2024年度秋田県立高校入試では、リスニング・知識問題・論理的文章・文学的文章・古文・作文の6題構成になっています。
なお、リスニングの解説は割愛します。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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大問2(知識問題)
〈解答〉
1、①燃 ②う ③深刻 ④さくげん
2、イ
3、連用形
4、ウ
〈解説〉
1、漢字の読み書き(記述)
「燃(やす)」と「深刻」の書き取りと、「埋(め)」と「削減」の読みが出題。
2、ことわざ(選択肢)
「人のふり見て我がふり直せ」・「千里の道も一歩から」・「終わり良ければすべて良し」・「石橋をたたいて渡る」が出題。
3、活用形(記述)
形容動詞の活用形が出題。
4、品詞の識別(選択肢)
傍線部の「過ぎない」の「ない」は助動詞。ウの「困らない」の「ない」も動詞の「困る」についているので助動詞である。
アとイは補助形容詞で、エは形容詞。
大問3(論理的文章)
市橋伯一『増えるものたちの進化生物学』からの出題です。
〈解答〉
1、a歯車 b役に立てる 2、社会が全く存在しない 3、
(1)能力や運
(2)自分だけでなく非血縁個体の命 4、イ
5、
(1)エ
(2)他者を認識する知能や他者の気持ちを察する共感能力を備え、非血縁個体と大規模な協力関係を作れる
〈解説〉
1、内容読解(抜き出し)
「社会の中に組み込まれる」ことは、「社会の歯車になる」ことをいうが、それによって「自分の個性とかアイデンティティがおびやかされ」ることにはならないと筆者は述べている。「むしろ社会の歯車になることでほとんどの人は個性を発揮して、みんなの役に立てる」というのである。
2、内容読解(抜き出し)
具体例のなかに傍線部が存在する場合、「この」の指示内容は具体例の一部を指す。
ただし、この設問では、「無人島で暮らす家族の状況と同様に」が書き出しになっているので、抽象的にまとめられた十字の箇所を探す必要がある。
3、
(1)内容読解(抜き出し)
「人間以外の生き物は自分の力で自分だけを増やし」たと述べられており、この箇所だけを読むと答えは「力」になる。が、次の文で「細菌も~自分の能力や運によって決まっていました」と言い換えられていることに注目する。
(2)内容読解(15字記述)
5段落に注目する。
「自分の命が大事なのと同じように〜広がっているといってもいいかもしれません」の部分をまとめればよい。
ただし、設問の表の人間以外の生物では、「増える単位が自分の血統だけ」と結論づけられているので、対比をとる意味でも、「血統」という言葉を用いた方がよい。6段落を参考に、「他人の命」を言い換えると、「非血縁個体の命」となる。
4、段落の関係(選択肢)
アについて、1段落で「身近な話題」は取り上げられていないので不適。
イについて、2段落に「たとえば」、3段落に「一方で」とあることに着目すれば、これが正解である。
ウについて、4段落で疑問が挙げられているわけではないので不適。
エについて、6段落の誤りを7段落で指摘している部分はないので不適。
5、
(1)表現の理解(選択肢)
「 」は、ア・ウ・エの時に用いられる。
会話でも引用でもないのでエが正解。ここでの「やさしい」には、辞書的な意味にとどまらない意味が含まれている。
(2)内容読解(50字記述)
8段落の「他者を認識する知能や、他者の気持ちを察することのできる共感能力」が解答の中心。
さらに、8段落冒頭の「しかも」に注目し、7段落の内容を付け加えればよい。
大問4(文学的文章)
森沢明夫『夏美のホタル』からの出題です。
〈解答〉
1、エ
2、ウ
3、プライドを懸け、恵三をモチーフにした木像を彫る 4、
(1)
a粋で格好いい仏師
b照れ屋
(2)
c自信なさげな
d目標を成し遂げる覚悟を決め、妥協することなく進み続ける
〈解説〉
1、内容読解(選択肢)
「お前、そういう覚悟はあんのか」と問われた慎吾が「あります。覚悟は、します」と答えると、雲月が「なら、金の問題はクリアだ」と述べていることから考えよう。
2、心情理解(選択肢)
「ぽかんとした」は、驚きや呆れで何も言えなくなっている様を表す言葉である。アとウが残るが、慎吾は雲月に呆れているわけではないので、アは不適。
3、内容読解(25字記述)
解答の中心は、文章の表現を参考に「地蔵さんをモチーフにした木像を彫る」くらいになる。
あとは、「仏師としての」という書き出しを意識しつつ、余った字数で書くべきことを考える。雲月が
「爪の先ほどでも妥協するな」と述べているのを参考にしよう。
4、
(1)内容読解(抜き出し)
a空欄の直前に「この日」とあるが、これは文章の「きっと今日だけだと思うけれど」と響き合っている。
b空欄の直前に「大事なことを教えるときに気恥ずかしそうにするなど」とあるのに注目しよう。
(2)内容読解(7字記述+30字記述)
c「大股で歩」くのは、「明るく自信がある様」を表すので、その逆を書けばよい。「気が弱い」という方向性でもよいだろう。
d「一本道」を進んでいくことと、雲月が言う「最初に本気で肚をくくって〜死に物狂いでやり抜」くこととが重なる。また、「爪の先ほどでも妥協はするな」というこだわりも合わせて参照するとよい。
大問5(古文)
『枕草子春曙抄』からの出題です。
〈解答〉
1、①なお ②よろず
2、a心が満たされる b不安な気持ち c寿命が延びる
3、
(1)めでたき物
(2)イ
(3)心を通わせる
〈解説〉
1、現代かなづかいに(記述)
「なほ」を「なお」、「よろづ」を「よろず」に直す。
2、内容読解(8字記述×3)
a「あしこまでも行つかざるらめど、こころゆく心ちこそすれ」に着目する。
b「こまごまとかきておきつれば、おぼつかなさをなぐさむここちするに」に着目する。 c「返事見つれば、命をのぶべかめる」に着目する。
3、
(1)内容読解(抜き出し)
空欄の前後より、本文のはじめで手紙のことを評価している部分を探せばよいとわかる。
(2)内容読解(選択肢)
IIは、本文の「はるかなるせかいにある人」という表現から、「距離」のことだとわかる。
Ⅲは文章自体が自分と相手について述べておらず、難しい。「まったく昔のまま、その当時の感情が少しも変わることがない」とあるので、「時間」だと考えられる。「感情」それ自体が常に相手と隔たりを生じさせるとは考えにくい。
(3)内容読解(8字記述)
非常に難しい。本文全体を通して感情のやりとりがなされていること、「無名草子」でも「ただ向かい合っている間の感情だけ」と書いているところから考える。
大問6(作文)
〈解答例〉
私が言葉の使い方で意識していきたいことは②だ。
流行語や新しい言葉は、広く一般に知られているわけではないことに注意すべきだと思う。
中学2年生のときに、ボランティアで高齢者の方々と交流をもつ機会があった。私は自作のコントを友人と披露したのだが、あとで感想を聞いてみると、内容がよくわからなかったという声が多 かった。コント内に登場する流行語が、あまり知られていなかったのである。 標準語でない言葉を使用するとき、受け手が理解できる表現を取捨選択するというのも、大事なコミュニケーション能力なのだと思う。