SDGs小論文の書き方完全ガイド【合格への道】m

SDGs小論文の書き方完全ガイド【2026年最新版】

近年、大学入試における総合型選抜や学校推薦型選抜において、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした小論文が頻出しています。環境問題や社会課題への関心が高まる中、受験生にとってSDGsは避けて通れないテーマとなりました。

しかし、「SDGsについて書けと言われても何から始めればいいのか分からない」「17の目標を覚えただけでは小論文が書けない」という悩みを抱える受験生は少なくありません。本記事では、SDGs小論文を書くための基礎知識から具体的な執筆テクニック、参考資料の探し方まで、合格レベルの小論文作成に必要な情報を網羅的に解説します。

SDGsの基礎知識を押さえる

SDGsとは何か

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標です。2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットから構成され、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という理念のもと、先進国も途上国も含めた全ての国が取り組むべき普遍的な目標として設定されています。

SDGsが掲げる17の目標は、貧困・飢餓の撲滅から気候変動対策、海洋・陸上生態系の保護まで、地球規模の課題を包括的にカバーしています。これらは相互に関連しており、一つの目標達成が他の目標達成にも貢献する構造になっているのが特徴です。

17の目標の概要

SDGsの17の目標を理解することは小論文作成の第一歩です。各目標を簡潔に整理すると以下のようになります。

社会的課題に関する目標:

  • 目標1:貧困をなくそう
  • 目標2:飢餓をゼロに
  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に

経済成長に関する目標:

  • 目標8:働きがいも経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標12:つくる責任つかう責任

環境保護に関する目標:

  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
  • 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう

実施手段:

  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

小論文では、これら17の目標すべてを網羅的に論じる必要はありません。むしろ、特定の目標に焦点を当て、深く掘り下げた考察を展開することが求められます。

日本におけるSDGsの現状

日本政府は2016年に「SDGs推進本部」を設置し、8つの優先課題を定めて取り組みを進めています。企業においてもSDGs経営が広がり、環境報告書やサステナビリティレポートでSDGsへの貢献を公表する動きが加速しています。

特に注目すべき日本の取り組みとしては、再生可能エネルギーの導入促進、循環型社会の構築、女性活躍推進、地方創生などが挙げられます。一方で、ジェンダーギャップ指数の低さや気候変動対策の遅れなど、課題も指摘されています。

小論文では、こうした日本の現状を踏まえた上で、自分なりの問題意識や解決策を提示することが重要です。

SDGs小論文の出題パターンを知る

SDGs小論文は大きく分けて以下の4つの出題パターンに分類できます。それぞれのパターンに応じた対策が必要です。

パターン1:課題分析・解決提案型

最も一般的な出題形式で、特定のSDGs目標に関する課題を分析し、具体的な解決策を提案するタイプです。

例題: 「SDGsの目標達成に向けて、あなたが最も重要だと考える課題を一つ挙げ、その解決に向けた具体的な提案を述べなさい。」

このタイプでは、課題の背景や原因を的確に分析した上で、実現可能性のある具体的な解決策を論理的に展開することが求められます。単なる理想論ではなく、データや事例に基づいた説得力のある提案が評価されます。

パターン2:地域社会・コミュニティ型

地域レベルでのSDGs推進に焦点を当てた出題です。自分が住む地域や身近なコミュニティにおけるSDGsの取り組みについて論じます。

例題: 「あなたの地域社会においてSDGsの認知度を高め、実践を促進するために、どのような取り組みが効果的か論じなさい。」

このパターンでは、地域の実情を踏まえた現実的な提案が重要です。地域の強みや資源を活かした独自性のあるアイデアが評価されます。

パターン3:企業・ビジネス型

企業経営やビジネスの観点からSDGsを論じるタイプです。経済学部や商学部、経営学部などでよく出題されます。

例題: 「企業がSDGsを経営戦略に組み込むメリットとデメリットを論じ、効果的な実践方法について考察しなさい。」

このパターンでは、企業の社会的責任(CSR)やESG投資、サステナビリティ経営といった概念の理解が前提となります。実際の企業事例を引用しながら論じると説得力が増します。

パターン4:比較・評価型

複数のSDGs目標を比較したり、異なるアプローチを評価したりするタイプです。

例題: 「SDGsの17の目標のうち、日本が特に優先すべき目標を3つ挙げ、その理由を述べなさい。」

このパターンでは、複数の視点を俯瞰的に捉え、優先順位をつける思考力が試されます。根拠となるデータや現状分析が不可欠です。

効果的なSDGs小論文の構成法

小論文の基本構成は「序論-本論-結論」の三部構成ですが、SDGsという複雑なテーマを扱う際には、各部分で何を書くべきか明確にしておく必要があります。

序論の書き方:問題提起と論点の明示

序論では、これから論じるテーマの重要性を示し、読み手の関心を引きつけることが重要です。SDGs小論文の序論には以下の要素を含めると効果的です。

  1. 背景の提示: SDGsが採択された背景や、選択した目標が注目される理由
  2. 問題提起: 具体的にどのような課題があるのか
  3. 論点の明示: この小論文で何を論じるのか

