中学生になると内申点という言葉を聞くことも増えてきます。しかし、正確に説明できる人は多くないでしょう。
この記事では、内申点の計算方法を説明し、受験にどのように影響してくるのかを東京都の計算例を参考に紹介していきたいと思います。
この記事を読むことで内申点について理解できるので、内申点が高校受験でなぜ重要といわれるのかが分かるようになるでしょう。
高校受験の内申点について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみて下さい!
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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内申点と内申書とは
まず、内申書とは調査書ともいい、中学校での成績や各活動の記録、欠席日数などがまとめられ高校側に提出される書類です。
こちらは内申書の実物イメージになります。
内申書は公立の場合は各都道府県で異なります。また、私立の場合は学校ごとに異なるので、上の様式はあくまで参考ととらえてください。
内申書の中で、中学校の成績を5段階評価で表し、数値化したものが内申点です。
内申点の計算方法
公立高校の内申点の計算方法は各都道府県で異なります。また、私立高校は独自の内申書を使用するため、高校ごとに内申点は変わってきます。計算方法を正確に知りたい場合は、募集要項を確認するか、担任の先生に聞いてみましょう。
ここでは、公立高校の内申点について紹介します。
5教科ではなく9教科
内申点は全国共通して、国数英理社の5教科対象ではなく、音楽、美術、保健体育、技術・家庭の4教科を加えた9教科が評価対象になります。つまり、定期テストで5教科の点数が高いからといって内申点が高いとは限らないわけです。
学校からもらう通知表が5段階評価の数字で出ている場合、その数字が内申点に反映することがほとんどです。実技教科が苦手でも意欲的に取り組むことで評価を上げることができるので、あきらめずに授業に取り組んでくださいね。
実技教科の評価を2倍にする地域も
各都道府県で、内申点の計算方法は公表されています。その中には、実技4教科の評価を1.5~2倍にして計算する地域もあります。自分の住んでいる地域では実技教科の評定が倍になるか一度確認してみるといいでしょう。
※令和5年度高校受験で実技教科の比重が高い地域
岩手県、宮城県、秋田県、福島県、東京都、山梨県、京都府、鳥取県、徳島県、香川県、高知県、大分県、鹿児島県、沖縄県の14都府県
ちなみに、岡山県に関しては中3の国数英理社の5教科の評価を2倍にして計算します。各県ごとに特色がありますね!
中学1年〜中学3年の2学期が対象の場合が多い
計算の対象になる期間も各都道府県ごとに異なります。
最も多いのは中1から中3の2学期(または前期)までが評価対象機関になる場合です。
対象期間 | 都道府県数 | 都道府県名 |
中1~中3 | 34 | 下記以外 |
中2、中3のみ | 3 | 神奈川県、富山県、奈良県 |
中3のみ | 10 | 山形県、東京都、長野県、福井県、静岡県、愛知県 三重県、鳥取県、福岡県、鹿児島県 |
また、中3の評定平均を1.5~3倍にして、比重を高くして計算する地域もあります。
※中3の比重が高い地域
埼玉県、神奈川県、富山県、岐阜県、大阪府、奈良県、和歌山県、島根県、広島県、香川県、熊本県、大分県の12府県
受験への影響
では、内申点がどの程度受験に影響するのかについて解説していきます。
学力試験の点数:内申点=7:3~5:5
公立高校の一般試験では、学力試験当日の得点と内申点を合わせた合計点で合否が決まります。学力試験の点数と内申点の比率は都道府県、高校、さらに学科ごとでも異なり、おおよそ7:3~5:5です。必ず志望校の募集要項を確認しましょう。
東京都の計算例
では、東京都の公立高校一般選抜前期の場合で、計算方法をみていきましょう。
内申点は中3の成績のみが対象で、『中3の5教科×5段階評定+実技4教科×5段階評定×2』の65点満点で計算します。実技教科が2倍になるので注意してください。
さらに、合否判定では、5教科の学力試験と内申点さらに英語のスピーキングテストの1020点満点で計算します。東京都の場合は学力試験の点数:内申点=7:3です。
具体的な点数で見ていきましょう。
学力試験400点、各教科評定オール3、スピーキングテスト20点のAさんの場合
内申点5×3+4×3×2=39
700×400÷500+300×39÷65+20=760
学力試験400点、各教科評定オール4、スピーキングテスト20点のBさんの場合
内申点5×4+4×4×2=52
700×400÷500+300×52÷65+20=820
AさんとBさんでは、内申点が13違うだけで入試の点数が60点異なります!つまり、内申点の1点1点が高校受験ではとても大切なのです。
内申点計算方法も学力試験:内申点の比率も、学科によっては異なる場合があります。志望校の計算方法については必ず確認するようにしましょう。
内申点が足りない場合
いざ内申点を計算してみたとき、志望校の合格ラインに足りないと感じることもあるでしょう。志望校の変更も対策の1つですが、内申点が足りない場合の他の対処方法を紹介していきましょう。
内申書の評価を上げる
まず、内申書の評価を上げることをしてみます。授業態度を良くしたり、課外活動も積極的に行ったりすることで、内申書の評価を上げることにつながるでしょう。もちろん、定期テストや小テストも高得点を狙ってください。
学力試験で高得点をとる
当日の学力試験の点数を上げることが、内申点が足りないときの一番の対策となります。
実技教科がどうしても苦手で3しか取れないという人もいるでしょう。そんな内申点が低くなってしまう人は、目安として合格ラインの30点程度上の点数を目指して勉強してみてください。
まとめ
内申点は地域によって計算方法が大きく異なります。しかし、内申点が高い方が高校受験に有利であることは変わりません。そして、内申点を高くするためには、定期テストや授業に積極的に取り組むことが大切になります。
内申点の対象期間は中1から含まれる地域が多いです。中1から勉強や課外活動に前向きに取り組んでみて下さい。そして、ぜひ高校受験を成功させましょう。