小論文の結論の書き方|減点されない構成術m

小論文における結論部分の書き方完全マニュアル【減点されない構成のコツ】

小論文で最も重要な部分の一つが「結論」です。どれほど本論が優れていても、結論が曖昧であれば採点者の評価は大きく下がってしまいます。逆に、明確で説得力のある結論を書くことができれば、論文全体の印象が引き締まり、高得点につながります。

本記事では、小論文の結論を書く際に押さえるべきポイントから、具体的な書き方のテクニック、よくある失敗例とその回避方法まで、徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、採点者に評価される結論の書き方が身につくでしょう。

小論文における結論の役割とは

小論文の基本構成は「序論・本論・結論」の三部構成です。それぞれに明確な役割があり、特に結論は論文全体を総括する重要な位置づけにあります。

結論の主な役割は以下の通りです。

論旨の要約と再確認
序論で提示した問題意識や主張を、本論での論証を踏まえて再度明確に述べます。読者に対して「この論文は何を主張しているのか」を最終的に印象づける役割があります。

議論の到達点を示す
本論で展開した議論や分析の結果、どのような結論に達したのかを明示します。これにより、論文全体に一貫性と説得力が生まれます。

発展的な視点の提示
課題論文の場合は特に、今後の課題や残された問題点、さらなる研究の必要性などに触れることで、論文に深みを与えることができます。

結論は単なる繰り返しではなく、論文全体の議論を昇華させ、読者に強い印象を残すための重要なパートなのです。

結論部分で避けるべき表現と内容

結論を書く際、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。これらを理解し、意識的に避けることで、減点リスクを大幅に下げることができます。

感情的・主観的すぎる表現

小論文は論理的思考を示す場であり、感情論や個人的な思い入れだけで結論を構成するのは不適切です。

避けるべき例
「私はどうしてもこの制度に反対したい。なぜなら、私自身がこのような経験をしたからだ。だから皆さんにもわかってほしい」

このような表現は、論理性に欠け、説得力がありません。結論では、本論で示した根拠に基づいた客観的な主張を展開する必要があります。

新たな論点の持ち込み

結論部分で突然新しい情報や論点を持ち出すのは厳禁です。結論は、序論と本論で展開した内容を総括する場所であり、新たな議論を始める場ではありません。

避けるべき例
「以上から、環境問題への対応が必要である。ところで、最近では経済格差の問題も深刻化している。この点についても考慮すべきだ」

このように、結論で新たなテーマに言及すると、論文全体の統一性が失われます。

曖昧な表現や断定回避

結論は論文の最終的な主張を示す場所です。「〜かもしれない」「〜ではないだろうか」といった曖昧な表現は避け、明確に立場を示しましょう。

避けるべき例
「このように考えると、どちらの意見にも一理あるのかもしれない」

優柔不断な印象を与え、論文としての説得力が大きく損なわれます。

字数調整のための冗長な繰り返し

本論で既に述べた内容を、少し表現を変えただけで繰り返すのは字数稼ぎと見なされます。採点者は何百枚もの答案を読んでおり、こうした手法は容易に見抜かれます。

結論は簡潔に、しかし要点を押さえて書くことが重要です。

高評価される結論の書き方【5つの鉄則】

ここからは、採点者に評価される結論を書くための具体的なテクニックを紹介します。

鉄則1:明確な接続語で結論部を開始する

結論の始まりを明示することで、読み手に「これから結論を述べる」というシグナルを送ります。

推奨される書き出し表現

  • 「以上のことから」
  • 「これらの議論を踏まえると」
  • 「本論で検討した内容をまとめれば」
  • 「以上の考察により」
  • 「したがって」

これらの表現を用いることで、論文の構造が明確になり、読みやすさが向上します。

鉄則2:自分の立場を再度明確に宣言する

序論で示した自分の立場や主張を、本論での議論を踏まえて改めて明示します。ただし、単純な繰り返しではなく、本論での論証によって強化された形で述べることが重要です。

効果的な例
「以上の議論から、私は死刑制度の廃止を支持する。冤罪の可能性を完全に排除できない現状において、取り返しのつかない刑罰を科すことは正義に反する」

鉄則3:本論の要点を簡潔にまとめる

本論で展開した主要な論点を、2〜3点に絞って簡潔にまとめます。すべてを網羅する必要はなく、最も重要なポイントに焦点を当てます。

構成例
「第一に〜という点、第二に〜という観点から、〜という結論に至る」

このように構造化することで、論理の流れが明確になります。

鉄則4:適度な分量を守る

結論の分量は、論文全体の10〜15%程度が目安です。800字の小論文であれば80〜120字程度、1200字であれば120〜180字程度が適切です。

長すぎる結論は冗長な印象を与え、短すぎる結論は論文が未完成に見えてしまいます。

鉄則5:今後の展望や課題に言及する(場合による)

特に課題論文型の設問では、「今後どのような取り組みが必要か」「残された課題は何か」といった発展的な視点を示すことで、深い思考力をアピールできます。

効果的な例
「ただし、この施策を実現するには制度設計上の課題が残されており、今後さらなる議論と検証が求められる」

論文形式別・結論の書き方パターン

小論文には複数の出題形式があり、それぞれに適した結論の書き方があります。

意見論述型(賛否を問う問題)