序論は全体の10~15%程度の分量が目安です。冒頭で具体的な統計データや事例を示すと、問題の深刻さが伝わりやすくなります。

効果的な序論の例: 「日本における食品ロスは年間約522万トンに達し、これは世界全体の食糧援助量の1.2倍に相当する。SDGsの目標12『つくる責任つかう責任』の達成には、この食品ロス問題への取り組みが不可欠である。本稿では、食品ロスの発生要因を分析し、削減に向けた具体的な施策を提案する。」

本論の展開:論理的な議論の構築

本論は小論文の中核をなす部分で、全体の70~80%を占めます。SDGs小論文の本論では以下の流れで論を展開すると説得力が増します。

  1. 現状分析: データや事例を用いて現状を客観的に分析
  2. 原因の究明: なぜその問題が発生しているのか、構造的な原因を探る
  3. 解決策の提示: 具体的かつ実現可能な解決策を複数提案
  4. 効果の予測: 提案した解決策によってどのような効果が期待できるか
  5. 課題の指摘: 実施する際の障壁や懸念事項も正直に述べる

重要なのは、主張に対する根拠を必ず示すことです。「〜だと思う」という主観的な表現ではなく、「〜というデータから〜であると考えられる」という客観的な論述を心がけましょう。

また、反論への配慮も評価されます。自分の主張に対する想定される批判を先回りして取り上げ、それに対する再反論を示すことで、論考の深みが増します。

結論の締めくくり:主張の要約と展望

結論では、本論で展開した議論を簡潔にまとめ、最終的な主張を明確にします。全体の10~15%程度が目安です。

結論に含めるべき要素:

  1. 主張の再確認: 本論で述べた内容を要約し、中心的な主張を再提示
  2. 意義の強調: 提案した解決策の重要性や社会的意義
  3. 今後の展望: 将来的な発展や次のステップへの言及
  4. 行動の呼びかけ: 読み手に何らかのアクションを促す

結論では新しい論点を持ち出さないことが原則です。あくまで本論で述べたことの総括に徹しましょう。

説得力を高める具体的テクニック

データと統計の効果的な活用

SDGs小論文では、客観的なデータや統計を引用することで説得力が格段に向上します。ただし、データを羅列するだけでは意味がありません。そのデータが何を意味するのか、自分の主張とどう関連するのかを明確に説明することが重要です。

データ活用のポイント:

  • 信頼できる情報源(政府統計、国際機関のレポート、学術論文など)からのデータを使用
  • 最新のデータを使う(できれば過去3年以内)
  • 数字だけでなく、その意味や影響を解説する
  • グラフや表の内容を言及する場合、その出典を明記する

具体的事例の提示

抽象的な議論だけでなく、具体的な事例を挙げることで、読み手がイメージしやすくなります。

効果的な事例の種類:

  • 国内外の先進的な取り組み事例
  • 企業のSDGs経営の成功例・失敗例
  • 地方自治体の独自施策
  • NGO・NPOの活動
  • 個人レベルでの実践例

事例を紹介する際は、「どこで、誰が、何を、どのように行い、どんな成果が出たか」を具体的に記述しましょう。

多角的な視点の導入

SDGsの課題は複雑で、一つの視点からだけでは捉えきれません。経済・社会・環境の三側面から考察したり、短期的視点と長期的視点を対比させたりすることで、論考に深みが生まれます。

また、ステークホルダー(利害関係者)の視点を意識することも重要です。政府、企業、市民、それぞれの立場から問題を見ることで、より包括的な解決策を提案できます。

情報収集に役立つリソース

学術データベースの活用

説得力のある小論文を書くには、信頼できる情報源からの情報収集が不可欠です。

CiNii Research(サイニィ リサーチ): 日本の学術論文を検索できる無料データベースです。SDGsに関する国内の研究成果を幅広く検索できます。キーワード検索で「SDGs」と関心のある分野を組み合わせて検索すると効果的です。

Google Scholar(グーグル スカラー): 世界中の学術文献を検索できます。英語の論文も含まれるため、国際的な視点からの情報が得られます。引用回数で論文の影響力を確認できるのも便利です。

公的機関の情報源

外務省 JAPAN SDGs Action Platform: 日本政府のSDGs推進に関する公式情報が集約されています。最新の政策動向や統計データが入手できます。

国連広報センター: SDGsの公式情報や世界の取り組み事例が日本語で提供されています。

環境省・経済産業省などの各省庁ウェブサイト: 分野別の詳細なデータや報告書がダウンロードできます。

推薦図書

SDGsの理解を深めるために、以下のような書籍が参考になります。

  • 『SDGs(持続可能な開発目標)』(中公新書)- 学術的な背景を理解できる入門書
  • 『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』- 具体的な実践例が豊富
  • 『2026年の論点100』(文藝春秋)- 現代社会の課題を多角的に理解できる
  • 『SDGsビジネス戦略』- 企業の取り組みを学べる

