【推薦入試】都留文科大学 教養学部 学校教育学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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都留文科大学 教養学部 学校教育学科の小論文対策

[令和5年度学校推薦型選抜(一般) 90分

設問 課題文を読んで、以下の設問に答えなさい。

課題の要約文です。

前思春期から思春期にかけての子どもたちの発達において、「みんな仲よく」から始まる指導があるが、高学年になると「ギャングエイジ」と呼ばれる時期が現れ、性別や趣味に基づいた緊密な仲間関係が形成される。映画『ドラえもん』の仲間関係が「ギャングエイジ」を象徴し、この時期の特徴として「同じ」を共有することが強調される。しかし、最近の子どもたちは「ギャングエイジ」的な仲間集団が減少しており、塾や習い事に時間を費やすことが増えている。これにより、子どもたちの自己確立や社会的な経験が不足し、思春期における自信の不足や自己否定感が強まっている可能性がある。

思春期は身体的な発達だけでなく、社会的な広がりも大きな要因となる。親や教師に依存せず自己選択や判断を求められ、部活動や進路選択などで自主的に行動する機会が増加する。これにより、子どもたちの可能性が広がり、思春期には「なにかをやってみよう」という思いが生まれる。この状態はしばしば「中二病」と呼ばれ、自己確立のための重要な経験であるとされている。誇大な傾向による「向こう見ず」は成功や挫折を経験させ、失敗から学ぶことが大切であると説明されている。

しかし、最も重要なのは失敗や挫折から得た経験をもとに自分にできることを選び、できないことを捨てることで可能性の幅を絞り込むことである。このプロセスにより、自己確立が進み、将来の方向性が具体化される。文章は前思春期から思春期にかけての子どもたちの発達や経験に焦点を当て、現代の状況や課題に触れつつ、思春期が自己確立の重要な時期であることを強調している。

出典:成重竜一郎『不登校に陥る子どもたち「思春期のつまずき」から抜け出すためのプロセス』(二〇二一年合同出版) ただし一部を改変した。


設問一 傍線部アで、筆者は、「ギャングエイジ」の仲間関係と述べていますが、それは、どういうことですか。 課題文に即して、二〇〇字以内で説明しなさい。

設問二 傍線部イで、筆者は自分にとってできることを選び、できないこと捨てることによって自身の可能性を選別し、将来を具体化させていくと述べていますが、これについて、あなたはどう考えますか。課題文を踏まえながら、あなたの考えを、自分の体験や見聞を交えて六〇〇字以内で述べなさい。

ポイント

出題意図

設問1 課題文を正確に読み取り、それに基づいて文章を構成する力が備わっているかを見る設
問である。「ギャングエイジ」の定義とその前提条件を本文中の言葉から捉えて、精度の
高い文章で記述したものを高く評価した。

設問2 筆者の主張を踏まえて、適切な事例を挙げて、論旨の通った文章で記述しているかを問う
設問である。「自分にとってできることを選び、 できないこと捨てること」の具体や、「自
身の可能性を選別する」 ということについて触れていて、それにふさわしい体験や見聞を
事例としながら、論理的な文章構成で述べたものを高く評価した。


【講評】
設問1 解答は概ね出題意図を踏まえたものであったが、「仲間関係」 の説明のみに終始したもの
や、本文中の文言を羅列するに留まり、 文章構成力に欠ける解答が散見された。


設問2 自分の体験や見聞を根拠としながら 「自身の可能性を選別する」ことについて述べた解答
が多く見られたが、出題ポイントである 「将来を具体化させていく」ということにまで踏設問
み込んで、具体的に述べられた文章は少なかった。

都留文科大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

設問一: 「ギャングエイジ」の仲間関係については、課題文で述べられている通り、「同じ」を共有することが前提となり、仲間内での秘密や共有できる遊びが重要視される時期であると理解できます。この時期の仲間関係は、前思春期の緩やかなつながりから、性別や趣味による選別された緊密な集団に変化し、個々の違いや共通点がより意識される時期です。この独自性と集団の結束が、思春期の子どもたちにとって重要な社会的な経験をもたらしていると言えます。

設問二: 筆者が述べているように、自分にできることを選び、できないことを捨てることで自身の可能性を選別し、将来を具体化させるプロセスは重要であると考えます。この行動は、自分自身の強みや興味に焦点を当て、有限なリソースを最大限に活用することを意味しています。自分の適性や関心領域を見極め、それに基づいて選択することで、将来の方向性をより具体的に描くことができます。

この考えに賛同する理由として、私自身の経験を挙げることができます。例えば、学業や趣味、キャリアにおいても、自分の強みや興味を軸にして進むことで、より充実感を感じることができました。失敗や試行錯誤もあったかもしれませんが、それが私の成長と学びに繋がりました。

