(後期)【山梨県立大学看護学部】小論文・過去問題特集

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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(後期)【山梨県立大学看護学部】小論文・過去問題特集|傾向・対策・予想問題まで完全解説

山梨県立大学看護学部の概要

山梨県立大学看護学部では、全員が看護師国家試験受験資格を取得できます。また選考によって、養護教諭一種免許状、保健師国家試験受験資格を取得できます。なお、令和4年度入学する学生たちからは学部内での助産師の養成はなくなりますが、助産師の養成が途絶えることがないように、助産学専攻科の開設を検討しています。

看護学部のカリキュラムは人間存在領域、哲学・倫理領域・科学・研究領域、実践領域の科目から構成され、1年生から積み上げて最終的に統合されていく構造になっています。また4年次では、卒業後の自己の専門領域を意識して学修する科目が位置付けられています。

大学生活では、1年生から4年生まで各10人、計40人程度を複数の教員が担当するチューター制を取っており、学修支援、生活や就職相談などを行います。学年を超えた学生間の交流も活発です。学生たちは本学部の特徴を「学生と教員の距離が近いこと」と言います。学生たちがさまざまな能力を身に着けられるよう、積極的に支援しています。

看護学部概要

(看護学科)定員:100名

(教育理念・目標)人間や社会を看護学的に探究する能力と、看護の対象への「科学的知」と「哲学・倫理的知」とをもって看護実践に貢献できる能力を啓発します。さらに、専門的職業人としての豊かな人間性を育成します。学問的探求心を持ち、看護学の発展に貢献できる看護実践者を育成します。倫理的視点と科学的思考により、自己の考えや行動を決定し発展させることができる高い資質を持った看護実践者を育成します。保健・医療・福祉のチームの一員として協働し、指導者となる看護実践者を育成します。社会の動向や人々の関心を察知し、医療・看護をとりまく状況を変革できる基礎的能力を養います。看護の対象となる、個人や家族、集団、地域社会について、多角的にとらえ実践できる能力を育てます。

(看護学科カリキュラムの特色)学年が進行するにつれ、各領域の理解が深まるだけでなく、学んだことが互いに関連づけられ、看護学として統合できるよう構成されています。(資格・免許)看護師(国家試験受験資格)、保健師(国家試験受験資格・選択)、養護教諭一種免許状(選択)、養護教諭二種免許状(保健師免許取得及び必要となる科目の修得による)※保健師および養護教諭一種の資格・免許に必要な科目履修については、人数に制限があります。

*(参照)大学の公式HP→山梨県立大学看護学部

山梨県立大学看護学部・後期小論文の入試傾向と特徴

山梨県立大学看護学部の後期入試における小論文は、毎年60分・800字・200点という形式で実施されています。配点は全体の約15〜17%程度を占めており、合否に大きく影響する重要な科目です。過去問を分析すると、以下のような明確な出題傾向が見えてきます。

まず出題形式は、大きく「課題文型(文)」と「課題型(課)」の2パターンに分類されます。課題文型では、著名な著作からの引用文をもとに読解力と思考力を問う問題が出題され、課題型では特定のテーマについて自分の考えを論述する形式となっています。2018年・2019年は課題文型、2020年は課題型(選択)、2021年は課題文型、2022年は課題型(議論場面の設定)と、毎年異なるアプローチで出題されており、どちらの形式にも対応できる力が求められます。

テーマの傾向としては、「コミュニケーション」「選択と責任」「生涯の豊かさ」「直感力と多様な価値観」「師弟関係や魂の継承」など、人間関係・倫理観・生き方に関する哲学的・人間学的なテーマが中心です。これは同大学看護学部の教育理念である「哲学・倫理的知」と「科学的知」を重視する姿勢と一致しており、単なる看護知識よりも深い人間理解と倫理的思考力が求められていることがわかります。

特に2022年の「議論の場面を設定し、他者の意見と自分の意見を論述する」という形式は非常にユニークで、対話的な思考力と多角的視野が試されています。看護の現場でのチームコミュニケーションを意識した出題とも考えられ、今後も類似形式が出題される可能性があります。受験生は、一方的に自分の意見を述べるだけでなく、反対意見を想定しながら自分の立場を論理的に補強する練習をしておくことが重要です。