これらの書籍から得た知識を小論文に活用する際は、自分の言葉で再構成し、必要に応じて出典を明記しましょう。

SDGs小論文の模範例

ここでは、「気候変動対策(目標13)」をテーマにした小論文の一部を例示します。

序論: 「2025年、世界各地で記録的な猛暑や豪雨災害が相次ぎ、気候変動の影響は年々深刻化している。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告によれば、産業革命前と比較して地球の平均気温は既に約1.1℃上昇しており、このままでは今世紀末までに3℃以上の上昇が予測される。SDGsの目標13『気候変動に具体的な対策を』の達成は、人類の生存に関わる喫緊の課題である。本稿では、日本における気候変動対策の現状を分析し、効果的な温室効果ガス削減策を提案する。」

本論(一部): 「日本の温室効果ガス排出量は、電力部門が約4割を占めており、エネルギー転換が最優先課題である。政府は2050年カーボンニュートラルを宣言したが、再生可能エネルギーの導入率は依然として低い。解決策として、第一に、太陽光発電の導入促進が挙げられる。住宅や公共施設への太陽光パネル設置に対する補助金を拡充し、初期投資の負担を軽減することで、普及を加速できる。実際、ドイツでは固定価格買取制度により再生可能エネルギー比率が50%を超えた実績がある…」

この例では、データに基づく現状分析、具体的な解決策の提示、海外事例の引用といった要素が含まれています。

よくある失敗とその対策

失敗例1:SDGsの説明だけで終わる

SDGsの17の目標を説明するだけで、自分の考察や提案がない小論文は評価されません。SDGsの知識は前提として、その上で独自の分析や提案を展開することが求められます。

失敗例2:抽象的すぎる内容

「みんなで協力すべき」「意識を変えることが大切」といった抽象的な主張だけでは説得力がありません。「誰が」「何を」「どのように」実行するのか、具体的に示しましょう。

失敗例3:理想論に偏りすぎる

「世界から貧困をなくすべきだ」という理想は正しくても、それを実現する具体的な方法や、実現の障壁についての考察がなければ、小論文としては不十分です。現実的な制約を踏まえた上での提案が重要です。

失敗例4:根拠のない主張

「〜だと思う」「〜に違いない」といった主観的な表現を多用すると、説得力が失われます。データや事例に基づく客観的な論述を心がけましょう。

実践的な執筆プロセス

ステップ1:テーマの選定と情報収集(所要時間:試験前の準備段階)

まず、17の目標の中から自分が最も関心のあるテーマ、あるいは出題が予想されるテーマを絞り込みます。そのテーマに関する基礎知識を学び、関連するデータや事例を収集しておきます。

ステップ2:アウトラインの作成(試験時間の10~15%)

小論文を書き始める前に、必ず構成を考えます。序論で何を問題提起し、本論でどのような順序で論を展開し、結論でどうまとめるか、大まかな流れを箇条書きでメモします。

ステップ3:執筆(試験時間の60~70%)

アウトラインに沿って執筆します。書きながら構成を大きく変更するのは時間のロスになるため、基本的には最初のアウトライン通りに進めます。

ステップ4:見直しと修正(試験時間の15~20%)

書き終わったら必ず見直しの時間を確保します。誤字脱字のチェックはもちろん、論理の飛躍がないか、主張と根拠が対応しているか、制限字数を守っているかを確認します。

SDGs小論文コンテストへの挑戦

実力を試し、実績を作るために、SDGs関連の小論文コンテストへの応募もおすすめです。

主要なコンテスト:

  • SDGs学生小論文アワード(住友理工主催)
  • 国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト
  • 各大学主催のSDGs関連コンテスト

これらのコンテストで入賞すれば、総合型選抜や学校推薦型選抜の出願書類でアピールできる実績となります。また、審査員からのフィードバックを通じて、自分の小論文の強みや改善点を客観的に知ることができます。

まとめ:SDGs小論文で合格を勝ち取るために

SDGs小論文で高評価を得るためには、単なる知識の暗記ではなく、以下の要素が求められます。

  1. 深い理解: SDGsの理念や各目標の内容を正確に理解する
  2. 現状分析力: データや事例に基づいて現状を客観的に分析する
  3. 論理的思考力: 原因と結果、問題と解決策を論理的につなげる
  4. 創造的提案力: 実現可能な独自の解決策を提示する
  5. 表現力: 読み手に伝わる明確で説得力のある文章を書く

これらの力は一朝一夕には身につきません。日頃からSDGsに関するニュースに関心を持ち、データや事例を収集し、実際に小論文を書いて添削を受けるという練習の積み重ねが重要です。

SDGsは私たち一人ひとりに関わる問題であり、若い世代の視点や発想が求められています。小論文を通じて自分なりの問題意識と解決策を示すことは、入試対策であると同時に、より良い未来を創造するための第一歩でもあります。

本記事で紹介した方法を実践し、説得力のあるSDGs小論文を完成させてください。あなたの真摯な取り組みが、志望校合格への道を開くことを願っています。

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