小論文要約のコツ完全ガイド|合格する要約術m

小論文の要約で差をつける!採点者が評価する要約力の身につけ方

小論文試験において、課題文の要約は避けて通れない重要なスキルです。しかし、多くの受験生が「要約をどのように書けばよいのか分からない」「文章を短くまとめるだけでよいのか」と悩んでいます。実は、小論文における要約は、単なる文章の短縮作業ではありません。筆者の主張を正確に理解し、論理構造を把握した上で、要点を的確に抽出する高度な読解力と表現力が求められるのです。

本記事では、小論文の要約を効果的に行うための具体的な方法と実践的なコツを詳しく解説します。要約が苦手な方でも、この記事を読めば、採点者に評価される質の高い要約が書けるようになるはずです。

小論文における要約の役割と重要性

小論文試験で要約が求められる理由は、受験生の読解力と論理的思考力を測るためです。要約作業を通じて、複雑な文章から核心を見抜く力、情報を取捨選択する判断力、そして限られた文字数で的確に表現する能力が試されます。

特に「課題文要約型小論文」では、課題文を200〜400字程度で要約し、その後に自分の意見を展開する形式が一般的です。この場合、要約の質が論文全体の評価に直結します。なぜなら、課題文を正確に理解していなければ、的外れな意見を述べてしまう可能性があるからです。

また、要約力は大学入学後も必要とされるアカデミックスキルの基礎です。講義内容の整理、文献レビュー、レポート作成など、あらゆる学習活動において要約能力が活用されます。つまり、小論文の要約対策は、大学での学びに直結する実践的なトレーニングでもあるのです。

要約の基本原則:押さえるべき三つの柱

効果的な要約を書くためには、三つの基本原則を理解する必要があります。

第一の原則は「筆者の主張を正確に捉える」ことです。要約では、自分の意見や解釈を加えず、あくまで筆者が述べていることを忠実に再現します。「筆者はこう言っているが、私はこう思う」という展開は、要約部分では不要です。

第二の原則は「論理構造を保持する」ことです。単に重要そうな文を抜き出して並べるのではなく、筆者の論理展開(問題提起→分析→結論など)を維持しながら圧縮します。因果関係や対比関係など、文章の骨格となる論理構造を崩さないことが重要です。

第三の原則は「指定文字数を効率的に使う」ことです。200字で要約するなら200字分の情報量を、400字なら400字分の情報量を的確に盛り込みます。余白を多く残すのも、大幅に超過するのも減点要因となります。±10%以内に収めることが一般的な目安です。

要約の手順:五つのステップで確実に仕上げる

要約を効率的に行うには、体系的な手順を踏むことが重要です。以下の五ステップを実践することで、確実に質の高い要約が完成します。

ステップ1:通読して全体像を把握する

まず、課題文全体を通して読み、筆者が何について論じているのか、全体のテーマを理解します。この段階では細部にこだわらず、「結局、筆者は何が言いたいのか」という大枠を掴むことに集中しましょう。時間がある場合は、2回通読することで理解が深まります。

ステップ2:段落ごとの要点をマークする

次に、各段落の中心的な主張や重要な情報に線を引きます。この際、「具体例」と「主張」を区別することが重要です。多くの課題文では、筆者の主張を分かりやすくするために具体例やエピソードが挿入されていますが、要約では主張部分を優先します。

また、接続詞や指示語にも注目しましょう。「しかし」「つまり」「このように」といった言葉は、論理展開の転換点や結論を示すサインです。

ステップ3:論理構造を図式化する

課題文の論理展開を簡単な図やメモで整理します。例えば、「問題提起→原因分析→解決策の提示→結論」という流れなのか、「主張→根拠1→根拠2→根拠3→結論」という構造なのかを明確にします。

この作業により、どの部分が骨格でどの部分が肉付けなのかが見えてきます。要約では骨格部分を中心に再構成することになります。

ステップ4:下書きを作成する

指定文字数を意識しながら、把握した要点を文章化します。最初から完璧を目指さず、やや長めに書いてから削る方が効率的です。この段階では、筆者の表現をそのまま使っても構いませんが、後で自分の言葉に置き換える部分を検討します。

重要なのは、段落構成です。課題文が長い場合、要約も段落分けをすることで読みやすくなります。一般的には、200字程度なら1段落、400字程度なら2〜3段落に分けると良いでしょう。

