記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
1. はじめに – 共通テスト対策に関する誤った認識
共通テスト対策を巡って、特に私立大学志望者の間で大きな混乱が生じています。多くの高校では12月から1月にかけて共通テスト対策に力を入れるよう指導していますが、この方針は私大志望者にとって本当に効果的なのでしょうか。
2. 私大志望者と共通テスト対策の実態
1. 国公立志願者との比較
私大志望者と国公立志願者では、そもそも受験戦略が大きく異なります。国公立志願者は2月下旬の2次試験に向けて、1月の共通テストで確実に点数を取る必要があります。一方、私大志望者の場合、志望校の一般入試対策に専念することが合格への近道となります。
2. 時間配分の問題
共通テストは本来、国公立大学の受験生のために設計された試験です。しかし、私立大学でも共通テスト利用入試を実施する大学が増えていることから、すべての受験生が対策すべきという誤った認識が広がっています。
3. 共通テスト対策をしない方が良い具体的な理由
1. 試験形式の違い
共通テストは、私立大学の一般入試とは全く異なる形式で出題されます。特に、複数の資料を読み比べる問題や、特殊な形式の問題が多く含まれており、私大入試とは別の対策が必要となります。
2. 時間的制約
私立大学志望者にとって、12月から1月は一般入試の対策が最も重要な時期です。この貴重な時間を共通テスト対策に割くことは、本来の目標達成を危うくする可能性があります。
3. 合格可能性への影響
例えば、日東駒専などの大学を目指す場合、共通テスト利用入試よりも一般入試の方が合格しやすい傾向にあります。これは、共通テストが国公立志願者との競争になり、問題の量も多く、時間配分も厳しいためです。
4. 学校側の意図と受験生が取るべき姿勢
1. 高校の合格実績重視の背景
学校側が共通テスト対策を推奨する背景には、高校の合格実績を上げたいという意図が隠れている場合があります。特に地方の高校では、国公立大学への合格者数を増やしたいという思惑から、共通テストの成績が良ければ国公立受験を勧める傾向があります。
2. 受験生本位の戦略の重要性
受験生は自分の意思で私立大学を志望したはずです。その選択には、大学の特色や学びたい内容、自分の適性など、様々な理由があるはずです。学校の意向に流されることなく、自分の目標に向かって最適な戦略を立てることが重要です。
5. より効果的な受験対策の提案
1. 私大入試に特化した学習方法
まず、私立大学の入試に特化した学習に専念することです。例えば、歴史科目であれば、年号の順序や文化史など、まだ覚えるべき内容は多くあります。英語も、より難度の高い単語や文法の習得に時間を使うべきです。
2. 滑り止めとしての共通テストの位置づけ
共通テストについては、滑り止めとしての位置づけに徹することを推奨します。「受かればラッキー」程度の気持ちで、試験直前に予想問題を軽く解く程度の対策で十分です。それ以上の時間を割くことは、本来の目標達成の妨げになりかねません。
6. まとめ – 受験生が本当に目指すべき方向性
大切なのは、自分が選んだ私立大学の合格を勝ち取ることです。そのためには、目の前の共通テストや周囲の意見に振り回されることなく、志望校の一般入試対策に全力を注ぐべきです。 共通テストの模擬試験で低い点数を取っても気にする必要はありません。むしろ、その結果に一喜一憂せず、本来の目標に向かって着実に準備を進めることが重要です。受験は自分との戦いです。他人の基準や一時的な結果に惑わされることなく、自分が決めた目標に向かって最後まで努力を続けることが、最終的な合格への近道となるでしょう。