記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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【推薦入試】群馬県立女子大学 文学部 国文学科(小論文過去問題解説)
群馬県立女子大学 文学部 国文学科とは
群馬県立女子大学は、群馬県佐波郡玉村町に位置する公立大学です。文学部国文学科では、日本語・日本文学・中国文学(漢文学)および日本語教育を専門的に学び、豊かな人間性を培うことを目指してカリキュラムを編成しています。少人数教育を大切にし、学生一人ひとりが深く文学・言語と向き合える環境が整っています。
所在地:群馬県佐波郡玉村町上之手1395-1
アクセス:JR高崎線「新町(群馬県)」駅から永井バスで約10分(玉村町役場行きか前橋公園行きで県立女子大前下車)
群馬県立女子大学 文学部 国文学科の入試傾向と特徴
群馬県立女子大学文学部国文学科の学校推薦型選抜(推薦入試)では、小論文が中心的な選抜方法として位置づけられています。試験時間は60分、字数は700字以上800字以下という制約があり、限られた時間の中で的確に自分の考えをまとめる力が求められます。
出題の特徴として、課題文型の小論文が採用されており、文学・言語・表現に関わる文章が題材となることが多い点が挙げられます。過去には荒井裕樹の著作『まとまらない言葉を生きる』が題材として使用されており、文章を深く読み込み、筆者の主張を正確に理解した上で自分の意見を展開する力が問われています。単なる課題文の要約に終始するのではなく、課題文を踏まえながらも自分自身の考えや経験・具体例を織り交ぜて論述できるかどうかが合否を分けるポイントです。
また、国文学科の性格上、日本語の正確な運用能力・語彙力・表現力も評価対象となります。誤字脱字はもちろん、文体の統一(「だ・である調」の徹底)、段落構成の論理的なつながりにも十分注意が必要です。読解力・論述力・表現力の三つをバランスよく鍛えることが合格への近道と言えます。
一般選抜では大学入学共通テストの成績が重視されており、国語・英語を中心とした基礎学力が問われます。推薦入試と一般入試のどちらを目指す場合も、文章を読む習慣と自分の意見を論理的にまとめるトレーニングを日常的に行うことが重要です。
令和5年度 推薦入試 小論文 過去問題
問題(令和5年 学校推薦型選抜 試験時間60分)
次の文章を読んで、「うまく言葉でまとめられないものの尊さ」ということについてあなたの考えを述べなさい。字数は700字以上800字以下とします。
出典:荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』による
課題文の内容要約
著者(荒井裕樹)は「誰かの人生を言葉に変える」という仕事についての悩みを述べています。他人の人生をどれだけ知るべきか、自身の能力や資格との関係についての疑問に悩んでおり、短期の取材では文章をまとめやすいが、長期の関係を持つと内容が複雑になると語っています。
著者は「まとめられない」という状態をむしろ好ましいものとして捉えており、その感覚は「思い出の写真を整理する」感覚に似ていると説明しています。また、文章を書く行為を「要約すること」と「一端を示すこと」という2つのアプローチに分け、受け手の感受性と想像力を信じることの重要性を強調しています。著者は、言葉で表現できない部分の尊さに魅了されており、その矛盾に向き合いながら仕事を続けています。
出題意図(群馬県立女子大学の公開内容より)
読解力、表現力、論述力をはかることを目的とした小論文の問題です。出題した問題は、荒井裕樹による『まとまらない言葉を生きる』の文章を題材としました。筆者の文章を理解した上で、「うまく言葉でまとめられないものの尊さ」ということについて、自分の考えを的確な表現によって論じる力を問う問題です。
小論文 過去問題 解説
①言葉の限界と魅力
著者は、他人の人生や思い出を言葉で完全に表現することの難しさに直面しています。この難しさが言葉の限界を示すと同時に、言葉の魅力をも浮かび上がらせています。尊さとは、言葉で表現しきれない部分にこそ宿るものであり、その不完全さが人生や思い出の真の深さを物語っているとも言えます。受験生の皆さんは、この「不完全さの価値」という逆説的な発想を自分なりに深めることが重要です。
