統計的手法を用い、暴露量や生体反応を考慮して総合的なリスク評価を行う必要がある。」といった回答が考えられます。

問3: 企業や団体が化学物質を利用や売買する際に行うべき行動について、指定されたキーワードを用いて100字以内で説明するならば、「企業や団体は安全確保に責任を持ち、危険性に関する情報を透明に提供し、製品の危険性を開示することで情報公開を図り、市民参加型の安全管理の意志決定に積極的に参加すべきです。」といった回答が考えられます。

第3問

問1: (1) 生物学的な炭素隔離において、植物が二酸化炭素を吸収し素材に変換する反応は「光合成」と呼ばれます。 (2) 北方林の炭素隔離は、熱帯林と比較して、植物の炭素が部分的にではなく、主に死んだ有機物として土壌に蓄積される特徴があります。寒冷な気温により土壌生物の活動が鈍くなり、動植物の分解が遅れることが炭素が生態系に蓄えられる理由です。

問2: 北方林において、オオカミやクマが提供する主な環境サービスは、食物連鎖の制御による生態系のバランス維持です。これらの大型肉食動物がヘラジカなどの草食動物の個体数を抑えることで、植物に対する影響を減少させ、北方土壌への炭素の貯蔵を増加させます。彼らの存在は生態系全体の調和を促進し、気候変動に対する抵抗力を高め、社会において重要な環境サービスを提供しています。

岡山大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
岡山県岡山市北区津島中3-1-1JR「岡山」駅から岡電バスで「岡大入口」
または「岡大西門」下車 約7~10分
岡山県岡山市北区津島中1-1-1JR「岡山」駅から岡電バスで「岡大入口」
または「岡大西門」下車 約7~10分
岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1JR「岡山」駅から岡電バスで「大学病院」
または「大学病院入口」下車 約10分
岡山県岡山市北区津島中2-1-1JR「岡山」駅から岡電バスで「岡大入口」
または「岡大西門」下車 約7~10分

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岡山大学の入試傾向

岡山大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  1. 一般情報: 岡山大学は日本の国立大学で、各学部・学科ごとに異なる入試要項があります。志望する学部・学科の入試要項をよく確認しましょう。
  2. 共通テスト: 多くの学部・学科が共通テストの得点を活用しています。共通テストの内容や合格最低点を確認し、共通テストの対策を重点的に行いましょう。
  3. 学科ごとの対策:
    • 文学部: 現代文、古文、漢文の試験があり、文章の読解力と論理的思考能力が求められます。過去問演習や作文練習を行い、文章構造や論点を把握しましょう。
    • 理学部: 数学、物理、化学などの科学系科目が出題されます。基本的な数学と科学の知識を確実に身につけることが大切です。過去問を解いて問題に慣れましょう。
    • 医学部: 生物学、化学、物理学などの科学系科目に加え、国語や社会科目も出題されます。幅広い科目に対応できるよう、バランスの取れた学習を心がけましょう。
    • 歯学部: 基礎的な問題に対する解答力が求められます。基本知識の確認と過去問演習を行いましょう。
  4. 小論文対策: いくつかの学部・学科では小論文試験があります。論述力を鍛えるために、文章を書く練習を重ね、論点を明確にしましょう。

岡山大学の募集コース

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文学部 人文学科(定員数:175人)

「哲学・芸術学」「地理学・社会学・文化人類学・社会文化学」「心理学」「歴史学・考古学」「言語文化学」の5つの教育分野がある。学生はこれらの分野から1つを専攻し、さらに領域に分かれて卒業論文を作成する。
1年次には「人文学の基礎」「人文学入門演習」「人文学の論点」などの初年次科目を通じて、学生が自らの志向、適性に合った専門分野、領域を見出し、能動的な学びを展開できる。これらの科目の内容には、文学部の学生に共通に身につけてほしい、人文科学のエッセンスと方法論の基礎が含まれる。2年次以降は、「人文学概説」で各分野の学問の体系的な知識を身につけ、「人文学講義」で人文学の研究の最先端の成果を学ぶ。
また、卒業論文作成につながる「実践演習」「課題演習」では、調査・実験・文献解読などの実地指導や卒業論文に関する指導を少人数で行い、アクティブ・ラーニングを推進する。アカデミック・アドバイザーの指導のもとに、自分の「学びたいこと」を軸としながら、主専攻プログラムにおいて、1つの分野に集中して履修することも、総合人文学プログラムにおいて、関心のある複数の分野にまたがって履修することも可能である。
ほかに、資格取得のための心理職養成プログラムや学芸員養成プログラム、留学を目指す外国語習得・留学プログラム、さらには、専門性の高い研究指導を行う研究力養成プログラムを開設している。

