記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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1. はじめに
私立大学の受験システムは、国公立大学とは異なり、同じ年度内で複数回の受験機会があることが大きな特徴です。一般入試では、前期・中期・後期と様々な入試日程が設けられており、同じ大学でも複数回チャレンジすることが可能です。
この複数回受験というシステムは、受験生にとって非常に重要な意味を持ちます。単に合格可能性を高めるだけでなく、様々な面でメリットがあります。本記事では、私立大学の受験回数を増やすことで得られる具体的なメリットと、それを最大限活用するための方法について詳しく解説していきます。
2. 受験回数を増やすことの具体的なメリット
合格可能性の向上
最も分かりやすいメリットは、合格の可能性が高まることです。例えば、ある大学の合格率が30%だとした場合、1回の受験では30%の確率ですが、2回受験することで理論上は51%(1-0.7×0.7)まで可能性が上がります。さらに3回受験すれば、65.7%まで上昇します。
また、複数の大学を受験することで、第一志望校に万が一合格できなかった場合のバックアップとなり、浪人のリスクを大きく減らすことができます。
実践的な経験の蓄積
実際の入試を経験することは、どんな模擬試験よりも貴重な学習機会となります。特に以下の点で大きな効果があります:
- 本番の試験会場の雰囲気に慣れる
- 時間配分の感覚を掴む
- 実際の問題レベルや傾向を体感する
- 自分の弱点を明確に把握できる
これらの経験は、その後の受験に活かすことができ、徐々にパフォーマンスを向上させることが可能です。
精神的な余裕の確保
複数回の受験機会があることを知っているだけで、精神的な余裕が生まれます。「この1回で全てが決まる」というプレッシャーから解放され、より実力を発揮しやすい状態で試験に臨むことができます。
また、最初の受験で思うような結果が出なくても、次の機会に向けて具体的な改善点を見出すことができ、前向きな姿勢を維持しやすくなります。
時期による難易度の変化を活用できる
私立大学の入試では、時期によって実質的な難易度が変化することがあります:
- 前期日程:比較的難易度が高め
- 中期日程:標準的な難易度
- 後期日程:受験生が減少し、合格しやすくなることも
この特徴を理解し、戦略的に受験することで、合格の可能性を高めることができます。
3. 効果的な複数受験の戦略
志望校の選び方
複数受験を効果的に行うためには、適切な志望校の選定が重要です:
- 第一志望校を軸に、難易度の異なる大学をバランスよく選ぶ
- 地理的な配置も考慮し、移動による疲労を最小限に抑える
- 似た傾向の問題を出題する大学をグループ化して対策する
日程の組み方
受験日程は以下のポイントを考慮して組み立てましょう:
- 試験の間隔を適切に空ける
- 難易度の高い大学から受験する
- 体力的な負担を考慮する
- 予備日も考慮に入れる
費用対効果の考え方
受験には当然費用がかかりますが、以下の観点から検討する必要があります:
- 浪人した場合のコストと比較する
- 交通費や宿泊費も含めた総合的な計算
- 受験機会の価値と費用のバランス
4. 注意すべきポイント
体力面での配慮
複数回の受験は体力的な負担が大きいため、以下の点に注意が必要です:
- 試験と試験の間に十分な休息を取る
- 体調管理を徹底する
- 無理のない受験スケジュールを組む
- 睡眠時間を確保する
費用面での計画
受験にかかる費用は主に以下の項目があります:
- 受験料
- 交通費
- 宿泊費(必要な場合)
- 参考書や問題集の購入費
これらを事前に計算し、家計の負担を考慮した計画を立てることが重要です。
モチベーション管理
長期間にわたる受験では、モチベーションの維持が課題となります:
- 小さな目標を設定して達成感を得る
- 各受験の振り返りを確実に行う
- 精神的なストレスを適切にケアする
- 家族や友人のサポートを積極的に受ける
5. まとめ
私立大学の複数受験は、単なる合格可能性の向上だけでなく、実践経験の蓄積や精神的な余裕の確保など、多くのメリットがあります。ただし、これらのメリットを最大限に活かすためには、適切な戦略と計画が必要です。
複数受験を成功させるためのポイント
- 志望校の適切な選定
- 効果的な日程計画
- 体力・精神面のケア
- 費用面での現実的な計画
- 各受験からの学びの活用
最適な受験回数の考え方
最適な受験回数は、個人の状況によって異なりますが、一般的には以下の要素を考慮して決定します:
- 学力レベルと志望校の難易度
- 経済的な余裕
- 体力的な状況
- 他の入試(国公立大学など)とのバランス
複数受験のメリットを理解し、自分の状況に合わせた最適な受験計画を立てることで、志望校合格への可能性を最大限に高めることができます。