②要約と示唆の違いを理解する
著者は「要約すること」と「一端を示すこと」の違いを指摘しています。要約は情報を簡潔にまとめる行為ですが、「一端を示すこと」は読者の想像力を駆り立て、より深い感情や理解を生み出す役割を持ちます。小論文の答案でも、この視点を活かして「言葉が及ばない部分にこそ豊かさがある」という論旨を展開できると、採点者に強い印象を与えられます。
③感受性と想像力の重要性
著者は受け手側の感受性や想像力を信じることの重要性を強調しています。言葉で完全に表現できない部分については、受け手の想像力と共感がカギを握ります。この点が「うまく言葉でまとめられないものの尊さ」の本質を捉えていると言えます。答案では、自分自身の具体的な体験(詩や音楽を聴いて言葉にならない感動を覚えた経験など)を交えると説得力が増します。
④尊さを追求する過程そのものの価値
著者は、言葉で表現しきれない尊さに向き合い続けることが自身の仕事の本質であると認めています。この姿勢は、答えのない問いに誠実に向き合う知識人の態度を示しています。「言葉にならないからこそ尊い」という逆説を論じる際には、単なる感想にとどまらず、「なぜその不完全さが価値を持つのか」という理由を論理的に展開することが求められます。
群馬県立女子大学 文学部 国文学科 小論文対策ポイント
ポイント①:課題文を正確に読み解く
群馬県立女子大学の小論文では、課題文の内容を正確に把握した上で自分の意見を展開することが求められます。課題文を読む際には、「筆者の主張は何か」「その根拠はどこに示されているか」「筆者が問題提起していることは何か」という3点を意識しながら読むことが大切です。課題文の表面的な内容だけでなく、その背後にある筆者の問題意識まで読み取れるかどうかが、高得点答案と低得点答案を分けるポイントです。
ポイント②:自分の意見を論理的に構成する
700字以上800字以下という字数制限の中で、論理的かつ明快な答案を構成するためには、書く前の設計図(アウトライン)作りが欠かせません。推奨する構成は以下の通りです。
- 【序論】テーマに対する自分の立場・主張を明示する(約100〜150字)
- 【本論①】課題文の内容を踏まえた論拠を示す(約200〜250字)
- 【本論②】自分自身の具体的な経験・事例を挙げて主張を補強する(約200〜250字)
- 【結論】主張を再確認し、まとめる(約100〜150字)
この構成を意識するだけで、採点者にとって読みやすく、論理的な答案に仕上がります。
ポイント③:「言語・表現・文学」に関わるテーマへの備え
国文学科の特性上、言語・表現・文学・コミュニケーションに関わるテーマが出題される可能性が高いです。普段から「言葉とは何か」「文学の役割とは何か」「表現することの意味とは」といった問いに対して自分なりの考えを持っておくことが重要です。新聞のコラムや文学に関するエッセイ・評論を積極的に読む習慣をつけましょう。
ポイント④:日本語表現力を磨く
国文学科を志望するということは、日本語そのものへの関心・愛着を持っていることが前提です。答案の文章が美しく整っているかどうかも採点者の印象を左右します。接続詞の適切な使用、段落ごとの論旨の統一、語彙の豊富さなどを意識して、日頃から文章を書く練習を積みましょう。書いた文章を第三者(先生や予備校講師)に添削してもらうことが上達への最短ルートです。
2026年度 予想問題
予想課題文
私たちは日々、さまざまな感情や体験を「言葉」にしようと試みる。喜び、悲しみ、怒り、驚き――そうした感情は、言葉によって初めて他者と共有できるものになると私たちは信じている。しかし、言葉にした瞬間、その感情はすでに「本物の感情」とは少し違うものになってしまうのではないか、とも感じることがある。
詩人の萩原朔太郎はかつて、「詩とは言語の音楽である」と述べた。音楽が言葉を超えたところで感情を揺さぶるように、詩もまた意味の届かない領域で何かを伝えようとする。文学の本質は、言葉を使いながらも言葉を超えようとする、その矛盾した営みの中にあるのかもしれない。
現代社会では、SNSの普及により、誰もが瞬時に自分の感情や意見を「言葉」として発信できるようになった。しかしその一方で、「言葉にできない気持ち」「うまく説明できない感覚」を大切にすることが、ますます難しくなっているとも言われる。情報が言語化・可視化されることを前提とした社会において、言語化されないものの価値はどのように守られるべきなのだろうか。