ステップ5:推敲して完成させる

下書きを見直し、不要な表現を削除し、分かりにくい部分を改善します。この際、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 指定文字数に収まっているか(±10%以内)
  • 筆者の主張が正確に反映されているか
  • 論理の流れが自然か
  • 自分の意見が混入していないか
  • 重複表現や冗長な部分はないか

また、音読してみることで、不自然な箇所を発見しやすくなります。

要約のコツ:具体的なテクニック集

要約の基本手順を理解したら、さらに質を高めるための具体的なテクニックを身につけましょう。

テクニック1:抽象度を一段階上げる

具体例や詳細な説明を、より抽象的な表現に置き換えることで文字数を節約できます。例えば、「太郎さん、花子さん、次郎さんの三人は」→「彼らは」、「リンゴやミカン、ブドウなどの果物」→「果物」といった具合です。

ただし、抽象化しすぎて意味が曖昧になることは避けなければなりません。元の文章の具体性が主張の根幹に関わる場合は、適度に残す判断も必要です。

テクニック2:複文を単文化する

複雑な文構造を持つ文は、シンプルな文に分解・再構成することで分かりやすくなります。「〜であるが、〜であり、しかし〜である」という長い文を、「〜である。しかし〜である」と分割することで、情報を整理できます。

テクニック3:同義表現の統一

課題文内で同じ概念が異なる言葉で表現されている場合、要約では一つの表現に統一します。これにより文字数を節約しつつ、内容の一貫性が高まります。

テクニック4:因果関係の明示

「〜のため」「〜の結果」「〜によって」といった因果を示す表現を適切に使うことで、論理構造を明確に保つことができます。課題文では暗示的にしか示されていない因果関係でも、要約では明示的に表現することが望ましいです。

テクニック5:定量情報の取り扱い

数字やデータが含まれる場合、その情報が筆者の主張にどれほど重要かを判断します。主張の根拠として不可欠な数字は残し、単なる例示に過ぎないものは省略します。また、複数の数字がある場合は、「約半数」「大多数」といった概数表現に置き換えることも検討します。

問題形式別の要約戦略

小論文の問題形式によって、要約のアプローチも変わります。

論説文型の要約

筆者の主張が明確な論説文では、「主張→根拠→結論」という構造を意識した要約が効果的です。特に、筆者が最も強調している点(多くの場合、文末や段落の冒頭に位置する)を中心に据えることが重要です。

要約のフォーマット例: 「筆者は○○という問題に対し、△△であると主張する。その根拠として、第一に□□、第二に◇◇を挙げている。結論として、☆☆の必要性を訴えている。」

対比型文章の要約

二つの立場や考え方を対比させる構造の文章では、その対比軸を明確にすることが鍵です。「A説では〜とするのに対し、B説では〜とする」という対比構造を保持しながら要約します。

要約のフォーマット例: 「○○については、△△派と□□派が対立している。前者は◇◇という理由から☆☆を主張するのに対し、後者は◎◎という観点から●●を主張する。筆者はこの対立を踏まえ、▲▲という立場を取る。」

問題提起型文章の要約

現代社会の問題を提起し、その原因分析や解決策を提示する構造の文章では、「問題→原因→解決策」という流れを維持します。

要約のフォーマット例: 「現代社会では○○という問題が深刻化している。この原因として筆者は△△を指摘する。この問題を解決するため、□□という方策を提案している。」

要約でよくある失敗とその対策

要約の質を高めるには、典型的な失敗パターンを知り、それを避けることも重要です。

失敗パターン1:具体例ばかりを抽出する

課題文に印象的な具体例やエピソードがあると、それを中心に要約してしまう受験生がいます。しかし、具体例は主張を支える材料に過ぎません。「何の例なのか」という抽象化された主張部分を優先しましょう。

対策: 段落ごとに「この段落で筆者が本当に言いたいことは何か」を問いかけながら読む習慣をつけます。

失敗パターン2:原文のコピー&ペースト

課題文の文章をそのまま抜き出して繋げただけの要約は、要約力を示すことができません。また、文脈から切り離された文を繋げることで、論理が不自然になることもあります。

対策: 一度、自分の言葉で内容を理解し直してから書き始めます。「つまり、筆者はこういうことを言っている」と自分に説明するつもりで要約すると、自然な文章になります。

失敗パターン3:自分の意見を混入させる

「筆者は〜と述べているが、これは問題である」「〜という主張は正しいと思う」など、要約部分に自分の評価や意見を入れてしまうケースです。要約と意見論述は明確に分けなければなりません。

