指定校推薦は「学校推薦型選抜」の一つで、大学から指定された高校の生徒のみが出願できる制度です。仕組みやスケジュールが一般選抜や総合型選抜とは大きく異なるため、利用を考えている人は早いうちからよく理解しておきましょう。
今回は指定校推薦について、その仕組みや評価方法、指定校推薦の小論文はどのように書けば良いのか、といった指定校推薦について気になることを解説していきます。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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指定校推薦の仕組みと評価方法は?
まずは指定校推薦の仕組み、スケジュール、評価方法などについて見ていきましょう。
指定校推薦とはどのような入試制度か
指定校推薦とは、学校推薦型選抜の一種です。過去の進学実績に基づいて大学が指定校を定め、その高校の生徒のみが出願できるという制度です。通常は学部や学科まで細かく枠が決められています。
募集枠は1つの高校から1〜3人のことが多いため、出願条件を満たす生徒の中で選考が行われ、それに勝ち抜いた生徒が推薦を受けることになります。校内選考に勝ち抜けば、入試での合格率は非常に高いものとなっています。
大学と高校の信頼関係によって成立している制度であり、指定校推薦で合格した場合は必ず進学しなければなりません。
指定校推薦の出願条件
指定校推薦では各大学の定めた評定平均を満たしていることが出願条件となります。評定平均とは、各教科の5段階評価の成績の合計をすべての教科数で割った平均値のことです。
指定校推薦の出願条件は、高校1年生から3年生までの評定平均が最低でも4以上というのが一般的です。大学や学部によっては、「全科目平均で4以上、英語は4.5以上」など特定の科目にさらに条件を設けている場合や検定・資格の取得を求める場合もあります。
出願基準を満たす生徒が募集人数より多くいた場合は、より高い評定平均を取っている生徒が選ばれるため、評定平均は高いに越したことはありません。英検などの検定を取得していると、選考で有利になることもあります。
これらに加えて、課外活動、部活動、出席日数などが校内選考で評価されます。
なお、今回は「評定」と記しましたが、大学入試の改革により現在は「全体の学習成績の状況」という名称に変更されています。
指定校推薦の試験内容
校内選考を通過したら、大学の入学試験に進みます。指定校推薦の試験内容は、志望理由書等の書類審査、小論文、面接などが一般的です。
指定校推薦のスケジュール
指定校推薦は、総合型選抜や一般選抜など他の試験方式よりも先に行われます。大学や学部・学科によって違いはありますが、おおむね以下のような日程であることが多いです。
- 6月 募集要項配布
- 7月〜10月校内選考
- 11月 出願
- 11月〜12月 試験
- 12月 合格発表
スケジュールを見ておわかりのように、高校3年生の早い時期にはもう動き出さなければなりません。したがって、推薦入試を受けるかどうかは高校2年生のうちに決めておくことが望ましいと言えます。
志望校ではどのような推薦入試があるのか、自分の高校ではどの大学の指定校推薦を受験できるのか調べ、先生に希望を伝えておきましょう。出願に必要な検定を受験するなどの準備も計画的に進めましょう。
校内選考を通過したら、志望理由書、小論文、面接などの具体的な対策を進めていきます。
指定校推薦の小論文の書き方は?
指定校推薦の試験内容は、志望理由書などの書類審査、小論文、面接が一般的です。その中で今回は小論文について、どのように書いたら良いのか見ていきましょう。
小論文の構成
小論文は、自分の意見を主張してその理由を客観的な根拠をもとに説明していく文章です。
論理の流れが円滑で、読み手にとっても書き手にとってもわかりやすいとされているのが、序論・本論・結論という三部構成です。それぞれの段落の役割を理解して、どのようなテーマであってもこの形で書いていきましょう。
- 序論
- 小論文の書き出しの部分です。ここでは問題を提起し、それに対する自分の意見や主張を述べます。
- 本論
- 小論文の核心となる部分であり、自分の意見の理由や根拠を述べていく部分です。客観的かつ具体的な事例を挙げて、序論で述べた自分の意見や主張の妥当性を裏付けしていきます。
- 結論
- 締めくくりの部分です。本論の内容を要約し、序論で述べた自分の意見を改めて主張して終わります。
本論では自分の意見の根拠となる客観的事例を挙げる必要がありますが、そのためにはテーマに関する知識をあらかじめ身につけておかなければなりません。
指定校推薦ではどんなテーマが出題されるの?
指定校推薦に限らず、基本的に大学入試で出題される小論文のテーマは、志望学部や学科で学ぶことに関連したものとなっています。
例えば、社会系学部であれば少子高齢化や人口減少、教育系学部であれば教育格差やゆとり教育などといったテーマです。志望先のテーマに時事問題を絡めて出題されることも多いです。
受験する学部や学科に関するテーマについては、書籍、インターネット、塾などで信頼できる論点やデータを学び、しっかり頭に入れておきましょう。
得た知識を使って実際に小論文を書き、学校や塾の先生に添削してもらうことをお勧めします。
過去問を公表している大学もあります。
調べてみましょう。
まとめ
今回は指定校推薦の仕組みや評価方法、指定校推薦の小論文はどのように書けば良いのかというテーマで解説してきました。
指定校推薦は、評定平均が4以上、検定や資格が必要などの出願条件があり、校内選考を勝ち抜くまでは難関ですが、大学入試ではほぼ全員が合格することができ、早い時期に進学先を決めることができるなど、魅力も多い制度です。
行きたい大学や学部・学科で指定校推薦の制度があって、出願条件を満たしているのであれば、学校の先生に相談してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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