記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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1. 過去問演習の本当の目的を理解する
一般的な誤解
多くの受験生は、過去問演習の目的を「入試の傾向を知るため」や「時間配分の練習のため」と考えています。確かにこれらも重要な要素ですが、それだけでは本来の目的を見失ってしまいます。
正しい目的の設定
過去問演習の本質的な目的は、「自分と志望校との距離を正確に把握し、適切な対策を立てること」です。つまり、単に問題を解いて点数を確認するだけでなく、その結果から具体的な改善点を見出し、実践的な学習計画を立てることが重要なのです。
目標設定の重要性
最初から合格点が取れる受験生はほとんどいません。多くの場合、30点や40点から始まるのが一般的です。この現実を受け止めた上で、どこを伸ばせば点数が上がるのかを明確にすることが、効果的な学習につながります。
2. 効果的な過去問演習の実践方法
時間配分の基本原則
過去問演習では、問題を解く時間と同じくらい、あるいはそれ以上の時間を復習に充てることが重要です。例えば、120分の試験であれば、最低でも120分の復習時間を確保しましょう。
復習時間の確保
多くの受験生は、問題を解いた後、軽く答え合わせをして終わりにしてしまいます。確かに疲れているでしょうし、次の問題に進みたい気持ちもわかります。しかし、本当の学習効果を得るためには、しっかりとした復習が不可欠です。
週単位のサイクル作り
効果的な学習サイクルは以下の通りです:
- 日曜日:過去問を解く(90分)+徹底的な復習(90分以上)
- 月~土曜日:分析で見つかった弱点の克服に集中
- 次の日曜日:別の年度の過去問で成長を確認
3. 課題分析と改善の具体的手順
課題・原因・改善策フレームワーク
効果的な分析には、以下の3ステップが重要です:
- 課題の特定
○ 具体的にどの問題で点を落としたか
○ どのような種類の問題が苦手か - 原因の究明
○ なぜその問題が解けなかったのか
○ 知識不足なのか、解法の理解不足なのか - 改善策の立案
○ どの教材で補強するか
○ どのような練習方法が効果的か
具体的な分析例
英語の空所補充問題を例に考えてみましょう:
- 表面的な分析:
○ 「空所補充問題が苦手だから、たくさん練習しよう」 - 深い分析:
○ 文法知識の不足
○ 熟語の用法理解不足
○ 文脈理解の問題
それぞれの原因に応じて、具体的な対策が変わってきます:
- 文法が弱い→基礎文法書の復習
- 熟語が弱い→熟語集での用法の確認
- 文脈理解が弱い→長文読解の練習
改善計画の立て方
- 週単位の計画を立てる
○ 日曜日:過去問演習と詳細な分析
○ 平日:弱点克服のための集中学習
○ 土曜日:週の学習の振り返り - 具体的な改善目標を設定
○ 例:「今週は熟語の用法を50個マスターする」
○ 例:「基礎文法書の第3章まで完全理解する」 - 進捗の確認方法を決める
○ 毎週の過去問でどれだけ改善したか確認
○ 弱点となっていた問題タイプの正答率をチェック
4. まとめ
過去問演習で成績を上げるためには、以下の3点が重要です:
- 目的を正しく理解する
○ 単なる演習ではなく、弱点発見のツールとして活用 - 適切な時間配分を行う
○ 解く時間と同等以上の復習時間を確保 - 体系的な分析と改善を行う
○ 課題・原因・改善策のフレームワークを活用
○ 具体的な改善計画を立てて実行
この方法を継続的に実践することで、確実に点数アップを実現することができます。大切なのは、「ただ解く」のではなく、「分析して改善する」という意識を持ち続けることです。