哲学・倫理学分野

芸術学・美術史分野

地理学・社会学・文化人類学・社会文化学分野

心理学分野

歴史学・考古学分野

言語学・現代日本語学分野

日本語・日本文学分野

外国語・外国文学分野

教育学部(定員数:280人)

学校教育教員養成課程(定員数:250人)

小学校教育専攻

小学校教育専攻には、多彩な17のプログラムがある(ESD・SDGs教育、創造性・STEAM教育、心理データ支援教育、地域教育、教育学、教育心理学、幼児教育学、特別支援教育学、国語教育、算数教育、社会科教育、理科教育、英語教育、音楽教育、図画工作科教育、体育科教育、家庭科教育)。

中学校教育専攻

中学校教育専攻は、国語教育、社会科教育、数学教育、理科教育、音楽教育、美術教育、保健体育教育、技術・工業教育、家政教育、英語教育、地域教育の11コースがある。

特別支援教育専攻

特別支援教育専攻では、知的障害を中心とした特別支援教育の専門家を養成する。専門科目は、特別支援に関する教育学、心理学、生理・病理学の学問領域からなる。

幼児教育専攻

幼児教育専攻では、深い知識と技能を身につけた質の高い幼稚園教員の養成を目指す。

養護教諭養成課程(定員数:30人)

養護教諭養成課程では、豊かな知識と実践的指導力を備えた養護教諭を養成する。養護実習は1年次から段階的に実施し、3年次からは本格的に附属学校・園や協力校で行う。養護教育、地域教育の2コースがある。

法学部(定員数:225人)

法学科(昼間コース)(定員数:205人)

法学科昼間コースでは、1・2年次で、法政基礎科目群と法政共通科目群に含まれる講義をどの学生も履修し、3年次以降は、公共法政コース、企業法務コース、法律専門職コースの3つの履修コースのいずれかに所属して自分の目的や将来の方向性に沿った専門科目を体系的に学ぶ。また、少人数教育とグローバル教育を重視しており、全ての年次で演習科目を設けているほか、2年次以降に国際関係科目を履修することができる。さらに、「法曹コース」が設置されており、学部3年と法務研究科2年の計5年で在学中に司法試験を受験することが可能になった。

法学科(夜間主コース)(定員数:20人)

法学科夜間主コースでは、1・2年次で憲法I・現代社会と政治などの共通講義を履修したあと、2~4年次で、民法・刑法・公法・政治学などの専門科目を系統立てて学ぶ。

経済学部(定員数:245人)

経済学科(昼間コース)(定員数:205人)

経済学科昼間コースでは、ユニット・モジュール制を導入し、学生の専門科目の履修をサポートしている。ユニット・モジュール制は、専門科目を小科目群(ユニット)に分類して各科目の特徴を明確にし、専門性を示すモジュール(経済分析、政策、国際比較、組織経営、会計学)に沿って履修していくと、関心のある分野を段階的かつ横断的に学修できる仕組みである

経済学科(夜間主コース)(定員数:40人)

経済学科夜間主コースでは、総合学修コースと実践力強化コースを開設している。さらに、2021年4月からは法学科夜間主コースと共同で地域人材育成プログラムを立ち上げ、両学部の一定数の専門科目を共通専門科目と位置づけた教育プログラムを編成している。どちらのコースも、ある一定の範囲内で、昼間コースの授業、放送大学(有料)や法学部の授業を履修することが可能である。また、希望する教員のもとで卒業論文にチャレンジすることもできる。

理学部(定員数:140人)

自然科学の基礎をなす5学問領域において普遍的な法則や基本原理を教授するとともに、独創的な研究の推進や新しい研究分野への挑戦を通して、広く国際社会に貢献できる人材の育成を目指している。複数の学科の専門科目を横断的に履修可能な「学際プログラム」、最前線で活躍する科学者や高度専門技術者の育成を目的とした「フロンティアプログラム」、数理・データサイエンス・AIの知識を、自らの専門分野へ応用・活用することができる人材(AI×専門分野のダブルメジャー人材)の育成を目的とした「理学系 数理・データサイエンスコース」も併設している。

数学科(定員数:20人)

数学科は、代数学、幾何学、解析学の3講座からなる。現代も発展し続ける数学の諸概念や思考法を、講義、演習、セミナーを通して一貫したカリキュラムで学ぶ。

物理学科(定員数:35人)

