【推薦入試】静岡文化芸術大学 文化政策学部(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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静岡文化芸術大学 文化政策学部の小論文対策

【令和5年   学校推薦型選抜 90分】

問題 次の文章を読み、後の問いに答えなさい。

課題の要約文です。

「共有」とは、複数の人間が同時に所有したり使用したりすることを指し、逆に「私有」は個人が何かを独占的に所有したり使用したりすることです。最近では、共有経済の概念が注目されており、オフィスや車、住宅などを複数の人が共用する試みが増加しています。過去には、共同体が多くの資源を共有して生活を支えており、農業や共有林など共同の資源が重要でした。しかし、近代化と資本主義の発展に伴い、個別の「私有」が優先されるようになりました。資本主義は富の格差を生み出し、個人や家族が自給自足で生きることが難しくなりました。現代の「共有」は、個人主義的で、お金や負担に対応する「持ち分」が決まっており、共有者はこの持ち分に従って共有物を使用します。しかし、現代においても、一部の共有は伝統的な「総有」の考え方に基づいており、共同体全体によって支えられています。バレーボール部の備品の例では、部員は過去と未来の部員と共同体の一部として共有物を使用します。近代社会では、経済構造の変化と個人主義的な社会が、貧困や格差の問題を引き起こす一方で、共同体による排除や抑圧も問題となっています。

出典:

久保田 裕之「社会を『共有』する」より(ただし、本文の一部を改変した)

問1 傍線部①「こうした生活基盤の伝統的な『総有』」とはどのようなものか。本文の例に即して120字以上140字以下で説明しなさい。

問2 線部②「近代に始まる・・・ 貧困や格差の問題」は、どのように生じたと筆者は説明しているかか。130字以上150字以下で説明しなさい。

問3 部活動の備品以外で、現代における「総有」の事例を挙げ、それがなぜ「総有」と言えるのかを説明したうえで、その事例における「総有」についてあなたがどう考えるかを500字以上600字以下で論じなさい。

小論文過去問題解説

問1: 「こうした生活基盤の伝統的な『総有』」とは、以前の共同体による資源や土地の共有および共同利用の形態を指します。この共有形態では、地域の森林、共有林、水源、農地などが共同体全体によって利用され、資源の持ち主を特定できず、共同体全体の恩恵によって成り立っていたものです。例えば、農地は個人ではなく、村全体で協力して耕作し、利用していました。また、共有林や共同の水源は、地域社会にとって重要な資源として共有されていました。

問2: 筆者は、近代化と資本主義の発展に伴い、地域共同体による伝統的な共有である「総有」が変化し、家族や個人を単位とする「私有」に移行していったと説明しています。資本主義経済の台頭により、農地の囲い込みや都市化、工業化が進み、共同体の共有リソースが減少しました。これにより、個人や家族が自給自足的に生活する必要が生じ、個別の「私有」が主流となりました。これが、資本主義と競争社会の発展と共に貧困や格差の問題を引き起こす要因の一つとなりました。

問3: 現代における「総有」の事例として、公共交通機関を挙げることができます。公共交通機関は多くの人々によって共有され、特定の個人の所有物ではなく、社会全体のサービスとして提供されています。これは「総有」の一例で、個人ではなく、地域社会や社会全体の利益のために運行されています。

この「総有」の事例において、私は以下のように考えます。公共交通機関は、効率的で環境に優しい選択肢を提供し、交通渋滞や環境への負荷を軽減します。一人一人が車を所有する代わりに、多くの人が同じバスや電車を共有することで、交通の効率性が向上し、燃料消費や排出ガスが削減されます。また、高齢者や経済的に困難な状況にある人々にとって、公共交通機関は移動手段を提供し、社会参加の機会を提供します。

「総有」の事例として公共交通機関を維持し、改善することは、社会全体に利益をもたらすと考えます。しかし、資金面や運営面での課題があるため、政府や地域社会の支援が必要です。このような「総有」の事例に対して、社会的な課題に対処するための協力と投資が重要であると考えます。

静岡文化芸術大学の所在地・アクセス

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静岡文化芸術大学の入試傾向

静岡文化芸術大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  • 入試傾向個別学力検査:前期日程は国語と外国語(記述式問題)、後期日程は国語のみ。
  • 対策ポイント
    • 共通テストの高得点を目指す。また、個別学力検査の記述式問題に備え、教科書の基本事項を確実に定着させ、過去問演習で出題傾向に慣れる。国語の記述式問題に焦点を当て、高得点を狙う。

静岡文化芸術大学は高い競争率を持つ学部であるため、共通テストでの高得点獲得と個別学力検査での自己表現力向上が重要です。教科書の基本事項をマスターし、過去問演習を通じて出題傾向を把握することが合格への鍵です。

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文化政策学部(定員数:210人)

国際文化学科(定員数:100人)

国際文化学科では、文学・芸術から政治・経済まで、広範に世界の多様な文化を学ぶと同時に日本の文化や異文化を学ぶ上で必要な語学も深く探求する。幅広い文化的教養を身につけ国際的にコミュニケートできる、知性と感性にあふれた人材を育成する。

文化政策学科(定員数:55人)

文化政策学科では、21世紀のまちづくりや企業戦略に不可欠な文化の視点を、政策・経営・情報から総合的に学ぶ。地域社会の活性化に貢献し、幅広い活躍が期待できる人材を育成する。

芸術文化学科(定員数:55人)

芸術文化学科では、「文化と芸術」「政策とマネジメント」という二つの柱をカリキュラムに設け、芸術や文化について人文科学と社会科学の両面から学ぶ。芸術の持つ力を社会に生かすことのできる人材を育成する。

デザイン学部 デザイン学科(定員数:110人)

2年前期までは広く教養科目、語学、専門基礎科目を学び、6領域への所属は2年後期からとなる。これにより専門分野での見識を持ち、ほかのデザイン分野をも理解し、総合的なデザインマネジメントができる人材を育成する。
6領域としては、デザインフィロソフィー領域、プロダクト領域、ビジュアル・サウンド領域、建築・環境領域、インタラクション領域、匠領域を置き、それぞれのデザインを通し、人と人、人と技術、人と環境、人と情報とのよりよい関係を考えながら、これからの人間社会に必要な生活文化を創造していくためのデザイン活動に必要な要素を磨く。

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