記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
☆知らないと損する「小論文やっていはいけないNG動画」を無料プレゼント中!
尾道市立大学 芸術文化学部 日本文学科の小論文対策
【令和5年度 学校推薦型選抜(事前提出)】
次の文章を読んで、後の問に答えなさい。
課題の要約文です。
日本人が風景や景色を特定の場所として感じ、それが記憶に基づいて再現できる「格別の場所」を求めるトポフィリアの原則があります。この視点から、風景は単なる場所ではなく、記憶の象徴であり、古代中国や日本では「景気」と呼ばれる風景の力が重要視されました。この文脈で、日本の風景は「景気」に満ちた特定の場所として独自の存在感を持っていました。
日本の風景は、トポフィリアや風景の見方が特有であり、山水画の歴史は国見や風水などの見方を背景に発展してきました。国見は高所から一望できる場所を重視し、風水は地形や気の流れを計測して場所の特性を評価する方法でした。これらの見方は、風景や場所を選定し、評価する際に重要な役割を果たしました。
また、水墨山水画の歴史は、筆、墨、水、紙を使用した特有の技法である水暈墨章によって支えられています。この技法が発展しなければ、東洋における山水画の誕生はありえなかったでしょう。水暈墨章は、筆と墨と水と紙の融合によって特有の表現が可能となり、東アジアの山水画が生まれる土壌となりました。
出典:松岡正剛『山水思想「負」の想像力』による
問一 筆者の考えを踏まえ、「日本における風景感覚」というテーマであなたが考えたことについて、具体例を挙げて論じなさい。(八〇〇字以内)
問二 課題文を参考にした場合、どのような研究あるいは創作が可能であると考えますか。現在、あなたが尾道市立大学日本文学科で学びたいと考える内容と関連づけて具体的に述べなさい。(四〇〇字以内)
ポイント
出題意図
・説明的文章の基礎的な読解力をみる。
・日本文学を学ぶにあたって基本となる日本人の思想に対する関心や論理的思考力、文章表現力をみる。具体的には、日本における風景感覚に関する課題文を読み、内容を踏まえた上で、自分自身の知識や経験に関連づけて日本の文学および文化についての論を展開することができるかを問う。
・課題文に関連づけた研究あるいは創作の可能性をわかりやすく説明できるかを問うと同時に、本学での学びに向 けての意欲を測定する。
<尾道市立大学の公開内容からの引用>
小論文過去問題解説
問一: 「日本における風景感覚」について考える際、日本の風景や場所が独自のトポフィリアに基づいて特別な意味を持つことが挙げられます。例えば、日本庭園の美しさや神社仏閣の建造物が自然と調和している様子は、風景が日本文化や歴史と深く結びついていることを示しています。また、四季折々の風景が日本の感性に影響を与え、桜の花見や紅葉狩りが風景に対する特別な意味を形成しています。これらの例を挙げながら、日本人が風景を感じる独自の枠組みや美意識に焦点を当てることができます。
問二: この課題文を参考にして、日本の風景感覚に関連する研究や創作の可能性について考えることができます。例えば、日本の文学や美術、建築において風景がどのように表現され、人々の心に響くのかを深掘りする研究が考えられます。また、自らの体験や感情を通じて、日本の風景に触発された独自の作品や詩を生み出す創作も可能です。これにより、文学科で学びたい内容として、日本の文学や文化に対する理解を深め、その魅力を研究や表現を通して広める意欲を示すことができます。
尾道市立大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
広島県尾道市久山田町1600-2 | JR山陽本線「尾道」駅からバスで20~40分 「尾道市立大学」下車 JR山陽新幹線「新尾道」駅からバスで約15分 「尾道市立大学」下車 |
【尾道市立大学】のHPはこちら
尾道市立大学の入試傾向
尾道市立大学の入試傾向については、以下のような特徴があります。
尾道市立大学は芸術文化の向上と産業の活性化に貢献する人材を育成することを目指しており、その観点から入試においては専門的な知識やスキルの習得が強調されます。
特に、美術学科など一部の学科では実技試験が行われており、これは共通テストよりも高い配点率が設定されています。実技試験においては、共通テストと同様に徹底的な対策が求められ、試験に臨む学生は作品制作やデッサン、彩色表現などの技術を向上させることが重要です。
入試科目には英語、数学、国語などが含まれており、これらの科目では基本的な知識やスキルの確認が行われます。英語の場合、前期日程で必須科目となり、出題難易度が標準レベルであることから、基本事項の確実な定着が必要です。数学や国語においても、出題範囲が広いため、幅広い勉強が求められます。
さらに、一般的な入試傾向として、共通テストと個別学力検査の結果が総合的に評価される場合があります。このため、学生はそれぞれの科目において共通テストと個別学力検査に適切に対策を講じ、トータルで高い点数を獲得する必要があります。
尾道市立大学の募集コース
募集要項はこちら
入試情報はこちら
経済情報学部 経済情報学科(定員数:200人)
広い視野と柔軟な思考能力を身につけ、経済界、自治体などの地域社会に積極的に貢献できる人材を養成する。
1・2年次では、英語力やコンピュータ・リテラシーを高める教育に重点を置き、経済系、経営系、情報系の基礎科目をバランスよく学ぶ。1年次と3・4年次では、個人指導を重視したゼミナール教育により、分析能力と知的創造力を高める。
主要専門科目には、マクロ経済学、社会保障、公共経済学、情報ネットワーク、情報システム設計実習などがある。
また、コンピュータ設備によるキャンパス内外での情報ネットワークが構築されていて、研究や他大学との情報交換などに対するバックアップ体制が整えられている。
芸術文化学部(定員数:100人)
日本文学科(定員数:50人)
日本文学科では、日本語・日本文学を中心とした幅広い知識・教養を身につけ、客観的思考力や豊かな感性を磨く。日本語や日本文学についての基礎的知識を学ぶとともに、基礎演習・専門演習などの演習発表により、客観的思考力と的確な表現力を養う。
美術学科(定員数:50人)
美術学科では、画家やデザイナーなど、専門的に創作活動に携わる人材を育成。日本画・油画・デザインの3コースがある。1年次は全員、日本画・油画・デザイン・基礎実技を学び、2年次で希望するコースを選択する。
・日本画コースでは、日本画制作はもとより、デッサンや古典模写などの課題を通して、画材や素材への理解を深め造形感覚を修得していく。
・油画コースでは、さまざまな描画材料によるデッサン、ドローイングおよび油彩の実習を通じ、表現者として自立していくための基礎を学ぶ。
・デザインコースでは、充実した実習・工房設備でさまざまな技法を修得する。2年次より、グラフィックデザイン、アドバタイジング、イラストレーション、映像デザイン、造形デザイン、クラフトデザインの6つの研究室に分かれて学ぶ。