【推薦入試】福島大学 共生システム理工学類(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
☆知らないと損する「小論文やっていはいけないNG動画」を無料プレゼント中!

福島大学 共生システム理工学類の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜 90分]

I 次の文章は、「研究者の本棚 読書の先にあるもの」 からの抜粋である。これを読み、以下の問いに答えなさい。

資料の要約文です。

小学生時代に夢中になった場所である図書館が、今でも彼の研究者としての原点であり、特別な場所であったことを振り返ります。図書館は小さな部屋でしたが、そこに行けば他のことを忘れて新しい世界に浸ることができ、その経験が彼にとってかけがえのないものとなりました。

文章はその後、一般の人にとって読書が目標ではなく、詳しく読んだ内容が長く記憶されない現実を指摘します。しかし、それでも研究者や研究者志望者にとって、専門書を読む目的は新しいものを創造することにあると考えられます。

また、本に書かれた知識が既に他の誰かに理解されたものであるという視点から、人類の到達点としての知識は最終目標ではなく、むしろ過程に過ぎない可能性があると述べられています。こうした考え方から、教科書や著名な先生の言葉も小さな一歩に過ぎないとの見方が提示されています。

文章はさらに、読者自身の持つ創造性が重要であり、専門書を読んで専門的な知識を得る経験が、後に深化した研究者になるための礎になると論じます。最後に、研究者としての心構えが日々の研究にも通じるとし、筆者自身の経験を通してその重要性を認識しています。

出典: 山崎雅人 「研究者の本棚 読書の先にあるもの」数理科学 2021年5月号 No. 695 第59巻5号p.74~80株式会社サイエンス社発行 から抜粋、一部改変

問1
(1) 下線(ア)について、著者は小学生の頃の図書館での本との出会いが、現在の自分にどのような影響を与えたと考えているか。40字程度で述べなさい。
(2) (1)と似たような経験について、あなたが経験した本との出会いについて80字程度でまとめなさい。
問2 下線(イ)の創造と下線(ウ)の創造性は、ともに何につながっていくと著者は考えているか。40字程度で述べなさい。
問3
(1) 下線(エ)について、そんなときとはどういうときか。40字程度で述べなさい。
(2) 下線(オ)の感覚について、どのような感覚と考えられるか、あなたの経験をふまえて、具体的に 200字程度でまとめなさい。

II 次の英文は統計学 (Statistics) に関する冗談である。 この英文を読み、以下の問いに答えなさい。
Statistics has been described as the science which tells you that if you lie with your
head in the gas oven and your feet in the refrigerator, on average you’ll be comfortably warm.

問1 この英文を和訳しなさい。

問2 この冗談では、平均の用い方について問題にしているが、それはどのような問題なのか、次に挙げる統計用語の中から2つ以上を用いて、100字程度で説明しなさい。
統計用語:平均、中央値、最頻値、最大値、最小値、分散、標準偏差、四分位数

問3 この冗談のような失敗をしないためには、データの統計処理をする際に、どのようなことに気をつけるべきか、あなたの考えを300字程度で述べなさい。

ポイント

出題意図

I 読書をテーマとした論説文を題材とする。主として論説文を読み取る能力と、その内容を元に判断する能力、一般常識や社会事情、自分の経験を踏まえながら自分の考えをまとめ論述する能力について評価する。

問1

(1) 問題文に書かれた事柄を読み取る能力について評価する。

(2) 問題文で与えられた視点に基づいて、自分の考えを説明して第三者に正しく伝えることができるかについて評価する。

問2 問題文における著者の主張を正しく読み取ることができるかについて評価する。

問3 

(1) 問題文に書かれた事柄を読み取る能力について評価する。
(2) 問題文を的確に読み取り、その内容を踏まえて、自分の考えを説明して第三者に正しく伝えることができるかについて評価する。


Ⅱ 理工系の多くの分野では、研究を進めるにあたり, 統計を使いこなせる必要がある。そこで、高等学校の数学Ⅰまでで学んだ統計 (小中学校で学んだ範囲も含む)の知識を使って、与えられた問題文にある統計の利用法の問題点を見つけ出すことができるか、そして、その解決策を論理的に導くことができるかの2点を主に評価する。 あわせて、基礎的な英文読解能力を評価する。

問1 基礎的な英文読解能力を評価する。

問2 高等学校の数学Ⅰまでで学んだ統計の知識を活用して、与えられた問題文にある統計の利用法の問題点を見つけ出し、それを正確に表現することができるかについて評価する。

問3 問2で見つけた問題点について、自身が同じ失敗をしないためには、どのようなことを考えればよいのかを論じさせることで、論理的思考力について評価する。

<福島大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

問1

(1) 著者が小学生時代の図書館経験を原点とし、研究者としての礎としていることがキーポイント。ここでの影響は「かけがえのないもの」という言葉で表現されており、図書館が研究者としての基盤を築く上での鍵となったことが示唆されている。

