人生の大勝負である大学受験。試験内容以外の事で心配したくないと思いますが、素朴な疑問が多々あると思います。
たかが服装と思われるかも知れませんが、されど服装。服装一つで心持ちも印象も変わります。
面接の際には、まず初めに面接官の目にとまるのが身だしなみです。
当日の朝に慌てて準備する事のないように、あらかじめ確認をして準備を整え、時間と心に余裕を持って試験会場に向かえるように。
今までの努力の成果を存分に発揮できるよう、まずは身だしなみから整えていきましょう。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
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大学受験に挑む服装は?
まず初めにお伝えしておくのは、筆記試験において服装の決まりは特に無いということです。
だからと言って何でも自由でいいというわけではなく、注意点はいくつかありますのでそれをお伝えしたいと思います。
1:カンニング対策としてNGとされる服装がある
制服を着用する場合にはあまり心配はありませんが、私服を着用する場合は注意が必要です。
英字や漢字のロゴやデザインがあるものは、カンニング対策としてNGとされています。場合によっては着替えさせられる事もあるそうです。
お気に入りの服を着て行っただけなのにあらぬ疑いをかけられてはたまりませんよね?
なので、私服を着用する場合には出来るだけ無地のものを選ぶと良いでしょう。
現役生は基本、制服でOkです。
卒業生や制服のない学校の生徒は、私服はNGです。
リクルートスーツに準じた服装が無難です。
2:着脱しやすい服装が良い
大学受験は冬真只中の寒い季節なので厚手の服を着込んで行くと思いますが、試験会場内は暖房が効いているので場合によっては少し暑く感じるかも知れません。
暑いのを無理に我慢しては体に良くないうえ、頭も働かなくなってしまいます。
なので、少し暑いなと感じた時に服装で温度調節ができるように、着脱しやすい服装を選ぶようにしましょう。
夏の受験はクーラー対策、冬の受験はヒーター対策が必須です。
秋の入試は気候が変わりやすいので、温度調節できる服装+膝掛け(念の為)の準備がいいでしょう。寒い廊下で面接時間まで待たされることもあります。
制服の方はブレザーの下にセーターやカーディガンを着ておくと、ブレザーを脱いで調節できます。
私服の方もセーターやカーディガンで問題ありませんが、着脱しやすいようにボタンやファスナーが付いているものを選ぶと良いでしょう。
3:普段着慣れている服装がベスト
普段から受験勉強の際に着慣れている服装が一番リラックスして試験に臨めるので、現役生は制服で受験する方が多いです。
しかし最初にお伝えした通り、服装に関して特に決まりがないため、必ずしも制服を着用しなければいけないわけではありません。普段からよく着ているお気に入りの服や、受験勉強するときにいつも着ていた上着などがあればそれを着て行くのも良いでしょう。
気合を入れて新品の服を新調したりすると、それだけで普段と違う環境に緊張してしまう可能性がありますので、わざわざ新品を用意するのではなく自身が落ち着く服装がベストです。
現役生で、あえて制服ではいかずに新調のリクルートスーツでいく強者もいます。
それはそれで、面接などで自分を魅せる演出とも言えます。
面接の時の服装と髪型は?
