記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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琉球大学農学部 亜熱帯農林環境科学科の小論文対策
【令和4年 学校推薦型選抜 90分】
問題 以下の文章を読んで、下の設問に答えなさい。
課題の要約文です。
新興感染症の急激な増加が世界的な健康危機を引き起こしており、これを軽減するために注目されているのが「ワンヘルス」の考え方です。ワンヘルスは、人・動物・生態系の3つの健康を一体として保護する概念であり、特に人獣共通感染症に焦点を当てています。新興感染症の増加は人口増加、移動距離の増大、自然破壊の深刻化などと関連しており、特に野生動物から人や家畜への感染が深刻な問題となっています。感染症の発生を防ぐには、ワクチンや治療法の開発だけでなく、生態系や野生動物の保護、経済的・社会的な課題の解決が必要です。ワンヘルスのアプローチは、これらの課題に協力して取り組む必要性を強調し、分野を越えた連携が成功の鍵となるとしています。
問1 下線部に関して、新興感染症の発生と自然破壊の関係について、あなたの考えを300字から400字以内で記述しなさい。
問2 「ワンヘルス」に関する文章を読んで、振興感染症の発生を抑えるため、また、パンデミック軽減のために、具体的にどのように生態系を守ることが必要か、あなたの考えを700から800字以内で記述しなさい。
ポイント
【出題意図】
亜熱帯農林環境科学科は、農学分野の技術開発及び研究等を行う専門家として国内外で活躍することを志し、生物資源・環境の機能や特性の解明に興味をもつ人、生物生産と自然環境との調和を目指す人、生物多様性の理解を通じて環境保全に貢献したい人材をアドミッションポリシーとして掲げている。そこで、ワンヘルスについて題材として、農林環 境の保全・保護と農業振興に関する問題意識を問うことで、発想カ・論理的な考察、および自分の考えを表現する能力を兼ね備えているかを総合的に評価する。
〈琉球大学の公開内容からの引用〉
小論文過去問題解説
問1: 新興感染症の発生と自然破壊の関係について考えると、人間が進める森林破壊や生息地の減少が野生動物との接触機会を増加させ、それにより新しい感染症が人間に拡散する可能性が高まります。自然の生態系は、野生動物が保有する潜在的な病原体との調和が維持されている一方で、環境変化によりこの調和が崩れると、新興感染症のリスクが上昇します。例えば、森林の減少が野生動物の生息地を制約し、異なる種が密接に接触する機会が増え、感染症が複雑な生態系を横断して広がる可能性が高まります。したがって、環境保護と生態系の健全性の維持は、新興感染症の発生を抑制するために不可欠です。
問2: 「ワンヘルス」の視点から、生態系を守りながら新興感染症の発生を抑え、パンデミックを軽減するためには、以下のアプローチが重要です。まず、環境保護と森林の持続可能な管理を促進し、野生動物の生息地を保護する必要があります。これにより、野生動物と人間との接触が減少し、感染症の伝播リスクが低減します。
さらに、畜産業の持続可能性を向上させ、畜産動物の健康管理を強化することも重要です。農業や畜産においては、動物の密集飼育や適切な衛生管理が感染症拡大の要因となるため、これらの実践を見直し、持続可能な農業を促進する必要があります。
最も重要なのは、異なる分野や国際的な組織の連携です。環境保護、公衆衛生、畜産業、国際政策など、様々な分野の専門家や機関が協力して、「ワンヘルス」の理念に基づく包括的な対策を構築することが求められます。地球環境、社会、経済の健全性を総合的に考え、持続可能な未来を築くためには、これらの協力が不可欠です。
琉球大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
千原キャンパス 沖縄県中頭郡西原町字千原1 | 「那覇空港」から、市内線でバスターミナル下車、 バス(97)で「琉大東口」またはバス(98)で 「琉大駐車場」下車 約40~50分 |
上原キャンパス 沖縄県中頭郡西原町字上原207 | 「那覇空港」から、市内線でバスターミナル下車、 バス(97)で「琉球大学病院前」下車 約40~50分 |
【琉球大学】のHPはこちら
琉球大学の入試傾向
琉球大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。
- 共通テストの重要性:
- ほとんどの学部・学科で共通テストの成績が合否に大きく影響します。
- 共通テストは、国語、数学、英語、理科、社会の科目から構成されています。
- 各科目の得点を最大限伸ばすことが必要です。模擬試験を活用して対策を行いましょう。
- 学部・学科ごとの試験内容:
- 各学部・学科によって追加の個別学力検査、調査書、面接などが行われます。
- 入試要件や配点が異なるため、志望する学部・学科の詳細情報を確認しましょう。
- 個別学力検査:
- 一部学部・学科で行われる個別学力検査には数学や理科、小論文などが含まれます。
- 過去の試験問題を解いて対策し、科目ごとに得点を伸ばしましょう。
- 調査書と面接:
- 調査書は志望動機や自己表現の重要な要素です。自己PRを丁寧に記述しましょう。
- 面接では自信を持って話す練習を行い、志望理由や将来の目標を明確に伝えましょう。