山梨県立大学看護学部・小論文対策ポイント

①哲学・倫理的テーマへの対応力を鍛える

山梨県立大学看護学部の小論文で最も重要なのは、「哲学的・倫理的な問いに対して自分の言葉で答える力」です。「選択とは何か」「豊かな生涯とは何か」「コミュニケーションにおける責任とは何か」といった抽象的なテーマに対して、自分の体験や具体的なエピソードを交えながら論じる練習を積みましょう。日頃から「なぜ?」「どうあるべきか?」という問いを立てる習慣を身につけることが大切です。

②課題文の読解力と要約力を磨く

課題文型の問題では、文章の主旨を正確に読み取り、それに対して自分の考えを展開する力が求められます。2018年の羽生善治著『直感力』、2019年の野澤亘伸著『師弟』、2021年の曽野綾子著『老いの才覚』などのように、文学的・思想的な文章が引用されています。日頃から新書や論説文を読む習慣をつけ、「筆者の主張は何か」「自分はどう考えるか」という二段階の思考を素早くまとめる練習をしておきましょう。

③「対話的思考」を身につける

2022年の出題のように、他者の意見を想定した上で自分の意見を述べる「対話的論述」が求められる場合があります。自分の主張だけを一方的に述べるのではなく、「反論をどう処理するか」「相手の意見の何を認め、何を否定するか」という弁証法的な思考回路を訓練しておくことが重要です。ディベートの練習や、友人と特定テーマについて意見交換をするだけでも効果的です。

④800字・60分の時間配分を徹底練習する

800字を60分で書くためには、序論・本論・結論の構成を事前に決めてから書き始めることが鉄則です。目安としては、構成考案に10〜15分、執筆に35〜40分、見直しに5分程度を割り当てましょう。特に看護系の小論文では、「現場での実践」「患者・他者への配慮」「倫理観」の3要素を盛り込むと評価が高くなる傾向があります。

⑤看護に関する時事知識を蓄積する

少子高齢化、在宅医療の推進、チーム医療、コミュニケーション能力の重要性、医療倫理(インフォームドコンセント・QOLなど)といった現代医療・看護にまつわるキーワードを押さえておきましょう。これらを具体例として論述に組み込むことで、説得力のある答案が作成できます。

過去問題(後期)

2022年 60分 800字 200点/1300点(課)

【問題】あなたは今、「現代社会における他者とのコミュニケーションをめぐる責任」について議論していたと仮定します。あなたが仮定するその議論の場面を示した上で、その場で出そうな他者の意見とあなたの意見を、800字以内で論述しなさい。

2021年 60分 800字 200点/1300点(課、文)

[文章](出典)曽野綾子著『老いの才覚』(KKベストセラーズ,2010年)

【問題】文章を読み、生涯の豊かさについてあなたの考えを、800字以内で述べなさい。

2020年 60分 800字 200点/1200点(課)

【問題】人は何らかの「選択」をしています。「選択」について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。

2019年 60分 800字 200点/1200点(文)

[文章](出典)野澤亘伸著『師弟 棋士たち 魂の伝承』(光文社,2018年)

【問題】文章を読んで、あなたが感じ取ったことについて775字以内で論じなさい。次に、あなたの論述に対して25字以内で表題をつけ、最初の1行目に記しなさい。

2018年 60分 800字 200点/1200点(文)

[文章](出典)羽生善治著『直感力』(PHP研究所,2012年)

設問1 「直感を磨くには、多様な価値観をもつことだと思う。」と著者が考える理由を200字以内で述べなさい。

設問2 下線部「近視眼的な成果にばかり目を奪われ、あるいはデータに頼って情報収集に終始することでは、おそらく足りない。意図的にそれらをセーブしなければならない。」の主旨について、自分の体験をもとに、あなたの考えを600字以内で述べなさい。

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2026年度・山梨県立大学看護学部 後期小論文 予想問題

過去の出題傾向をもとに、スカイ予備校・五十嵐弓益校長が2026年度後期入試に向けた予想問題を作成しました。本番前の仕上げ練習としてぜひ活用してください。

【予想問題】課題文型(文)