(2) 自身の本との出会いについて、具体的な本やその影響を挙げつつ、それが自分の興味や学びにどのような方向を与えたかを伝える。この体験が将来の方向性に影響を与えたことを強調する。

問2 著者が専門書を通じて得る知識や経験が、将来的な研究者としての深化や発展に繋がるとの見解。この経験が研究者としての基盤や成長につながることを示唆する。

問3 

(1)”そんなとき”は、新たな発見や問題解決に挑む瞬間。研究者としての心構えが必要な時期や状況を指す。具体例や経験を通じて理解を深める。

(2)下線(オ)の感覚は、研究者としての興奮や新たな発見への期待。自身の経験を通じて、予期せぬ気づきや喜びが研究の中でどのように生まれるかを示し、研究の魅力やモチベーションの源泉を明示的に述べる。

問1 冗談の趣旨や要点を把握して、それを適切な日本語で表現する。言葉遊びやユーモアを理解し、その背後にあるメッセージを捉えることが重要。


問2 冗談の中で平均を使っていることを理解し、なぜそれが問題なのかを考える。具体的な統計用語を使って、平均が極端な値に影響されやすく、全体の傾向を正確に反映しないことを説明する。


問3 データ処理においては、外れ値や極端な値が統計結果に与える影響に注意が必要。異常値の検出やデータの正規化、統計手法の選択などが重要。また、データの背後にある文脈や背景も考慮し、妥当性を確認することが欠かせない。

福島大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
福島県福島市金谷川1園町1-1JR東北本線「金谷川」駅下車、徒歩10分

福島大学のHPはこちら

福島大学の入試傾向

福島大学の入試は、一般選抜が主な形式であり、大学入学共通テストが重要な要素となっています。以下に、入試傾向とその対策を簡潔にまとめます。

福島大学の入試傾向:

  • 一般選抜が主で、大学入学共通テストの得点が合否に大きな影響を与える。
  • 理科、数学、国語、外国語(英語)の4科目を受験し、特に大学入学共通テストの得点が合格に直結する。

対策ポイント:

  1. 科目ごとの徹底対策:
    • 各科目に対して、基礎知識の確認と問題演習を徹底的に行う。特に大学入学共通テストの配点が高い理科や数学に焦点を当てる。
  2. 模擬試験の実施:
    • 過去問や模擬試験を通じて、実際の試験と同じ雰囲気で対策を進める。試験時間内での問題解決力やスピードの向上を図る。
  3. 時間配分のトレーニング:
    • 試験時間内で各科目に十分な時間をかけられるよう、時間配分のトレーニングを行う。長文読解や計算問題に対するスピードアップが重要。
  4. 弱点の洗い出しと克服:
    • モック試験や過去問の結果を分析し、自分の弱点を特定して克服する。バランスの取れたスキル向上を目指す。
  5. 志望学類の要項確認:
    • 志望する学類や学科ごとに入試方法が異なるため、要項を確認し対策を立てる。特に個別学力検査や小論文がある場合は重点的に対策。

総合的かつ戦略的なアプローチで、大学入学共通テストのスコア向上を図りつつ、志望学類や学科の要項を理解し、効果的な対策を進めることが入試合格につながります。

福島大学の募集コース

募集要項はこちら

入試情報はこちら

人文社会学群人間発達文化学類(定員数:260人)

人間発達文化学類では、1年次から7つのいずれかのコースに所属し、専門に関する確かな知識・技術と実践的な応用力を身につける。

教育実践コース

教育実践コースでは、学校教員として子どもの学びを支え、確実な成長を支援できる実践力を身につける。

心理学・幼児教育コース

心理学・幼児教育コースでは、人の行動・心理についての知識を得るとともに、実験・調査・観察などの科学的手法によって研究を行う心理学の分野と、乳幼児の発達を学ぶ。

特別支援・生活科学コース

特別支援・生活科学コースでは、サポートを必要とする子どもの発達支援に関する理論や、家庭・地域社会に関わる生活科学の基礎について学ぶ。

芸術・表現コース

芸術・表現コースでは、芸術の意義を理解し、音楽や美術に関わる力量を理論的、実践的に身につける。

人文科学コース

人文科学コースでは、言語や文学、地域や社会のあり方、その歴史や思想など、文化について広く深く学ぶ。

数理自然科学コース

数理自然科学コースでは、身近な自然や先端的課題のなかから数学や自然科学に関わる諸問題を見出し、それらを探究的に解決する学びを重ね、専門性を高める。

スポーツ健康科学コース

スポーツ健康科学コースでは、最新のスポーツ理論と技術を通してスポーツ技能の向上と指導力を高めるとともに、生涯にわたるスポーツライフの実現と健康福祉について学ぶ。

人文社会学群行政政策学類(定員数:205人)

