オンラインだけで現役合格したKさんが、毎日通塾の生徒に勝てた本当の理由

オンラインだけで現役合格したKさんが、毎日通塾の生徒に勝てた本当の理由 五十嵐校長コラム

「先生、私、教室に来なくて本当に大丈夫ですか?」

画面越しに、KさんはそうZoomで私に問いかけてきた。高校2年の冬、彼女の声には不安と迷いが混ざり合っていた。地方在住で、スカイ予備校の教室まで片道1時間半かかる。毎日通塾することは体力的にも時間的にも現実的ではない。それでも「やっぱり通った方が受かるんじゃないか」という焦りが、彼女の心を揺さぶっていたのだと思う。

私はそのとき、はっきりこう答えた。「大丈夫じゃない生徒もいる。でもKさんは大丈夫だ」と。

あれから約1年。KさんはE判定からスタートして、第一志望の国立大学に現役合格した。そして面白いことに、毎日教室に通っていた生徒の何人かが不合格になった。

この話を書こうと思ったのは、「オンライン塾は通塾より不利」という思い込みを、現場の事実として壊しておきたいからだ。

【第一幕】逆境――「オンラインの子は伸びない」という空気

Kさんが最初に私のもとへ相談に来たのは、学校の先生に「オンラインの塾だけじゃ難しい」と言われた直後だった。その先生の言葉は悪意のあるものではない。ただ、経験則として「対面の方が管理できる」「直接見た方が指導しやすい」という感覚があったのだろう。

正直に言う。私も27年前ならそう思っていた。

だが今は断言できる。オンラインか通塾かという「場所の問題」は、合否を決める本質的な要因ではない。

Kさんの高校2年時点での成績は、志望校の合格ラインから偏差値にして約12ポイント足りていなかった。模試の判定はE。保護者のKさんのお母さんからも、「やはり毎日通わせた方がいいでしょうか」と相談を受けた。お母さんの不安は当然だ。子どもの大事な受験期に、「画面の向こうの先生」だけに任せるのは怖い。私はそのお母さんにこう伝えた。「お子さんが今一番伸び悩んでいる原因は、通塾か否かではなく、勉強の設計が間違っていることです。そこを直せば、オンラインでも十分に戦えます」

その言葉を信じてくださったお母さんと、Kさんの覚悟が、ここからの逆転劇の始まりだった。

【第二幕】転機――「移動時間ゼロ」が生んだ、想定外の強み

Kさんの学習を分析して、私がまず驚いたのは「勉強時間の絶対量」ではなく、「勉強の質のムラ」だった。やる気がある日は6時間以上やる。疲れた日は1時間もできない。この波が成績の伸びを妨げていた。

ここで私が提案したのが、「毎日90分の固定セッション」だ。Kさんは自宅からオンラインでつなぐだけでいい。移動時間はゼロ。その浮いた時間と体力を、学習の「安定」に使ってもらった。

毎日教室に通っている生徒と比較してみると、実は通塾生は「移動だけで1日40〜60分」を消費している。週5日で換算すれば、月に約15〜20時間だ。Kさんはその時間を丸ごと学習に回せた。これは単純な計算だが、1年積み上げれば180時間以上の差になる。

27年間で見てきた現場だからこそ断言できますが、受験において180時間の差は、偏差値にして5〜8ポイントに相当することがある。

だがKさんが伸びた本当の理由は、時間の量だけではない。

オンライン指導では、授業の録画が残る。Kさんは私との授業を毎回見返し、自分が「どこで詰まったか」「どんな説明をされたときに理解が進んだか」を自分でメモしていた。これは通塾生にはなかなかできないことだ。教室での授業は、その瞬間に理解できなければ流れていく。しかしオンラインには「巻き戻し」という武器がある。

Kさんは録画を使いこなすうちに、自分の「理解のパターン」を掴んでいった。この自己分析の深さが、彼女を他の受験生と決定的に差別化した。

【第三幕】合格――「管理される勉強」より「自分で回す勉強」

秋の模試でKさんの判定がDに上がったとき、私は正直ほっとした。と同時に、ここからが本当の勝負だと気を引き締めた。D判定からE判定に逆戻りする受験生を、私はこれまで何十人も見てきたからだ。

冬の直前期、Kさんに起きた変化は「質問の仕方」だった。最初の頃は「ここがわかりません」という受け身の質問が多かった。しかし12月ごろから「先生、私はこう解釈したんですが、この考え方のどこが間違っていますか?」という能動的な質問に変わっていた。

これを見たとき、私は確信した。この子は受かる、と。

通塾生の中には、教室にいること自体が「勉強した気分」を生んでしまう生徒がいる。先生が近くにいる、仲間がいる、その環境の安心感が、思考の主体性を奪うことがある。Kさんにはその甘えがなかった。画面の前にひとり座り、自分の頭だけで考え、自分の言葉で質問する。その孤独な訓練が、彼女の思考力を鍛えた。

逆説的に聞こえるかもしれないが、これが現実だ。

オンライン塾は「サポートが薄い」のではない。「自分で考える余白が多い」だけだ。その余白を活かせる生徒にとって、オンライン環境は最高の鍛錬の場になる。

2月、合格発表の日。KさんからLINEが来た。「先生、受かりました。ありがとうございました」。短い文章だったが、私はその言葉を見て、思わず目頭が熱くなった。27年この仕事をしていても、合格の報告は何度受け取っても、慣れるということがない。

オンライン塾で合格するために、本当に必要なこと

Kさんの話を通して、私が伝えたいことは一つだ。

オンライン塾か通塾かという問いに、正解はない。ただし、オンライン環境で伸びる生徒には共通点がある。「自分で考えることを面倒くさがらない」という姿勢だ。

逆に言えば、「先生に全部引っ張ってもらいたい」「隣に友達がいないとやる気が出ない」という生徒は、通塾の方が向いている。それは優劣の話ではなく、相性の話だ。

スカイ予備校では、入塾前に必ず「学習スタイルの診断」を行っている。オンラインが合う生徒か、通塾が合う生徒か、あるいはその組み合わせが最適か。その判断を一緒にすることが、私の最初の仕事だと思っている。

Kさんのような逆転合格が、特別な才能の話だとは思わないでほしい。正しい設計と、正しい環境の選択。それだけで、E判定からでも国立大学に現役合格できる。この事実を、私は27年間の現場で何度も目撃してきた。

もしあなたが今、「オンラインで本当に大丈夫だろうか」と迷っているなら、ぜひ一度、スカイ予備校の無料相談に来てみてください。あなたの状況を聞いた上で、正直にお伝えします。オンラインが向いているかどうかも含めて。

【五十嵐より追記】
(この記事を読んで思い出したこと、追加で伝えたいことをここに記入してください)
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