記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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【推薦入試】静岡文化芸術大学 文化政策学部(小論文過去問題解説)
静岡文化芸術大学 文化政策学部の入試傾向と特徴
静岡文化芸術大学(通称:静文芸)の文化政策学部は、静岡県浜松市に位置する公立大学として、文化・芸術・政策を横断的に学べる全国でも希少な学部です。浜松という地域の特性上、音楽産業や地場産業との連携も深く、実践的な文化政策を学べる環境が整っています。
学校推薦型選抜における小論文試験は90分で実施され、出題形式は「課題文型小論文」が中心です。課題文を精読したうえで、内容説明問題(問1・問2)と自分の意見・考察を述べる論述問題(問3)の3問構成が基本パターンとなっています。特徴的なのは、単なる読解力だけでなく、「社会・文化・政策に関する深い関心と分析力」が問われる点です。課題文は社会学・文化論・政策論など人文社会科学系のテーマが多く、受験生には普段から社会問題や文化に関するニュースや書籍に親しむ姿勢が求められます。
一般選抜(前期日程)では国語と外国語(記述式問題)、後期日程では国語のみが個別学力検査として課されます。共通テストの配点も高いため、共通テスト対策と記述式問題の両立が必要です。全体的に「思考力・表現力・論理的構成力」を重視した出題傾向にあり、単純な暗記型の学習では通用しません。日頃から自分の意見を文章でまとめる練習を積み重ねることが、合格への王道です。
競争率が比較的高い学部であるため、小論文での差別化が合否を大きく左右します。過去問を繰り返し解き、出題テーマの傾向を把握することが重要です。
静岡文化芸術大学 文化政策学部 小論文対策ポイント
① 課題文の要旨把握力を鍛える
問1・問2のような内容説明問題では、課題文の論理構造を正確に把握し、指定字数内で過不足なくまとめる力が求められます。「何を・なぜ・どのように」という3点を意識しながら読む練習を積みましょう。特に字数制限が細かく設定されているため(120字以上140字以下など)、字数管理の練習も不可欠です。
② 自分の意見を論理的に展開する力をつける
問3のような論述問題では、単に意見を述べるだけでは高得点になりません。「具体例の提示→その事例がなぜ該当するかの説明→自分の考察・評価」という三段構成を意識することが重要です。具体例は身近な社会問題や時事ネタから引っ張ることで、説得力が増します。
③ 文化・社会・政策に関する背景知識を積む
静岡文化芸術大学の出題テーマは、社会学・文化政策・地域コミュニティ・格差問題など多岐にわたります。新聞(特に社説)や文化政策関連の書籍・レポートを定期的に読み、語彙力と知識を増やしましょう。また「共有経済(シェアリングエコノミー)」「コモンズ論」「地域文化の継承」などのキーワードは頻出テーマです。
④ 字数管理と時間配分の練習
90分という試験時間の中で3問に答える必要があります。問1・問2(合計約270字)に各15分、問3(500〜600字)に45分、見直しに15分という配分が目安です。過去問を使った時間内演習を繰り返し、本番で焦らないよう準備しておきましょう。
令和5年度 学校推薦型選抜 小論文過去問題(90分)
問題 次の文章を読み、後の問いに答えなさい。
課題文の概要
「共有」とは、複数の人間が同時に所有したり使用したりすることを指し、逆に「私有」は個人が何かを独占的に所有したり使用したりすることです。最近では、共有経済の概念が注目されており、オフィスや車、住宅などを複数の人が共用する試みが増加しています。過去には、共同体が多くの資源を共有して生活を支えており、農業や共有林など共同の資源が重要でした。しかし、近代化と資本主義の発展に伴い、個別の「私有」が優先されるようになりました。資本主義は富の格差を生み出し、個人や家族が自給自足で生きることが難しくなりました。現代の「共有」は、個人主義的で、お金や負担に対応する「持ち分」が決まっており、共有者はこの持ち分に従って共有物を使用します。しかし、現代においても、一部の共有は伝統的な「総有」の考え方に基づいており、共同体全体によって支えられています。バレーボール部の備品の例では、部員は過去と未来の部員と共同体の一部として共有物を使用します。近代社会では、経済構造の変化と個人主義的な社会が、貧困や格差の問題を引き起こす一方で、共同体による排除や抑圧も問題となっています。