また、課題文で触れられたように「向こう見ず」な考え方が、失敗や挫折を経て大きな成果を生むこともあります。これは冒険心や挑戦の意欲から生まれるものであり、その中で得られる経験が、自分をより深く理解し、自己確立を助けてくれると考えています。

要約文の内容や筆者の立場に共感すると同時に、自身の経験を通してその理論を支持する具体例を挙げ、論理的かつ説得力のある回答を心がけることが大切です。

都留文科大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
山梨県都留市田原3-8-1富士急行線「都留文科大学前駅」下車、徒歩5分

都留文科大学のHPはこちら

都留文科大学の入試傾向

都留文科大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

都留文科大学の入試は、各学科ごとに異なる傾向があります。それぞれの学科では、異なる能力や知識が求められるため、対策も適切に選択する必要があります。

例えば、英文学科では英文読解力や英語表現力が重視されます。これに対処するためには、様々なジャンルの英文に触れ、リーディングスキルを向上させることが重要です。また、比較文化学科では政治・経済・社会に関する問題が出題され、論理的思考が必要です。これに対しては幅広い知識を身につけ、論理的な思考力を高めることが有益です。

国文学科では、現代文、古文、漢文の3つの分野から出題され、文学の理解と解釈が求められます。これに対処するには、日常的な読書や文学作品の鑑賞を通じて、豊かな言葉の理解を深めることが有益です。

国際教育学科では現代の社会問題に関する英文を理解し、論理的な英語表現力が必要です。これに対する対策としては、国際情勢や社会問題に関する幅広い知識を得つつ、論理的な英語表現を養うことが挙げられます。

学校教育学科や地域社会学科では小論文試験があり、文章の分析力や論理的な考察が問われます。これに対処するためには、幅広い教養や社会問題について理解を深め、文章力と論理的構成力を向上させることが必要です。

総じて、入試対策は単なる試験勉強だけでなく、幅広い知識と論理的思考力を養うことが不可欠です。日頃から積極的に学び、自分の考えを明確に表現できる力を養っておくことが、都留文科大学の入試での成功につながります。

都留文科大学の募集コース

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文学部(定員数:240人)

国文学科 (定員数:120人)

国文学第一演習IV(近世)で近世文学の多様性に触れる

近世文学とは基本的に江戸時代の文学を指します。国文学第一演習(近世)では、井原西鶴らによる連句『俳諧虎渓の橋』および竹田出雲等作の浄瑠璃『菅原伝授手習鑑』『寺子屋』の丁寧な注釈作業を通じて、近世文学作品研究のために必要な知識、調査の手順を身につけます。

英文学科 (定員数:120人)

World Englishes I・IIで各国独自の英語を理解する力を身につける

英語の歴史、現在の使用の状況、世界全体での変種の広がりなどについて知り、英語という言語を体系的に学びます。母国話者(英語を母国語とする人)を対象として書かれた資料を読み、「標準」英語とは何か、「母国話者」とは誰か、という根幹的な議論を行い、英語が主要な世界語とされる考えについても分析します。

教養学部(定員数:490人)

学校教育学科 (定員数:180人)

「教育原理」は学校教育学科の必修科目で、1年生全員が前期・後期にわかれて受講します。教育史に関する資料を自分で読み取り、解釈することを大切にしています。ロックやルソーなどの思想家がどう社会のあり方と関わり教育のあり方を構想したか、という視点で彼らの思想に改めて出会うことも授業の面白さのひとつです。

地域社会学科 (定員数:150人)

アクティブラーニングで4つの力を鍛錬する

さまざまな人々と一緒になって問題解決に向けて活動するためには、地域理解力、構想力、行動力、そして協働力が必要です。確かな力を育むため、1年次から実践的能力を重視し、グループディスカッションやディベートなど、アクティブラーニングも積極的に導入しています。

演習(自治体経営論)I~IVで地域の現状を自分の目で見て、課題と解決策を考え、実践につなげる

少子高齢化・人口減少が進む地方で持続可能な社会を築くためには、これまでの公と民のあり方を見直し、互いに連携し合って、私たち一人ひとりが社会へ主体的に参画していくことが必要です。「演習(自治体経営論)」では、対象となる地域を訪れ、自治体や市民と連携して実践していきます。

比較文化学科 (定員数:120人)

「共生社会論」では異なる文化の出会いの場を意味する「コンタクトゾーン」に着目し、異文化に属する人々が互いの存在を「了解」することがいかに可能かを、特に移民・外国人の視点から考えます。多文化共生がどのようなことを意味するのか、米国・ロサンゼルスの日系人移民社会や日本とブラジルの交流史などを学びます。

国際教育学科 (定員数:40人) 

「ATL」とは国際バカロレアの中で使われる用語であり、「21世紀スキル」と呼ばれるような、コンピテンシーや社会性スキルを、いかに教科教育の中にしみ込ませ、子どもたちに教えていくかというティーチングのノウハウを学ぶ授業です。アクティブラーニングを活用しながら様々なスキルを向上させるための授業を学びます。

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