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静岡大学人文社会科学部・法学科の概要
静岡大学人文社会科学部・法学科では、法律学と政治学の幅広い学習を通して、現代社会で生じるさまざまな事件や事象を読み解き、解決する力を養うことを、その教育の目標としています。平和の中で自由に幸福を追求するという、私たちひとりひとりが持っている権利を実現するために、何が障害となっているのか。こうした障害は法的に、政治的にどのように解決できるだろうか。4年間の学習を通じて、学生がこうした問いに答えを出すための知力を身につけることをめざしています。
模擬裁判
平成30年度で63回目を迎える模擬裁判実行委員会は歴史あるサークルです。活動目的は模擬裁判の公演で、大学祭では毎年公演を行います。また、公演がない時期は裁判劇で扱うテーマを皆で決めて、そのテーマに沿った勉強会を週に1回行っています。平成24年度は温情判決の是非をテーマとして活動しました。介護疲れから老母の同意のもとに息子が同意殺人を行うという行為につき、その評決に当たり、そこに温情的な考慮を入れるべきなのか、それは不公平なのではないかという議論を、裁判員・裁判官による評議の中で闘わせました。近年起きた同様の事件の裁判において、その事件の悲惨さ・親子の互いを思う気持ちから、法廷中の涙を誘ったと言われており、そこから「だからといって温情判決により軽い刑罰を科す事が正しいか?」という疑問が生まれ、疑問を追究していき、最終的に模擬裁判に仕上げました。模擬裁判の様子については、“静岡大学模擬裁判website”をご覧ください。
*(参照)大学の公式HP→ 静岡大学人文社会科学部・法学科
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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後期 静岡大学人文社会科学部・法学科(昼)
2022年 90分 800字 400点/1000点(文)
[文章](出典)最上敏樹著「世界隔離を終えるとき」(村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる 一 私たちの提言』 岩波書店,2020年)
問1 下線部(1)「《境界》というものの不自然さあるいは非機能性」について、《境界》というものがなぜ「不自然」あるいは「非機能」的なのか。問題文で著者が述べていることを、100字以内でまとめなさい。(配点20%)
問2 下線部(2)「この危機を戦争になぞらえる、《戦争の隠喩》」について、筆者は新型コロナウイルスがもたらす危機を戦争になぞらえる《戦争の隠喩》に対して批判的である。それはなぜか。問題文で著者が述べている理由を、100字以内でまとめなさい。(配点20%)
問3 問題文において、筆者は「世界隔離の構造」(下線部(A))を批判する見解を示している。著者の見解について、あなたはどのように考えるか。筆者がなぜそのような見解をとるのか、その理由について問題文で述べられているところをふまえつつ、600字以内で論じなさい。なお、世界隔離の構造を検討する際は、新型コロナウイルス感染症以外の問題を扱ってよい。(配点60%)
2021年 90分 850字 400点/1000点(文)
[文章](出典)大西裕著「ネット選挙と区割り問題と選挙管理ミスと」(『書斎の窓」626号,2013年)
問1 下線部①「次の三つの事柄」について、本文の内容を100字以内でまとめなさい。(配点20%)
問2 筆者の指摘している、下線部②「制度設計の問題」について、本文の内容を150字以内でまとめなさい。(配点20%)
問3 下線部③「「審判」はもう少し主体的に行動してもいいはずだし、海外の制度はそれを許容している」の「主体的」な選挙管理委員会のあり方について、筆者が指摘している海外の事例を参考にしつつ、あなたの考えを600字以内でまとめなさい。なお、本間は具体的に我が国の政治制度や法制度の知識を問うものではない。(配点60%)
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2020年 90分 850字 400点/1000点(文)
[文章](出典)橘木俊詔著『新しい幸福論』(岩波新書,2016年)
問1 下線部①「機会の格差」とは何かを、本文を参考にしながら100字以内で説明しなさい。(配点20%)
問2 下線部②「なぜ機会の格差を考慮することが大切であるか」について、筆者の考えを150字以内でまとめなさい。(配点20%)
問3 本文中で指摘されている日本での貧困の問題状況などを踏まえ、日本での機会の格差ないし不平等についてとうすべきだと考えるか、例を挙げながらあなたの考えを600字以内で説明しなさい。(配点60%)
2019年 90分 850字 400点/1000点(文)