言葉は世界を切り取るための道具であるが、同時に世界を狭める刃でもある。言葉にされなかったものは消えるのか、それとも言葉の外で静かに生き続けるのか。(350字)
設問1
上の文章を踏まえ、「言葉にならないものの価値」についてあなたの考えを述べなさい。字数は700字以上800字以下とします。
設問2
現代社会における「言語化」の功罪について、あなた自身の経験や具体的な事例を交えながら論じなさい。字数は700字以上800字以下とします。
予想問題 解答例(設問1)
言葉とは、人間が世界を認識し他者と意思疎通するための最も強力な道具の一つである。しかしその一方で、言葉は感情や体験のすべてを捉えきれない不完全な存在でもある。私は、「言葉にならないもの」こそが、人間の内面の豊かさや個人の固有性を支える根源的な価値を持つと考える。
課題文は、言葉が世界を切り取る道具であると同時に世界を狭める刃にもなり得ると指摘する。この逆説は、言語化という行為が持つ宿命的な限界を示している。たとえば、大切な人を失ったときの悲しみを「悲しい」という言葉に変換した瞬間、その悲しみは既成の概念の枠に押し込められ、それ以前に感じていた名もなき痛みとは微妙に異なるものになる。言葉は感情を伝えると同時に、感情を固定化・単純化してしまう側面を持つのだ。
私自身、好きな音楽を聴いたときに胸に広がる感覚を誰かに説明しようとして言葉に詰まった経験が何度もある。「感動した」「美しかった」という表現では到底追いつかない、何か複雑で繊細な感覚がそこにある。しかしその「説明できなさ」こそが、その体験が自分にとってどれほど深いものであるかを証明しているとも言える。言語化できないということは、その体験が自分の内側に深く根を張っている証拠なのではないだろうか。
SNSが普及した現代においては、すべての感情・体験を即座に言語化・可視化して発信することが当たり前とされつつある。しかしそのような社会の中でこそ、あえて「言葉にしない」「言葉の届かない場所を守る」という姿勢が重要になると私は思う。言語化されなかったものは消えるのではなく、言葉の外で静かに生き続け、その人の感受性や人格を豊かに形成していく。
言葉にならないものの価値とは、言葉によって分断される以前の、世界と自己が一体となった感覚の尊さである。私たちはその尊さを忘れず、言葉を超えたものにも真摯に向き合い続けるべきだと考える。(約750字)
スカイ予備校からのアドバイス
群馬県立女子大学文学部国文学科の小論文では、課題文を正確に読み解く読解力と、自分の言葉で論理的に表現する力の両方が問われます。「言葉・表現・文学」というテーマは国文学科ならではの出題です。答案を書く前に必ず構成メモを作り、序論・本論・結論の流れを整えてから書き始める習慣をつけましょう。スカイ予備校では、SKYメソッドによる個別添削指導で、あなたの答案を徹底的にブラッシュアップします。まずは無料LINE登録で小論文対策動画をご覧ください。
群馬県立女子大学の募集コース・定員
文学部(定員数:150人)
- 国文学科(定員数:50人):日本語・日本文学・中国文学(漢文学)および日本語教育を専門的に学び、豊かな人間性を培うことを目指してカリキュラムを編成している。
- 英米文化学科(定員数:40人):高度な英語運用能力を身につけ、英語学・英米文学・英米文化を専門的に学び、広い視野と柔軟な思考力を養う。
- 美学美術史学科(定員数:30人):美学・美術史・実技・アートマネジメントの4つの領域についての幅広い知識や技能を修得し、多様な表現を論理的に理解する力や豊かな感受性を育む。
- 文化情報学科(定員数:30人):「社会・文化」グループと情報・データを組み合わせた新しい学科(2023年新設)。
国際コミュニケーション学部
募集要項は群馬県立女子大学公式HPにてご確認ください。
まとめ:群馬県立女子大学 国文学科 小論文対策の総まとめ
群馬県立女子大学文学部国文学科の推薦入試小論文は、「言語・表現・文学」に関わる深いテーマが出題される傾向があります。合格するためには以下の3点を徹底的に鍛えましょう。
- 課題文の正確な読解:筆者の主張・根拠・問題意識を的確に把握する。
- 論理的な答案構成:



