[rerun: b4] 面接対策は“受験のため”だけじゃなかった。研修医になって気づいた、「伝える力」が医師に必要な理由 | 推薦入試のスカイ予備校

面接対策は“受験のため”だけじゃなかった。研修医になって気づいた、「伝える力」が医師に必要な理由

研修医コラム

面接対策は“受験のため”だけじゃなかった。

研修医になって気づいた、「伝える力」が医師に必要な理由

医学部受験というと、どうしても筆記試験の話に意識が向きます。 英数理をどこまで仕上げるか。共通テストでどれだけ取るか。二次試験でどこまで戦えるか。

もちろん、そこが大事なのは間違いありません。 でも、医学部受験にはもう一つ、ほとんどの人が避けて通れないものがあります。

それが「面接」です。

受験生の中には、面接を「最後のおまけ」くらいに考えている人もいます。 「筆記さえ通れば、よほど変なことを言わなければ大丈夫」 そんな空気を感じることもあります。

しかし、実際には面接がしっかり点数化され、合否の差がつく大学も多いです。 そして、医師として働く今になって思うのは、その傾向にはちゃんと理由があるということです。

面接対策で学んだ「伝える力」は、受験のためだけの技術ではありませんでした。 むしろ、患者さんと向き合ううえでの基礎だったと感じています。


1. なぜ、医学部で面接が重視されるのか

これは単純に「人柄を見るため」で片づけられがちですが、それだけではないと思います。 医師は、知識だけで成り立つ仕事ではありません。

  • 患者さんに説明する
  • 不安を受け止める
  • 家族に状況を伝える
  • 看護師や他職種と連携する
  • 上級医に報告する

現場はこうした場面の連続です。 つまり医学部側は、「この人はきちんと相手に伝えられるか」「相手の問いを理解して、落ち着いて受け答えできるか」という部分を見たいはずなのです。

知識があるだけでは回らない場面が本当に多い。 だからこそ、面接を重視する受験傾向には一定の納得感があります。


2. 鍛えられるのは「うまく話す力」ではない

面接というと、流暢に話せる人が有利だと思われがちです。 しかし、本当に大事なのは技術的な上手さではありません。

  • 聞かれたことに過不足なく答える
  • 話を長くしすぎない
  • 結論を先に伝える
  • 自分の考えを、自分の言葉で説明する
  • 相手が何を知りたいのかを意識する

こうした力の方がはるかに重要です。 これはそのまま患者さんとの会話にも通じます。

患者さんが知りたいのは、医学書のような難しい説明ではありません。 「自分の病状はどうなのか」「これから何をするのか」「どんなリスクがあるのか」 そこを、相手に伝わる形で整理して話す必要があります。

「自分が話したいこと」ではなく、「相手が聞きたいこと」に合わせて言葉を組み立てる感覚。 これが面接対策を通して身についたことは、今思えばかなり大きかったです。


3. 「話した」と「伝わった」の大きな違い

面接練習でよくあるのが、「言いたいことは言えたのに、なぜか評価が良くない」という状態。 これは、「話したこと」と「伝わったこと」が違うからです。

たとえば「なぜ医師を目指すのですか」という問いに、熱意を込めて長く話しても、内容が散らかっていたら相手には届きません。逆に、短くても整理されていれば、その人の言葉としてスッと入ってきます。

この差は、医療現場でも顕著に出ます。

  • 説明したつもりでも、患者さんには伝わっていない
  • 専門用語を使いすぎてしまう
  • 情報量が多すぎて、結局何が大事か分からなくなる

こういうことは、研修医になってから何度も経験します。 だからこそ、受験の時に「伝わる話し方」を意識した経験は、思っていた以上に意味がありました。


4. 面接対策は「自分をよく見せる練習」ではない

模範解答を覚えてきれいに見せようとしても、意外と通用しません。 少し聞き方を変えられただけで崩れるし、深く突っ込まれると中身の薄さが出てしまいます。

大事なのは、自分の考えを整理することです。

  • なぜ医学部なのか
  • なぜこの大学なのか
  • 過去の失敗から何を学んだのか

こうした問いに対し、自分の言葉で説明できるようにしておく準備。 これは単なる受験対策を超えています。 医師になってからも、患者さんへの説明や上級医への報告において、「頭の中が整理されている人」はやはり強いのです。


5. 苦手な人ほど、早めに準備を

人前で話すのが苦手だったり、緊張しやすかったりする人ほど、面接を後回しにしがちです。 しかし、面接は才能だけで決まるものではありません。「準備」でかなり変わります。

  • よく聞かれる質問に、自分の言葉で答える準備をする
  • 一度声に出してみる
  • 人に聞いてもらって、分かりにくい箇所を修正する

この積み重ねだけで、印象は劇的に変わります。 そしてその過程で磨かれた「伝える力」は、受験が終わっても決して無駄になりません。


最後に:合格の先まで残るもの

医学部受験の時は、「合格するために必要だからやる」という感覚で十分だと思います。 まずは受かることが最優先です。

でも、あとから振り返ると、面接対策で身につけた 「相手の意図を考える」「短く整理して話す」「落ち着いて受け答えする」 という力は、間違いなく医師としてのコミュニケーションの土台になります。

医学部受験の面接は、筆記のおまけではありません。 医師として必要な力の「入口」です。

受験のためにやった対策が、数年後にちゃんと現場で生きる。 これは、私が研修医になって実感した大切なことの一つです。

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