受験の際の服装について、いくつか注意点をお伝えしてきましたが、さらに面接の時の服装についてお話していきます。
面接の時は制服を着用するのがベストです。学生の象徴である制服はシンプルかつ清潔感があり、面接試験には一番向いている服装だと言えるでしょう。
しかし、ただ制服を着ていればいいというわけではなく、その中でも注意点はありますので男女別に見ていきましょう。
1:男性の場合
基本的には学校規定の通りに着用すればいいのですが、ベルトはシンプルなものを選びましょう。派手な色はもちろん、大きなバックルのものやビジューなどのキラキラしたものが装飾されているものもNGです。
靴は革靴やローファーになると思いますが、土やほこりが付いた状態で行かないように、一度磨いておきましょう。
さらに、髪型についても注意点があります。
卒業生は、あえて短髪にする、という選択もあります。
受験は人生が決まりますので、少しでも不利な状況は排除しておきましょう。
2:女性の場合
男性と同じく学校規定の通りに着用しますが、スカートの丈については膝丈がベスト。ただし、学校規定がある場合は規定の長さにします。
太ももが見えるほどのミニスカートはNGです。
シンプルかつ清潔感が大事になるので、ネイルはもちろんNG。メイクについては、塗り過ぎず自然な仕上がりになるようにして、アイシャドウなどに色味は使わない方が良いでしょう。目を大きく見せるためのアイラインも引く必要はありません。フェイスパウダーを薄塗するだけ、眉毛を書くだけくらいにとどめておいて、ごちゃごちゃメイクをするのはやめましょう。
髪型についての注意点はこちらです。
女子生徒は、長い髪の上にマスクをしていると、まったく印象が薄くなります。
声のトーンや頷く動作などがさらに重要になってきます。
3:男女共通の注意点
ワイシャツやブラウス、ズボン、スカートにシワがないように、あらかじめアイロンをかけておきましょう。
着用する際には、シャツのボタンは一番上まできちんとしめること。ネクタイやリボンはその上に重なるように綺麗に着けましょう。第一ボタンをあけてネクタイやリボンを緩めるなどはもっての外です。
髪型については男女それぞれに注意点がありましたが、共通して言えることは、染髪はNGであるという事です。通常のカラーやブリーチをして色が抜けてしまっているような派手なカラーリングをしているなら、髪色戻しのカラーリングをして元の色に戻しておきましょう。
無事に受験が終わって晴れて大学生になったらまた好きな色にカラーリングできますよ。
男女ともに制服着用の場合には、とにかく学校規定の通りに余計なアレンジはせずシンプルに着こなすことです。
ポケットに色々と物が入っているのは出しておき、胸ポケットにペンをさしていたら外しておきましょう。
常識的な服装、制服のきこなしであれば、それが理由で不合格となることはありません。
気を配ることは重要ですが、あまり時間をかけすぎるのは良くないと思います。
浪人生のなど制服が無い時は?
浪人生など制服が無い方についても、制服を着用する方と同じく、シンプルかつ清潔感があることが大切です。
男性の場合
基本的にはスーツを着て行くのが良いでしょう。
色は黒や紺などがおすすめ、派手な色は避けるようにしましょう。
足元については、革靴やパンプスになると思いますが、下駄箱に仕舞い込んでいて出してみたら埃をかぶっていた、という事にならないように一度磨いておくと良いです。
男性のネクタイについては、派手な柄物は避け、シンプルな無地の物が良いでしょう。
もちろん、着崩してネクタイを緩める事はせず、シャツの一番上までボタンをしめてネクタイをキチンとしめましょう。鏡で確認してください。
靴は高校時代のローファーなどで良いと思います。
上靴が必要な場合は、高校時代の体育館シューズでOKです。
しっかりと選択をして白い状態でいきましょう。スリッパは色柄があるので、使わないほうが無難です。
女性の場合
女性でスカートスーツの場合は、ストッキングに注意です。
普段履き慣れていないストッキングを履くと、ふとした瞬間に伝線する可能性があります。
ストッキングは予備を持っておくのが良いでしょう。
現役生でも、そもそも学校指定の制服が無い私服校に通っている方もいると思います。
そんな方もシンプルを基本とし、フォーマルに仕上げましょう。
スーツを持っている方はスーツを着て行くのが良いですが、現役生でスーツを持っている方は少数だと思いますので、私服で面接スタイルを作ります。
ジャケット、シャツ、ズボン又はスカート。このスタイルを基本として、色味は抑え、黒系や紺色を選びましょう。
女性のスカートに関しては、膝丈がベストです。ロング丈はNGですが、太ももが見えるほどのミニスカートももちろんNGです。膝が隠れるくらいの適度な長さを選びましょう。