次の文章を読み、設問に答えなさい。

 人は誰かを「ケアする」とき、相手の痛みや苦しみをすべて理解しようとするが、それは本質的に不可能なことである。私たちが感じる痛みは、あくまでも自分自身の痛みであり、他者の痛みを完全に追体験することはできない。しかしだからといって、ケアが無意味になるわけではない。

 むしろ重要なのは、「わかろうとする姿勢」そのものである。完全に理解できないという限界を自覚しながらも、相手の言葉に耳を傾け、表情を読み、沈黙の意味を探ろうとする営みの中に、ケアの本質がある。医療の場においても、患者の訴えをデータとして処理するだけでなく、その背後にある不安や希望に寄り添おうとする姿勢が、信頼関係の基盤となる。

 現代社会では、効率化や情報化が進む中で、人と人の関わりが希薄になりつつある。しかしそのような時代だからこそ、「わかろうとする力」すなわち共感的理解の能力が、専門的職業人にとって不可欠な資質となっている。知識や技術は学べば身につくが、他者への誠実な関心は、日常の積み重ねの中でしか育まれない。

 私たちは、完全なる理解という幻想を捨て、不完全でありながらも他者と向き合い続けることで、初めて「ケアする人間」として成長できるのではないだろうか。

(本文はスカイ予備校・五十嵐弓益による創作文です)

設問1

筆者が「わかろうとする姿勢」をケアの本質と考える理由を、150字以内で説明しなさい。

設問2

文章を読み、「他者を理解することの限界と可能性」について、あなた自身の体験や考えを交えながら、650字以内で論述しなさい。

予想問題・解答例

設問1 解答例(約140字)

筆者は、他者の痛みを完全に理解することは本質的に不可能であると認めている。しかしその限界を自覚した上で、相手の言葉・表情・沈黙に真剣に向き合おうとする姿勢こそが、ケアを成立させる根拠になると考えている。完全な理解ではなく、理解しようとする誠実な営みの中にケアの本質があるからである。

設問2 解答例(約650字)

【表題】不完全さを認めることから始まるケア

 他者を完全に理解することはできない。しかし私は、それを知った上でなお相手と向き合い続けることこそが、看護という営みの出発点だと考える。

 私が高校生のとき、祖父が入院した。病院に見舞いに行くたびに、祖父は「大丈夫だよ」と繰り返した。しかしその笑顔の裏に、死への恐怖や、家族への気遣いが隠されていたことを、後になって知った。私はその言葉をそのまま受け取り、本当の気持ちに気づくことができなかった。その経験は、今も私の中に苦い記憶として残っている。

 筆者の言う通り、他者の痛みを完全に理解することは不可能だ。しかしあのとき、私がもう少し祖父の表情や沈黙に注意を払っていれば、何かが変わったかもしれない。「わかろうとする姿勢」があれば、たとえ完全な理解に届かなくても、相手に「見てもらえている」という安心感を伝えることができる。それがケアの根幹ではないかと、私は考えるようになった。

 現代の医療現場では、電子カルテの普及や業務効率化が進む中で、患者と向き合う時間が短縮されつつある。しかしデータや数値だけでは、患者の本当の苦しみや不安を読み取ることはできない。看護師に求められるのは、限られた時間の中でも「この人を理解したい」という誠実な関心を持ち続けることではないだろうか。

 私は看護師として、完全な理解という幻想にとらわれず、不完全でありながら他者と真摯に向き合い続けたいと思う。その積み重ねこそが、患者との信頼関係を育み、本物のケアへとつながると確信している。他者への誠実な関心は、知識や技術と同じように、日々の実践の中で磨かれていくものだと、私は信じている。

山梨県立大学看護学部・志望理由書と面接対策のポイント

志望理由書で押さえるべき3つの柱

①大学の特徴と自分のビジョンを結びつける

山梨県立大学看護学部が提供するカリキュラム(人間存在領域・哲学・倫理領域・科学・研究領域・実践領域)、チューター制、学生と教員の近い関係性などに言及し、なぜこの大学でなければならないのかを具体的に示しましょう。大学の公式HPや学科案内を熟読し、自分の言葉で表現することが重要です。

②看護師を目指す動機を具体的なエピソードで語る

なぜ看護師になりたいのか、その原点となる体験や出来事を具体的に述べましょう。家族の入院体験、ボランティア


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