看護・医療系小論文800字の書き方 例文付きで徹底解説

大学入試

看護師や医療従事者を目指す皆さんにとって、小論文は避けて通れない関門の一つです。この記事では、看護・医療系の小論文における800字の書き方について、基礎から実践的なテクニック、さらには具体的な例文まで、徹底的に解説していきます。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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1.  看護・医療系小論文の基礎知識

1 小論文が求められる理由

看護・医療系の入試や就職試験で小論文が重視される理由は、単なる知識だけでなく、思考力や表現力、そして医療従事者としての適性を見極めるためです。小論文を通じて、受験者の論理的思考能力、問題解決能力、そして医療に対する姿勢や倫理観を評価することができます。

2 評価のポイント

小論文の評価ポイントは主に以下の4つです:

  1. 論理性:主張とその根拠が明確で、筋道立てて説明されているか
  2. 独創性:自分なりの視点や考えが含まれているか
  3. 知識・理解力:医療や社会問題に関する基本的な知識があるか
  4. 文章力:適切な語彙や表現を用いて、読みやすく書かれているか

これらのポイントを意識しながら小論文を書くことが重要です。

2. 小論文の基本構成と書き方

1 基本的なルール

小論文を書く際の基本的なルールは以下の通りです:

  • 指定された文字数(この場合800字)を厳守する
  • 読みやすい文字で丁寧に書く
  • 段落分けを適切に行う
  • 誤字脱字に注意する
  • 論理的な文章構成を心がける

2 構成の組み立て方

800字の小論文は、通常以下のような構成で書きます:

  1. 序論(約100字):テーマの提示と自分の立場
  2. 本論1(約250字):主張とその根拠
  3. 本論2(約250字):異なる視点や具体例
  4. 結論(約200字):まとめと今後の展望

この構成を基本としつつ、テーマや自分の主張に応じて柔軟に調整していくことが大切です。

3 時間配分のコツ

典型的な60分の試験時間の場合、以下のような時間配分が効果的です:

  • 構想・アウトライン作成:15分
  • 下書き:25分
  • 清書:15分
  • 見直し:5分

時間配分を意識しながら書くことで、バランスの取れた小論文を完成させることができます。

3. 看護・医療系小論文でよく出るテーマ

1 テーマの傾向

看護・医療系の小論文でよく出題されるテーマには、以下のようなものがあります:

  • 医療倫理に関する問題
  • 患者とのコミュニケーション
  • チーム医療の重要性
  • 医療技術の進歩と課題
  • 高齢化社会における看護の役割
  • 医療安全と感染対策

これらのテーマについて日頃から考えを深めておくことが、小論文対策として有効です。

2 過去問題例

実際の過去問題の例として、以下のようなものがあります:

  • 「思いやりのある医療とは何か、あなたの考えを述べなさい」
  • 「超高齢社会における看護師の役割について論じなさい」
  • 「医療におけるAI活用の可能性と課題について、あなたの意見を述べなさい」

これらの問題に対して、どのように論を展開するか、事前に考えておくことが大切です。

4. 効果的な小論文の書き方テクニック

1 序論の書き方

序論では、テーマに対する問題意識を示し、自分の立場を明確にします。例えば:

「医療の高度化が進む現代において、思いやりのある医療の重要性が改めて問われている。本稿では、思いやりのある医療とは何か、そしてそれがなぜ必要なのかについて考察する。」

2 本論の展開方法

本論では、主張とその根拠を論理的に展開します。具体例や数値データを用いると、より説得力が増します。例えば:

「思いやりのある医療の第一歩は、患者の声に耳を傾けることである。2023年の厚生労働省の調査によると、医療サービスに対する患者の満足度は、医師や看護師のコミュニケーション能力と強い相関関係があることが示されている。」

3 結論のまとめ方

結論では、本論で展開した内容を簡潔にまとめ、今後の展望や自分の決意を述べます。例えば:

「以上の考察から、思いやりのある医療とは、患者一人一人の声に耳を傾け、その人らしさを尊重しながら最適な医療を提供することであると言える。私は将来、こうした思いやりの心を持った医療者になるべく、日々研鑽を積んでいきたい。」

5. 看護・医療系小論文の例文と解説

1 テーマ:「思いやりのある医療について」

以下に、800字の例文を示します:

医療技術の進歩により、かつては不可能だった治療が可能になった現代において、改めて「思いやりのある医療」の重要性が問われている。本稿では、思いやりのある医療とは何か、そしてそれがなぜ必要なのかについて考察する。

思いやりのある医療の本質は、患者を一人の人間として尊重し、その人らしさを大切にすることにある。具体的には、患者の声に耳を傾け、不安や痛みに寄り添い、適切な情報提供と選択肢の提示を行うことが重要である。2023年の厚生労働省の調査によると、医療サービスに対する患者の満足度は、医師や看護師のコミュニケーション能力と強い相関関係があることが示されている。このことからも、思いやりのある態度で患者と接することが、医療の質の向上に直結することがわかる。

一方で、医療の現場では時間的制約や人員不足などにより、十分な思いやりを持って患者に接することが難しい状況も存在する。しかし、たとえ短い時間であっても、患者の目を見て話を聞く、痛みに対して共感の言葉をかけるなど、小さな思いやりの積み重ねが、患者の心理的な支えとなり、治療効果の向上にもつながる可能性がある。実際に、2024年に発表された研究では、医療者の共感的な態度が、患者の免疫機能の改善や回復期間の短縮に寄与することが報告されている。

さらに、思いやりのある医療は、患者だけでなく医療者自身にもポジティブな影響を与える。患者との心の通った関わりは、医療者のやりがいや職務満足度を高め、バーンアウトの予防にもつながるのである。

以上の考察から、思いやりのある医療とは、患者一人一人の声に耳を傾け、その人らしさを尊重しながら最適な医療を提供することであると言える。それは、患者のQOL向上だけでなく、医療の質的向上と医療者自身の成長にも寄与する重要な要素なのである。私は将来、こうした思いやりの心を持った医療者になるべく、専門知識の習得はもちろん、コミュニケーション能力の向上にも力を入れて、日々研鑽を積んでいきたい。

2 例文の分析とポイント

この例文には、以下のような特徴があります:

  1. 序論で問題提起と自分の立場を明確にしている
  2. 本論で具体的な事例や統計データを用いて主張を裏付けている
  3. 反対意見や課題にも言及し、多角的な視点を示している
  4. 結論で全体をまとめ、自身の決意も述べている
  5. 医療に関する最新の知見や統計を用いて、説得力を高めている

これらのポイントを意識しながら、自分なりの表現で小論文を書くことが大切です。

6. 小論文対策のまとめと注意点

最後に、看護・医療系小論文を書く際の注意点をまとめます:

  1. 日頃から医療や社会問題に関する知識を蓄える
  2. 新聞やニュースを通じて、最新の医療事情や統計データを把握する
  3. 定期的に小論文の練習を行い、時間配分や文字数の感覚をつかむ
  4. 可能であれば、書いた小論文を誰かに添削してもらう
  5. 医療者としての倫理観や使命感を常に意識する

これらの点に注意しながら準備を進めることで、自信を持って小論文試験に臨むことができるでしょう。

看護・医療系の小論文は、単なる文章力だけでなく、医療者としての資質も問われる重要な試験です。この記事で紹介した技術や例文を参考にしながら、自分なりの考えを論理的に展開できるよう、練習を重ねてください。皆さんの努力が実を結び、志望の道へ進めることを心より願っています。

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