物理学科では、新規超伝導体の開発と機構解明、スピントロニクスなどの理論的解明、宇宙背景放射やニュートリノを用いた宇宙・素粒子物理学、放射光を用いた物性研究など最先端の研究に主体的に携わる。

化学科(定員数:30人)

化学科では、製品開発や環境問題などに主導的役割を果たす化学について学ぶ。無機物質の性質や分析を学ぶ物質化学、有機物質について学ぶ反応化学、物質の構造や反応を原子・分子から学ぶ分子化学の各分野がある。

生物学科(定員数:30人)

生物学科では、生物学の基礎学力に加え、遺伝子や分子レベルから細胞や組織、そして固体や集団レベルに至るまで、生命の一般原理と多様性をさまざまな角度から深く学ぶとともに、自ら学び思考する能力を養う。

地球科学科(定員数:25人)

地球科学科は、岩石学、地震学、地球情報学、地球惑星内部物理学、地球化学、大気科学、惑星科学の7つの教育研究分野からなる。高校で地学を未履修でも問題ないように、基礎から応用まで幅広いカリキュラムを提供しており、地球と惑星の大気から深部までを対象に広く深く学ぶ。

医学部(定員数:269人)

医学科(定員数:109人)

医学科では、優れた医学研究者・医師を輩出するため先進的な教育プログラムを用意している。入学後早期に多職種連携早期体験実習と地域医療体験実習による動機づけを行い、医療人としての自覚をうながすプロフェッショナリズム教育を行う。チュートリアル形式の問題発見・解決型の少人数教育を実施し、基礎病態演習および医学研究インターンシップといった特徴あるプログラムで研究マインドを醸成する。全国共用試験後に学生をStudent Doctorに認定し、医行為を積極推進する診療参加型臨床実習を行い、全人的医療人を育成している。グローバル教育プログラムとして、医学研究インターンシップでの3か月の海外研究室配属(3年次)、海外大学病院での4週間の選択制臨床実習(6年次)を用意している。

保健学科(定員数:160人)

保健学科では、ほかの医療職種や福祉と連携して医療に貢献できる、看護師、保健師(選抜者のみ)、診療放射線技師、臨床検査技師を養成する。

看護学専攻(定員数:80人)

看護学専攻は、基礎看護学、成人看護学、精神看護学、地域・在宅看護学などを専門領域として学び、さらに看護倫理、ヘルスプロモーションなどの知識を身につける。

放射線技術科学専攻(定員数:40人)

放射線技術科学専攻では、医学・理学・工学の基礎から、撮影装置、画像処理装置、治療機器を扱うための基礎理論、実践技術、応用力を身につける。特に3年次からは岡山大学病院と地域病院で臨床実習を行い、総合的実践力を養成する。

検査技術科学専攻(定員数:40人)

検査技術科学専攻では、チーム医療について学ぶとともに、検体検査や生理検査の基礎となる解剖学や生理学、医用工学などを学ぶ。さらに、臨床化学や血液学、病理学などの各専門講義を学修し、卒業研究では、新たな診断法の開発など基礎研究・臨床研究を行う。

歯学部 歯学科(定員数:48人)

総合大学としての特性を生かし、高い人格と知性を備え、多様化する現代社会の要請と、科学の進歩に即応できる歯科医師の養成を目指す。
6年間の前半は、主に教養や豊かな人間性、倫理観を身につける。基礎系分野では、口腔の働きをコントロールする脳、感染症などで反応する免疫系など、口腔だけでなく全身を対象に学修する。早期から人体、特に口腔系の構造と機能や薬剤など、基礎科目の講義・実習に加えて、臨床現場の見学実習を行う。後半は臨床系分野で、むし歯、歯周病、歯並び、口のがん、口の機能などの診断、治療、予防などを学ぶ。
5年次から6年次にかけて、大学病院で臨床実習を行い、教員の指導のもと、患者さんの治療を行う。

薬学部(定員数:80人)

薬学科<6年制>(定員数:40人)

薬学科〈6年制〉では、薬剤師としての専門的な知識と技能を身につける実務実習が多く設定されている。5年次で病院実習と保険薬局実習を行う。実習の前には、薬学部の教員のほか、病院の薬剤師や保険薬局の薬剤師も交え、医師や患者役の教員とのロールプレイや治療方針プランを決定するための少人数のグループ討論を実施する。実務実習を終えたあとは、各分野の研究室で研究を行う。

創薬科学科<4年制>(定員数:40人)