ズボンについては、ジーンズはNGです。フォーマルでシンプルな物を選びます。上着とちぐはぐにならないように色味を合わせておくと良いでしょう。
ジャケットは着ているだけでキチンと感が出ます。スーツの上着のような形のジャケットを羽織る事をお勧めします。
寒さ対策のため。ジャケットの中にセーターやカーディガンを着ても良いですが、だらしなく見えないように、あまりジャケットの裾や袖から飛び出さないようにした方が良いです。
フォーマルなスタイルを揃えるのが大変だからと言って、既存のスーツの上着だけ使うのは良くないので、スーツがあるならそのままスーツを着て行きましょう。
ジャケットは大学生になってからも普段着として使えるので、手持ちの服で悩むようでしたら、思い切って買ってみるのもいいかも知れません。
最近は女子生徒もパンツスタイル(ズボン)も良いと思います。
スカートが苦手な人は、パンツスタイルで受験に行くこともおすすめです。
用意しておくと便利な物
受験票や学生証、筆記用具など、受験に必須な持ち物は受験概要に記載されていると思いますが、それ以外に持っておくと便利な物をご紹介します。
1:持込みが許可されているもの
試験によって、辞書や電卓、定規などの持込みが許可されている場合があります。必ずしも持っていかなければならない物ではありませんが、あれば何かの役に立つはずです。
ただし、電子辞書や関数計算機能が付いている電卓などはNGとされるなど、条件がある場合もありますので、受験概要をよく確認しましょう。
時計がない受験会場もあります。普段から、スマホを時計代わりにしている人は、アナログの腕時計を用意しましょう。家電量販店などでは1000円くらいで買えます。
お父さん、お母さんが若い頃に使っていたアナログ時計をお守りがわりにもっていくのもいいですね。
2:参考書やノート
今までの受験勉強で散々使ってきた参考書や、自分が沢山書き込んできたノートなどを持っていると、休憩時間などに読み返すことができます。
いつも使っていた物を読み返すことによって気持ちを落ち着かせることも出来るかも知れません。
受験時に「この1冊を持参する!」というお守りノート・参考書を普段の勉強の時から作っておきましょう。この1冊をチェックすれば、直前はOK!にしておくと安心です。
3:防寒具
寒い季節での受験となりますので、カイロや上着、ひざ掛けなどの防寒具を持っていると良いでしょう。
雨や雪が降る可能性もありますので、替えの靴下も持っていると便利です。履き替えた後に濡れた靴下を入れるビニール袋も一緒に用意しておきましょう。
特に女子生徒で冷え性の人は、季節関係なく周到な準備をしましょう。
秋入試でもホッカイロのようなものを持参する受験生も決して珍しくありません。
試験中に体が冷えて、トイレに何度もいくことは避けたいものです。
4:体調管理グッズ
緊張で頭が痛くなったり、お腹が痛くなったりするかも知れません。頭痛薬や胃薬などを持っておくと良いでしょう。また、常備薬がある方はそちらもお忘れなく。
糖分補給をして頭を働かせるために、チョコレートや飴玉を持っておくとちょっとした隙間時間に食べられます。リフレッシュするために、ミントタブレットも良いと思います。
空気が乾燥して喉が痛くなる事もあるので、のど飴を持っておいても良いでしょう。
体調とは関係ありませんが、普段から持っているお守りをもっていくと良いです。
普段の勉強のときも、そのお守りを見て、握りしめて、毎日の受験勉強を乗り切るのです。
そのお守りが、受験当日のあなたを支えてくれます。
5:エチケットグッズ
ハンカチ、ティッシュ、予備のマスク、携帯用消毒液などは持っておくと良いです。
手を洗った時や、寒さで鼻水が出た時などに必要になります。
また、雨や雪のなかで会場に向かう可能性もありますので、会場内に入る前に自身やカバンなどを拭けるように、ハンカチとは別に、ハンカチより大きめのタオルを1枚持っておくと良いでしょう。雨の度合いにもよりますが、ハンカチでは足りないのと、そこでハンカチを使ってしまうと完全に湿るので後で使えなくなってしまいます。
マスクは個包装のものを5−6枚持参しましょう。
また携帯用のティッシュを多めに。試験中に鼻血がでてしまった生徒もいます。
そんなときは、鼻血の処理も重要ですが、乱れた精神状態をいかに戻すかが重要ですが。
6:腕時計
会場にも時計は設置されていると思いますが、遠くて見えにくい場合もあります。スマートフォンで時間を確認するわけにはいきませんので、腕時計をつけておくと便利です。
ただし、シンプルな物にして、アラームなどの音がならないように確認をしておきましょう。
スマホは、会場に入ったら電源を切ってカバンへ。試験の合間や昼食中もスマホは見てはいけません。カンニングと思われないことも重要ですが、外からの情報をすべてシャットアウトして、精神的に安定を保つことが理由です。試験が終わり、会場を出たらスマホ利用OK!