出典:久保田 裕之「社会を『共有』する」より(ただし、本文の一部を改変した)
設問
問1 傍線部①「こうした生活基盤の伝統的な『総有』」とはどのようなものか。本文の例に即して120字以上140字以下で説明しなさい。
問2 傍線部②「近代に始まる・・・貧困や格差の問題」は、どのように生じたと筆者は説明しているか。130字以上150字以下で説明しなさい。
問3 部活動の備品以外で、現代における「総有」の事例を挙げ、それがなぜ「総有」と言えるのかを説明したうえで、その事例における「総有」についてあなたがどう考えるかを500字以上600字以下で論じなさい。
過去問題解説・解答例
問1 解説・解答例
【解説】
この問いでは、「伝統的な総有」の特徴を本文の具体例に即して説明することが求められています。「総有」とは「個人の持ち分が決まっていない共同体全体による共有」であり、その本質は「共同体の一体性」にあります。農地・共有林・水源などの具体例を活用しながら、「誰が所有者かを特定できない」「共同体全体の利益として機能している」という2点を盛り込みましょう。
【解答例】
伝統的な「総有」とは、地域の農地・共有林・水源などを共同体全体で共同利用する形態であり、特定の個人に持ち分や所有権が帰属しない共有の在り方である。例えば農地は村全体で協力して耕作され、共有林や水源は地域社会の共同財産として管理・利用されていた。(120字)
問2 解説・解答例
【解説】
筆者の論旨の流れを正確に追う必要があります。「総有→私有への移行」→「農地囲い込み・都市化・工業化」→「個人・家族単位での自活の必要性」→「資本主義・競争社会の深化」→「貧困・格差の発生」という因果関係の連鎖を、150字以内でコンパクトにまとめることがポイントです。
【解答例】
筆者は、近代化に伴い農地の囲い込みや都市化・工業化が進んだことで、共同体による伝統的な「総有」が解体され、個人・家族単位の「私有」へ移行したと説明する。これにより自給自足的な生活基盤が失われ、労働力を市場に売るしかない状況が生まれ、資本主義の競争構造のなかで貧困や格差の問題が深刻化したとしている。(148字)
問3 解説・解答例
【解説】
問3は本問の中核であり、以下の3つのパートで構成することが重要です。
①「総有」の事例を具体的に提示する
②その事例がなぜ「総有」と言えるかを、本文の定義に照らして説明する
③その「総有」についての自分の意見・評価・課題を論じる
事例の選択は「個人の持ち分が決まっておらず、共同体全体として機能しているもの」であることが条件です。図書館・公園・地域の祭り・インターネット上のオープンソースソフトウェア・地域の農業用水路などが適切な事例として挙げられます。
【解答例】(約560字)
現代における「総有」の事例として、公共図書館を挙げる。公共図書館は、特定の個人が所有・占有するものではなく、地域住民全体が利用できる共有の知的資源である。蔵書は誰かの「持ち分」として配分されるわけではなく、過去・現在・未来の利用者すべてが共同体の一員として恩恵を受けるという点で、本文が定義する「総有」の性格を強く持つといえる。図書館という空間そのものが、地域コミュニティ全体によって支えられ、維持されている共有財産なのである。
この「総有」としての公共図書館について、私は高く評価するとともに、その維持・充実に積極的な社会的投資が必要だと考える。
まず、公共図書館は経済的格差を超えた「知へのアクセス」を保障する機能を持つ。富裕層も貧困層も同じ棚から本を借りられるという事実は、資本主義社会が生み出す格差を一定程度緩和する力を持っている。これは「総有」の理念が現代社会においても有効に機能している証拠であろう。
一方で、近年は図書館の予算削減や民間委託が進み、地域によっては蔵書の充実度や開館時間に大きな差が生じている。「総有」の恩恵が一部の地域にしか届かないとすれば、それは「総有」の精神に反する。