設問例
「AIの発展は人類にとって脅威か、それとも希望か。あなたの考えを述べよ」

結論の書き方
明確に自分の立場(賛成/反対、脅威/希望など)を示し、本論で述べた理由を簡潔にまとめます。

例文
「以上の考察から、AIの発展は適切に管理されれば人類にとって希望となると考える。確かにリスクは存在するが、医療や環境問題など、人類が直面する課題の解決にAIは不可欠だ。重要なのは技術の発展を恐れることではなく、その活用方法を慎重に設計することである」

課題分析型

設問例
「少子高齢化が進む日本社会の課題と対策について論じなさい」

結論の書き方
分析した課題を整理し、提案した対策の要点をまとめます。実現可能性や優先順位にも触れるとより説得力が増します。

例文
「少子高齢化への対応には、子育て支援の充実と高齢者の社会参加促進の両面からのアプローチが不可欠である。特に、企業の働き方改革と地域コミュニティの再構築を同時に進めることで、持続可能な社会システムの構築が可能となる。これらの施策は長期的視点に立ち、段階的に実施すべきだ」

資料分析型

設問例
「提示されたグラフから読み取れる傾向を分析し、その要因と今後の見通しを述べよ」

結論の書き方
データから読み取った事実と、その解釈をまとめます。数値やトレンドに基づいた客観的な結論を心がけます。

例文
「データ分析の結果、過去10年間で若年層の投票率が15ポイント低下していることが明らかになった。この背景には政治への関心低下だけでなく、情報過多による判断疲れという現代的な要因が存在する。今後、SNSを活用した若年層への情報発信と、政治教育の充実が投票率回復の鍵となるだろう」

実践的な結論作成のステップ

実際に結論を書く際の手順を整理します。

ステップ1:本論の内容を箇条書きで整理する

結論を書く前に、本論で述べた主要なポイントを箇条書きでメモします。これにより、何を結論に盛り込むべきかが明確になります。

ステップ2:接続語で結論の開始を明示する

「以上のことから」などの接続語で、結論部分の始まりを明確に示します。

ステップ3:自分の立場を簡潔に述べる

序論で提示した主張を、より洗練された形で再提示します。

ステップ4:根拠の要約を加える

本論で展開した主要な根拠を2〜3点に絞って簡潔にまとめます。

ステップ5:展望や含意を述べる(必要に応じて)

今後の課題や、議論の持つより広い意味合いに触れます。

ステップ6:字数を確認し調整する

目標字数に対して結論が適切な分量かを確認し、必要に応じて調整します。

結論を磨くための推敲ポイント

書き上げた結論を見直す際のチェックリストです。

□ 序論で示した主張と矛盾していないか
□ 本論で述べていない新しい論点を持ち込んでいないか
□ 立場が明確に示されているか
□ 曖昧な表現を使っていないか
□ 冗長な繰り返しがないか
□ 適切な分量になっているか
□ 接続語が適切に使われているか
□ 論理的な飛躍がないか

結論が弱くなる原因と対策

結論が弱くなる主な原因は以下の通りです。

原因1:本論の論証が不十分
結論は本論の内容に基づくため、本論が弱ければ結論も必然的に弱くなります。結論を書く段階で「これでは説得力がない」と感じたら、本論に戻って論証を強化する必要があります。

原因2:時間配分の失敗
試験では時間が限られているため、結論まで十分に時間を取れないことがあります。これを防ぐには、全体の時間配分を最初に計画し、結論に最低10分は確保することが重要です。

原因3:自信のなさ
自分の主張に自信が持てず、曖昧な表現でお茶を濁してしまうケースです。小論文では「正解」を求められているのではなく、「論理的に主張を展開する能力」が評価されます。自分の立場を明確に示す勇気を持ちましょう。

よくある質問と回答

Q:結論で「私は〜と考える」という表現は使っても良いか?
A:小論文では一人称の使用は問題ありません。むしろ、自分の意見を明確に示す上で「私は〜と考える」という表現は有効です。

Q:結論の後に謝辞や補足を書いても良いか?
A:学術論文ではありませんので、謝辞は不要です。補足が必要な場合は本論に組み込むべきで、結論の後に追加するのは構成上好ましくありません。

Q:資料が複数ある場合、すべてに言及すべきか?
A:すべての資料に触れる必要はありません。最も重要な資料や、自分の主張を支える資料に焦点を当てて結論をまとめれば十分です。

まとめ

小論文の結論は、単なる論文の締めくくりではなく、議論全体の価値を最終的に決定づける重要な部分です。明確な接続語で始め、自分の立場を再確認し、本論の要点を簡潔にまとめることで、説得力のある結論を構成できます。

重要なのは、結論を「作業」として捉えるのではなく、「自分の思考の到達点を示す場」として意識することです。序論から本論へと積み重ねてきた議論の集大成として、自信を持って結論を書きましょう。

実践を重ねることで、自然と質の高い結論が書けるようになります。本記事で紹介したポイントを意識しながら、まずは一つ一つの小論文に丁寧に取り組んでみてください。


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