大学の志望理由書の例文は?例文から文章構成とテクニックを解説!

大学受験

おそらく大学受験時に初めて書くことになる「志望理由書」、何を書いたらいいのか分からないとなんとなく不安ですよね。

志望理由書で大学側に伝えたいことは、

「過去の自分→今の自分→『この大学に入学することで繋がる』将来の自分」のストーリー

です。

この記事で大学受験の出願時に提出する、いわば「プレ受験」とも言える「志望理由書」にどんなことを書いたらよいのか、例文を用いながら1つ1つ説明していきます。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

この記事を読めば、「なんとなく不安」な「志望理由書」についてはっきりとイメージできますよ。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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大学の志望理由書を書く目的とは?

大学受験で志望理由書に求められているのは、「『なぜ』この大学で学びたい、学ぶ必要があるのか」です。

そのままですね(笑)。

しかし、あなたのことを何も知らない大学側に、顔も見えない状態で説得力をもって「なぜ」を伝えるにはいくつか必要なポイントがあります。

大学にこれまでの実績・経験を伝える

大学に「過去→今」の自分を伝えます。

高校時代にどんなことを頑張ってきたか、どんな実績を出したかについて志望理由書に書きます。

この時のポイントは、「何をしたか」「何を得たか」を具体的に書くことです。

面接に「コンピデンシー面接」といった手法があります。

受験者の言葉ではなく、過去の出来事に対して取った「行動」「成果」から見えるその人の「行動特性」からその人がどんな人かを判断するという手法です。

同じ部活でも「○○部で練習を頑張りました」と、「○○部でコンクールに入賞するためにパート練習を自主的に行うことを呼びかけ、それぞれの苦手な部分を教え合うことにした結果予選を通過できました」ではだいぶ印象が違いますよね。

具体的に書くことで、間接的にあなたがどんな人なのかを伝えましょう。

面接でも志望理由は聞かれますので、志望理由書との一貫性がなくならないようにここであらかじめしっかり自己分析をしておきましょう。

大学に入って何をしたいかを伝える

次に、大学に「自分の求める将来には『この大学』に入ることが必要である」ということを伝えます。

大学側に、「この生徒の描く将来にはうちの大学が必要なんだな」と理解してもらうことが目的です。

ここで「この生徒のやりたいこと、うちの大学では難しいな」「よその大学でもいいのではないか」というようなことを書いてしまうと、その大学に対する理解不足ということでマイナスの印象を与えてしまいます。

志望大学に対する基本知識・理解のないまま見当違いな志望理由を書いてしまわないよう、大学のホームページやパンフレット、募集要項などをあらかじめよく読んでおきましょう。

自分の目指す将来の方向と志望大学・学科が繋がるようなことを探してくださいね。

志望理由書の文章構成は?

したがって、志望理由書の文章構成は

  1. 今の自分
  2. 将来の自分
  3. この大学を選んだ理由
  4. この大学で何を学びたいか
  5. 大学で学んだ結果をどんな将来に活かしたいか

の流れになります。

まずは志望理由と自分の将来像を書く

志望理由書では、まず

今までどんなことをしてきたか(どんな立場で、どのように行動した結果、何を得たか)

今までの経験を踏まえ、どういう将来の方向性を望んでいるか

を書きます。

例文にすると、

例文:「私は高校時代月に2回、塾に通う費用のない小学生に勉強を教える市のボランティアに参加していました。小学生の子供たちそれぞれが勉強につまずいている箇所に合わせて、イラストを描いたり例を挙げたりして説明した結果、私の参加する曜日に合わせて来てくれる子供たちが増えてきました。そのことから、将来は教育関係の仕事にたずさわりたいと思うようになりました。」

のようになります。

次に自分の体験談を交え志望理由のきっかけを書く

次に、自分の経験・将来像をふまえ、「なぜこの大学を選んだか」を書きます

例文:「ボランティアの経験から、より分かりやすい説明や、子供1人1人に合った教え方があるということに興味がわきました。大学説明会に参加させていただいて、貴学の地域と連携した児童教育プログラムの研究に興味を持ち貴学に魅力を感じました。」

最後に大学で学びたいことを書く

最後に、「この大学で自分の将来像に繋げるために学びたいこと」について書きます。

例文:「私は貴学の教育学科に入学し、特に児童教育や障害児教育について学びたいと思っています。また、貴学で行われている地域との連携、特に教育ボランティアの派遣や教育プログラムの研究にも関わりたいと思っています。」

この時、学びたいことが将来像の方向性とずれないように注意してくださいね。

書き方のテクニックの例文集

志望理由書に書く内容について、より説得力を持たせるためのテクニックに「大学の求める学生像に沿う」「その大学でしかできないことを書く」というのもあります。

大学の求める学生像を意識した例文

大学には、その大学の特色や教育方針に沿った、「大学側の求める学生の募集方針」(アドミッションポリシー)があります。

一例として、最高峰である東京大学のアドミッションポリシーを見てみましょう。

東京大学が求めているのは、本学の教育研究環境を積極的に最大限活用して、自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生です。何よりもまず大切なのは、上に述べたような本学の使命や教育理念への共感と、本学における学びに対する旺盛な興味や関心、そして、その学びを通じた人間的成長への強い意欲です。

(東京大学ホームページhttps://www.utokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_01_17.htmlより引用)

アドミッションポリシーは募集要項や大学のHPに記載されています。

わざわざアドミッションポリシーを記載しているということは、大学側は「求める学生像に沿った学生を合格させる」ことを重視しているといえます。

ここは志望理由の中でしっかり押さえておきましょう。

東京大学のアドミッションポリシーであれば、「主体的に学ぶ」「人間的成長への強い意欲」などになりますね。

例文:「私はボランティアの活動外でも図書館で本を読んで勉強したり、運営している方に事例についてお話を聞いたりして、より良い指導法がないか学ぶようにしてきました。」

といったような文章を志望理由書の中に織り込むことで「私はこの大学の求める『主体的に学ぶ』人物ですよ」というイメージを間接的に与えることができます。

その大学でしかできないことを具体的に書いた例文

「この大学が自分の将来において必要である」ということを最も良く伝えるには、「その大学でしかできないこと」を志望理由書に取り込むのが有効です。

例文:「貴学はデータサイエンスの授業にも力を入れており、教育学とデータ分析を合わせて学ぶことで、将来教育関係の職に就く時に役立てていきたいと思っています。」

私の身内が受験した際は、志望大学のある教授の研究内容に強く興味を持っていたためその内容をゼミで学びたい、といった理由を書いていました。

これだとその教授はその大学にしかいない訳なので説得力がありますよね。

まとめ

志望理由書はある意味「誰でもベストな状態で挑める受験科目」です。

だからこそ、熱意がない適当に書いた文は悪目立ちし、良くない印象を与えてしまいます。

また、志望理由書はあなた本人の前に、大学側の目に最初に触れるものでもあります。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

しっかり準備をして、好印象で受験のスタートを切りましょう!

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