創薬科学科〈4年制〉では、生命の仕組みや病因を解明し、新しい薬を創り出す研究者を目指す。薬剤師になるための講義や実習がなく、これまで大学院で行っていたような高度な内容を学ぶ。特に生命科学とその研究手法について深く広範に学ぶ。そのため、選択科目が数多く設置される。

工学部 工学科(定員数:610人)

工学部では、学科を「工学科」の1学科とし、その下に4つの系および10コースを設置している。1学科であるため従来の学科の枠にとらわれない分野横断的な学びを可能としている。また、Society5.0の実現を通してSDGsへ貢献する「Society5.0 for SDGs」の実践的教育を特色とした教育課程を構築している。

機械システム系(定員数:160人)

・機械工学コースでは、モノ創りのための基礎的能力を身につけつつ、技術者に不可欠な創造力を育成する。
・ロボティクス・知能システムコースでは、機械と人との調和について考え、システムを総合的に設計・運用・制御・管理する能力を基礎から養う。

環境・社会基盤系(定員数:90人)

・都市環境創成コースでは、社会基盤の設計と保全、社会の仕組みや制度および都市空間や建築物の計画と設計について学ぶ。
・環境マネジメントコースでは、人間活動と環境が調和した都市・地域空間のあり方や、水・地域資源の持続的な管理について体系的に学ぶ。

情報・電気・数理データサイエンス系(定員数:190人)

・情報工学コースでは、計算機工学および知能ソフトウェアについて学び、高度情報化社会の第一線で活躍できる技術と発想力を身につけていく。
・ネットワーク工学コースでは、安全・安心な現代社会の基盤を担う情報通信ネットワーク技術を基礎から学ぶ。
・エネルギー・エレクトロニクスコースでは、環境と調和した電気エネルギーの発生・変換・制御技術、および電子工学全般の基礎と応用を学ぶ。
・数理データサイエンスコースでは、現象の解明や社会課題の解決に主体的に取り組み、数理科学を基盤とするデータサイエンスの知識・技能を学ぶ。

化学・生命系(定員数:170人)

・応用化学コースでは、革新的な新素材・新材料の創成や、画期的な生産プロセスを開発するための知識や技術を学ぶ。
・生命工学コースでは、バイオテクノロジーを活用し、医学から農学まで多彩な分野の境界領域での活躍を目指す。

農学部 総合農業科学科(定員数:120人)

1学科制で、4つの教育コースに区分されている。
・農芸化学コースでは、生物が持つ物質生産代謝機能や生体制御機能などを有機化学、分析化学、分子生物学、生化学、ならびに細胞生理学の手法を用いて、化学的な側面から明らかにする。食品、医薬品、環境などの農芸化学領域に関わる産業ならびに研究分野で活躍できる人材を養成する。
・応用植物科学コースでは、作物、花、果樹などとして利用され、農業生産の基盤をなす植物について、有用機能の分子生物学的な解析や遺伝的改良、その生産能力を安定かつ最大限に発揮させるための生育調節やフィールド・マネジメント方法、さらに生産物の効率的な流通・貯蔵に必要な技術などに焦点を当てて教育・研究を行う。
・応用動物科学コースでは、良質で安全な動物性タンパク資源の生産・利用技術の確立を目的とする。生命現象ならびに家畜生産に関わる諸機能の解明を目指すと同時に、バイオテクノロジーを利用した家畜の効率的生産技術の開発や有用動物資源の創成・利用・保護などについての研究を行う。
・環境生態学コースでは、地域レベルから地球レベルまでを対象として、環境保全、生態系の維持、食料と資源の持続的確保、効率的な生物生産システムの開発を目指した研究を行う。

グローバル・ディスカバリー・プログラム(定員数:60人)

全学一括募集の国際プログラム。プログラムの人数は各学部の定員に含まれる。
世界各地から集まった留学生・帰国生、日本国内の高校出身者などが、既存の学部や学科の枠にとらわれず、現在の関心や将来の目標に合った幅広い科目履修を通じて専門知識を身につけ、グローバルな課題解決に向けて行動できる人材を育成する。
アカデミック・アドバイザーによる丁寧な履修指導のもとに、主に各学部が提供する科目を履修する「学部・学科横断型マッチング・トラック」、または主に英語による科目を履修する「ディスカバリー専修トラック」(環境化学・物理化学・固体物理学、経済学・経営学・国際開発学・フィランソロピー学、社会学・人類学・政治学)から選択し、自分に適した履修プログラムを組み立てる。

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