「高校受験の勉強を始めよう!」
そう思っても、いざとなると何をすればよいのか分からない中学生の方もいるのではないでしょうか。
高校受験は出題範囲が広く、難易度が高いといった理由から、なかなか始めにくいのです。
また、普段の生活態度や課外活動への取り組みも内申点としてチェックされるため、
中学校生活において力を総合的に発揮する必要があります。
この記事では、高校受験の勉強がなかなか始めにくい理由やその対策のしかたについてまとめました。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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なぜ高校受験勉強が始めにくいのか?
出題範囲が広く、難易度が高いから
高校受験では中学校の授業で習う内容を踏まえて、発展した問題もだされます。
そこでは中学1〜3年生までのあらゆる範囲から問題がだされます。
授業で扱った内容や簡単な問題が試験に出ればラッキーですが、それは他の受験生も同じことです。
そういった問題は解けた上で、他の問題を正解して初めて
他の受験生と差をつけることができます。
また、受験科目も多く、
「現代文は得意だけど数学は苦手」
「理科は好きだけど古典は面白いと思えない」
というような生徒でも、あらゆる教科へのオールラウンドな知識が必要になります。
●例えば、国語の試験においては、単に文章を読んで理解するだけでなく、文章の構造や表現方法、
文章の背景や目的、筆者の主張などを理解することが求められます。
長い文章を読んで一般化したり、短い文章にまとめたり、自分の考えを主張する場面も出されるなど、総合的な力が試されます。
また、単純な漢字の読み書きでも特別な使い方をする例が出題されるなど、「ひっかけ」的な問題が出されることもあります。しかし、漢字の読み書きのようなシンプルな問題は確実に得点源にしましょう。
趣味の読書も「受験対策」になります。物語や新書もぜひよんで、活字に親しんでください。
●数学では学校の授業で習う内容はもちろん、公式のそもそもの意味を問うような問題や、実生活で出くわすような問題に知識を応用することができるかどうか問われる問題も出題されます。
単純な計算問題でも、計算がしにくい値(極端に大きい/小さい数字、奇数や割り切れない数字、桁数の多い小数など)が用いられる事が多く、ケアレスミスをしないことも大切です。
●英語では授業で習う文法や語彙はもちろん、英語の力を総合的に試すリーディングやライティングの問題が出題されます。文章も長いことが多く長文に慣れておく必要があるでしょう。
英語の「文章」を読むためには日本語(=国語)の力が必要なのは明らかです。英語に取り組む際には国語の勉強も疎かにしてはいけません。
また、心理的な側面からも高校受験はハードルが高くなりがちです。
中学生〜高校生の時期といえば、自分の興味関心、得意不得意、将来やりたいことが段々と具体的になってくる時期です。
それに加えて心身、将来、友人関係など、色々な悩みが襲ってくる時期でもあります。
そんな大切な時期の高校受験、まさに人生における「一大イベント」の一つと言えるでしょう。
受験生本人はもちろん、家族にとっても大変なプレッシャーになりがちです。
勉強の大変さに加えて、精神的な負担も見過ごせないのです。
加えて、内申点(普段の授業・宿題への取り組みや生活態度、課外活動への取り組みといった中学校生活全体の総合的な評価・評定)も合否を左右するため、受験直前にだけ「良い生徒」になってもあまり効果はでません。
だからこそ、早めに高校受験を意識して、コツコツと勉強、
課外活動といった中学校生活に取り組むことが大切です。
地道に取り組めば、確実に志望校合格に近づくことができます。
高校受験勉強を始めるのに最適な時期
本格的なスタートは遅くとも中3の夏!
上述した通り、高校受験は出題範囲が広くオールラウンドな知識が求められます。志望校に合格するには、難易度の高い問題やクセのある問題にもなれておく必要があり、長期間の準備が必要です。
決して、数日や数週間といった一朝一夕で太刀打ちすることはできません。
高校受験対策を本格的に始める時期の目安として、中学3年生の夏休みというタイミングが挙げられるでしょう。
夏休みは学校の授業や行事がストップする時期であり、自分のペースで勉強を進めることができる貴重な時間です。また、クラブ活動や委員会といった課外活動を一生懸命やっている生徒にとっても中学3年生の夏休み前後が現役の一区切りとなることが多く、受験勉強一本に切り替えやすいタイミングでもあります。
出遅れた人は、気付いたその日から!