公共図書館を真の意味での「総有」として維持するためには、行政・住民・企業が連携して支える仕組みを構築することが不可欠である。文化政策の観点からも、図書館への継続的投資は地域の文化的豊かさを守る重要な施策だと私は考える。
2026年度 予想問題
課題文(予想)
近年、「文化の継承」という概念が地域社会のあり方を考えるうえで重要なテーマとなっている。祭礼・伝統芸能・地域の食文化・職人技術など、長い歴史の中で育まれてきた文化は、特定の個人が「所有」するものではなく、地域共同体全体が守り、次世代へ手渡していくべき共有の遺産である。しかしながら、少子高齢化・過疎化・グローバル化の波を受け、多くの地域で伝統文化の担い手が失われつつある。
一方で、こうした文化の危機に対して「文化政策」の観点からの介入が求められるようになっている。文化政策とは、行政や公共機関が文化の保存・振興・普及を目的として行う計画的な施策の総称である。ユネスコの無形文化遺産登録制度や、国・自治体による伝統工芸支援事業などはその代表例だ。しかし、外部からの政策的介入が地域文化の「本来の姿」を変えてしまうのではないかという懸念も存在する。文化は政策によって守られるべきものか、それとも共同体が自律的に受け継ぐべきものか——この問いは、現代における文化の「総有」をめぐる本質的な問いでもある。
いずれにせよ、地域文化の継承には「誰が、何のために、どのように守るのか」という問いへの真摯な向き合いが求められている。
設問(予想)
予想問1 傍線部「文化の継承」が「総有」の性格を持つとはどういうことか。本文の内容をふまえて120字以上140字以下で説明しなさい。
予想問2 あなたの身近な地域文化の事例を一つ挙げ、その文化が現代においてどのような課題を抱えているかを分析したうえで、文化政策としてどのような支援が有効かについて、あなたの考えを500字以上600字以下で論じなさい。
予想問題 解答例
予想問1 解答例
文化の継承が「総有」の性格を持つとは、伝統文化が特定個人の所有物ではなく、過去・現在・未来の共同体構成員全体によって共有・管理される財産であることを意味する。担い手は個々の「持ち分」ではなく、共同体の一員として文化を受け取り、次世代へ手渡す役割を担っている。(130字)
予想問2 解答例(約570字)
私が挙げる地域文化の事例は、各地で行われている「秋祭り(氏神祭)」である。氏神祭は地域の神社を中心に、神輿の担ぎ手・囃子の奏者・屋台の出店者など多くの住民が役割を担い、地域全体で執り行う伝統行事だ。特定の個人が所有・管理するものではなく、地域共同体全体が受け継いできた「総有」的な文化である。
しかし現代においては、担い手不足という深刻な課題に直面している。若者の都市流出や地域への帰属意識の低下により、神輿を担ぐ人手が確保できず、規模を縮小したり廃止を検討する地域が増加している。また、祭りの運営ノウハウや囃子の技術を伝える機会が減り、文化そのものの質が低下する懸念もある。
こうした課題に対して有効な文化政策として、私は「参加型アーカイブと体験プログラムの組み合わせ」を提案したい。まず、祭りの映像・音声・運営マニュアルをデジタルアーカイブとして記録・公開し、担い手が途絶えた際の「記憶の継承」を確保する。次に、学校教育と連携した祭り体験プログラムを設け、子どもの頃から祭りへの参加意識を育む仕組みをつくる。
重要なのは、政策が文化を「管理」するのではなく、共同体が自律的に文化を継承できる環境を「整える」役割に徹することである。文化政策は地域住民の主体性を支援するものであるべきだと私は考える。そうすることで初めて、祭りという「総有」の文化が真に次世代へ受け継がれていくのではないだろうか。
スカイ予備校からのアドバイス
静岡文化芸術大学の小論文で最も差がつくのは「問3の論述力」です。事例を挙げるだけで終わる受験生が多いですが、合格答案は「なぜ総有と言えるか」の根拠説明と「自分の評価・課題提起」まで書き切っています。普段から「なぜ?」「だとすれば?」と問い続ける思考習慣をつけることが最大の対策です。スカイ予備校では、個別添削で一人ひとりの弱点を徹底的に克服します。まずは無料LINE登録からご相談ください。
静岡文化芸術大学の所在地・アクセス
所在地:静岡県浜松市中区中央2-1-1
アクセス:JR「浜松」駅から徒歩約15分