7:眼鏡
視力の悪い方で、普段はコンタクトレンズを使用している方はカバンの中に眼鏡を忍ばせておくことをお勧めします。
受験は、普段と違う環境の中で長時間の戦いになります。普段から着け慣れているコンタクトレンズでも、ちょっとした空気の乾燥などで目が乾いて視界が悪くなり、試験に集中できなくなる事があるかも知れません。そんな時には思い切ってコンタクトレンズを外して眼鏡をかけられるように準備だけはしておいて損はないでしょう。
目薬やメガネケースも持参を忘れずに!
メガネが当日、落として壊れるケースはあまりないと思いますが、壊れたら困る生徒は、スペアの予備のメガネも持参すると良いでしょう。
8:筆記用具
筆記用具は鉛筆またはシャーペンを複数本用意することは必須です。鉛筆派の人は鉛筆削りも忘れないで持参してください。そして注意すべきことは、消しゴムを複数用意すること。消しゴムは試験中に落とすことがよくあります。
1個しかない場合、机から落として、遠くまで転がってしまうこともあります。その結果、1個しかないため、挙手をして試験監督者にとってもらいます。このこと自体は問題ない、不正行為ではありません。しかし、その動作で失う時間は取り戻せません。
試験監督者に消しゴムをとってもらう場合も、他の受験生の足元や椅子の下など、迷惑をかけます。であれば、消しゴムを複数用意しておいて、1個落としてもそのままにして、試験が終わってから落ち着いて回収するほうが精神的に安定します。
持参する消しゴムのケースは事前に全部外しておこう!
消しゴムのケースがあると、不正を疑われます。
複数の消しゴムを用意して、全部ケースを外しておきましょう。
まとめ
大学受験における、服装や髪型、持ち物についてお話してきましたが、服装や髪型が直接合否に関わるわけではありません。ただし、カンニング対策などのトラブルを回避するため、面接官に良い印象を与えるためにそれぞれの注意点を確認して、シンプルに無難なスタイルで行きましょう。
受験前日はどうしても緊張すると思います。
しかし前日は、最後に詰め込もうと無理に勉強するのではなく休息を取ることを優先させましょう。しっかりと睡眠時間を確保して受験当日に備えてください。持ち物や当日に着て行く服は前日に準備して忘れ物がないか確認をしておきましょう。同時に、受験当日の天候や交通情報も調べておくと良いです。
当日の朝にあれやこれやと慌てることのないように、当日はゆっくり朝食をとり、時間に余裕をもって出掛けられるように心掛けてください。
当日にできることは何もありません。今までの自分の努力を信じて全力を出し切るだけです。
最後はそれぞれが自分を信じて、合格への道を切り開きましょう。
上でも書きましたが、受験直前の1冊のノートはとても有効的な方法です。
受験日に持参する1冊ノートを各科目1冊ずつ用意しておきましょう。
これまでに自分ができなかった問題の弱点集などだと、さらに効果的です。