もし、中学3年生の夏休みというタイミングを逃してしまったり、それ以前の時期だったとしても自分の実力からして高校受験勉強に出遅れてしまったと感じても、諦めずに挑戦してみましょう。
遅れている分、効率的な勉強計画が必要です。まず、短期集中型の勉強プランを立てて、取り組みます。この時、苦手分野・基礎の分野に重きを置くことがオススメです。漢字の読み書き、英単語、シンプルな計算問題といった基礎を幅広く学び、サービス問題を取りこぼさないことが大切です。
いきなり難しい問題にばかり取り組んだり、「裏技」的な一発逆転を狙うことはオススメできません。基礎的な勉強を身に着けていくうちに、応用問題も少しずつ解けるようになっていくはずです。
また、塾や学校の補習の利用も検討しましょう。夏期講習や受験直前、特定の中学校や志望校にフォーカスした塾や講習も存在します。
高校受験勉強のやり方!必ず抑えたい4つのポイント
どの教科も必ず基礎固めから!
高校受験ではは、中学校の授業で習う基礎的な知識からそれを応用できるかといったオールラウンドな能力が問われます。
過去問を参照してその難しさに焦る気持ちが生まれるかもしれません。その時でも、焦らず基礎固めをしましょう。すなわち、普段の授業や宿題を大切にすることが、最も良い高校受験対策になります。
普段の授業をしっかりとこなせば、受験対策になるだけでなく内申点もあがり、一石二鳥です。
いきなり難しい問題に取り組んでも基礎的な知識はなかなか付きませんが、
基礎的な知識を付けていけば難しい問題も解けるようになります。
どの科目でも基礎的な問題や(いわゆる)サービス問題も出題されます。そういった問題は確実に得点源にしましょう。逆に言えば、こういった問題を得点源にできないと、他の受験生と差がついてしまい、合格は難しくなってしまうでしょう。
1冊の問題集を繰り返し解く
受験問題では様々な問題が出題されますが、何度も解いていると「値が変わっただけ」「言葉遣いが変わっているだけ」というような問題がケースがあることに気づくでしょう。
書店に足を運んだり、インターネットで問題集を調べると見ることができないほどの問題集が見つかります。
多くの中学生が陥ってしまいがちな失敗に
「問題集をたくさん買ったは良いものの、どれも中途半端にしてしまった」
「自分のレベルに合わない、難しすぎる(または簡単すぎる)問題集を買ってしまった」
「問題集を買っただけで満足してしまった」
というものがあります。
問題集をは買うとしても1冊、多くても2冊程度にとどめ、それを繰り返し解きましょう。
繰り返し解いているうちにその問題のどこを押さえればよいのか感覚が掴めるはずです。
その時、問題集に直接書き込んでしまうと見返すときに邪魔になってしまいますので、
ノートやコピー機をうまく活用してください。
受験生にとってコピー機は必需品と言えるでしょう。もしもっていない場合、お家の方にお願いして購入を検討してみてください。割高ですが、コンビニやスーパーマーケットなどにも設置されていますよ。
分からない問題をそのままにしない
分からない問題が出てきたときには、そのままにしておかず、対策を取りましょう。
分からない問題が出てくると気持ちは落ち込んでしまいますが、
逆に言えば新しい得点源が見つかったということです!
まず、なぜ間違ってしまったのかを点検しましょう。
例えば数学の文章題なら、
「単純に計算ミスをしてしまった」
「使うべき公式を思い出せなかった」
「問われていることを誤解してしまった」
などが、間違ってしまった理由として挙げられるでしょう。
間違ってしまった理由によって取るべき対策が違うのは明らかです。
隙間時間を利用して暗記をする
国語では漢字・四字熟語や語彙、英語の単語や熟語、数学の公式など、暗記が必要な場面が多々あります。
暗記のコツは少しずつ、繰り返し行うことです。
電車やバスの移動時間、出かける前・寝る前の数分間、授業と授業の合間の休み時間などに少しでも頭に入れましょう。
暗記は一度にやっても覚えられません。
60分間の暗記を1回だけやるよりも、
10分間の暗記を6回やるほうが、遥かに効果的です。
「60分間勉強する」と言われると身構えてしまうかもしれませんが、
「10分ならできるかも…」と思いませんか?コツコツ、繰り返し勉強しましょう!
まとめ
以上、高校受験勉強が始めにくい理由についてまとめました。
高校受験は小学校〜中学校の勉強の総まとめ的な意味合いがあります。
更に内申点では普段の生活態度や課外活動への取り組みも関係してきます。
繰り返しになりますが、高校受験対策は数日〜数週間という短い期間でできるものではありません。
逆に言えば、普段の授業にしっかりと取り組み、生活態度に気をつけ、課外活動にも一生懸命に取り組みことが最も強力で最も近い道になります。
中学校生活を全力で楽しみ、高校受験を成功させましょう。