こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。
「あと1時間だけ勉強しよう」
「寝たら忘れそうだから、もう少し…」
──医学部を目指していた高校時代の自分も、そう思って夜更かししていました。
でも、今ははっきり言えます。
あの時間を寝ていれば、もっと覚えられていた。
医師として、そして受験指導者として伝えたい。
**睡眠は“勉強の休憩”ではなく、“記憶を仕上げる作業時間”**です。
今日は、受験生がこの秋から見直してほしい「睡眠の使い方」について、医学と受験の両面から話していきます。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
睡眠は「記憶の整理整頓タイム」
まず知ってほしいのは、脳は寝ている間に記憶を整理しているということ。
これは単なる感覚ではなく、医学的に証明されています。
授業や自習で得た知識は、最初は「海馬」という一時的な記憶の倉庫に保存されます。
そして、睡眠中に海馬から大脳皮質へ情報が転送されることで、長期記憶として定着する。
このプロセスを「記憶の固定(memory consolidation)」と呼びます。
つまり、睡眠を削る=記憶を“保存せずに上書きしている”のと同じなんです。
受験生にありがちな「寝る前の詰め込み」は、一見効率的に見えても、
睡眠で整理されなければ長期的には意味がありません。
逆に、睡眠を味方につけた人ほど“翌日の勉強効率”が爆発的に上がる。
これが、医学的に見た“勝つ受験生”の特徴です。
睡眠前の「3分復習」が、最強の暗記法
医学的にも、心理学的にも効果が高いのが、
寝る前に「今日何を勉強したか」を思い出すことです。
この3分間の復習が、脳内の“再生ネットワーク”を活性化させ、
記憶の固定を促します。
たとえば、
- 今日は生物で腎臓のネフロンを覚えた
- 数学で積分の応用を練習した
- 英単語で「compromise」「substantial」を新しく覚えた
こうやって軽く振り返るだけでOK。
わざわざノートを開く必要はありません。
目を閉じて、「今日はこれを学んだ」と頭の中で並べ直すだけで、記憶の定着が倍増します。
これは実際、私が医学生の頃も実践していた方法で、
国家試験の勉強でも“暗記の最終確認”として欠かせませんでした。
寝る直前の「思い出し作業」は、脳に“これは大事な情報だ”と印象づけるスイッチになるんです。
眠らない受験生が陥る「集中力の錯覚」
夜遅くまで頑張っていると、「自分は努力している」と錯覚します。
でも実際には、睡眠不足=脳のエネルギー不足。
集中力・判断力・記憶力のいずれも落ちています。
特に「海馬」は睡眠に敏感で、
6時間睡眠が2日続くだけで、記憶形成能力が40%も低下するという研究もあるほど。
つまり、「頑張って起きているつもり」でも、
実際は“頑張りが脳に届いていない”状態なんです。
そして怖いのは、「眠気を感じにくくなること」。
睡眠不足が慢性化すると、脳がそれを“当たり前”だと勘違いしてしまう。
「自分は大丈夫」と思っている受験生ほど、成績が伸び悩む傾向にあります。
医師から見た「良質な睡眠」をつくる3つの習慣
医学的に見て、“睡眠の質”を決めるのは時間ではなくリズムです。
受験生にすすめたいのは、以下の3つのルール。
① 同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
→ 「就寝・起床リズム」が乱れると、体内時計が狂い、深い睡眠がとれなくなります。
休日も±1時間以内で調整するのが理想。
② 寝る1時間前にスマホを閉じる
→ ブルーライトはメラトニン(眠りのホルモン)を抑制します。
どうしても触りたいときはナイトモード+照明を暗めに。
③ 寝る前に“今日をまとめる3分間”
→ ベッドの中で「今日学んだこと3つ」を思い出す。
これだけで、記憶の定着率は体感で2倍違います。
睡眠=努力を定着させる「最終工程」
受験勉強を「製品づくり」にたとえるなら、
- 勉強=材料を集めて加工する工程
- 睡眠=それを固めて形にする最終工程
勉強した内容を脳に“定着”させるのが睡眠の役割です。
つまり、寝ない勉強は「組み立て途中で放置された模型」と同じ。
形が崩れ、次の日にはほとんど残っていません。
あなたが今日覚えた英単語も、公式も、医学部に向けた知識も、
すべては“眠ることで完成”します。
「寝る勇気」がある受験生が、最後に勝つ
医学部受験は、全国のトップ層がしのぎを削る戦い。
だからこそ、「努力量」で競おうとしがちです。
でも、本当に差がつくのは努力の質。
“寝る勇気”を持てる人は、自分をコントロールできる人です。
それは、将来医師になってからも求められる力。
夜中の緊急対応でも、冷静に判断するには睡眠管理が欠かせません。
つまり、「睡眠を大切にできる人」は、
すでに“医師の素質”を持っているんです。
最後に
勉強をやめて寝るのは「サボり」じゃない。
あなたの脳に、努力を刻み込む時間です。
今日の勉強を振り返ってから、安心して目を閉じてください。
その瞬間から、あなたの脳は静かに働き始めています。
覚えたことを、夢の中で確かな記憶に変えるために。



