高校受験を控えている受験生の皆さん、倍率についてちゃんと理解していますか?
受験の「競争率」である「倍率」ですが、倍率にもいくつか種類があり志望校決定のためにはそれぞれの違いを知っておく必要があります。
また、倍率が高いほど合格が難しいとされていますが、それを聞くと、「それなら倍率1.0未満の「定員割れ」校は、絶対に受かるの?」と気になりますよね。ところがそうとは限りません。本記事では、高校受験における倍率についてわかりやすく解説します。
高校受験での志望校選びに不安を感じている方は必見です!
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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高校受験の倍率とは
受験生にとって、倍率については理解しておきたい重要なポイントの一つです。
倍率には「応募倍率」「受験倍率」「実質倍率」の3つがあり、それぞれ意味や分かる時期が違います。その違いについて確認してみましょう。
応募倍率
応募倍率とは、ある高校に志願する人数と募集人数の比率です。例えば、ある高校の募集人数が100人で、応募者が400人いた場合、応募倍率は4倍になります。
「志願倍率」「出願倍率」と呼ばれることもありますが意味は同じです。
受験倍率
受験倍率とは、ある高校の募集定員数と受験者数の比率です。受験者数は当日まで分からないため受験後に分かる倍率になります。
試験を受けることに決めた後で「他の高校に合格したなど他の進路が決まった」「体調不良で受験できなかった」などの理由により、応募した人の全員が必ず受験するとは限りません。そのため応募者数と受験者数が違う場合は応募倍率との違いができます。例えば、ある高校の定員数が100人で、受験者数が350人であった場合、受験倍率は3.5倍になります。
実質倍率
実質倍率とは、受験者の中で、実際に合格した人数と受験者数の比率です。例えば、ある高校の合格者数が90人で、受験者数が270人であった場合、受験倍率は3倍になります。
合格基準点に達した受験生が定員数に足りなかった、逆に点数が同じで優劣が付けられない複数の受験生を全員合格させたといった場合は定員と合格者数が変わります。もちろん元々受験者数が定員数よりすくないいわゆる「定員割れ」といった場合にも合格者数と定員数は変わります。
ほかにも私立高校など、併願でほかの高校に進学するため辞退する受験者数を見込んで定員数より多めに合格させる高校もあります。
「志願先変更制度」を理解しよう!
もし自分が受験しようとしている第一志望校の応募倍率が高くなり、合格できるか不安になったらどうすればいいのでしょうか?
その場合、「志願先変更制度」を利用するのも方法の一つです。
応募倍率によっては受験校を変更できる
志願先変更制度は、受験生が願書提出後に受験する学校を変更できる制度です。志望校の応募倍率を見てから受験する高校を変更できるため、合格の可能性を上げられるメリットがありますが、全ての都道府県が実施しているわけではありません。
また、実施している場合でも変更期間や条件に制限があるため、自分の受験する地域で実施しているかどうかと条件について確認しておきましょう。
倍率1.0倍未満の「定員割れ」高校は絶対に受かる?
高校受験で気になるのが、志望校の倍率です。中でも倍率1.0倍未満の「定員割れ」高校であれば絶対に受かるかどうか不安に感じる人も多いでしょう。しかし、倍率1.0倍未満でも、絶対に受かるとは言い切れません。
絶対とは言い切れない
「定員割れの高校であれば絶対受かる」とは言い切れません。
なぜなら高校受験はその高校に合った生徒を入学させるため、定員までなら誰でも入学させたいわけではなく人間性や学力レベルを合格の基準として持っているからです。そのため、定員割れでも高校が設定した合格水準に達していなければ不合格になる可能性はあります。
倍率より偏差値をみて志望校を決めよう
倍率はもちろん志望校を決める参考にするべきですが、倍率はその年によって変化するもののため、倍率だけを参考にした受験校の決定は危険です。
また、定員割れであれば必ず合格するとも限らないため、「合格水準に達していなければ不合格になる」ということを忘れずに、自分が受験しようとしている高校の偏差値が自分の学力で合格できるレベルなのかを考えて志望校を決めましょう。
倍率を数年分確認するべき理由とは
志望校の倍率を数年分確認しておくべき理由は、その年によって倍率は変化するためです。
一般的に、倍率が高い学校ほど合格するのが難しくなります。しかし、倍率はその年の応募者数と定員数に基づいて算出されるため年によって異なります。
例えば、ある学校が高い大学進学率を誇り評判が上がると、その学校を受験する人が増えます。すると、倍率が上がってしまいます。逆に、学校の評判が下がり受験者数が減ると、倍率が下がる場合があります。
ほかには教育課程や入試の科目、難易度の変更によって受験者数や倍率に影響が出る場合があります。
このようにいくつかの原因で倍率が変化する場合があるため、数年間の倍率推移を確認する必要があるのです。複数年分の倍率を確認することで、ある程度自分が受験する年度の倍率の予測ができます。
まとめ
倍率が低ければ合格しやすいのは事実ですが、倍率だけで受かるかどうか決めるのは危険です。倍率はあくまで一つの指標であり、学校の偏差値や難易度、自分自身の実力を総合的に判断する必要があります。
また、倍率が低いからといって、その学校が自分に合った学校とは限りません。合格した後はその高校に3年間通い、多くの時間を過ごします。自分に合った学校を選ぶためには、単に倍率だけでなく、偏差値や進学実績・カリキュラム・部活動なども考慮に入れ、自分に合った学校を見つけることが大切ですよ。