- 志望理由の整理:
- 面接や調査書で自己表現が求められます。志望理由や将来の目標を整理し、自己分析を行いましょう。
琉球大学の募集コース
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人文社会学部(定員数:200人)
法学や政治・国際関係学、哲学・教育学、心理学、社会学、琉球とアジアを中心とする歴史民俗学、文学、言語学など、人文社会系の専門的研究を背景に、個人の尊厳と基本的人権を尊重する平和・共生社会の形成者、社会全体の持続的発展に寄与できる人材育成を目指す。
国際法政学科(定員数:80人)
国際法政学科は、法学プログラム、政治・国際関係学プログラムから構成され、現代社会の諸問題を総合的かつ体系的にとらえ、問題の本質を見極め、その解決策などを研究する。
人間社会学科(定員数:80人)
人間社会学科は、哲学・教育学プログラム、心理学プログラム、社会学プログラムから構成され、人類が直面する問題を社会・文化・地域・環境といった視点から探究できる人材を育成する。
琉球アジア文化学科(定員数:40人)
琉球アジア文化学科は、歴史・民俗学プログラム、言語学プログラム、文学プログラムから構成され、琉球・日本・アジアにおける言語や文化について学び、研究していく。歴史的・地理的につながる地域の文化を尊重し、個々の地域文化や歴史について総合的理解を深める。
国際地域創造学部 国際地域創造学科(定員数:345人)
グローバルとローカルを併せ持つ視野によって、地域社会における現代的課題の解決や国内外の産業・文化の振興に寄与できる人材を育成する。以下の5つの履修プログラムがある。
・観光地域デザインプログラム(昼)は、観光ビジネス、観光政策、自然・文化資源のマネジメント、地域開発などの領域から学際的に「観光・地域」の関係性や成り立ち、振興を考える。
・経営プログラム(昼・夜)は、経営組織論、経営戦略論、組織行動論など経営を専門的に学ぶだけでなく、地域の文化・社会で目標に向かって実践的に活用できる学びを研究する。
・経済学プログラム(昼・夜)は、歴史(経済史)や政策(社会政策、経済政策)を踏まえながら、経済について幅広く学べる。データを活用した統計分析や実践経済学にも力を入れている。
・国際言語文化プログラム(昼・夜)は、高度な外国語運用の能力の獲得を目指す。英語をはじめ、ドイツ・フランス・スペイン語圏の言語、文学、文化について専門的に学べる。
・地域文化科学プログラム(昼)は、地理学、歴史学、人類学(考古学を含む)の観点から、史料読解やフィールドワークを通して「人間」について、空間、時間、文化との関わりから学ぶ。
昼間主コース(定員数:265人)
教育学部(定員数:140人)
学校教育教員養成課程(定員数:140人)
小学校・中学校・特別支援学校など、さまざまな教育現場がかかえる多様な課題、また島嶼的地域特性や平和共生など沖縄ならではの教育課題とも誠実に向き合い、協働しつつ学び続けることができる教師や教育分野のスペシャリストの養成を目指す。次の3コースで構成している。
・小学校教育コースは、教科の枠にとらわれない総合力を身につける学校教育専攻と、特定教科分野をベースにした総合力を身につける教科教育専攻がある。
・中学校教育コースは、特定分野における専門知識や研究能力を身につける一方で、小学校教育コース教科教育専攻と連携して小中連携を意識した指導力の育成も行う。
・特別支援教育コースは、特別支援学校や特別支援学級、小中学校の通常学校を含む特別支援教育に関わる教員を養成する。
小学校教育コース学校教育専攻
小学校教育コース教科教育専攻 国語教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 社会科教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 数学教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 理科教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 音楽教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 美術教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 保健体育専修
小学校教育コース教科教育専攻 技術教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 生活科学教育専修
小学校教育コース教科教育専攻 英語教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 国語教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 社会科教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 数学教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 理科教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 音楽教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 美術教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 保健体育専修