対策: 要約部分では「筆者は」「著者によれば」という主語を意識的に使い、筆者の見解であることを明示します。

失敗パターン4:細部にこだわりすぎる

枝葉末節な情報にこだわり、肝心の主張が見えなくなる失敗です。「○○氏の研究によれば」「1995年の調査では」といった付帯情報に文字数を使いすぎることは避けるべきです。

対策: 「この情報は、筆者の主張を理解する上で絶対に必要か」と自問しながら取捨選択します。

失敗パターン5:論理構造の崩壊

前後関係や因果関係を無視して情報を並べてしまい、論理が繋がらない要約になることがあります。特に、結論部分を先に述べ、後から根拠を説明するような構造の文章を要約する際に起こりやすい失敗です。

対策: 要約でも元の文章の論理展開の順序をできるだけ維持します。ただし、結論が最後にある文章を要約する場合、「筆者は〜と結論づけている。その根拠は〜である」と結論先行型に再構成することも有効です。

要約力を飛躍的に高める訓練法

要約力は、適切な訓練によって確実に向上します。以下の練習方法を日常的に取り入れましょう。

訓練法1:段階的文字数削減法

同じ課題文を、まず600字、次に400字、最後に200字と段階的に要約します。文字数が減るごとに、より本質的な情報だけを残す判断が必要になり、情報の優先順位付けの能力が磨かれます。

訓練法2:新聞コラムの要約

新聞の社説やコラム(600〜800字程度)を200字に要約する練習を毎日行います。時事問題への理解も深まり、一石二鳥の訓練法です。朝日新聞の「天声人語」や読売新聞の「編集手帳」などが適しています。

訓練法3:要約の比較検討

同じ課題文を要約した複数の答案(自分のものや模範解答)を比較し、何が採用され、何が省略されているかを分析します。優れた要約に共通するパターンを発見することで、自分の要約スキルも向上します。

訓練法4:口頭要約トレーニング

読んだ文章を誰かに口頭で説明する練習も効果的です。話し言葉で要約することで、情報の取捨選択が自然にできるようになり、文章化する際もスムーズになります。

訓練法5:逆算法

優れた模範要約を読んでから元の課題文を読み、「この要約に至るには、課題文のどの部分をどう抽出・加工したのか」を分析します。プロの要約技術を逆算的に学ぶことができます。

時間配分と実戦での注意点

試験本番で要約を成功させるには、時間管理も重要です。

一般的に、要約+意見論述型の小論文(90分試験)では、以下のような時間配分が推奨されます。

  • 課題文の読解と要点整理:15〜20分
  • 要約の下書きと推敲:15〜20分
  • 意見論述の構想:10分
  • 意見論述の執筆:30〜35分
  • 全体の見直し:10分

要約に時間をかけすぎて意見論述が薄くなることは避けなければなりませんが、逆に要約を粗雑に済ませることも危険です。要約での課題文の誤読は、その後の意見論述すべてを無効にしかねないからです。

また、実戦では以下の点にも注意しましょう。

下書き用紙を効率的に使う: 課題文に直接書き込むことで、別紙にメモを取る時間を節約できます。段落番号をつける、重要箇所に記号をつけるなど、自分なりのマーキングルールを確立しておきましょう。

文字数カウントの工夫: 要約を書きながら常に文字数を意識します。原稿用紙1行20字なら、10行で200字というように、視覚的に文字数を把握する習慣をつけましょう。

柔軟な修正: 書き進めるうちに指定文字数を大幅に超過しそうな場合は、途中でも構成を見直す勇気が必要です。最後まで書いてから大幅削除するより、途中で軌道修正する方が効率的です。

まとめ:要約は小論文成功の土台

小論文における要約は、単なる文章圧縮技術ではなく、高度な読解力と論理的思考力を示す重要なプロセスです。筆者の主張を正確に理解し、論理構造を保持しながら、限られた文字数で的確に再構成する能力は、一朝一夕には身につきません。

本記事で紹介した手順とテクニックを繰り返し実践することで、確実に要約力は向上します。特に重要なのは、日常的な訓練です。新聞コラムや評論文を毎日要約する習慣をつけることで、自然と要点を見抜く目が養われます。

また、要約力の向上は、小論文試験での得点アップだけでなく、大学での学びや社会に出てからの情報処理能力にも直結します。長期的な視点で、じっくりとこのスキルを磨いていきましょう。

要約を制する者が小論文を制する――この言葉を胸に、着実にトレーニングを積み重ね、志望校合格を勝ち取ってください。


スカイメソッド小論文対策の動画プレゼント!
無料LINE登録で動画を受け取る