【合格体験記（秋田大学 医学部 医学科）】旬さん、命と向き合う学びの中で学びの先に見えた命の尊さ

医学の土台を築く2年生の学び

2年生になってからの学びは、1年生のときに学んだ基礎の知識のうえに、さらに深く積み上げていくような感覚です。心臓の拍動を生む刺激伝導系、肝臓の代謝や解毒のしくみ、筋肉を動かす仕組みなど、どれも人間の生命活動を支える精密なシステムです。
それぞれの臓器がどのように関わり合っているのか、そしてそのバランスが崩れるとどのような病気になるのか、学びながら人間の身体の繊細さに日々驚かされています。

命と向き合う「解剖学実習」

2年生の大きな学びのひとつが「解剖学実習」です。ご本人とご家族のご厚意によって献体されたお体を使って、実際に人間の身体の構造を学ばせていただきます。
実習の前後には黙祷を行い、感謝と敬意の気持ちを持って臨みます。単に構造を学ぶだけでなく、「命に向き合う姿勢」を育むとても大切な時間です。
実際のお体を通して見ることで、教科書ではわかりづらかった筋肉や神経、血管の位置関係が一気に理解できるようになります。神経と筋肉のつながりを知ることで、障害が起きたときの症状もイメージしやすくなり、学びがよりリアルなものになります。

顕微鏡の先に広がる「組織学」の世界

組織学では、臓器や皮膚の細胞を顕微鏡で観察し、スケッチを行います。400倍に拡大しても小さく見える細胞たちが、私たちの身体を構成していることにとても驚きました。
染色された細胞の色や形を観察することで、目には見えない世界に少しずつ近づいていく感じがします。後期からはこの組織学で得た知識をもとに、「病理学」で病気による変化について学びます。点と点だった知識が線になって繋がる瞬間が、医学を学んでいて一番好きな瞬間です。

初心を忘れず、後輩とともに

2年生になって、部活には新しく1年生が加わり、自分も「先輩」と呼ばれる立場になりました。
1年前、右も左もわからなかった自分を支えてくれた先輩たちのように、今度は自分が誰かの不安を少しでも和らげられるように力になりたいと思っています。
新しく始めたスポーツでも、少しずつ知識や技術が身につき、試合で点を取れるようになってきました。1限から5限までの講義やアルバイトとの両立は簡単ではありませんが、勉強も部活も真剣に取り組み、「やりきった」と言える学生生活を送りたいと思っています。

医師への道のりの中で

2年生の学びを通して、改めて人体の精密さと命の重みに気づかされました。これからも覚えること、学ぶことは山ほどありますが、患者さんの役に立てる医師になるために、一歩ずつ前に進んでいきたいです。
医学に真剣に向き合う時間を大切にしながら、これからも人の命に誠実に向き合っていきたいと思います。