中学校教育コース教科教育専攻 技術教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 生活科学教育専修
中学校教育コース教科教育専攻 英語教育専修
理学部(定員数:200人)
基礎的科学分野における教育と研究を通し、広く社会で活躍できる人材の育成と理学分野の研究の発展を目指す。亜熱帯地域の特性を生かした特色のある教育研究を推進し、科学全般にわたる基礎の修得とともに理学各分野の専門的知識を修得する。
数理科学科(定員数:40人)
数理科学科は、自然現象や社会現象における数理的現象の数学的解明を目標に、広範な数理的分野の研究を行う。
物質地球科学科(定員数:65人)
物質地球科学科は、物理系と地学系から構成され、物質・素粒子・宇宙から大気圏・水圏・岩石圏までの各分野に関する教育研究を総合的に行う。
物理系
地学系
海洋自然科学科(定員数:95人)
海洋自然科学科は、化学と生物学の教育・研究を基盤とし、亜熱帯島嶼・海洋の地域特性を生かした研究を行う。
化学系
医学部(定員数:172人)
医学と保健学に関する専門の知識と技術を修得し、高い倫理性を身につけることを基本目的としている。医学・医療の進歩や、社会的課題に柔軟に対応しうる医師、保健・医療従事者、研究者の育成を行うとともに、国際舞台においても活躍できる人材育成を行う。
医学科(定員数:112人)
医学科は6年一貫教育を実施しており、医学に関する専門の知識と技術を修得し、高い倫理性を身につけ、医学・医療の進歩や社会的課題に柔軟に対応できる医師、研究者を育成することを目的としている。
保健学科(定員数:60人)
保健学科は、看護、臨床検査、国際・地域保健などの分野でリーダーシップを発揮し、質の高い保健医療従事者の教育・養成、国際医療に貢献できる人材の育成を目的としている。
工学部 工学科(定員数:350人)
地域産業を牽引し、製造(次世代ものづくり)、エネルギー、情報通信、建設、環境、防災、電力などの産業に新たな価値を創造しつつ、社会のグローバル化に対応できる人材の育成を目指す。以下の7コースで構成している。
機械工学コース
機械工学コースは、材料力学、機械材料および加工業、流体力学、熱力学、機械制御などの広範な機械工学の基礎を学び、社会の持続的発展に寄与できる技術者を育成する。
エネルギー環境工学コース
エネルギー環境工学コースは、エネルギー・環境に必要な自然科学に関する基礎を学び、エネルギーの効率的な変換・制御および環境に配慮した材料に関する知識を習得し、総合的な問題であるエネルギー・環境分野の課題解決に寄与できる技術者の育成を目指す。
電気システム工学コース
電気システム工学コースは、電気工学やシステム工学の専門知識を有し、幅広い視野と柔軟的思考を兼ね備えた技術者や研究者を育成することを目指す。
電子情報通信コース
電気情報通信コースは、全ての産業を支える基盤技術である電子情報通信技術について学び、高度な専門知識を身につけ、新たな応用を切り開く能力を持つ人材の育成を目指す。
社会基盤デザインコース
社会基盤デザインコースは、社会基盤施設の計画・設計・建設・維持管理までの体系化された専門知識の習得を通して、継続可能な社会基盤の創生へ貢献できる技術者を養成する。
建築学コース
建築学コースは、沖縄の特色ある自然、文化、社会のもとで地域に根差した建築を探求するとともに、世界に視野を広げた普遍的な技術を習得し、国内外で活躍する建築技術者を育成する。
知能情報コース
知能情報コースは、人工知能、データサイエンス、ネットワークセキュリティ、システム開発といった先端技術を身につけ、急速に発展する情報工学分野において、最先端で活躍できる人材の育成を目指す
農学部(定員数:140人)
亜熱帯の地理的特性を生かして、21世紀の食料・環境・エネルギー・健康問題の課題解決に向けた教育・研究を行う。
亜熱帯地域農学科(定員数:35人)
亜熱帯地域農学科は、4つのコース(農林経済学、植物開発学、循環畜産学、農林共生学)を設けている。農作物の育種・畜産物生産、農林経済・経営、園芸・緑地管理の専門家を養成することによって地域に根差した循環型農業に貢献できる人材を育成する。
亜熱帯農林環境科学科(定員数:35人)
亜熱帯農林環境科学科は、4つのコース(植物機能学、動物機能学、森林環境学、生態環境科学)を設けている。自然生態系・農林環境の保全、動植物の機能解析・開発の専門家を養成し、動物・植物・微生物の探求・利用・保護に貢献できる人材を育成する。
地域農業工学科(定員数:25人)
地域農業工学科は、ふたつのコース(バイオシステム工学、地域環境工学)を設けている。地域特有の気候風土に対応した地域環境・農業システム工学の専門家を養成し、地域環境保全・防災、新システム・エネルギー利活用に貢献できる人材を育成する。
亜熱帯生物資源科学科(定員数:45人)
亜熱帯生物資源科学科は、4つのコース(生物機能開発学、食品機能科学、発酵・生命科学、健康栄養科学)を設けている。バイオテクノロジーによる新規有用物質の生産、機能性食品、発酵食品、医農薬品などに利用可能な成分の開発を行う。さらに、農学の幅広い知識と地域特性を理解した栄養士の養成を通じて豊かで健康的な生活・長寿社会の構築に貢献できる人材を育成する。