行政政策学類では、前身である行政社会学部の教育・研究の実績を継承しつつ、学際的な視点から広く学ぶ。
「地方の時代」「分権化の時代」のニーズに応えることができる人材の育成を目指す。2年次から、「地域政策と法コース」と「地域社会と文化コース」の2コースに分かれて学ぶ。
・地域政策と法コースでは、法や行政の仕組みや運用の分析、政策形成プロセスの検討、自治体の取り組みや市民活動を知るフィールドワークなどを通じて、新しい地域づくりに取り組む力を身につける。
・地域社会と文化コースでは、社会調査や比較地域研究、発掘調査などを通じて地域社会をより客観的にとらえる手法を習得するとともに、新たな地域社会と文化の創造に向けた各地の取り組みを学び、新しい地域づくりの主体となる力を身につける。
 なお、同学類には夜間主も設置しており、学びと仕事を両立させるための柔軟なカリキュラムを用意している。

人文社会学群経済経営学類(定員数:220人)

経済経営学類では、経済と経営の専門知識を身につけ、現代の経済社会を理解し、課題解決に実践的に取り組む人材を養成する。

経済学コース

経済学コースは、これまでの経済分析専攻と国際地域経済専攻を1つに統合したコースであり、経済社会の課題、歴史と現在と未来を考えるために、各教員が密接に協力し合って研究と教育を進める。学生にとっても、科目が選びやすくなり、経済社会をより多角的に理解することにつながる。

経営学コース

経営学コースでは、非営利組織(自治体、NPOなど)を含め、より幅広い視野で経営現象をとらえる。とりわけ、地域経済と経営、会計とファイナンス(金融)について、基礎を修めながら垣根を超えて学ぶ。経営学コースには、履修モデルとしての「地域経営モデル」と「会計ファイナンスモデル」がある。

理工学群共生システム理工学類(定員数:160人)

数理・情報科学コース

数理・情報科学コースでは、数学・数理科学、情報科学などの学びを基礎に、隣接領域への視野と実践・応用力を養う。

経営システムコース

経営システムコースでは、企業経営の効率化のための工学的手法とマネジメント手法を学ぶ。

物理・システム工学コース

物理・システム工学コースでは、物理や電気工学の知識をもとに、新たなものや技術の創出を担う研究者・開発者を育てる。

物質科学コース

物質科学コースでは、化学を基盤とした物質科学や材料工学に関する体系的な学問を習得する。

エネルギーコース

エネルギーコースでは、エネルギー資源の状況と省エネ・創エネ・畜エネの技術を幅広く学ぶ。

生物環境コース

生物環境コースでは、生態学や形態学など生物学の基礎を学び、実験などで実践力を身につけ、環境保全や生物保全などの応用に取り組む。

地球環境コース

地球環境コースでは、地球環境を構成する地形・地質・気象・水循環などを基礎から学び、自然災害の予測や防災への活用、人間活動が環境に及ぼす影響の解明につながる研究へと発展させる。

社会計画コース

社会計画コースでは、持続可能な社会の構築を目指し、文理の垣根を超えた総合的な視点から、計画的にアプローチする方法を学ぶ。

心理・生理コース

心理・生理コースでは、人間の心の働きや脳・神経系の働きに関わる基本的知識を習得し、それらの知見を科学技術に応用できる能力を身につける。

農学群食農学類(定員数:100人)

「農学専門教育」と「農学実践型教育」の2つの柱からなる「新たな農学教育」により、実践型農学を身につけ、国際化時代の食と農の課題に対して主体的、創造的に取り組んでいく地域リーダーを育成する。食品科学、農業生産学、生産環境学、農業経営学の4コースのもと、確かな専門性と学際的な思考力を養う。
◆食品科学コースでは、常に発展した解析技術を理解し、それらを食品加工技術や発酵・醸造技術に落とし込み、地域素材を生かし「新たな食産業」を生み出す人を育成する。
◆農業生産学コースでは、作物の状態を的確に解析・診断し、最適化した品種や栽培技術を開発し、「農業を実践から指導」まで幅広くできる人材を養成する。
◆生産環境学コースでは、農林業の現場を知り、環境マネジメントから地域計画まで幅広く修得し、総合力を発揮して、「自治体や農業団体をけん引」できる人材を養成する。
◆農業経営学コースでは、先進的農業生産技術を理解し、付加価値をつけた商品をどう売るか、高度なマーケティングに挑戦した上で「もうかる農業」を実現できる人を育成する。

タイトルとURLをコピーしました