こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。
「精神科って、ただ話を聞くだけで楽そう」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。 実際、精神科は都市部の大学病院や精神科単科病院で1か月間だけ研修することが多く、普段の研修病院とはまったく違う環境です。
現役研修医の私が、精神科ローテのリアルを紹介します。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
精神科ローテの特徴
まず、研修医が精神科に行くのは国の臨床研修で1か月と決まっています。
大学病院なら精神科は必ずありますが、市中の二次救急や地域病院では精神科がないことも多く、研修先が限定されることがあります。
精神科の仕事は主に、
- 患者さんの問診
- 薬物療法の管理
- 必要に応じた生活指導や心理的サポート
です。
身体的な処置や緊急手術などはほぼないため、普段の忙しい研修と比べると、ゆったりとした時間が流れます。
この“ゆったり感”は、研修医にとっては意外なギャップ。
研修医の1日の流れ(例)
① 朝:病棟回診
精神科単科病院や大学病院の病棟では、朝の回診で患者さん一人ひとりの状態を確認します。
- 前日の症状の変化
- 睡眠や食欲の状態
- 副作用のチェック
身体的なバイタルチェックも行いますが、心拍や血圧よりも気分や思考の状態の変化に注目します。
② 午前:問診やカンファレンス
午前中は患者さんとの**面接(問診)**が中心。
- どう感じているか、どんな思考があるかを丁寧に聞く
- 家族からの情報もあわせて整理
- 必要に応じて上級医に相談
その後はカンファレンスで、チーム全体で方針を検討します。
身体の病気と違い、症状が目に見えにくいので、言葉のニュアンスや表情の変化を見逃さないことが重要です。
③ 午後:薬物療法や生活指導
午後は主に、患者さんの薬物療法の管理。
- 薬の効果や副作用を確認
- 必要なら薬の量を調整
- 日常生活のアドバイスやリハビリ支援
身体の病気のように「手術や検査の結果で一発で変化がわかる」わけではありません。
精神科は日々の観察と積み重ねで症状が改善するため、研修医でも丁寧に患者さんと向き合うことが求められます。
④ 終業後:学びの時間
普段の研修では夜勤や救急対応で疲れ切ることも多いですが、精神科ローテでは比較的定時に終わることが多いです。
- 学生時代にはあまり触れなかった薬理学の知識を実践で確認
- 上級医から心理療法や面接技法を学ぶ
こうして1か月間、じっくりと精神科医療を経験できます。
精神科ローテの面白さ
- 普段とは違うペースで学べる
身体科の救急や外科の忙しさとは異なり、ゆったりした環境でじっくり学べます。
「落ち着いた環境で考える時間が欲しい」研修医にぴったり。 - 患者さんと距離が近い
精神科では、言葉や表情から患者さんの状態を読み取るため、密なコミュニケーションが必要です。
その分、患者さんとの信頼関係を直に感じられるのも魅力。 - 将来のキャリアに影響することも
1か月のローテで精神科に触れた結果、帰ってきたら精神科志望になっている研修医も少なくありません。
普段の忙しい科では見えなかった面白さややりがいを感じることができるんです。
気になる大変さ
もちろん、精神科ローテにも大変さはあります。
- 言葉や行動の変化を見逃さない緊張感
- 診察だけでは判断が難しいケースも多い
- 患者さんとの距離感を掴むまで時間がかかる
しかしその分、観察力やコミュニケーション力がぐっと伸びる期間でもあります。
まとめ
研修医の精神科ローテは、
- 大学病院や精神科単科病院で1か月間実施
- 患者さんの問診、薬物療法、生活指導が中心
- 普段の忙しい研修と比べるとゆったりとした時間が流れる
- 患者さんと距離が近く、医師としての観察力やコミュニケーション力が鍛えられる
- 研修後に精神科志望になる人もいる
という、非日常だけど学びの多い貴重な期間です。
都市部の大病院での研修ももちろん大事ですが、精神科ローテで得られる経験は、医師としての幅をぐっと広げてくれます。