[文章](出典)伊藤亜紗著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書,2015年)
問1 下線部(1)について、「見えない人のイメージを固定してしまう」とはどのようなことか。本文で述べられているところを100字以内で説明せよ。(配点20%)
問2 下線部(3)について、「その善意はすれ違ってしまう」のはなぜか。本文で述べられているところを150字以内で説明せよ。(配点20%)
問3 下線部(2)について、「それではますますディスコミュニケーションが深まってしまいます」と述べられているが、ディスコミュニケーションが深まる原因について本文で述べられていることを踏まえたうえで、その解消法について自身の考えを600字以内で述べなさい。(配点60%)
2018年 90分 850字 400点/1000点(文)
[文章](出典)ホセ・ヨンパルト著『道徳的・法的責任の三つの条件』(成文堂,2005年)
問1 下線部(1)について、「この責任のとり方の違い」とはどのようなことか。本文に述べられているところを150字以内で説明せよ。(配点20%)
問2 下線部(2)について、自分に対するものとしてのみ考えるという責任というものが理解され得ないのはなぜか。本文で述べられているところを100字以内で説明せよ。(配点20%)
問3 下線部(3)「日本人の特性や・・・異なっているためであることが分かるであろう」について、日本人と他国の人の責任感に関する特性の共通点・相違点として本文で述べられていることを踏まえたうえで、日本人の責任感に対する筆者の分析についての自身の考え方を600字以内で述べなさい。(配点60%)
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静岡大学人文社会科学部・法学科への志望理由書や面接対策として理解を深めておくと良い事柄など
静岡大学人文社会科学部・法学科への志望理由書や面接対策において、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
志望理由書:
- 法学に対する興味や動機を具体的に語る:
- なぜ法学を学びたいのか、その背景や理由を詳しく説明します。自身の法学に対する興味や疑問、法律が持つ社会的な重要性に触れましょう。
- 学科・学部の特徴と自分の目標との関連性を示す:
- 静岡大学の法学科のカリキュラムや研究領域について調査し、それが自分の学びたい方向や将来の目標にどのように寄与するかを具体的に示します。
- 法学に関連する経験や興味深い事例を挙げる:
- 法学に関連する活動や読書、実際の法的な出来事について触れ、それが自分の法学への関心を深めた事例を挙げましょう。
- 将来のキャリア目標と学科選択の関連性を述べる:
- 将来の職業や研究キャリアにおいて、どのように法学の知識やスキルを活かしたいのか、具体的に語ります。これが学科選択の意味や将来への布石となると良いです。
- 自己分析と成長への意欲を示す:
- 自分の法学への適性や強み、さらなる成長への意欲について自己分析を行い、これをどのように活かしていくかを示します。
面接対策:
- 自己紹介と法学への志望動機を明確にする:
- 簡潔かつ明確に自己紹介を行い、なぜ法学を学びたいのかを強調します。これは志望理由書で触れた内容と整合性があるようにします。
- 法学に関するプロジェクトや実績について詳しく語る:
- 過去のプロジェクトや実績について、具体的な説明を行います。法学に関連する活動や経験があれば、それについても語りましょう。
- 学科や研究についての質問に備える:
- 学科や研究領域に関する質問に備え、自分がどのように学びたいか、どのような研究に興味があるかを具体的に語ります。
- 将来の目標について質問された場合の準備:
- 将来の目標や志望するキャリアについての質問に備え、法学の学びがそれにどのように寄与するかを具体的に語ります。
- 法学に関する社会的課題への理解を示す:
- 法学が抱える社会的課題についての理解を示し、それに対する自分の考えやアプローチについて述べます。
これらのポイントを考慮して、自分の熱意や適性を伝えることができる志望理由書や面接対策を行いましょう。
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まとめ
過去問題における傾向を把握しながらも、それらの問題と関係性の深い事柄についても調べるのが良いでしょう。また、出題の題材として、一見、全く違う分野の問題だと思えるような題材が取り上げられることにも気づいたのではないでしょうか? 他分野のことがらに関しても見聞を広げるのはもちろん意義がありますが、それよりも、共通のテーマや意味合いを見つけることに意識を注ぎましょう。「抽象度を上げて、応用する」という感覚です。志望の学部や学科が扱う分野に関わりの深いテーマはもちろん、時事情報なども関連させて考えを深めるとより良いでしょう。